義務化の対象となるカスタマーハラスメントの定義
まずは、カスタマーハラスメントの正確な定義を理解しましょう。ここでは、厚生労働省の定義を基に、カスタマーハラスメントに該当する具体的な行為を紹介します。
カスタマーハラスメントの定義
改正労働施策総合推進法と厚生労働省の指針では、職場におけるカスタマーハラスメントを、以下3つの要素をすべて満たすものとしています。
| 判断要素 | 内容 |
|---|---|
| 顧客等による言動である | 顧客、取引先、施設利用者、今後サービスを利用する可能性がある者などによる言動 |
| 社会通念上許容される範囲を超えている | 要求内容、手段、態様などが、業務の性質や事情に照らして許容範囲を超えている |
| 労働者の就業環境を害している | 心身に苦痛を与え、通常どおり働くことが難しくなるなど、就業環境に悪影響を及ぼしている |
「社会通念上許容される範囲を超えた言動」とは、顧客等の言動の内容が契約内容からみて相当性を欠くもの、または手段や態様が相当でないものを指します。言動の内容と手段・態様のいずれか一方だけが許容範囲を超えている場合でも、カスハラに該当する可能性があります。
判断に当たっては、言動の目的や経緯、業種・業態、業務の内容、頻度、継続性、労働者の心身の状況などを総合的に考慮します。顧客等からの苦情や申入れのすべてがカスハラに該当するわけではなく、社会通念上許容される正当な申入れとは区別しなければなりません。
また、「労働者の就業環境が害される」とは、顧客等の言動によって労働者が身体的または精神的な苦痛を受け、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。
従業員30人以上の企業・団体を対象とした令和5年度の厚生労働省調査によると、回答企業の27.9%が過去3年間に従業員から「顧客等からの著しい迷惑行為」の相談を受けています。報告された迷惑行為の内容としては、継続的・執拗な言動、威圧的な言動、精神的な攻撃、拘束的な言動などが挙げられます。また、企業が被った損害や被害の主な内容として、通常業務の遂行への悪影響や労働者の意欲低下などが報告されています。
※参考:職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要(令和5年度厚生労働省委託事業)
具体的なカスハラ行為の類型
カスハラに該当する可能性がある行為には、次のようなものがあります。
- 長時間の電話や居座りによって従業員を拘束する
- 同じ内容のクレームや問い合わせを繰り返す
- 大声、暴言、侮辱、人格を否定する言動を行う
- 暴力や脅迫によって従業員を威圧する
- 土下座や過度な謝罪を強要する
- 契約内容を著しく超えるサービスや不当な賠償を要求する
- SNSへの悪評投稿をほのめかして要求を通そうとする
- 従業員を盗撮したり、無断で撮影したりする
- 従業員の個人情報をインターネット上に投稿する
カスハラは対面での言動に限られません。電話、メール、チャット、SNSなどを通じて行われる言動も対象になり得ます。
ただし、これらはカスハラの典型例であり、限定的な列挙ではありません。個別の経緯、言動の内容、頻度、継続性、業種・業態などを総合的に考慮して判断します。
カスハラ対策義務化の法改正内容
カスタマーハラスメント対策の義務化は、従業員を顧客等からの著しい迷惑行為から守り、安心して働ける職場環境を整備するための重要な法改正です。
2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法に基づき、労働者を雇用するすべての事業主に、カスタマーハラスメントを防止するために必要な雇用管理上の措置を講じることが義務付けられています。対象は企業規模を問わず、中小企業も含まれます。
内容(1)労働施策総合推進法改正の具体的な内容
カスハラ対策義務化は、改正労働施策総合推進法に基づくものです。厚生労働省の指針では、職場におけるカスタマーハラスメントについて、顧客等の言動であり、社会通念上許容される範囲を超えたものによって、労働者の就業環境が害されるものと整理されています。
なお、「カスハラ法」や「カスハラ防止法」という名称の独立した法律が制定されたわけではありません。カスハラ対策の義務化は、労働施策総合推進法の改正によるものです。
ここでいう「顧客等」には、商品やサービスの利用者だけでなく、今後利用する可能性がある人、問い合わせを行う人、取引先の担当者、契約交渉の担当者、施設・サービスの利用者やその家族、施設の近隣住民なども含まれます。
また、「職場」は通常勤務する事業所内に限りません。取引先の事務所や顧客の自宅など、労働者が業務を遂行する場所も対象です。対象となる労働者には、正社員のほか、パートタイム労働者や契約社員なども含まれます。
そのため、店舗や対面接客のある企業だけでなく、BtoBの営業、カスタマーサポート、ヘルプデスク、コンタクトセンターなど、顧客接点を持つ幅広い企業で対応が必要です。
厚生労働省の指針では、事業主が講ずべき措置を5つの柱、10項目で整理しています。
| 5つの柱 | 10項目 | 企業に求められる対応内容 |
|---|---|---|
| 1.事業主の方針等の明確化と周知・啓発 | ①カスハラに対する方針の明確化と周知・啓発 | カスタマーハラスメントに毅然と対応し、労働者を保護する方針を明確にしたうえで、労働者に周知・啓発する |
| ②カスハラの内容と対処方法の周知 | カスハラの内容と、管理監督者への報告、可能な限り一人で対応させないこと、犯罪に該当し得る言動がある場合の警察への通報など、あらかじめ定めた対処内容を労働者に周知する | |
| 2.相談体制の整備 | ③相談窓口の設定と周知 | カスハラに関する相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する |
| ④相談窓口担当者が適切に対応できる体制の整備 | カスハラに該当するか判断が難しい場合や、発生するおそれがある場合も含め、相談窓口担当者が適切に対応できる体制を整える | |
| 3.事後の迅速かつ適切な対応 | ⑤事実関係の迅速かつ正確な確認 | 相談者や関係者から状況を確認するなど、事実関係を迅速かつ正確に把握する |
| ⑥被害を受けた労働者への配慮 | カスハラが確認された場合は、行為者から労働者を引き離す、配置を変更する、産業医や専門家につなぐなど、被害を受けた労働者へ適切に配慮する | |
| ⑦再発防止措置の実施 | 方針の再周知、対応手順や社内体制の見直しなど、再発防止に向けた措置を講じる。事実が確認できなかった場合も、必要に応じて同様の措置を行う | |
| 4.悪質なカスハラを抑止するための措置 | ⑧悪質なカスハラへの対処方針と体制の整備 | 特に悪質と考えられるカスハラへの対処方針をあらかじめ定め、労働者に周知する。警告、店舗・施設への出入り禁止、警察や弁護士との連携など、必要な対処を実施できる体制を整える |
| 5.併せて講ずべき措置 | ⑨相談者等のプライバシー保護 | 相談者や関係者の個人情報、相談内容などを保護するために必要な措置を講じ、その内容を労働者に周知する |
| ⑩相談等を理由とする不利益取扱いの禁止 | 相談や事実関係の確認への協力を理由として、解雇その他の不利益な取扱いを行わない旨を定め、労働者に周知・啓発する |
内容(2)義務化による企業への影響
改正法の施行前は、顧客等からの著しい迷惑行為への対応は、国の指針において事業主が行うことが望ましい取組とされていました。改正労働施策総合推進法では、カスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が事業主の義務として定められています。
また、義務化によって企業の取り組み姿勢は採用活動や企業イメージにも直結します。カスハラ対策が不十分な企業は、従業員の離職リスクが高まるだけでなく、社会的評価の低下や取引先からの信頼喪失につながる可能性があります。
カスハラ対策の義務化で企業は何をする?今すぐ取り組むべき対策
2026年10月施行の改正法と厚生労働省の指針を踏まえ、企業が講ずべき措置は、主に次の5つです。
- 方針と対処内容を定め、労働者へ周知する
- 相談体制を整備する
- 事実確認、被害を受けた労働者への配慮、再発防止を行う
- 悪質なカスハラを抑止できる体制を整える
- 相談者等のプライバシーを保護し、不利益取扱いを禁止する
これらは、法律と指針に基づき事業主が講ずべき措置です。実際に取り組む際は、自社の状況を把握したうえで、基本方針、相談窓口、対応マニュアル、周知・研修などを順に整備します。
対策(1)現状把握・カスハラ実態調査を行う
まず、自社でどのようなカスハラが発生しているのか、どの部署や業務に負荷が集中しているのかを把握します。
過去の相談件数、発生部署、顧客等の言動、対応履歴、現場担当者が判断に迷った事例などを整理しましょう。コンタクトセンターやヘルプデスクでは、長時間通話、同じ問い合わせの繰り返し、暴言、過度な謝罪要求、対応者への人格否定などが発生していないかを確認します。
現状を把握することで、法令上の定義を踏まえ、自社の業務ではどのような言動がカスハラに該当し得るのか、どの部署にどのような対策が必要なのかを具体化できます。
なお、実態調査自体がすべての事業主に一律に課される独立した法定義務というわけではありません。自社に合った対策を整備するための実務上有効な取組として行います。
対策(2)基本方針とカスハラへの対処内容を明確化し、従業員へ周知する
企業は、カスハラに毅然と対応し、労働者を保護する方針を明確にします。基本方針では、正当なクレームとカスハラを区別するための判断基準を示すことが重要です。
正当な申入れには誠実に対応する一方、労働者の安全や尊厳、業務の継続を脅かす言動には、組織として対応することを明記します。併せて、管理監督者への報告、複数名での対応、専門部署への連携、対応の中断・終了、警察への通報など、カスハラが発生した場合の対処内容を定めます。
策定した方針と対処内容は、社内規程、社内ポータル、掲示、研修などを通じて労働者へ周知します。方針だけでなく、現場担当者が実際に取るべき行動まで示すことで、「どこまで対応すべきか」を個人で抱え込む状態を防げます。
なお、対策の運用に当たっては、消費者の権利や障害者差別解消法にも留意が必要です。障害者が不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、合理的配慮を申し出ること自体は、カスハラには該当しません。
対策(3)相談窓口を定め、適切に対応できる体制を整備する
カスハラに関する相談を早期に把握し、適切に対処するため、相談窓口をあらかじめ定めて労働者へ周知します。
必ずしもカスハラ専用の窓口を新設する必要はありません。既存のハラスメント相談窓口と共通化したり、現場の管理監督者を相談担当者として定めたりすることも可能です。
相談担当者には、判断が難しいケースにも対応できるよう必要な知識を共有し、人事、総務、法務などの関係部署へ連携する手順を定めておきます。
相談窓口は、明確な被害が発生した場合だけでなく、「カスハラに該当するか判断に迷う」「対応を続けてよいかわからない」といった段階でも利用できるようにします。相談先と利用方法を分かりやすく示し、労働者が早い段階で相談できる状態を整えましょう。
対策(4)カスハラ対応マニュアルとエスカレーション基準を整備する
カスハラが発生した際に現場担当者が迷わず行動できるよう、具体的な対応手順をマニュアルにまとめます。
マニュアルには、主に次の内容を記載します。
- 初期対応の方法
- 事実関係の確認方法
- 管理者や専門部署へ報告する基準
- 複数名での対応に切り替える基準
- 対応を中断・終了する条件
- 対応内容の記録方法
- 警察や弁護士などへ連携する基準
たとえば、同じ要求が長時間繰り返される場合、暴言や威圧的な言動がある場合、労働者の安全が脅かされる場合など、エスカレーションが必要となる状況を具体的に示します。
現場で起こり得る状況に即して判断基準を明文化することで、担当者による対応のばらつきを抑え、組織として一貫した対応を取りやすくなります。
対策(5)従業員への周知・研修と記録・改善の仕組みを整える
基本方針や対応マニュアルは、労働者に内容が理解され、実際の対応に活用されてはじめて機能します。
方針、カスハラの判断基準、相談窓口、初期対応、エスカレーション基準などを労働者へ周知し、業務や役割に応じて研修を行います。
また、発生した事案を記録し、対応上の課題を把握できる仕組みを整えます。記録は、類似事案への対応やマニュアルの見直しに活用します。
この段階では、研修と記録の仕組みを設けることが重要です。対象者別の研修内容、社内の役割分担、具体的な記録項目、改善の進め方については、後段で詳しく解説します。
カスハラ対策義務化による企業へのリスクと対応策
カスハラ対策の義務化によって企業には新たなリスクが生じます。しかし、適切な対応を取ることでリスクを軽減し、従業員の安心や企業の信頼性向上といった効果も期待できます。ここでは、想定されるリスクと具体的な対応策を確認しましょう。
リスク(1)義務違反時の行政措置
義務違反が確認された場合には助言、指導または勧告の対象となり、勧告に従わない場合には、その旨が公表される可能性があります。また、行政は必要な報告を求めることができます。勧告に従わなかった旨の公表は、信用の低下などの影響をもたらし、中長期的な企業価値に影響する可能性があります。
また、適切なカスハラ対策を怠ったことで従業員が精神的被害を受けた場合、安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる可能性もあります。このため企業には、法令と指針に沿って必要な対策を適切に講じることが求められます。
リスク(2)従業員と企業への影響
カスハラは従業員の業務パフォーマンス低下や体調不良、恐怖感による休職・退職を引き起こし、企業の人材確保や育成コストの増大をもたらします。さらに、クレーム対応による本来業務の停滞、売上・利益の低下、ブランドイメージの悪化といった直接的な経営への影響も深刻です。
他の顧客への影響も考慮する必要があります。カスハラ行為によって他の顧客の利用環境や雰囲気が悪化する可能性があります。そのため、適切な対策を取り、このような多面的なリスクを予防することが重要です。
効果的なリスク軽減策
リスク軽減のためには、カスハラの判断基準を明確化し、要求内容の妥当性と手段の相当性を客観的に評価する仕組みを構築します。一貫した対応を実現するために、事実関係の確認手順や証拠の収集方法、対応記録の作成ルールを標準化しましょう。
また、従業員の安全確保のため、暴力や脅迫を伴う場合は、従業員の安全を最優先に対応を中断し、必要に応じて警察へ通報できる体制を整備します。被害を受けた従業員への精神的ケア、産業医との連携、医療機関の紹介なども重要な対策となります。
自社だけで改正法と指針に沿った社内体制を整備することが難しい場合や、リスクを確実に軽減する体制を構築したい場合は、外部専門家によるトータルサポートを活用するのが近道です。
カスハラ対策は現場任せではなく組織設計が必要
基本方針、相談窓口、対応マニュアルを整備しても、それぞれが個別に運用されているだけでは、カスハラ発生時に十分に機能しない可能性があります。
重要なのは、一次対応者、管理者、相談窓口、人事・総務、法務などをつなぎ、相談の受付から事実確認、対応判断、被害を受けた労働者への配慮、再発防止までを組織として動かせる状態にすることです。
ここでは、前章で整備した対策を実際の現場で機能させるために、教育、役割分担、記録、改善をどのように設計するかを解説します。
設計(1)従業員向け教育研修プログラムの設計
研修は、方針やマニュアルを周知するだけでなく、労働者が自分の役割に応じて判断し、行動できるように設計します。
一次対応者には、カスハラの判断基準、初期対応、記録の取り方、相談方法、対応を続けずに管理者へ引き継ぐ基準などを伝えます。
管理者には、部下から相談を受けた際の事実確認、対応方針の判断、被害を受けた労働者への配慮、関係部署への連携などを重点的に教育します。
相談窓口の担当者には、判断が難しい事案への対応や、相談者のプライバシー保護についても共有します。
実際の事例を基にしたケーススタディやロールプレイングを取り入れると、知識だけでなく、現場で必要となる判断や対応を確認できます。
方針と対処内容は、顧客対応部門に限らず、すべての労働者へ周知します。そのうえで、実務研修の対象や内容は、顧客対応の有無や担当する役割に応じて設定しましょう。
設計(2)組織における役割分担とエスカレーション体制
カスハラ発生時に組織が円滑に動けるよう、各部門の役割と判断権限を明確にします。
たとえば、次のように役割を分けます。
- 一次対応者:初期対応、状況の記録、管理者への報告
- SV・現場管理者:対応継続の判断、担当者の交代、安全確保
- 相談窓口:相談の受付、情報管理、関係部署への連携
- 人事・総務:被害を受けた労働者への配慮、就業上の対応
- 法務:警告、対応終了、出入り禁止、法的措置の検討
- 経営層:基本方針の決定、重大事案への対応判断
役割分担と併せて、どのような場合に次の担当者や部署へ引き継ぐのかを定めます。長時間の拘束、暴言、脅迫、個人情報の拡散、暴力など、判断が必要となる状況を具体的にしておくと、一次対応者が抱え込まずに済みます。
また、自社の労働者が取引先などの労働者にカスハラを行った疑いがあり、相手方の事業主から事実確認などへの協力を求められた場合は、これに応じるよう努める必要があります。
自社が被害を受ける場合だけでなく、自社の労働者が行為者となる場合も想定し、相談受付、事実確認、相手方との連携、必要な社内対応の担当部署を決めておきましょう。
設計(3)記録・証跡を残し、再発防止に活かす
記録は、個別事案の事実確認に使うだけでなく、組織として判断の一貫性を保つためにも重要です。
記録項目は、次のように統一します。
- 発生日時と対応場所
- 顧客等の言動と要求内容
- 対応した労働者と責任者
- 実施した対応
- エスカレーションの経緯
- 対応を中断・終了した理由
- 労働者への配慮や事後対応
記録様式を統一することで、別の担当者や部署が事案を引き継ぐ場合も、状況を正確に把握しやすくなります。また、過去の類似事案や対応結果を参照できるため、担当者による判断のばらつきを抑えられます。
コンタクトセンターやヘルプデスクでは、通話録音、対応履歴、チャットログ、メールなども事実確認の材料になります。
録音・録画データを取得・利用する場合は、個人情報保護法などを踏まえ、利用目的、保存期間、閲覧権限、社内共有の範囲を定めておきましょう。
設計(4)継続的な改善の仕組み作り
記録した事案は、個別対応が終了した時点で保存するだけでなく、対策の見直しに活用します。
定期的に事案を振り返り、次の点を確認します。
- 判断基準は現場で理解されていたか
- 相談窓口へ適切につながったか
- エスカレーションの時期は適切だったか
- 被害を受けた労働者への配慮は十分だったか
- マニュアルに不足している手順はなかったか
- 同様の事案を防ぐために追加すべき対策はあるか
確認結果を基に、判断基準、対応マニュアル、研修内容、相談・報告フローを見直します。
個人の対応の良し悪しだけを評価するのではなく、組織として設計した仕組みが機能したかを検証することが重要です。現場からの意見や新たな事例、業界動向も反映し、継続的に対策を改善していきましょう。
コンタクトセンター・ヘルプデスクにおけるカスハラ対策のポイント
コンタクトセンターやヘルプデスクでは、電話、メール、チャットなど非対面での顧客対応が多く、対面接客とは異なる形でカスハラが発生することがあります。たとえば、長時間の電話、同じ内容の執拗な問い合わせ、暴言、威圧的な発言、過度な謝罪要求、担当者個人への攻撃などは、オペレーターや担当者に大きな心理的負担を与えます。
こうした現場では、一次対応者を一人で抱え込ませないための仕組みづくりが重要です。対応を続けるべきか、会話を終了してよいか、どの時点でSVや管理者に引き継ぐかを明確にし、現場が迷わずエスカレーションできる体制を整えましょう。
また、通話録音、対応履歴、チャットログ、メール履歴などを適切に記録することで、事実確認や再発防止に活用できます。対応履歴を蓄積し、FAQやナレッジとして整備することで、一次対応のばらつきを減らし、組織全体の対応品質向上にもつながります。
※参考:令和8年10月1日から、 カスタマーハラスメント対策、求職者等に対する セクシュアルハラスメント対策が義務化されます!(PDF)
カスタマーハラスメント対策研修ならパーソルビジネスプロセスデザインへ
カスハラ対策の義務化により、企業には基本方針の明確化や相談体制の整備、発生後の対応などが求められます。制度やマニュアルを用意するだけでなく、役割分担や対応手順を明確にし、現場で機能する体制を整えましょう。
パーソルビジネスプロセスデザインのカスタマーハラスメント対策サービスでは、社内の実態調査をもとに、貴社におけるカスハラの定義づけや基本方針の策定を支援します。さらに、現場で使える対応マニュアルの作成や、従業員向けの教育・研修にも対応しています。
また、従業員向けの一次相談窓口の代行、被害を受けた従業員への配慮・ケア、発生事例を今後の対策に生かすためのナレッジ蓄積など、必要な支援を組み合わせてご利用いただけます。
「改正法や指針に沿って何から着手すべきか分からない」「自社に合った判断基準や対応ルールを整えたい」「マニュアルや研修、相談体制をまとめて見直したい」といった課題をお持ちの場合は、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインへご相談ください。