業務の質と透明性を両立し安心と信頼のアウトソーシングを実現
業務の質と透明性を両立し安心と信頼のアウトソーシングを実現
コア業務への集中度を高め、経費を抑えながら事業拡大を図りたい企業にとってアウトソーシングは非常に有効な選択肢です。しかし、仕事を外部企業に任せることへの不安や、委託業務のブラックボックス化に悩む企業も少なくありません。今回は、このようなお客様の心配事に真摯に向き合い、信頼されるパートナーとして長期的な関係を築きながら、業務内容やニーズに合わせて柔軟に対応し、業務改善まで視野に入れたサポートを提供しているBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)のスペシャリストにお話を伺いました。
ーー得意分野を教えてください。
上山:BPOの仕事は、営業、構築、運用という3つのフェーズに分かれているのですが、私たちソリューションデザイン部は、お客様の業務をBPO仕様にリデザインする構築フェーズをメインに担当しています。ただし、その際には、運用時にきちんと動かせることを考えて調整やアレンジを行う一方、BPOは初めてというお客様に対して、そのメリットを的確に伝えるための方法や場を提示するといった部分で受注にも貢献しているので、営業面と運用面のサポートを提供しています。私はこの部署のマネージャとして、それぞれ専門分野のあるメンバーを適材適所で配置し、お客様・弊社運用の双方にメリットあるコンサルティングなどをしています。
その中で私が最も得意としているのは、お客様が抱えている本質的な問題を解決して、根本的な業務改善を行うことです。これは、単なる仕事の効率化ではなく、組織全体の基礎力を高めることになります。このようなアプローチを取ることで、変化への柔軟性が持てるようになり、業務の品質や売上向上のベースが確立するのです。
ーー具体例があればお話しください。
上山:たとえば、以前に担当した製薬会社のプロジェクトでは、業務の専門性や使用される言語の問題から、製薬業務経験者しかこなせない状態になっていました。そこで、未経験者でも対応できるよう教育ツールの見直しに着手。また個々に保持していた判断軸を集約・可視化し、お客様のご意見も頂きながらプロジェクト統一ルールとして再構築しました。さらに難易度を3段階に分け経験・志向性に合わせてステップアップする段階教育を採用したことで自分のペースでキャリアアップできる安心感がメンバー定着にも繋がり業務の品質も担保しつつ雇用の可能性を広げることができるようになりました。
ーーどのような課題を持ったお客様が多いですか?
上山:お客様がBPOの導入を考える理由は様々ですが、大きな傾向として2パターンあります。1つは、業務範囲が幅広になっている自社社員をコア業務に専念させるため周辺業務をBPO化検討するケース。もう1つは、組織効率を高めるため、業務集約の受け皿としてBPOをご検討されるケースです
業務上のミスをなくしたり、低コストでできるようにする、あるいは省エネ化するというのも業務改善ではありますが、オンサイトでしかできなかった作業をリモートでもこなせるように組み立て直したり、従来は経験者でないと対応できなかった仕事を未経験の方でも従来と同じ品質を維持しつつできるようにプログラムしていくことが、私たちが提唱するサービスの本質です。実際に、未経験から現場管理者にステップアップされる方もいますので、当社のBPOではリスキリングは当たり前のように行われていると言えます。お取引いただいているお客様からは当社のメンバーへの接し方にご評価いただくことも多いですし、教育手法にご興味いただき会話が弾むこともあります。
ーーそれはパーソルのBPOに関する誤解ですね。
上山:他には、従来型のBPOに依頼したものの、業務の詳細がブラックボックス化し、状況・プロセスの報告もなく、再び社内に戻そうにもやり方がわからなくなっている企業があるのも事実です。その意味で、BPOの導入を考えるお客様に共通するのは、その「透明性」や「正確さ」に対する不安ではないかと思います。
当社のBPOではまずお客様の実業務担当者様にヒアリングを行い、業務の構成要素を整理するところから着手します。そして、フロー図を起こしどの部分がどこにどのように作用するのかを明らかにし、定量・定性面からの影響を考慮、デジタルツールの導入も図りながらミスや無駄のない業務プロセスを実現します。その間、お客様との定期的なコミュニケーションを設けることを大切にしています。なぜなら単眼的には合理的であってもお客様の組織全体でみると不都合が生じる可能性があり、全体最適を踏まえた合理的プロセスをご提供することこそが、企業がBPOに期待することだと考えるからです。
運用フェーズに入りますと、取り決めたKPIのみならず、お客様のご要望に沿った
項目を盛り込んだ報告書を作成しコミュニケーション機会を設けています。意見交換などさせていただきながら、安心してお任せいただけるBPOを実現しています。
ーーお客様と向き合う際に心がけていることはありますか?
上山:一番意識しているのは、「誠実さを持ってお客様に対応すること」です。業務委託契約では、決まった業務内容に基づいて報酬をいただくことになりますが、業務量の変動が一定期間、同一トレンドを示した場合、料金の調整をご提案しています。。増減どちらのケースでもデータに基づきご報告させていただき、お客様のもつ今後の予測も踏まえながら適切な運用体制を協議しご契約に反映するスタンスが信頼感につながっているようです。誠実な姿勢でお客様に向き合うことで、追加の案件がある場合にも優先的にご相談いただけていますし、クライアント企業からご転職された担当者様が、転職先で再び私たちを指名してくださることもありますから、これらも信頼の証といえるでしょう。
お客様に提供していきたい価値について教えてください。
上山:それは、単に業務を代行するだけの存在ではなく、「ビジネスパートナーとして信頼される存在であり続ける」ということです。先方で全社的なコストの見直しが発生した際も、誠実な報告に基づく適正価格のサービス提供であるというご見解から私たちは対象にならずに済んだということもありました。また、あるお客様の会社の社内表彰の際に、私たちのプロジェクトの名前が挙がり、社員の方の投票で賞をいただけたこともあったほどです。さらに、長年のお付き合いのあるお客様から「上山さんの部署は、もう自社の一部門のように思っています」と言っていただけたときは、この上なく嬉しく感じました。
今後、自身の業務や役割を企業の課題解決にどう活かしていきたいですか?
今後、自身の業務や役割を企業の課題解決にどう活かしていきたいですか?
上山:どの企業もデジタルを活用した競争力向上を掲げていらっしゃる中、企業様それぞれの目指す姿を実現するDX提案は必須です。その上で「働き方」「生き方」の選択肢を広げていきたいと考えています。例えばフルリモート化を推進し、全国どこにいても業務が遂行できるBPO体制を構築したいと考えています。これまでオンサイトでしか対応できなかった業務も、リモートで対応可能な体制を整えることで、やりたい仕事と暮らしたい環境や働きたい時間の組み合わせに自由度が増し、幅広い人材に活躍の場を提供できるようになります。当社プロジェクトのみならずクライアント企業にもそのプロセスデザインをご活用いただき、クライアント社員様にも「働き方」「生き方」の選択肢をご提供できるようになれば嬉しいですね。雇用の機会を広げることで、社会貢献にもつなげていければ理想です。
加えて、当社の強みである公共案件にも一層挑戦を深めていきたいです。自治体のデジタル化は必須課題となっているため、私たちのプロセスデザイン力を活かして「暮らし」の効率化をどんどん進めていきたいですね。
そして、民間、公共を問わず、今後とも一層の業務改善と顧客満足度の向上に尽力し、パーソルグループの目指す「はたらくWell-being 」を多くの方に届けていきたいと思います。