受付業務の効率化とは?
受付業務では、以下のような作業が求められます。
- 電話の取次ぎ
- 来訪者案内(会議室誘導)
- 来訪者の管理
- 郵便物・宅配便の受け取り
- 入館証の発行
- 入退館ログの記録・セキュリティチェック
日々の受付業務で発生する作業の中で非効率な箇所を見直し、より少ないリソースや時間で処理できるように改善することを、受付業務の効率化といいます。
受付業務の効率化を実現することで、従業員の業務負担や人為的なミスが軽減され、業務効率の向上につながるでしょう。さらに、来訪者を待たせる時間が短縮され、スムーズな対応が可能になるため、顧客満足度の向上にもつながります。
受付業務で発生する4つの課題
ここでは、受付業務で発生する課題について解説します。
- 担当者不足・負担の偏り
- アナログ運用による非効率
- 人的ミスによるトラブル
- セキュリティ対策が不十分
担当者不足・負担の偏り
近年の慢性的な人材不足により、受付業務の専任担当者を配置できず、従業員が他の業務と兼務しながら対応するケースが多く見られます。
もし、受付業務の担当者が明確に決まっていないと、来訪者への対応が人によって異なるため品質にムラが発生してしまいます。対応の質によっては企業の第一印象を損なうため注意が必要です。
また、受付業務を派遣スタッフに依存している企業も多くあります。派遣スタッフの入れ替わりが激しい場合、その都度教育コストが発生するなど、業務効率が低下する原因になります。
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アナログ運用による非効率
受付業務において紙などを使用したアナログ運用の場合、非効率な状態になっている可能性があります。
特に、以下のような状態では業務効率が下がりやすくなるでしょう。
- 来訪者情報を紙の台帳で管理している
- 電話での受付にて紙のメモを使って取り次いでいる
紙ベースでの管理は、記入やファイリングに手間がかかるだけでなく、必要な情報を探し出す際にも時間がかかり、業務全体の生産性を低下させます。
また、書類の印刷コストや保管スペースの確保といった物理的な負担に加え、紛失や盗難による情報漏えいのリスクにも注意が必要になります。
人的ミスによるトラブル
受付業務が非効率な業務フローになっている場合、人的ミスによるトラブルが発生しやすくなります。
特に、受付業務で発生しやすい人的ミスは以下の通りです。
- 文字の誤入力
- 情報の転記ミス
- 予約の重複
- 来訪者の見落とし
トラブルが発生すると来訪者に不快な思いをさせるだけでなく、企業の信頼性を大きく損ない、イメージダウンに直結する恐れがあります。
セキュリティ対策が不十分
受付業務では、来訪者の氏名や会社名といった個人情報を管理します。
紙の台帳で管理することは、常に紛失や盗難、のぞき見による情報漏えいのリスクを抱えている状態だといえます。一度情報が外部に流出してしまえば、企業の社会的信用が損なわれるため十分なセキュリティ対策が必要です。
一方で、セキュリティレベルを高めようと入館手続きを複雑にすると、来訪者の利便性が損なわれ、かえって受付業務が複雑になってしまいます。
セキュリティ強化と利便性の適切なバランスは各企業によって異なるため、自社にあった方法での対応が必要です。
受付業務を効率化する方法
受付業務を効率化する方法は、状況に応じて複数の選択肢が考えられます。
ここでは、受付業務を効率化する方法について解説します。
- 書類をペーパーレス化する
- 業務プロセスを見直す
- 受付業務のシステムを導入する
- BPOを活用する
また、受付業務を効率化するにはBPOの活用がおすすめです。受付業務に特化したBPOに興味がある方や資料を見てみたい方は、下記をご覧ください。
受付BPOサービスのご紹介
- ごあいさつ
- パーソルビジネスプロセスデザインが選ばれる3つの理由
- 受付BPOサービスの対応業務例
- 導入から運用までのステップ
- 導入事例1:メーカー様での事例
- 導入事例2:シェアードサービス様での事例
書類をペーパーレス化する
受付業務の効率化で最初に着手しやすい方法として、紙で管理している来訪者台帳や各種書類を電子化するペーパーレス化が挙げられます。
受付業務で使用している紙の書類をペーパーレス化することで、必要な情報をファイル名や日付で瞬時に検索できるようになるため、過去の来訪履歴を確認する際などの作業時間の短縮が可能です。
また、データとしてクラウドストレージのような共有しやすい環境で保管・管理することで、物理的な保管スペースや印刷にかかるコストを削減できます。
業務プロセスを見直す
受付業務の効率化を図る際には、業務プロセスの見直しがおすすめです。
たとえば、「この書類への記入は本当に必要か」「この承認フローは簡略化できないか」といった視点で業務の棚卸しを行い、無駄な作業を徹底的に洗い出して、改善します。
さらに、誰が対応しても同じ品質のサービスが提供できるよう、業務の手順を明文化することも効果的です。
業務プロセスを最適化することで、特定の担当者にしか分からないといった属人化の状態を解消し、業務品質の安定化と効率化を実現できます。
関連記事:代表電話の代行サービスの選び方や導入する際の注意点を徹底解説
受付業務のシステムを導入する
受付業務をアシストするシステムを導入することも業務効率化に有効な方法です。
システムを導入することで、来訪者の自動受付や担当者への自動通知が可能になり、受付にかかる時間を短縮できます。
たとえば、以下のような受付業務のシステムを導入することで業務効率化を実現できます。
- タブレット端末を設置するだけで利用できるクラウド型の受付システム
- AIを活用した音声応答システム
- 遠隔地からでも対応が可能なリモート受付システム
また、システムを利用することで人的ミスも減らせるため、顧客満足度の向上にもつなげられるでしょう。
BPOを活用する
BPOとは、業務の一部またはすべてを専門の業者に委託することを指します。
BPOを活用することで、自社で新たに人材を採用したり、システムを導入したりする負担をなくし、専門的なノウハウを持つプロフェッショナルに受付業務を任せることが可能です。
また、人材不足の問題を根本的に解決できるだけでなく、自社の従業員をより専門性が求められるコア業務に集中させることが可能になります。
受付業務をBPOに委託することで、来訪者の満足度の向上や人材不足の解消、生産性の向上などが期待できます。
受付業務を効率化するメリット
受付業務の効率化は、企業全体にとって多くのメリットをもたらします。
ここでは、効率化を実現することによって得られるメリットについて解説します。
- 人材不足の解消と業務の安定化を図れる
- 顧客満足度を高められる
- コストを適正化できる
人材不足の解消と業務の安定化を図れる
受付業務を、システムやBPOを活用して効率化すると、人材不足の解消と業務の安定化が期待できます。
今まで来訪者対応や電話の取次ぎに費やしていた社内の人材リソースを、別のコア業務へ再配置することが可能になるためです。
結果として慢性的な人材不足の状況下でも、限られた人員を有効に活用し、組織全体の生産性を高められます。
また、特定のスタッフのスキルや経験に依存する属人化の状態を解消できるため、受付対応の品質を安定させられます。
業務の安定性を確保できることは、事業を継続していく上での強みとなるでしょう。
顧客満足度を高められる
受付業務を効率化することで顧客の満足度を高められます。
企業の第一印象を決定づける受付対応の効率化によって常にスムーズかつ一定の高い品質で提供されるようになれば、来訪者が抱く企業へのイメージを向上させられるためです。
また、来訪履歴がデータ化されることで、リピーターへのスムーズな対応も可能になり、来客者にあわせたサービスを提供できます。
受付での良好な体験は、企業全体への信頼感につながるため、商談の成功や良好な関係構築の第一歩となりやすく、ビジネスにプラスの影響をもたらします。
コストを適正化できる
受付業務の効率化は、長期的には企業全体のコストを適正化することにつながります。
受付業務には、以下のような費用が発生します。
- 従業員の人件費
- 教育コスト
- 紙の受付票や管理台帳の印刷・保管にかかっていた費用
受付業務にBPOを活用することで業務の繁閑にあわせて人員を調整できるため、人件費を変動費化できます。もし、繁忙期にあわせて社内の人員を配置すると、閑散期に人が多くなり人件費が高くなる恐れがあるでしょう。
また、システムやBPOを活用することで、社内での教育コストが不要になります。システムでは専門的な機能が、BPOでは専門知識を持つプロが業務を担当するためです。
さらに、システムやBPOを活用することでデジタル化が進み、従来紙で運用していたコストを削減可能です。
このような観点から不要なコストを抑えられるため最適化を実現できます。
受付業務の効率化における課題
ここでは、受付業務の効率化における課題について解説します。
- 初期コストがかかってしまう
- 効率化するまでに工数が必要になる
また、受付業務の効率化にはBPOの活用がおすすめです。受付BPOについて詳しく知りたい方は以下の資料もあわせてご覧ください。
受付BPOサービスのご紹介
- ごあいさつ
- パーソルビジネスプロセスデザインが選ばれる3つの理由
- 受付BPOサービスの対応業務例
- 導入から運用までのステップ
- 導入事例1:メーカー様での事例
- 導入事例2:シェアードサービス様での事例
初期コストがかかってしまう
受付業務を効率化するための新たな取り組みには、初期コストが必要となるケースが多く存在します。
たとえば、受付システムを導入する際には、機器の購入費用やシステムのライセンス料、設置工事費などが発生します。また、BPOサービスを利用する場合も、初期費用が必要になるのが一般的です。
しかし、長期的な視点で人件費の削減や生産性の向上を実現するためには、必要な投資といえます。
事前に複数のシステムやサービスを比較し、自社の規模やニーズに合った最適なプランを選択し、コストを抑えながら長期的な効果を見極めることが大切です。
効率化するまでに工数が必要になる
受付業務の効率化は、すぐに達成できるものではなく、相応の準備期間と作業工数が必要になります。
具体的には以下のような作業が必要です。
- 現状の業務プロセスの詳細な洗い出し
- 課題を特定
- 自社に最適な解決方法を選定
- 社内ルールの策定
- 従業員への周知
準備作業は、通常の受付業務と並行して進めるため、担当者にとっては一時的に業務負担が増加してしまいます。
受付業務を効率化するにはBPOの活用がおすすめ
受付業務の効率化を目指す上で、BPOの活用は有効な解決策となります。
BPOを導入することで、業務のプロフェッショナルが持つ専門知識やノウハウを活用できます。
特に、接遇マナーなどの専門教育を受けたスタッフが配置されるため、来訪者対応の質が高まり、満足度の向上が期待できるでしょう。
また、BPOを活用することで人材不足の解消だけでなく、業務全体の流れを分析し、最適な運用体制を設計してくれるため、迅速で確実な効率化を実現できます。
これにより、自社の社員は本来注力すべきコア業務に集中でき、企業全体の生産性向上に大きく貢献します。
BPOを活用して業務を効率化した実際の事例
エンターテインメント事業などを主に行っている企業グループのシェアードサービス会社であるC社。同社では、受付業務に派遣サービスを利用していましたが、スタッフの入れ替わりが激しく、その都度発生する教育が大きな負担となっていました。
そこで、受付業務の安定化と品質向上を目的に、パーソルビジネスプロセスデザインのBPOサービスをご活用いただきました。
結果として、採用や教育にかかる負担が軽減されただけでなく、専門スタッフによる質の高い対応などが評価され、社員満足度は97.3%という高い数値を達成しました。
さらに、受付業務に加えて関連する総務事務も委託することで、社員を単純作業から解放し、コア業務へ集中できる環境を整えるなどの業務効率化に成功しております。
関連記事:社員満足度97.3%を実現!コロナ禍のピンチで生まれた「受付+総務事務」のハイブリッド運用とは
受付業務の効率化ならパーソルビジネスプロセスデザイン
受付業務の効率化は、人材不足の解消や顧客満足度の向上、そしてコストの適正化を実現するための重要な経営課題です。
本記事で紹介したように、受付業務の効率化にはペーパーレス化やシステムの導入などさまざまな方法がありますが、特にBPOの活用は多くの課題を一度に解決できる選択肢といえるでしょう。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、豊富な実績とノウハウをもとに、お客さまの要望にあわせた受付BPOサービスを提供しております。
「受付BPOについて詳しく知りたい」と興味をお持ちの方は、以下の資料で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
受付BPOサービスのご紹介
- ごあいさつ
- パーソルビジネスプロセスデザインが選ばれる3つの理由
- 受付BPOサービスの対応業務例
- 導入から運用までのステップ
- 導入事例1:メーカー様での事例
- 導入事例2:シェアードサービス様での事例