経理アウトソーシングとは?
経理アウトソーシングとは、企業における経理業務の一部、またはすべてを経理の専門知識を持つ外部の企業などに委託することです。
業務範囲は委託先の企業・事務所やプランによって異なります。給与計算だけを委託するケースもあれば、経理関連業務をまとめて任せる場合もあるでしょう。
経理業務を専門性の高い企業に委託することで、業務の効率化や社内のリソース削減が期待できます。
経理アウトソーシングで委託できる業務
経理業務は社会的に共通したルールがあり、比較的マニュアルに落とし込みやすいため、外部に委託しても円滑に遂行されやすいという特徴があります。そのため、アウトソーシングに適した業務だといえるでしょう。
それではまず、どのような経理業務を委託できるのか、6つほど例を挙げて紹介していきます。
- 記帳
- 請求・支払い管理
- 経費精算
- 給与計算
- 年末調整
- 決算申告
記帳
記帳業務は、請求や支払い、経費精算、固定資産の登録などの取引について、根拠資料をもとにして複式簿記により仕訳をおこない、会計帳簿を作成する業務です。
細かい処理で手間や時間がかかるため、アウトソーシングにより業務負担の軽減が期待できます。
請求・支払い管理
日次や月次で発生する振り込みや請求書作成などの業務も、アウトソーシングが可能です。
会社によっては膨大な量になるケースもあり、コア業務を圧迫しやすい作業でもあります。社外への対応が必要な案件に漏れを発生させないためにも、正確に処理してもらえるアウトソーシングを活用するのが効果的でしょう。
経費精算
社員が立て替えた経費の精算処理も経理アウトソーシングに委託できます。
経費精算は申請件数が多く、一件ごとに細かな確認作業が必要となるため、経理担当者の業務負担が大きくなりがちです。
アウトソーシングを活用することで、社内の経理担当者はより戦略的な財務分析や経営判断に必要なデータ作成といった、付加価値の高い仕事に注力できます。
給与計算
人事・労務の担当となりがちな給与計算も、経理アウトソーシングで頼める業務のひとつです。
給与計算業務では、従業員一人ひとりの出退勤データを精査し、残業時間や保険などを算出します。アウトソーシングにより、正確かつ迅速な給与計算が実現するでしょう。
年末調整
毎月の給与計算に加えて、年末調整も経理アウトソーシングで依頼できます。年末調整とは、毎月の給与から源泉徴収した所得税を精算する業務です。
所得税をはじめ、住民税や社会保険などに関する最新の情報が求められるため、専門知識を持った外部機関へのアウトソーシングが効果的です。
決算申告
決算書の作成と申告は、日々の経理業務の集大成ともいえる仕事です。損益計算書と貸借対照表を作成し、納めるべき税額を確定させます。
期限が定められていることに加え、監査法人に指摘された箇所を修正したり、社内各所に承認を得たりしなければならないため、かなり負担のかかる業務です。法人税の申告まで一貫してアウトソーシングできれば、担当者の負担は大きく軽減されるでしょう。
経理アウトソーシングに適した企業の特徴
ここでは、経理アウトソーシングに適している企業の特徴を4つ解説します。
- 経理業務に人員を割けない
- 次々変化する改定へスピーディーに対応できない
- 経理業務の効率化と品質向上を両立したい企業
- 成長中の企業
経理業務に人員を割けない
経理担当の人員が足りないものの、経理の人員を増やすのが難しい会社には、経理アウトソーシングがおすすめです。委託先の企業に経理業務を代行してもらえるため、その分のリソースが空き、コア業務などに集中できます。
従業員それぞれが兼務する業務の多い中小企業には、とくに適しているでしょう。経理を外部に委託していれば、急な欠員が出た際にも業務が滞る心配がないこともアウトソーシングの利点です。
次々変化する改定へスピーディーに対応できない
日々改正されていく税法や制度への対応に困っている企業にも、経理アウトソーシングはおすすめです。税法や制度などは次々と変化しており、それに都度対応していくだけでも大きな負担がかかるものです。
たとえば、2023年10月から開始されたインボイス制度や定期的に改正されている電子帳簿保存法など、突発的な対応に追われることも少なくないでしょう。また、こうした改正にはスピーディーかつ正確に対応する必要があるため、担当者としては多くのリソースを割きたい業務になります。制度の要件を満たせなければ、訂正対応などに追われてしまい、会社の利益損失にもつながりかねません。
経理アウトソーシングの専門会社などに依頼すれば、プロが適切かつ迅速な処理をおこなってくれます。その結果、余計なタスクを減らし、コア業務に専念できるようになるでしょう。
なお、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正について確認したい方は下記コラムをお読みください。
関連記事|インボイス制度とは?意味や影響、対応すべきことを解説
関連記事|電子帳簿保存法改正について徹底解説!期間や対応すべき点から罰則まで
※出典: インボイス制度の概要|国税庁
※出典: 電子帳簿保存法の概要|国税庁
経理業務の効率化と品質向上を両立したい企業
経理業務を効率的にし、品質向上を図りたい企業にも経理アウトソーシングはおすすめです。経理の仕事には、細かな業務が多くあります。膨大な仕事が溢れかえっている中で、一つひとつの業務を効率的に処理していくのはなかなか難しいものです。
また、多くの仕事をこなす中では、ミスを起こしてしまうことも十分にあり得ます。
そうした非効率な業務やミスを減らし、品質を高めたい企業に、経理アウトソーシングは適しています。アウトソーシングでは、プロが経理業務を効率的かつ確実に代行してくれるでしょう。
成長中の企業
従業員が増加している企業、あるいは新たな拠点を展開しようとしている成長中の企業もアウトソーシングを活用すると効果的です。従業員数や営業拠点が増えるほど経理業務も増え、複雑になっていきます。
今後の管理方法などについてアドバイスをもらえる場合もあるため、継続して成長している企業は早めにアウトソーシングを検討してみると良いでしょう。
経理アウトソーシングを依頼するメリット
経理アウトソーシングの導入には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、経理アウトソーシングを依頼するメリットについて4つの観点で解説します。
- コア業務に集中できる
- コスト削減ができる
- 経理業務の効率と品質向上が期待できる
- 属人化を防げる
コア業務に集中できる
経理には、投資や買収といった経営戦略の策定、予算進捗の分析や管理会計の見直しなどのコア業務が存在します。しかし、経費精算や仕訳入力などのルーティンワークにリソースを奪われてしまうと、コア業務にまで手をつけられなくなってしまいます。
そこで効果的なのがノンコア業務のアウトソーシングです。ルールさえ明確になっていれば誰がやっても問題のない作業をアウトソーシングすることで、社内の人材がコア業務に集中でき、業績向上のために取り組めるというメリットがあります。
コスト削減ができる
アウトソーシングには当然ながら費用がかかりますが、自社で経理担当の社員を雇用するよりは割安です。社員を雇うためには給料だけでなく社会保険料や福利厚生費、通勤費やパソコンなどの備品費といったさまざまなコストがかかります。繁忙期の処理が時間内に終わらなければ残業代もかさみます。
その点、アウトソーシングならば、月額制で固定料金が設定されている場合も多く、予算の管理も容易になるでしょう。
経理業務の効率と品質向上が期待できる
経理アウトソーシングのサービスを提供している会社では、専門的な知識といくつもの企業の経理を代行してきた経験を誇るプロのスタッフが業務を担当します。そのため、専門スタッフによるスピーディーかつ正確な処理が期待できます。
また、税制は法改正が頻繁なため、最新の知識を持ち合わせた専門のスタッフにアウトソーシングした方が安心だといえるでしょう。後々になって監査で指摘され、修正が発生するリスクも抑えられます。
属人化を防げる
細かな処理が求められる経理業務には、どうしても担当者独自のルールなどが発生しやすく、その人でなければわからないことが増え、属人化してしまうという問題点があります。アウトソーシングを利用すれば、経理の体制がオープンになるため、こうした問題を防げるでしょう。
それと同時に、1人しか内情を把握していないために発生する改ざんや横領などの不正を防げるというメリットもあります。
経理アウトソーシングを依頼する注意点
さまざまなメリットが期待できる経理アウトソーシングですが、少なからず注意点も存在します。ここでは3つを挙げて解説します。
- 自社の経理業務においてノウハウが蓄積できない
- セキュリティ・情報漏洩リスクを伴う
- イレギュラー対応への遅れ(タイムラグ発生)
自社の経理業務においてノウハウが蓄積できない
外部に業務を委託していると、どうしても社内に経理のノウハウが蓄積できないという懸念があります。末端の業務をアウトソーシングするとしても、処理されたデータは自社で理解し分析できなければなりません。自社の経理担当者のスキルアップ、教育・育成といった観点ではリスクとなることもあります。
アウトソーシングを提供する会社によっては、スタッフを派遣して経理担当者の育成をおこなっている場合もあるため、そういったサービスを利用しても良いでしょう。
セキュリティ・情報漏洩リスクを伴う
アウトソーシングは自社の機密情報を社外に出すことでもあるため、少なからずセキュリティ面のリスクを抱えることになります。アウトソーシング先を選ぶ際は、セキュリティ体制がしっかり整った会社にすることが大切です。
また、窓口となる自社の社員にもきちんと情報セキュリティについて教育しておく必要があるでしょう。
イレギュラー対応への遅れ(タイムラグ発生)
経理システムやツール設定の変更が必要な場合や、急なトラブル対応など、迅速な対応が求められる時にすぐに動けない可能性があります。
委託をおこなう前にインシデント発生時の要件も確認しておくよう注意しておきましょう。具体的にはトラブルが発生した際にどのくらいの期間で対応が可能なのか、スタッフの常駐(オンサイト)は可能なのか、などです。
経理アウトソーシングの依頼先と特徴
経理アウトソーシングの依頼先には、以下の2種類があり、それぞれには異なる特徴があります。
- 税理士事務所・会計事務所
- 経理アウトソーシング会社
税理士事務所・会計事務所
「アウトソーシング」と聞くと民間の一般企業を想像されるかもしれませんが、税理士事務所や税理士が在籍している会計事務所でも、経理の代行を請け負っています。
経理・税金のプロである税理士事務所、会計事務所なら、最新の税法を踏まえた処理を確実に代行してもらえます。年末調整や確定申告、決算書の作成といった業務は、税理士にしかできません。税理士の在籍する事務所なら、経理業務を丸ごと任せることも可能です。
ただし、依頼費用が高くなりがちな点はデメリットといえるでしょう。また、事務所によっては、代行する経理業務の範囲に制限を設けているところもあるため、その点にも注意が必要です。
経理業務のアウトソーシングをおこなっている企業
アウトソーシングをおこなっている企業においても、経理業務の代行が可能です。専門性の高い知識を豊富に持ったスタッフが、経理業務を請け負ってくれます。会社ごとのニーズにあわせた対応をしてもらえ、業務範囲にもよりますが比較的安価で依頼可能なアウトソーシング業者もあります。
ただし、税理士の在籍していない会社では、決算申告や年末調整業務などは請け負ってもらえないことや、使用する経理システムが指定される場合があることなどに注意が必要です。
パターン別|経理アウトソーシングの活用方法と費用相場
経理アウトソーシングには、さまざまな活用法があります。ここでは、それぞれの特徴と費用相場について解説していきます。
| 活用方法 | 費用相場 |
|---|---|
| 記帳代行のみを依頼する |
|
| 給与計算代行のみを依頼する |
|
| 決算代行を依頼する |
|
| 幅広い業務をパッケージで依頼する | 35,000円~ |
【経理BPOサービス】のご紹介
- BPO化できる経理業務
- 実際に経理BPOサービスを導入した企業さまの事例紹介
- 経理部門のノンコア業務を切り出す方法
記帳代行のみを依頼する
経理アウトソーシングを活用するうえでは、記帳のみを代行してもらうのも1つの手です。記帳とは、日々の取引の中で発生した売上や支出、経費などを帳簿につけることを指します。複式簿記により仕訳をし、会計帳簿の作成をおこないます。
記帳作業のみを経理アウトソーシングとして委託する場合の料金は、1仕訳ごとに単価が設定されていることが多いようです。
仕訳の相場は、1件50円~100円であり、次のような形で金額が上がっていきます。
| 仕訳数 | 費用 |
|---|---|
| 100仕訳 | 約10,000円 |
| 200~300仕訳 | 約20,000円 |
このように取引が多くなればなるほど、比例して費用も大きくなります。
給与計算代行のみを依頼する
経理アウトソーシングの業務の中から、給与計算代行のみを依頼する方法もあります。給与計算では、従業員一人ひとりの出退勤データをもとに、残業代や保険料、税金などを含めた月々の給与計算をおこないます。
残業時間の有無などから月々の変動があり、従業員ごとに基本給や手当などが異なり、給与の計算には毎月細かな作業と膨大な時間を要するのが特徴的です。
給与計算を外部に委託することで、月次業務の負担を減らせます。場合によっては年末調整を依頼できることもあります。年末調整は、源泉徴収により天引きされた所得税の過不足を精算する作業であり、1年に1回おこなわれる年次業務です。
業務委託における費用相場は、従業員1人分に対して、単純な計算のみで月1,000円~2,000円ほどです。
さらに、年末調整も依頼する場合は、従業員1人あたり500円~2,000円ほどが相場となります。
以下は、従業員数の規模別の大まかな金額目安です。
| 従業員数 | 月額(給与計算業務) | 月額(年末調整) |
|---|---|---|
| 10人 | 15,000円~20,000円 | 5,000円~20,000円 |
| 50人 | 40,000円~60,000円 | 25,000円~100,000円 |
| 100人 | 80,000円~100,000円 | 50,000円~200,000円 |
決算代行を依頼する
経理アウトソーシングの業務の中から、決算代行のみを依頼する方法もあります。決算代行では、決算書の作成や法人税の申告を外部に委託します。記帳から申告までを一括しておこなってもらうのが一般的です。
決算業務をアウトソーシングすることで、時間に余裕が生まれるとともに、ミスが減り適正な申告が叶います。
「決算書の作成のみ」「納税額を計算し申告するまで」など、請負範囲によって費用相場は異なります。具体的な費用相場は以下の通りです。
| ケース | 費用相場 |
|---|---|
| 経理アウトソーシングの相場 | 50,000円~200,000円 |
| 会計士や税理士など専門家の相場 | 150,000円~250,000円 |
| 償却資産申告や法定調書が必要な場合の相場 | +100,000円~200,000円 |
幅広い業務をパッケージで依頼する
幅広い業務をパッケージで依頼するのも1つの手です。経理アウトソーシングを請け負っている会社では、記帳代行から給与計算、請求・支払い業務、経費精算など基本的な業務をパッケージ化しているところもあります。
パッケージ型では、一定範囲の経理業務を丸投げし、月額で所定の費用を支払います。一つひとつの業務を上乗せする形で依頼するより、パッケージ化されたプランを選ぶ方が安価になるケースが多いです。
費用相場は、対象企業の規模や業務範囲によって大きく異なります。いくつかのプランに分かれていることが多く、最も安いプランで月額35,000円ほどの金額が一般的でしょう。長期契約することで月々の費用が安くなるところが多いようです。
パッケージ内容、費用、オプションなどは、アウトソーシング会社によって実にさまざまなので、自社のニーズにあわせてよく比較検討することが大事です。
経理アウトソーシングを成功させるポイント
経理アウトソーシングを最大限に活用するには、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 担当者とのコミュニケーションを密にとる
- どの業務をどこまで依頼するか事前に細かく打ち合わせる
- アウトソーシングをおこなう業務の優先順位を明確にする
- マニュアルを作成する
これらの点を意識することで、失敗を避けられ、自社が望むような成果を得やすくなります。
担当者とのコミュニケーションを密にとる
経理アウトソーシングを効果的に活用するには、委託先の担当者と密にコミュニケーションをとることが重要です。
何かあった際にすぐに連絡が取れる関係性を築くのはもちろん、定期的なコミュニケーションの場を設け、積極的な対話をおこなっていくことが大切です。
その手段の1つとして、委託先と業務対応状況を共有・可視化できるシートを作成し、オンライン上でのやり取りが常にできるようにすることをおすすめします。また、担当者が迅速かつ柔軟な対応をしてくれるかも、重視しましょう。
レスポンスが遅く話がなかなか前に進まない場合、経理アウトソーシングの進行が遅れてしまうリスクがあります。万が一トラブルになった際にも、すぐに解決ができず、問題が長期化してしまう可能性もあります。
経理アウトソーシングを委託する際には、担当者と密なコミュニケーションを積極的にとり、対応の品質にも目を向けると良いでしょう。
どの業務をどこまで依頼するか事前に細かく打ち合わせる
アウトソーシングをお願いする業務範囲を明確化し、事前に綿密な打ち合わせをおこなっておくことも重要なポイントです。
企業によって、どの業務をどこまで外部に委託したいかは異なるでしょう。次のような点を依頼前にしっかりと明確化することが大切です。
- 経理業務を丸ごと依頼したいのか
- ノンコア業務のみを委託したいのか
また、依頼時には、委託先に以下の点を確認し共通認識を持っておくことも大切です。
- 時期などの変動要素によって依頼したい業務の範囲が変わるのか
- その範囲はどこからどこまでなのか
お互いの認識に齟齬がある場合、いざ走り出してから、「そんなことはできない」「聞いていない」「知らなかった」といったトラブルにつながることがあります。そうした事態を未然に防ぐため、依頼内容はしっかりと固めましょう。
その際には、どの業務にどれだけ費用がかかるかを細かく計算しておくことも大事です。金額が曖昧な状態で依頼すると、後から不測のオプション費用が発生した際に、予算の都合で必要な業務を任せられなくなる可能性もあります。
依頼した内容は、いつでも振り返られるように記録・整理をしておくことも忘れないようにしましょう。万が一トラブルが発生した際に、事実をベースに対応をすればスムーズに解決ができるはずです。
アウトソーシングをおこなう業務の優先順位を明確にする
依頼する業務内容の優先順位付けも、経理アウトソーシングの大切なポイントです。
経理業務を外部に委託する目的を明確にし、その中でもとくに負担がかかっているもの、少ないものを整理しましょう。それに沿って依頼の優先順位付けをすることで、費用対効果の高いアウトソーシングが期待できます。
優先順位をつけておけば、コストが思いのほかかかってしまいそうな際などに、重点的に依頼すべき業務を適切に選定できるはずです。また、自社でできそうな業務が何かも明確になり、不要な依頼(コスト)の削減にもつながるでしょう。
マニュアルを作成する
経理アウトソーシングをするうえでは、業務のマニュアルを作成することも大切なポイントです。マニュアルを作成することで、業務の効率化が図れ、担当者が抜けた際などでもクオリティを保てます。
マニュアルを作成する際には、業務を細かく洗い出すようにしましょう。また、それぞれの業務目的を明確にし、全体像を把握できるよう整理することも大切です。
それにより、無駄な作業や一つひとつの業務にどれだけの手間がかかるのかを可視化でき、各課題の解決策を講じられるようになります。その結果、業務効率の向上が期待できます。
マニュアルを作成することで、そのほかにも以下のようなメリットを得られるでしょう。
- 業務に関する認識の齟齬を防げる
- 迅速な業務処理、対応が可能となる
- 業務の属人化やミスを防げる
マニュアルがなければ、一つひとつの業務の確認や承認に時間がかかってしまい、効率が悪くなる可能性もあります。
依頼前にマニュアル作成の有無についても確認しておくと良いでしょう。委託した際には、委託先企業でマニュアルを作成するケースが多くなります。マニュアル作成は、クライアント企業の経理業務の全体像や問題の洗い出しに役立つためです。
委託先企業がマニュアル作成に対応していない場合には、自社でしっかりとマニュアルを用意することが大切です。
自社にマッチした経理アウトソーシングの選び方
自社に適した経理アウトソーシングを選ぶうえでは、以下のような観点に着目するのがおすすめです。
- 発注方法
- 対応可能な業務範囲
- 税理士在籍の有無
- 費用対効果
それぞれの詳細について解説していきます。
発注方法
自社に適した委託先を選定するうえでは、目的に応じて発注方法を使い分けることが大切です。経理のアウトソーシングの契約形態には、「スポット型」と「常駐型」があります。スポット型とは、経理業務の一部を発注できる経理アウトソーシングです。その名のとおりスポットの発注に強く、費用は安くなります。
経理業務のマニュアルさえあれば、経理業務の一部またはすべてを委託可能です。スポット型は、ノンコア業務にかかる負担を削減し、コア業務に専念したい企業、繁忙期に利用したい企業などにおすすめです。
常駐型とは、自社に外部の経理担当者を常駐させ、業務をおこなってもらう経理アウトソーシングを指します。急な欠員対応や業務量が多い時に利用するのに適しています。自社の社員とコミュニケーションを取りながら業務をおこなうため、突発的な経理業務にも対応できるのが常駐型の利点です。
自社システムを利用して作業にあたるため、セキュリティの面でも安心感が高いというメリットもあります。スポット型と常駐型を、自社のニーズやコストにあわせて使い分けると良いでしょう。
対応可能な業務範囲
対応できる業務の範囲を確認することも、経理のアウトソーシング先を決めるうえで重要です。経理を外部委託する場合、委託先の対応範囲がどの程度か、委託内容が自社のニーズに合っているかの確認が必要です。
どれほど対応業務の範囲が広くても、自社が必要としている業務の代行をしてもらえないと、委託する意味がありません。まずは、経理業務を外部委託する目的を明らかにし、どの業務を委託するのかをはっきりと決定しましょう。
そのうえで、自社に適したアウトソーシング会社を選定することが大事です。
税理士在籍の有無
税理士が在籍しているかどうかを確認することも、経理アウトソーシングの選定において重要です。経理のアウトソーシングは、税理士など有資格者の有無によって対応の範囲も変わってきます。
先述したとおり、決算書・税務申告書の作成や、申告代行は税理士の専任業務となっており、税理士以外には委託できません。そのため、これらの業務を委託する際には、税理士が在籍しているか否かは、必ず確認すべきポイントとなります。
税理士が在籍している経理アウトソーシング会社なら、万が一トラブルがあった際や調査・監査などが入った場合にも、専門家の知識があるためスムーズに対応できるというメリットもあります。
ただし、税理士が在籍している経理アウトソーシングは、コストが高くなりがちな点はデメリットでしょう。
費用対効果
経理アウトソーシングの選定先を決めるうえでは、費用対効果で選ぶのも1つの手です。委託先の選定時に費用は重要なポイントとなりますが、ただ安さだけに注目するのはおすすめしません。
費用が安いアウトソーシングは、資格を持っていない者が業務をおこなうことで人件費を安く抑えているケースもあるためです。専門性に乏しい者の作業ではミスや勘違いなどが起きやすく、時に重大な損失を与えることもあるでしょう。
また、料金を安く設定している業者は、対応範囲が限られてしまっている場合も少なくありません。業者のWebサイトでは一見対応業務が多いように見えても、「アフターフォローが十分でない」「柔軟な対応をしてもらえない」といったこともあり得ます。
安さだけにとらわれ、上記のような業者に委託してしまうと、思わぬトラブルにつながってしまう可能性があります。その結果、時間も費用も無駄にしてしまうかもしれません。アウトソーシング先を選ぶ際には、費用の安さだけでなく、費やしたコストに対してどれだけの効果があるのかも意識することが重要です。
【経理BPOサービス】のご紹介
- BPO化できる経理業務
- 実際に経理BPOサービスを導入した企業さまの事例紹介
- 経理部門のノンコア業務を切り出す方法
BPOを活用した企業の事例
ここでは、実際にBPOを活用した企業の事例について解説します。
- 中外製薬株式会社
- 光洋マテリカ株式会社
- 株式会社中村屋
中外製薬株式会社
研究開発型の製薬会社である中外製薬株式会社。同社では、経理における属人化と非効率な業務プロセスが大きな課題となっていました。
とくに、経費処理では担当者によって業務の進め方や方法が異なっており、統一されたルールが存在しない状態でした。さらに、複数の部門から異なる形式で提出される伝票を大量に処理しなければならず、これに多くの時間を要したそうです。
BPOサービス導入後は、業務プロセス全体を見直し、シンプルで誰にでもわかりやすい仕組みになりました。さらに、ノンコア業務を外部に委託したことで、社内の経理担当者は本業に集中できる体制が整いました。
現在では、業務効率化の実現ができたため、BPOを活用しながらさらにスリム化を目指しているそうです。
関連記事| コア業務とノンコア業務の仕分けができ、業務プロセスもシンプルに。「効率化に大きな効果がある」
光洋マテリカ株式会社
非鉄金属素材や樹脂等の加工品を取り扱う『マテリアル加工流通業』である光洋マテリカ株式会社。同社の財務経理部では、紙ベースでの運用による業務負担と、それに伴う長時間労働が深刻な課題となっていました。
課題を解決させるため書類の電子化とパーソルビジネスプロセスデザインのBPOによる業務委託を導入。BPO導入後は、請求書の内容確認から仕訳作成までを一貫して委託し、残業時間を半分まで削減することに成功しました。
現在では、全体の7割までを担当してもらい、残りの3割を確認する程度の手間になっており、業務負担が軽減されたことで、従業員は新しい仕事へのチャレンジやスキル習得の機会を持てるようになったそうです。
関連記事|膨大な業務量による残業が半分以下に!新しい分野にもトライできるようになり「すごく助かる」
株式会社中村屋
「新宿中村屋」の名称で知られ、和菓子、洋菓子などの製造販売ならびに飲食店の営業をする株式会社中村屋。同社では会計業務における照合作業の負担と、固定費としての人件費が課題となっていました。
課題を解決するためにBPOを検討し、『業務改善』『ランニングコスト』『BCP』の観点でパーソルビジネスプロセスデザインのサービスを導入。
BPOサービス導入後は、照合作業にかかる時間を大幅に削減できました。
また、外部委託により固定費であった人件費を変動費化でき、コスト構造の最適化を実現しました。
現在では、委託先から定期的な報告や改善の提案を受けられる体制が整っており、安心して業務を任せられる信頼関係が構築されています。
関連記事|照合業務の時間が大幅に減少!委託の成果が出せて、東日本だけでなく西日本にも展開することに
経理のアウトソーシングに関するよくある質問
ここでは、経理のアウトソーシングに関するよくある質問について以下の3つを解説します。
- 経理のアウトソーシングを契約する際に準備しておくことはありますか?
- 経理のアウトソーシングの注意点は何がありますか?
- 経理のアウトソーシングはセキュリティ対策は大丈夫ですか?
経理のアウトソーシングを契約する際に準備しておくことはありますか?
経理のアウトソーシングを成功させるためには、契約前の準備が重要です。とくに、以下の項目は十分に準備してから導入しましょう。
- 導入目的の明確化
- 現状の分析と課題把握
- 委託範囲の明確化
- 業務フローの整備
事前に内容を整理しておくと、見積もりの精度も上がり、委託先との認識ズレを防げます。
経理のアウトソーシングの注意点は何がありますか?
経理のアウトソーシングには多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべき点も存在します。
とくに以下の2つには注意しましょう。
- 自社の経理業務においてノウハウが蓄積できない
- セキュリティ・情報漏洩リスクを伴う
自社の経理業務においてノウハウが蓄積できない
業務を外部に委託することで、自社内に経理のノウハウが蓄積されにくくなります。
将来的にアウトソーシングを終了して社内で業務をおこなう時や、緊急時に自社で対応する必要が生じた際に、適切に対処できない可能性があります。
この課題への対策としては、自社の担当者が委託している業務の全体像を把握し続けることが必要です。委託先と定期的にコミュニケーションを取り、業務の進捗状況や改善点について情報共有をおこないましょう。
なお、パーソルビジネスプロセスデザインでは、紙の請求書と電子データの両方に対応し、業務全体をフローチャートで可視化しています。これにより、業務の抜け漏れを防ぎながら効率化を実現し、クライアント企業が全体像を把握しやすい体制を構築しています。
セキュリティ・情報漏洩リスクを伴う
もう一つの重要な注意点は、外部に機密情報を預けることによる情報漏洩のリスクです。
経理データには企業の財務状況や取引先など、極めて重要な機密情報が含まれています。機密情報が流出してしまうと会社の信用問題につながったり、情報の悪用リスクがあったりと、さまざまなトラブルが考えられます。
対策としては、アウトソーシング先を選定する際に、機密情報の取扱いに関して厳格なルールやセキュリティ体制が整備されているかを必ず確認しましょう。
経理のアウトソーシングはセキュリティ対策は大丈夫ですか?
信頼できる専門業者を選定すれば、自社で管理するよりも高いセキュリティレベルを確保できます。
多くの専門業者は、情報セキュリティ管理の国際的な基準をクリアしており、厳格な体制を敷いています。
選定の際は、以下の認証を取得しているかどうかを確認の目安にすると良いでしょう。
- ISMS(ISO 27001): 情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格
- プライバシーマーク: 個人情報の取り扱いが適切であることを示すマーク
なお、パーソルビジネスプロセスデザインでは両者の認証を取得済みであり、情報の取り扱いにおいて高いレベルを保持しています。
外部企業に大切な情報を預けるからこそ、客観的な基準を満たしているサービスを選ぶのが重要です。
経理アウトソーシングに関するご相談は、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインへ
経理アウトソーシングでは、給与計算・記帳・請求支払い管理などの定型業務を外部に委託することで、コア業務への集中やコスト削減、業務品質の向上が期待できます。
委託先を検討する際は、自社の課題や業務範囲を整理し、どの業務を優先して委託すべきかを明確にすることが重要です。最適な方法を選ぶことで、より高い費用対効果や、経理業務全体の効率化につながります。
経理アウトソーシング事業者をお探しの場合は、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインをご検討ください。これまでの実績をもとに、経理業務の属人化解消、コスト削減、業務効率化をご支援しています。培ってきた知見を活かし、貴社に最適なアウトソーシングプランをご提案いたします。
事前に経理部門の状況をヒアリングさせていただき、委託範囲や費用のご相談も可能です。導入検討に役立つダウンロード資料もご用意しておりますので、ぜひ一度ご覧いただき、ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。
【経理BPOサービス】のご紹介
- BPO化できる経理業務
- 実際に経理BPOサービスを導入した企業さまの事例紹介
- 経理部門のノンコア業務を切り出す方法