DXで社内問い合わせが増えるのはなぜ?問い合わせが減る企業との3つの違いを解説【イベントレポート】

DXで社内問い合わせが増えるのはなぜ?問い合わせが減る企業との3つの違いを解説【イベントレポート】

※本記事は、2026年7月7日に開催したウェビナー

「DX社内問い合わせが増えた企業と、増えなかった企業の分岐点」

で紹介した内容をもとに再構成しています。


目次

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    DX後に問い合わせが急増するのは自然な現象

    DXを推進したにもかかわらず、「問い合わせが増えてしまった」と悩む企業は少なくありません。
    しかし、実はDX後の問い合わせ増加は珍しいことではなく、多くの企業で発生する自然な現象です。重要なのは問い合わせ件数そのものではなく、その後の対応や改善活動にあります。

    新しい仕組みの導入は「分からない」を生み出す

    DXでは、これまで利用していた業務フローやツールが変更されるケースが多くあります。たとえ利便性が向上する仕組みであっても、利用者にとっては新しい操作方法やルールを覚える必要があります。
     例えば、紙の申請業務をワークフローシステムへ移行した場合、「申請画面はどこか」「承認状況はどこで確認できるのか」といった問い合わせが発生します。これはシステムの品質が低いからではなく、利用者が新しい環境へ適応する過程で起こる、ごく自然な反応なのです。

    DXによって利用者が増えるケースも多い

    DXの目的の一つは、これまで一部の担当者しか利用していなかった業務や情報を、多くの社員が活用できる状態にすることです。一方でシステム利用者が増えることにより、問い合わせの総数も増加します。

    経費精算や各種申請を全社的にデジタル化した場合、利用者が数十人から数百人規模へ拡大する場合もあります。利用者数が増えれば、一定割合で発生する疑問やトラブルの件数も増えるため、問い合わせが増加するのはむしろDXが浸透している証拠とも言えるでしょう。

    本当に見るべきは「問い合わせ件数」ではない

    企業が注目すべきなのは、問い合わせ件数の増減ではなく、その内容です。

    同じ問い合わせが何度も寄せられている場合、それは利用者の問題ではなく、「ナレッジが共有されていない」「FAQが見つけにくい」「解決情報が蓄積されていない」といった組織的な課題が隠れている可能性があります。

    問い合わせは、利用者がどこでつまずいているのかを知るための貴重な情報源です。発生した問い合わせを分析し、FAQやナレッジとして再利用できる仕組みを構築できれば、問い合わせは徐々に自己解決へと置き換わっていきます。

    DX後に問い合わせが増えることを失敗と捉えるのではなく、改善のヒントが集まる機会と捉えることが、問い合わせ削減への第一歩となるのです。

    問い合わせが増え続ける企業に共通する2つの課題

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    DX推進後に問い合わせが増えること自体は自然な現象ですが、本来であれば利用者の習熟やナレッジの蓄積によって、問い合わせ件数は徐々に落ち着いていくはずです。それにもかかわらず、いつまでも同じような問い合わせが発生し続ける企業には、共通する課題があります。

    問い合わせ対応が「個人の経験」に依存している

    問い合わせが減らない企業の多くでは、対応内容が担当者個人の知識や経験に依存しています。

    例えば、同じ内容の問い合わせが発生するたびに、ヘルプデスク担当者がメールやチャットで個別回答しているような対応が属人化しているケースです。その場では問題が解決したように見えますが、回答内容が組織の資産として蓄積されないため、別の利用者から同じ質問が来れば再び対応が必要になります。

    また、経験豊富な担当者ほど多くの問い合わせを抱え込みやすく、業務の属人化も進みます。その結果、「知っている人に聞く」文化が定着し、利用者自身が解決策を探そうとしなくなる悪循環に陥ります。

     問い合わせ削減を実現するためには、個人の知識を組織のナレッジとして蓄積・共有できる仕組みづくりが欠かせません。

    ナレッジが存在しても活用されていない

    もう一つの大きな課題が、ナレッジの活用不足です。

    FAQサイトやマニュアルを用意している企業でも、「探しづらい」「情報が古い」「どこに掲載されているか分からない」といった理由から利用されていないケースが少なくありません。

    特に、「機能別」「システム別」に整理されたナレッジは、利用者視点では必要な情報を見つけにくい傾向があります。利用者は「パスワードを忘れた」「申請が承認されない」といった困りごとから情報を探すためです。

    そのため、ナレッジは蓄積するだけでなく、利用者が検索しやすく、すぐに自己解決できる状態で提供する必要があります。どれだけ多くのFAQを作成しても、活用されなければ問い合わせ削減にはつながりません。

    問い合わせ削減には継続的な改善が必要

    問い合わせが増え続ける企業は、「問い合わせ対応」で業務が完結しています。一方で問い合わせを減らせている企業は、対応後に分析・ナレッジ化・改善までを継続的に実施しています。

    問い合わせは利用者の不満やつまずきを可視化する貴重な情報源です。同じ問い合わせが繰り返される背景を分析し、ナレッジや業務プロセスの改善につなげることで、初めて問い合わせ削減のサイクルが回り始めます。問い合わせを単なる対応業務として捉えるのではなく、DX推進を加速させるための改善材料として活用することが重要です。

    問い合わせ削減の鍵は「ナレッジ活用サイクル」

    問い合わせ削減に成功している企業と、問い合わせが増え続ける企業の違いはどこにあるのでしょうか。その大きな差の一つが、問い合わせ対応で得た情報をナレッジとして活用できているかどうかです。問い合わせは単なる対応業務ではなく、利用者が困っているポイントを把握できる貴重な情報源です。この情報を組織的に活用することで、継続的な問い合わせ削減が実現できます。

    問い合わせ対応を「その場限り」で終わらせない

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    多くの企業では、問い合わせを受けた担当者が個別に回答し、そのまま対応が完了してしまいます。しかし、この運用では同じ問い合わせが何度も発生し、担当者の負荷は減りません。


    問い合わせ削減を実現するためには、対応内容をナレッジとして蓄積し、再利用できる状態にすることが重要です。特に繰り返し発生する問い合わせは、FAQやマニュアル化することで、多くの利用者が自己解決できるようになります。

    その場の問題解決だけでなく、「次回同じ問い合わせを発生させないためにはどうすべきか」という視点を持つことが重要です。

    問い合わせデータから課題を分析する

    問い合わせは利用者の困りごとそのものです。そのため、発生した問い合わせを分析することで、業務プロセスやシステムの改善ポイントが見えてきます。

    例えば、「ログイン方法が分からない」という問い合わせが頻発している場合、利用者の理解不足だけでなく、ログイン画面への導線や説明不足に原因があるかもしれません。また、「申請方法が分からない」という問い合わせが多い場合は、マニュアルの構成や検索性に課題がある可能性があります。

    問い合わせ件数だけを見るのではなく、内容や発生傾向を分析することで、根本的な改善施策につなげることができます。

    ナレッジを継続して改善し続ける仕組みを作る

    ナレッジは一度作成すれば終わりではありません。利用者のニーズや業務環境は変化し続けるため、ナレッジも継続的な更新が必要です。

    問い合わせ対応で得た新しい知見を反映し、利用者が検索しやすい形に改善していくことで、ナレッジの価値は高まります。そして、ナレッジの活用によって問い合わせが減少し、新たな問い合わせからさらなる改善点を見つける。この循環こそが「ナレッジ活用サイクル」です。

    問い合わせ削減を実現している企業は、このサイクルを継続的に回しています。問い合わせ対応、分析、ナレッジ化、改善という流れを組織に定着させることが、持続的な業務効率化とDX推進の成功につながるのです。

    FAQやチャットボットが機能しない3つの理由

    問い合わせ削減の施策として、FAQサイトやチャットボットを導入する企業は少なくありません。しかし、「FAQを整備したのに利用されない」「チャットボットを導入したのに問い合わせ件数が減らない」といった課題を抱えるケースも多く見られます。その原因は、ツールそのものではなく、運用やナレッジの設計にあることがほとんどです。

    FAQを作ることが目的になっている

    FAQが機能しない企業に共通するのが、「FAQを作ること」が目的化していることです。

    問い合わせ対応でよくある質問をまとめていても、利用者が実際に検索する言葉とFAQのタイトルが一致していなければ、必要な情報を見つけることはできません。また、一度作成したFAQを更新せず、情報が古くなっているケースもあります。

    利用者が求めているのはFAQの数ではなく、困ったときにすぐ解決できる情報です。そのため、FAQは問い合わせ内容の変化に合わせて継続的に見直し、改善していく必要があります。

    利用者視点ではなく、管理者視点で設計されている

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    FAQやチャットボットが活用されない理由として、情報の整理方法が利用者視点になっていないことも挙げられます。

    例えば、「人事システム」「ワークフロー」「IT資産管理」といったシステム単位で情報を分類している場合、利用者はどこを見ればよいか分からないことがあります。一方で利用者は、「パスワードを忘れた」「申請ができない」といった困りごとから解決策を探しています。


    そのため、ナレッジはシステムや機能ではなく、利用者の課題や行動を起点に構成することが重要です。利用者が迷わず必要な情報へたどり着ける設計でなければ、どれだけ充実したコンテンツがあっても活用されません。

    チャットボットはナレッジの質以上には賢くならない

    近年は生成AIを活用したチャットボットへの期待が高まっています。しかし、チャットボットは万能ではありません。

    回答のもとになるナレッジが不足していたり、情報が古かったりすれば、チャットボットも適切な回答を返せなくなります。その結果、利用者は「結局解決できない」と感じ、問い合わせ窓口へ連絡することになります。


    つまり、問い合わせ削減を実現するためには、FAQやチャットボットの導入だけでは不十分です。まずは問い合わせ対応で得られた知見を蓄積し、利用者が活用しやすい形で整備することが重要です。良質なナレッジが蓄積されてこそ、FAQやチャットボットは本来の効果を発揮し、利用者の自己解決を促進できるようになるのです。

    AI導入前に整備するべきナレッジ基盤

    生成AIやAIチャットボットの活用が広がるなか、問い合わせ削減を目的にAI導入を検討する企業も増えています。しかし、AIを導入するだけで問い合わせが減るわけではありません。

    AIが適切な回答を返すためには、もとになるナレッジが整備されていることが前提です。FAQやマニュアル、過去の問い合わせ対応履歴が整理されていなければ、AIも正確な回答を返せません。

    また、多くの企業では情報がメール、Excel、SharePoint、担当者の個人フォルダなどに分散しています。この状態では利用者が情報を探しにくいだけでなく、AIも十分に活用できません。

    重要なのは、問い合わせ対応で得られた知見を継続的にナレッジとして蓄積し、誰もが活用できる状態にすることです。AIは万能な解決策ではなく、整備されたナレッジを有効活用するための手段です。問い合わせ削減を実現するためには、まずナレッジ基盤を整え、その上でAIを活用することが重要です。

    問い合わせ件数を大幅に削減した企業事例

    当社が支援した企業の中にも、DX推進やシステム導入後の問い合わせ増加に課題を抱えるケースがありました。これらの企業では、問い合わせ対応が属人化していたり、FAQやナレッジが十分に活用されていなかったりする状況が見られました。

    そこで当社では、問い合わせ内容の分析から着手し、頻出する問い合わせのナレッジ化やFAQ改善、ナレッジ運用プロセスの整備を支援しました。その結果、問い合わせ件数は【66%削減】自己解決率が大幅に上がり人員を30名から18名へ最適化するなどの成果につながっています。

    また、問い合わせの減少だけでなく、ヘルプデスク担当者の対応負荷軽減や回答品質の平準化も実現しました。問い合わせ対応で得られた知見を継続的に蓄積・活用する仕組みを構築したことで、ナレッジが組織資産として活用されるようになったためです。

    当社の支援経験からも、問い合わせ削減の鍵は単なるFAQ作成やツール導入ではなく、「問い合わせ対応 → ナレッジ化 → 活用 → 改善」のサイクルを継続的に回すことにあるといえます。

    まとめ

    DX推進に伴う問い合わせ増加は、多くの企業で発生する自然な現象です。しかし、問い合わせが増え続ける背景には、ナレッジの属人化や活用不足といった課題が存在します。

    問い合わせ削減を実現するためには、FAQやチャットボット、生成AIといったツールの導入だけでは十分ではありません。まずは問い合わせ対応で得られた知見を蓄積し、利用者が自己解決できるナレッジ基盤を整備することが重要です。

    また、問い合わせ内容を継続的に分析し、ナレッジの改善につなげる運用サイクルを構築することで、問い合わせ件数の削減だけでなく、対応品質の向上や業務効率化も期待できます。


    当社が支援してきた企業でも、問い合わせ分析やナレッジ活用の仕組みづくりを通じて、自己解決率向上や問い合わせ対応負荷の軽減を実現してきました。DXと問い合わせ削減を両立させるためには、「問い合わせ対応」から「自己解決を促進する仕組みづくり」へと視点を変えることが重要です。

    問い合わせ削減を一時的な施策で終わらせるのではなく、継続的な改善活動として取り組むことが、DXの効果を最大化する第一歩となるでしょう。

    ヘルプデスクや問合せ削減のご相談はパーソルビジネスプロセスデザインに

    問い合わせ削減を実現するためには、FAQやチャットボット、生成AIなどのツール導入だけでなく、その効果を最大限に発揮するためのナレッジ活用基盤の整備が欠かせません。


    パーソルビジネスプロセスデザインでは、ヘルプデスク運用の改善支援をはじめ、問い合わせ分析、FAQ・ナレッジ整備、ナレッジ運用の定着化、AI活用までをトータルで支援しています。これまでの支援実績を通じて培ったノウハウをもとに、企業ごとの課題や運用状況に合わせた最適な施策をご提案します。


    ヘルプデスク業務の効率化と利用者の自己解決促進を通じて、DX推進と業務改善の両立を支援します。

    「問い合わせ件数が増え続けている」「FAQを整備したが活用されない」「AIを導入したいが何から始めればよいか分からない」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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