ハラスメント相談窓口の義務化とは?
ハラスメント相談窓口の義務化とは、企業がハラスメントの相談に応じる窓口を設け、その存在を従業員に周知することを法律で義務づけたものです。「窓口を設置するだけ」ではなく「周知まで」が義務である点が、まず押さえるべきポイントになります。
以下では、義務の中身、根拠となる法律、対象となるハラスメントの種類の3つに分けて整理していきます。
相談窓口の設置・周知が法律上の義務
企業は、従業員がハラスメント被害に遭った際に相談できる窓口を社内または社外に設け、その存在を従業員に周知することが義務づけられています。窓口を定めるだけでなく、労働者が相談先や利用方法を認識できるよう、十分に周知することが求められます。また、相談できるのは「被害に遭ったとき」だけではありません。実効性を高める観点からは、該当性を判断できない場合や、被害を目撃した場合にも相談できる運用が望ましいでしょう。間口を広く設けることが、早期把握につながります。
相談窓口の設置・周知、相談対応、事後対応の詳細は、厚生労働省「あかるい職場応援団」や「職場におけるハラスメント対策パンフレット」で確認できます。規程や運用フローを整備する際は、これらの一次情報を参照することが重要です。
義務化の根拠となる法律(労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・育児・介護休業法)
ハラスメントの種類によって、義務の根拠となる法律が異なります。相談窓口は、これらを一体的に受けられる形にしておくのが望ましいです。
| ハラスメントの種類 | 根拠となる法律 |
|---|---|
| パワハラ | 労働施策総合推進法(パワハラ防止法) |
| セクハラ | 男女雇用機会均等法 |
| マタハラ・パタハラ・ケアハラ | 男女雇用機会均等法・育児・介護休業法 |
| カスハラ・就活セクハラ(2026年10月〜) | カスハラ|労働施策総合推進法 求職者に対するセクハラ|男女雇用機会均等法 |
根拠法そのものは複数にまたがりますが、運用上は一つの窓口でまとめて受け付けるのが効率的です。各法律の最新条文は、e-Gov法令検索で確認できます。
対象となるハラスメントの種類
相談窓口が扱う対象は、パワハラ・セクハラ・マタハラ(パタハラ)・ケアハラなどで、これらを幅広く受け付ける必要があります。
厚生労働省のモデル就業規則でも、パワハラ・セクハラ・マタハラ・その他のハラスメントを禁止行為として定める形が示されています。窓口を種類ごとに分散させず、まとめて受けられるようにしておくと、相談する側も迷いません。
加えて、近年は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」「就活セクハラ」など、対象範囲そのものが拡大傾向にある点も意識しておきたいところです。なお、カスタマーハラスメントおよび求職者等へのセクシュアルハラスメントについては、2026年10月1日から新たに防止措置が義務化されます。
既存の職場内ハラスメント対策とは施行時期が異なるため、現在の相談窓口を拡張する形で、施行日までに対応範囲、受付方法、社内フローを見直す必要があります。
いつから義務化された?対象企業(大企業・中小企業)
「いつから義務化されたのか」「中小企業も対象なのか」は、人事・労務担当者が確認しておきたいポイントです。施行時期、全企業が対象であること、そして最新の義務化動向の順に整理していきます。
大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から
パワハラ防止措置は、大企業で2020年6月1日に義務化され、2022年4月1日から中小企業にも拡大されました。
施行当初は大企業のみが対象で、中小企業は努力義務とされていましたが、2022年4月以降は中小企業も法律上の義務の対象となっています。現在、相談窓口を定めるなど、必要な相談体制を整備していない企業は、措置義務を満たしていない可能性があります。対応状況を速やかに確認する必要があります。
また、努力義務であった時期の認識のまま、必要な対応を見直していない場合は特に注意が必要です。本記事の手順を参考に、最低限の体制から早めに整えることをおすすめします。
企業規模を問わず、労働者を雇用する事業主が対象
「うちは小さいから関係ない」というのは誤解です。現在は企業規模を問わずすべての企業が対象で、従業員が1人でもいれば相談窓口の設置義務があります。
労働者を雇用する事業主には、原則として業種や企業規模を問わず対応が求められます。家族経営に近い小規模事業者であっても、従業員を雇用している以上は相談体制の整備や周知などの対応が求められる点に注意しましょう。
正社員に限らず、パート・アルバイト・契約社員など、雇用する労働者が相談できる体制を整える必要があります。派遣労働者※については、派遣元・派遣先の双方に求められる対応を確認することが重要です。就業規則の整備と合わせて見直すと効率的です。
2026年10月からカスハラ・就活セクハラ対策も義務化
さらに、最新の動向として、2025年改正により、カスタマーハラスメントと求職者等へのセクハラ(就活セクハラ)対策も、2026年10月1日から全企業の義務となります。
これにより、相談体制の整備が一層求められることになります。既存のハラスメント窓口を拡張し、カスハラ等にも対応できるよう、早めに準備を進めることが重要です。
特に、小売業やサービス業、コールセンターなど顧客接点の多い業態では、優先的にカスハラ対応を検討する必要があります。最新の制度動向は厚生労働省・職場のハラスメント対策ページで確認できます。
※参考:厚生労働省「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」(PDF)
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企業が講じるべき措置(義務の具体的な内容)
「何をすれば義務を満たせるのか」という最も重要な問いに答えます。既存の職場内ハラスメントについて、企業が講じるべき主な措置は、実務上、次の4つに整理できます。相談窓口の設置は、このうちの一つです。
なお、カスタマーハラスメントについては、2026年10月1日からの義務化に伴い、悪質なカスハラへの対処方針のほか、必要に応じて複数人で対応するルールや、警察・本部への連携方針など、実効性を確保するための体制整備も求められます。
| 措置義務(4本柱) | 主な内容 |
|---|---|
| (1)方針の明確化と周知・啓発 | 禁止方針と懲戒を就業規則等に定め周知 |
| (2)相談体制の整備 | 相談窓口を設け、担当者を定めて周知 |
| (3)事後の迅速かつ適切な対応 | 事実確認・被害者配慮・行為者措置・再発防止 |
| (4)併せて講ずべき措置 | プライバシー保護・不利益取扱いの禁止 |
※参考:厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
※参考:厚生労働省「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」(PDF)方針の明確化と周知・啓発
1つ目は、ハラスメントを行ってはならない旨と、行為者に厳正に対処する方針を、就業規則等に定めて全従業員に周知・啓発することです。経営としての方針を明文化し、就業規則に懲戒に関する規定を明記したうえで、研修や社内文書で繰り返し伝えます。「会社はハラスメントを許さない」という姿勢を示すことが、対策の出発点になります。
相談(苦情)に応じる体制の整備=相談窓口の設置・周知
2つ目が、本記事の中核となる相談窓口の設置・周知です。相談に応じ適切に対応するために、相談窓口を設けて担当者を定め、その窓口を従業員に周知することが求められます。
窓口は社内・社外のいずれでも構いません。また、パワハラ・セクハラ・マタハラなど複数のハラスメントを一元的に受けられる形にしておくことが望ましいとされています。
事後の迅速かつ適切な対応(事実確認・配慮・再発防止)
3つ目は、相談があった場合の事後対応です。事実関係を迅速・正確に確認し、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止策を講じることが求められます。「事実確認→被害者への配慮→行為者への措置→再発防止」という一連の流れを、あらかじめ対応手順を定めておくことで、事案発生時に、より迅速かつ一貫した対応を取りやすくなります。事実関係を確認できなかった場合でも、同様の問題を防ぐ観点から、必要に応じて再発防止措置を講じることが求められます。
被害者のメンタル面のケアについては、関連記事「メンタルケアのやり方は?職場のメンタルヘルスケアとセルフケアの実践ガイド」で具体策を紹介しています。
併せて講ずべき措置(プライバシー保護・不利益取扱いの禁止)
4つ目は、相談者等のプライバシー保護と、不利益な取扱いの禁止に関する措置です。相談者・行為者等のプライバシーを保護し、相談したことを理由とする不利益な取扱いを禁止し、その旨を周知することが求められます。
「相談したら自分が不利になるのでは」という不安があると、被害は表面化しません。プライバシー保護と不利益取扱いの禁止は、安心して相談できる前提条件であり、義務の一部として位置づけられています。
義務化に違反した場合の罰則・リスク
「罰則はあるのか」も気になるところでしょう。直接の罰則の有無と、それ以上に重い実質的なリスクの両面を、正確に押さえておきましょう。
措置義務違反そのものに直接の刑事罰はないが行政指導・勧告・企業名公表の対象
結論として、措置義務に違反しても直接の罰則(刑事罰)はありません。ただし、それは「対応しなくてよい」という意味ではありません。
事業主が必要な措置を講じていない場合、助言・指導・勧告等の対象となる可能性があります(労働施策総合推進法第33条)。また、報告徴収に応じない・虚偽報告をした場合などには、20万円以下の過料が科され得ます。
「罰金がないから大丈夫」と軽視すると、行政指導や企業名公表という形で、企業の社会的信用にも影響を及ぼしかねません。なお、条文の原文はe-Gov法令検索(労働施策総合推進法)で確認できます。
安全配慮義務違反・損害賠償・企業イメージ毀損のリスク
むしろ、罰則以上に重いのが実務上のリスクです。相談体制を整備せず、事案に適切に対応しなかった結果、ハラスメント被害が深刻化することがあります。その場合、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求や、企業イメージの毀損につながる可能性があります。
ハラスメントの放置は、人材の流出や組織の生産性低下など、経営面にも影響を及ぼします。法令対応は「守り」であると同時に、人材を守り組織を維持するための投資でもあります。
また、近年はSNSや口コミサイトを通じて情報が広がる可能性もあるため、企業ブランドへの影響にも注意が必要です。早期発見・早期対応の仕組みを整えることは、長期的なリスク低減につながるでしょう。
ハラスメント相談窓口の種類(社内・社外)
相談窓口には、社内に設けるものと、外部に委託するものがあります。それぞれの特徴と、併用という選択肢を整理します。
社内窓口(人事・総務等の担当者)
社内窓口は、人事・総務などから選任した担当者が対応する窓口です。社内事情に精通し迅速に動ける一方、相談しにくさが課題になりやすいという特徴があります。
社内の人間関係を気にして相談をためらう従業員もいるため、担当者の選定と教育、プライバシーへの配慮が重要になります。
「相談しても誰かに漏れるのではないか」という不安は、社内窓口に対する最大のハードルです。物理的に隔離された相談スペースの確保、記録の厳格な管理、担当者の守秘義務の徹底など、運用ルールの整備が信頼の土台になります。
社外窓口(外部委託)
社外窓口は、専門業者・社会保険労務士・弁護士などに委託する窓口です。
第三者が対応するため、公平性を確保しやすく、匿名で相談できる仕組みも設けやすい点が強みといえます。外部委託を活用して相談窓口を整備することも可能ですが、適切な対応体制や社内連携、従業員への周知も必要です。
一方で、委託費用が継続的に発生する点や、社内事情の共有や、事実確認・事後対応に関する社内の役割を、委託先との間で明確にしておく必要があります。EAP(従業員支援プログラム)と組み合わせると、メンタル面のケアまで一気通貫で対応できます。
社内窓口と社外窓口の併用と一体的な運用
実務的には、社内と社外を併設し、パワハラ・セクハラ等を一元的に受け付ける一体的な運用が、相談しやすさと実効性の両立に有効です。
従業員が相談先を選べるよう複数の窓口を用意しつつ、受付後の情報管理や対応フローは一元化することで、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。
従業員の「こころのケア」に|カウンセリングサービス「KATAruru(カタルル)」
相談回数は無制限。電話・オンライン・アバターから選べる法人向けメンタルヘルス相談窓口です。ハラスメント事案後のこころのケアや、相談窓口の属人化解消をサポートします。
相談窓口の設置手順【義務を満たすステップ】
ここからは、義務を満たすための具体的な設置手順を、次の4ステップで解説します。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1.方針・規程を整備 | 禁止方針と懲戒を就業規則・規程に明記 |
| 2.窓口と対応フローを決める | 社内担当者または外部委託先と、受付から対応までの手順を決定 |
| 3.全従業員へ周知 | 窓口の連絡先・利用方法・相談者のプライバシー保護について繰り返し周知 |
| 4.運用を回す | 相談対応・記録・再発防止・継続的改善 |
ステップ1.方針を定め就業規則・規程を整備する
起点となるのが、ハラスメントを許さない方針と懲戒規定を、就業規則・ハラスメント規程に明記することです。これは措置義務の「方針の明確化」と連動します。
禁止行為と、違反した場合の懲戒の内容を明文化しておくことで、いざ処分が必要になったときの根拠になります。就業規則の見直しを行う場合は、ハラスメント規程と懲戒規定の両方を同時に整備するのが効率的です。
ステップ2.窓口(担当者・委託先)と対応フローを決める
次に、社内担当者または外部委託先を決め、相談受付から事実確認・対応・記録までのフローをマニュアル化します。
対応手順を標準化しておくことで、担当者によって対応がぶれるのを防げます。誰が対応しても一定の品質を保てる状態をつくることが目標です。
ステップ3.全従業員へ周知する
窓口の連絡先・利用方法・秘密が守られることを、研修やイントラ・掲示などで全従業員に繰り返し周知します。周知は義務の一部であり、形骸化を防ぐ要でもあります。
一度告知して終わりにせず、複数の手段で継続的に伝えることが大切です。名刺大のカードを配布する、入社時オリエンテーションで案内する、毎年の研修で再確認するなど、いつでも連絡先を確認できる工夫も有効です。
ステップ4.相談対応・記録・再発防止の運用を回す
設置後は、相談者の話を傾聴し、プライバシーの保護に配慮しながら対応します。また、相談内容の記録し、事後対応・再発防止につなげる運用を継続しましょう。
相談記録を蓄積し、職場の傾向を分析することで、再発防止策や運用改善に活かせます。
「設置して終わり」にしないことが、実効性の分かれ目です。
「意味がない」と言われないための運用ポイント
せっかく窓口を設けても、使われなければ「意味がない」状態になってしまいます。形骸化を防ぐ運用のポイントを、相談しやすさ・担当者教育・継続的な点検の3点で整理します。
相談しやすい環境とプライバシー保護
まず、匿名相談の可否や複数の相談チャネルを用意し、プライバシー保護と不利益取扱いの禁止を徹底して、相談しやすい環境を整えます。
電話・メール・専用フォームなど複数の手段を用意する、相談スペースのプライバシーを確保するなど、心理的・物理的なハードルを下げる工夫が、利用を後押しします。
匿名アンケートやエンゲージメントサーベイと組み合わせ、職場全体の状態を可視化していくと、潜在的な問題にも気づきやすくなります。
担当者の教育と対応マニュアル
窓口への信頼を確保するには、担当者の対応品質が重要です。
担当者が不適切な対応で二次被害を生まないよう、研修やロールプレイングで対応力を高め、マニュアルを整備することが必要です。
また、研修やロールプレイングを通じて、傾聴の姿勢や相談者を責めない対応方法を学ぶことができます。社内だけで専門性を確保しにくい場合は、社外委託で専門性を補うのも有効な選択肢となるでしょう。
形骸化を防ぐ周知の継続と実態把握
最後に、定期的な周知や匿名アンケートで利用状況・職場の実態を把握し、窓口が機能しているかを点検・改善することが重要です。
「実態把握→改善」のループを回すことで、窓口の実効性を維持できます。相談件数が少ない場合でも、必ずしもハラスメントリスクがないとは限りません。窓口の認知度、相談方法の分かりやすさ、匿名性・秘密保持への不安などを定期的に点検することが重要です。
ストレスチェックの集団分析結果や相談窓口の利用状況を組み合わせて確認することで、職場環境上の課題に気づくための参考情報を得られます。
中小企業が義務化対応で押さえるべきこと
専門人材が社内にいない中小企業でも、義務への対応は十分に可能です。最低限の対応と、外部・公的支援の活用という2つの観点で整理します。
限られたリソースでの最低限の対応
専門人材がいない場合でも、まずは方針の明文化、窓口の設置・周知、対応フローの整備に着手し、そのうえで事後対応、再発防止、プライバシー保護等を含む体制全体を整えることが重要です。
完璧な体制を目指して動けなくなるよりも、まず義務の核を満たし、運用しながら改善していくことが、中小企業に適した現実的な進め方です。
最初の一歩として、就業規則等にハラスメントの禁止方針と懲戒に関する規定を明記し、相談窓口の連絡先と利用方法を周知します。ただし、これらに加えて、適切な相談対応や事後対応、プライバシー保護等の体制も整備する必要があります。
外部委託・公的支援の活用
社内での対応が難しい場合は、外部委託の活用や、厚生労働省「あかるい職場応援団」・労働局などの公的支援を活用するとよいでしょう。
外部委託なら専門人材を社内に抱えなくても体制を整えられます。また、厚生労働省「あかるい職場応援団」や労働局が提供する無料の情報・相談リソースは、規程づくりや運用の参考になります。
ただし、公的窓口の案内だけでは企業の設置義務を満たしたことにはならないため、自社の窓口(社内・社外)の整備は別途必要である点には注意してください。
義務化対応・相談窓口の整備を支援するパートナーの活用
ここまで見てきたように、ハラスメント相談窓口の整備は、規程づくり・窓口運用・担当者教育・調査対応まで、幅広い領域にわたります。これらをすべて自社だけで担うのは、特に中小企業では負担が大きいのが実情です。
そこで、専門パートナーと連携することで、必要な体制を効率的に整備しやすくなります。具体的には、外部相談窓口(外部EAP)の運用、社会保険労務士や弁護士への相談、ハラスメント研修の実施、規程整備の支援など、目的に応じた選択肢があります。
「義務化に対応したいが、何から手をつければよいか分からない」という段階であれば、まずは、自社だけでの対応が難しい場合に相談できる専門家や支援サービスを把握し、必要な支援内容を整理することが重要です。自社のリソースと予算に合わせて、必要な部分から力を借りることを検討してみてください。
また、ハラスメント対策と並行して、従業員のストレス状態を定期的に把握できるストレスチェックの結果を職場環境の改善に生かすことも、従業員のメンタルヘルス対策を検討するうえで有用です。
まとめ
パワハラ防止措置は、2022年4月から中小企業を含むすべての企業に義務付けられています。セクハラや、妊娠・出産、育児・介護休業等に関するハラスメントについても、各根拠法に基づく相談体制の整備が必要です。
方針の明確化、相談体制の整備、事後対応、プライバシー保護等の措置を講じる必要があります。相談窓口については、社内窓口と社外窓口の特徴を踏まえて設計し、形骸化させずに運用することが重要です。
最後に、本記事の要点を整理します。
- 義務の内容と根拠法:各根拠法に基づき、相談に応じて適切に対応するための体制整備と、相談窓口の周知が求められる
- 時期・対象:パワハラ防止措置は、大企業には2020年6月、中小企業には2022年4月から適用。労働者を雇用する事業主が対象
- 措置義務4本柱:方針明確化/相談体制整備/事後対応/併せて講ずべき措置
- 罰則・リスク:直接の罰則はないが、指導・勧告・企業名公表・安全配慮義務違反のリスク
- 社内窓口・社外窓口の設置手順:併用が有効。方針→窓口・フロー→周知→運用の4ステップ
- 形骸化対策・中小対応:相談しやすさ・担当者教育・実態把握。最低限から着手し外部・公的支援を活用
労働者を雇用しているにもかかわらず、相談体制の整備や周知ができていない場合は、早急に対応状況を確認する必要があります。まずは、方針の明文化、相談窓口の設置・指定、従業員への周知から着手しましょう。