「BPO×DX」が注目される理由
従来のBPOがリソース不足の補填や業務効率化をおもな目的としていたのに対し、DXを取り入れたBPO(DX-BPO)では、業務の自動化・高度化を通じてビジネスの成長そのものに貢献します。
DX-BPOを活用すれば、AIによるデータ分析で新たなインサイトを提供したり、RPAで定型業務を完全に自動化したりすることが可能です。
単なる業務効率化を超えた「新たな価値創出」を実現できるため、多くの企業から戦略的パートナーとして注目を集めています。
また、BPOをうまく活用しながらDX推進を図ることで、企業はコスト削減や業務効率向上などの恩恵を受けられる可能性があります。
例えば、DX化を進めるためには、デジタルリテラシーや情報セキュリティに対する姿勢を、組織内に浸透させなくてはなりません。このとき、BPOによって人材育成や研修を外注すれば、企業はコア業務に注力しつつDX化を進められるでしょう。
BPO・DXについては、以下の記事で詳しく解説をしています。
DXを取り入れたBPO(DX-BPO)を導入する5つのメリット
自社のビジネスをより成長させるには、DX化されたBPOを積極的に導入することが効果的です。
ここからは、DX化されたBPOを導入するメリットを紹介します。
1.長期的なコストの削減が期待できる
非効率的に行なっていた業務をBPOサービスに委託することで、企業は人件費や運営費などの長期的なコストを削減できる可能性があります。
特に、AIやRPAによる自動化・最適化されたBPOを活用することで、プロセス全体のコストパフォーマンスが劇的に改善されるでしょう。
BPOのなかでも、クラウド技術を基盤とするBPaaSは、特にDX推進との相性が良いサービスです。業務を外部へ委託すると同時にAIやRPAを活用することで、業務の最適化が実現し、コストパフォーマンスの改善や業務効率の向上が期待できます。
BPaaSについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2.業務の効率化が図れる
BPOのメリットとして、「ノンコア業務を外注することでコア業務に注力できる」ことが挙げられます。
一方、DXーBPOでは、外注した業務をAIやRPAなどのテクノロジーを使ってDX化することで、スピードと精度が最適化することができます。
例えば、委託したコア業務を同じシステムで管理する「BPaaS)を導入することで、メール等でのデータのやり取りが発生せず、シームレスに仕事を進めることが可能になります。
コア業務については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
3.社外ノウハウを活用できる
DX-BPOによって、AI導入やデータ分析といった、自社にはない最新のデジタル技術に関する専門知識やノウハウを活用できます。
特にRPAやAIに関する進化はすさまじく、専門的な知識や技術がないと適切に扱いきれない可能性もあります。
特に「DX化を行いたいが、社内に専門的な人材がいない」場合に社員の負担を軽減しつつ、DX化をスピーディーに進めるための選択肢がDX-BPOだといえます。
4.競争力の強化につながる
BPOの導入によってリソース不足が解消され、業務効率化が進めば、新たな分野の開拓などに投資できます。その結果、企業においてイノベーションが推進され、持続的な成長や競争力の強化につながるでしょう。
また、BPOベンダーから提供されるデータ分析や改善提案により、データに基づいた迅速な意思決定が可能になり、競争優位性を確立できます。
BPOによって確保した資金でDXを推進し、AIやビッグデータを活用すれば、さらなる競争力の向上が期待できます。
デジタル技術によって業務プロセスを洗練させ、リアルタイムでの意思決定力を高めることで、他社に先んじて新戦略を打ち出せるようになるでしょう。
BPO(DX-BPO)導入に向いている業務
BPOに委託できる業務プロセスは多岐にわたりますが、代表的な例としては以下が挙げられます。
- カスタマーサービス
- 経理業務
- 営業事務
- 総務
- 人事・採用業務
カスタマーサービスでは、AIチャットボットを使った一次応対をしつつ、複雑な問い合わせについてはオペレーターに繋げるような仕組みにすることが可能です。
オペレーターで対応していたやり取りについても、AIに知見をためていくことで、将来的に人が介在せずともAIで完結できるようになるなど、ただのBPOではなくDXも交えたBPOが可能になります。
また、経理や営業事務、総務などは業務が幅広いものの、定型化できるタスクを抜き出してBPOに委託することで、デジタル技術の活用による生産性向上を図れます。
例として、AI-OCR(光学的文字認識)で請求書や領収書を読み取り、データ化を自動化するシステムなどが挙げられます。
人事・採用業務では、例えば福利厚生や社会保険などに関する業務をBPOで外部に委託して社内の負担を軽減できるでしょう。
そのうえでDX推進に注力すれば、データの可視化による高度な人材マネジメントなどが実現しやすくなります。
パーソルビジネスプロセスデザインのサービス事例
パーソルビジネスプロセスデザインでは、これらの業務領域のBPOサービスを提供しています。
- カスタマーサービス……ヘルプデスク・コンタクトセンター
コールセンターや事務領域の代行だけでなく、DX支援を行なうコンサルティングも提供しています。 - 経理業務・営業事務・総務……BPOサービス
プロセス改善とデジタル活用による生産性向上をサポートしています。 - 人事・採用業務……人事BPOサービス
フルパッケージの人事ソリューションで、DX推進などのニーズに合わせて柔軟に運用可能です。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、上記のほかにも多彩なBPOサービスをご用意しています。BPOの導入を検討している場合は、気軽にご相談ください
DXを取り入れたBPOを導入する際の4つの注意点
ここからは、DX-BPOを活用する際の4つの注意点を解説します。
1.目的・戦略を明確にする
BPOを導入する前に、業務効率の向上など目的を明確にしておくことが大切です。業務プロセスの流れをしっかりと把握し、どの業務を委託するべきかよく検討する必要があります。
また、戦略を立てる際は、企業理念などを踏まえて長期的な視野で考えることが重要です。
もし、「具体的にどの業務をアウトソーシングすると良いのか分からない」という方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。
パーソルビジネスプロセスデザインのBPOサービスでは、アウトソーシングの準備段階(目的整理)のフェーズからご支援させていただきます。
詳しくは以下をご確認ください。
DXの進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
2.デジタル人材を確保orベンダーの選定
BPOを活用する場合も、DX推進を図る際は社内にデジタル人材を確保しておくのが賢明です。デジタル人材を配置することで、DXに関するノウハウを社内に蓄積しやすくなり、組織全体のデジタルリテラシー向上につながります。
仮に、社内人材が不足している場合は、外部のBPOベンダーの選定を行なうとよいでしょう。ベンダー選定で失敗しないためには、実績や専門性、セキュリティ、DX提案力、担当者との相性などを比較し、自社の成長につながるサービスを見極める必要があります。
DX人材育成のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
3.信頼できるBPOサービスを選ぶ
BPOサービスを選ぶ際は、提案されるDXソリューションの質や技術力、自社の成長にどう貢献してくれるかといったポイントを考慮し、戦略的視点で見極めることが重要です。
また、セキュリティ体制や専門性、導入実績、導入までにかかる期間なども確認しましょう。進行状況の透明性を確保するうえで、担当者と密にコミュニケーションが取れるかどうかも重要なポイントとなります。
サービス選びでコスト面だけを優先すると、品質低下や情報漏洩リスクの増大、進捗管理の不透明化といった問題が発生する可能性もあります。価格と品質のバランスを見極めたBPOサービスの選定がDX化成功の鍵となるでしょう。
まとめ
BPOをうまく活用することで、企業は効率的にDXを推進できます。BPOの導入とDX推進をかけ合わせ、業務効率の向上、リソース不足の補填、さらには持続的な成長や競争力の強化といったメリットを享受しましょう。
また、DXを効果的に進めるためには、デジタル人材の確保や、信頼できるBPOサービスの選定といったポイントに配慮することも重要です。
パーソルビジネスプロセスデザインのBPOサービスでは、豊富な人材と最先端のテクノロジーを組み合わせた充実したサポート体制を整えています。DX推進で生産性を最大限に向上したい場合は、BPOサービスの利用をぜひご検討ください。