ハラスメント外部相談窓口とは?設置義務・メリット・費用の考え方・選び方を解説

ハラスメント外部相談窓口とは?設置義務・メリット・費用の考え方・選び方を解説

ハラスメント対策では、事業主に対して、相談に応じ適切に対応するための体制整備などが義務づけられています。その具体策の一つが、相談窓口の設置です。

しかし、社内に設けた窓口には「相談しにくい」「担当者によって対応に差が生じる」といった課題がつきものです。そこで選択肢になるのが、社外(外部委託)の相談窓口です。

一方で、いざ検討すると「社外に委託すべきか」「どのようなメリットや注意点があるのか」「費用や選び方をどう考えればよいか」「何から進めればよいか」が分かりにくいものです。本記事では、社内窓口との違いや、設置義務との関係、メリット・デメリットを整理します。さらに、社外相談窓口のタイプ、費用の考え方、委託先の選び方、導入の流れも解説します。

本記事を読むことで、費用や対応範囲を踏まえ、自社に合う社外相談窓口を検討するための基礎知識を得られます。

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まず、本記事の要点を、以下の早見表にまとめました。各「確認したいポイント」をクリックすると、該当の見出しに移動できます。

確認したいポイント 結論 詳細
窓口機能を外部に委託する仕組み 専門事業者・社会保険労務士事務所・法律事務所などに委託して設ける外部相談窓口です
相談窓口は外部委託も可能 パワハラ防止措置は、2022年4月から中小企業を含むすべての企業に適用されています。相談に対応する体制の一環として、相談窓口をあらかじめ定め、周知する必要があります
匿名性・専門性・負担軽減 第三者への相談により心理的な抵抗を抑えやすく、契約内容によっては専門職による対応も可能です。社内担当者の負担軽減にもつながります
費用・社内との役割分担に注意 費用が継続発生。事実確認や事後対応は社内が担い、形骸化させない運用が必要です
受付・カウンセリング・調査型 受付中心型・カウンセリング型・調査・法的対応型の3タイプ。費用は、従業員規模や対応範囲、受付時間などによって変動します
範囲・品質・社内連携で比較 対応範囲、担当者の専門資格、受付時間、多言語対応の有無、社内への報告・連携の仕組みを比較します
課題整理→選定→規程・周知 課題整理→複数社を比較・契約→規程整備と全社周知の流れで進めます
あかるい職場応援団など あかるい職場応援団や総合労働相談コーナー。ただし企業の設置義務の代わりにはなりません

この記事でわかること

  • ハラスメントの社外相談窓口の定義と、社内窓口との違い

  • 相談窓口の設置義務と、外部委託でも要件を満たせること
  • 匿名性・専門性などのメリットと、費用・事後対応などのデメリット
  • 3つのタイプと費用の考え方、委託先の選び方3つの観点
  • 導入の流れと、従業員が利用できる公的な無料相談窓口

目次

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    ハラスメントの社外相談窓口とは?

    ハラスメントの社外相談窓口とは、ハラスメント対策に詳しい専門業者・社会保険労務士事務所・法律事務所などに委託して設置する、外部の相談窓口のことです。従業員からの相談受付や一次対応を担い、必要に応じて企業側の事実確認や専門家による助言につなげる役割を持ちます。また、委託先によっては、調査支援や法的助言、再発防止策の提案まで対応する場合もあります。

    社外相談窓口の定義(外部委託の仕組み)

    社外相談窓口は、社内に設ける相談窓口の機能の一部または全部を、専門知識を持つ外部機関に委託する仕組みです。相談の受付や一次対応を外部が担い、事実確認や人事上の対応、再発防止策の実施などの対応は、企業が主体となって進める必要があります。

    社内窓口と並列で設けたり、併用したりすることもできます。「窓口機能を外に出す」イメージで捉えると分かりやすいでしょう。

    社内相談窓口との違い(公平性・安心感)

    社内窓口と社外窓口は、それぞれ長所が異なります。主な違いは、公平性・中立性、プライバシーへの配慮、相談時の心理的なハードルです。

    観点 社内窓口 社外窓口
    社内事情の把握 精通しており迅速 把握しにくい
    公平性・中立性 社内の人間関係による影響への懸念 第三者性を確保しやすい
    相談のしやすさ 社内関係者への相談をためらう場合がある 社外の第三者に相談できる。匿名相談の可否はサービスによる
    専門性 担当者次第 専門職が対応

    社内窓口は事情に精通し迅速ですが、相談内容が漏れる不安や対応の偏りが懸念されます。社外窓口には、社内関係者を介さずに相談できるという強みがあります。匿名相談や個人のメールアドレスからの相談に対応できるかは、サービスによって異なります。

    委託先の種類(専門業者・社労士・法律事務所)

    委託先には、ハラスメント対策の専門業者、社会保険労務士事務所、法律事務所、EAP(従業員支援プログラム)事業者などがあります。

    それぞれ、実務支援・労務・法務・メンタルケアといった強みが異なります。自社が何を重視するかによって、適した委託先は変わります。詳しくは後述のタイプの章で解説します。

    外部委託の中心的な選択肢であるEAPの基礎は「EAP(従業員支援プログラム)とは?選び方・導入理由・メリットを解説」もご覧ください。

    ハラスメント相談窓口の設置は義務|社外委託でも要件を満たせる

    前提として、事業主には相談に応じて適切に対応するための体制整備が義務付けられており、その一環として、相談窓口をあらかじめ定めることが求められます。義務の根拠、外部委託で要件を満たせること、設置しない場合のリスクの順に解説します。

    パワハラ防止法による設置義務(2022年4月〜全企業)

    改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から、全企業にハラスメント相談窓口の設置が義務づけられています。

    さらに、セクハラは男女雇用機会均等法、マタハラ・ケアハラは育児・介護休業法でも、相談体制の整備が義務とされています。さらに、2026年10月1日からは、カスタマーハラスメント対策と、いわゆる就活セクハラにあたる「求職者等に対するセクシュアルハラスメント」対策も、事業主の義務となります。複数のハラスメントに一元的に対応できる窓口を整えておくことが望まれます。

    2026年10月から義務化されるカスハラ対策の詳細は「カスハラ対策の義務化で何が変わる?企業が取り組むべき対処法を解説」で確認できます。

    外部委託でも法令要件を満たせる

    外部機関に相談対応を委託する方法も認められています。ただし、適切な対応体制や企業との連携方法を整え、窓口を労働者に周知する必要があります。

    厚生労働省の指針でも、外部機関への委託は認められた方法の一つですが、重要なのは法令上求められる体制を整えたうえで、窓口が実際に機能するよう運用することです。

    ただし、相談窓口を外部に委託しても、事業主としての措置義務や対応責任が外部へ移るわけではありません。事実確認、被害者への配慮、行為者への対応、再発防止などは、企業が主体的に整備・運用する必要があることも併せて留意しておきましょう。

    設置しない場合のリスク(指導・公表・安全配慮義務)

    「罰則はあるのか」という点ですが、パワハラ防止法に直接の罰則(刑事罰)はありません。ただし、これは「対応しなくてよい」という意味ではありません。

    事業主が必要な措置を講じていない場合、助言・指導・勧告の対象となる可能性があります(労働施策総合推進法第33条)。あわせて、ハラスメントを放置すれば安全配慮義務違反として損害賠償を問われるリスクも生じます。

    行政による助言・指導・勧告や、勧告に従わない場合の企業名公表につながる可能性があります。また、事案への対応によっては、損害賠償請求を受けるリスクもあります。

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    社外(外部)相談窓口を設置するメリット

    社外相談窓口の価値は、「匿名性・中立性」「専門性」「負担軽減」「安心感」の4つの観点で整理できます。

    匿名性・中立性で相談のハードルが下がる

    第三者が対応するため、社内関係者への相談と比べて心理的な抵抗を抑えやすい点が特徴です。また、匿名相談に対応するサービスもあります。

    小規模な組織では、相談相手と行為者との距離が近いことなどから、社内相談をためらう場合があります。社外窓口を設けることで、相談先の選択肢を増やし、相談時の心理的な抵抗を軽減できる可能性があるでしょう。

    専門職による対応で二次被害やトラブル拡大を防ぐ

    産業医・公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラーなどの専門職が対応するため、不適切な対応による二次被害や炎上・トラブル拡大のリスクを抑制することができます

    人事・総務が片手間で対応すると、聞き方ひとつで相談者を傷つけたり、対応のまずさからトラブルが拡大したりするおそれがあります。専門職の知見を活用することで、対応品質の向上や二次被害の防止につなげやすくなります。

    担当者の負担軽減とリスクの早期発見

    社内担当者の負担を軽減できるとともに、相談を通じて、ハラスメントに関する問題を早期に把握し、対応につなげやすくなります。

    相談件数の増加にも安定して対応でき、内部通報制度と連携させる場合は、両制度の役割と受付対象を整理することで、相談・通報の取りこぼしを防ぎやすくなります。

    従業員の安心感・定着率の向上

    働きやすい環境づくりの一環となり、従業員の安心感や企業への信頼感を高める効果が期待できます。適切な運用を含むハラスメント対策は、従業員が安心して働ける環境づくりや、企業への信頼感の向上に寄与する可能性があるでしょう。

    ハラスメント対策は「守り」だけでなく、「従業員を大切にする企業」という組織の魅力にもなります。経営上のメリットとしても捉えられます。

    主なメリット 概要
    相談のハードルが低下 ・第三者による対応でプライバシーを確保
    ・心理的な相談ハードルが低下し、本音を話しやすい
    二次被害・炎上を抑制 ・ヘルスケア・メンタルに精通したプロが対応
    ・トラブルや相談者のメンタルヘルス悪化を防ぐ
    社内担当者の負担軽減・リスクの早期発見 ・社内リソースを削減できるだけでなく、ハラスメント事案の早期発見・対処につながる
    従業員の安心感・定着率に寄与 ・はたらきやすさの向上
    ・従業員の定着や採用への好影響も期待できる

    社外相談窓口のデメリット・注意点

    導入前に押さえておきたい注意点もあります。費用、社内対応との分担、形骸化防止の3点です。

    費用が継続的に発生する

    最も分かりやすいデメリットが費用です。外部委託は、契約形態に応じて月額費用や相談件数に応じた費用が継続的に発生します。社内窓口の運用コストとは別に、委託費用が発生します。

    ただし、費用は企業規模やサービス範囲によって大きく変わるため、詳しくは後述の費用相場の章で考え方を整理しましょう。

    社内事情の把握・事後対応は社内が担う

    外部は社内の人間関係や部署事情に精通していないため、事実確認や調査を外部に依頼する場合でも、人事上の措置や再発防止策に関する最終的な判断は、企業が主体となって行う必要があります

    「外部に丸投げすれば完結する」わけではありません。「外部=一次受付・助言」、「社内=事後対応」という役割分担を前提に設計することが大切です。

    形骸化させない運用・社内連携が必要

    窓口を設けても、従業員に認知され、必要なときに利用できる状態でなければ、十分な実効性を確保できません。周知の徹底と、外部から社内へ確実に連携・報告される仕組みが欠かせません。

    どのような場合に、どこまで社内へ報告・連携するか——報告ルールやエスカレーション基準を、契約時にあらかじめ取り決めておきましょう。

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    社外相談窓口のタイプと費用の考え方

    社外相談窓口は、対応範囲によって大きく3つのタイプに分けられます。タイプを押さえたうえで、費用の考え方を整理します。

    タイプ 対応内容 向いている企業
    相談受付中心型 電話・メール等で受付し企業に報告 まず受付体制を整えたい
    カウンセリング型 国家資格者によるメンタルケアまで メンタル不調対応を重視
    調査・法的対応型 調査・法的助言・規程整備まで 深い対応・法的リスク低減

    タイプ(1)相談受付中心型

    電話・メール等で相談を受け付け、内容を整理して企業に報告する、受付に特化したシンプルなタイプです。コストを抑えやすい一方、その後の調査や対応は社内が担うことになります。

    タイプ(2)カウンセリング・メンタルケア型

    保健師、公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラーなどが対応するタイプです。相談受付に加え、サービスによってはカウンセリングやメンタルケアも提供しているため、メンタル不調への対応を重視する企業に向いているといえるでしょう。また、EAP(従業員支援プログラム)と一体で提供されることも多くあります。

    メンタルヘルス対策全体の枠組み(4つのケア・事業場外資源によるケア)は「メンタルヘルス対策とは|4つのケアと3段階の予防を解説」で整理しています。

    タイプ(3)調査・法的対応まで担う型(社労士・弁護士)

    社会保険労務士や弁護士などが関与し、事実確認の進め方、法的リスクの整理、規程整備などを支援するタイプです。実際に調査まで依頼できるか、法的助言の範囲はどこまでかは、契約前に確認が必要です。

    費用相場の考え方(規模・範囲で変動)

    費用は、従業員規模と委託する範囲(受付のみ〜研修・コンサル込み)によって大きく変わります。料金形態も、月額制・従量制・包括パッケージなどさまざまです。

    そのため、一律の相場を示すことは困難です。「自社の規模 × 委託する範囲」で費用が決まる構造を理解したうえで、複数社から見積もりを取り、サービス内容と併せて比較することが重要です。

    <費用に影響する主なポイント>

    • 従業員数:対象となる従業員数に応じて、月額料金や従業員単価が設定される場合があります。例えば、100名まで、500名まで、1,000名までなど、従業員数の区分ごとに料金を設定するサービスもあります。
    • 相談チャネル:電話、メール、Webフォーム、オンライン面談、チャット、アプリなど、従業員の働き方や利用環境に合った相談チャネルを用意することで、利用しやすさを高められます。一方で、複数チャネル対応や夜間・休日対応が含まれる場合、費用が高くなることがあります。
    • 対応者の専門性:労務・法務・心理支援など、どの分野の専門職が、どこまで対応するかによって費用は変わります。専門家による一次対応や助言、法的観点でのアドバイス、心理的ケアまで含むサービスは、受付代行型よりも費用が高くなる傾向があります。
    • 企業への報告(エスカレーション)・レポート作成:相談内容をどの粒度で企業側へ報告するか、月次レポートや相談件数レポートが含まれるか、個別事案ごとの評価レポートを作成するかによって費用が変わります。相談レポート料や事案評価レポートを別料金として設定するなどが一例に挙げられます。
    • 調査・ヒアリング・研修の有無:相談受付だけでなく、本人ヒアリング、行為者・関係者への調査、調査レポート作成、ハラスメント研修まで依頼する場合は、別途費用が発生するのが一般的です。

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    社外相談窓口(委託先)の選び方

    委託先を選ぶ際は、「対応範囲」「対応品質」「社内連携」の3つの観点で比較するのがおすすめです。

    対応範囲(受付〜調査・研修)で選ぶ

    まず、相談受付だけでよいのか、調査・研修・規程整備まで必要かを整理し、自社のニーズに合う対応範囲のサービスを選びます。

    自社の課題や既存の体制を起点に範囲を決めることで、過不足のない選定ができ、コストの最適化にもつながります。

    対応品質(専門資格・対応時間・多言語)で選ぶ

    次に、対応者の専門資格、受付時間(24時間など)、多言語対応の有無といった品質面を比較し、従業員が実際に使いやすいかを確認します。

    シフト勤務者や外国籍の従業員がいる場合は、対応時間や言語が合うかが重要になります。「対象となる従業員が利用しやすい窓口か」という視点で見極めましょう。

    「使われる窓口」にするための比較観点は「EAPサービス比較11選|形骸化を防ぐ「使われる」選び方を解説」も参考になります。


    社内連携・報告の仕組みで選ぶ

    最後に、相談内容がどのように社内へ報告・連携されるかを確認します。たとえば「通報を希望した相談のみ報告する」といった運用が、自社の方針に合うかどうかです。

    報告フローと守秘のバランスは、窓口の実効性を左右する重要な選定項目です。導入前にしっかり確認しておきましょう。

    社外相談窓口の導入の流れ

    実際に導入する際は、「課題整理→比較選定・契約→規程整備・周知」という流れで進めます。

    自社の課題・ニーズを整理する

    まず、自社のハラスメント対策の課題・体制・予算を整理し、外部に求める範囲(受付のみ/調査まで等)を明確にします

    この要件定義が、委託先選定の前提になります。社内窓口との役割分担も、あわせて整理しておきましょう。

    複数社を比較・選定し契約する

    次に、対応範囲・品質・費用・実績で複数社を比較し、資料請求や見積りを取って、自社に合う委託先を選定・契約します。

    相見積りで比較検討することはもちろん、トライアルの可否や、同規模・同業の導入事例も確認すると、判断の精度が上がります。

    社内規程の整備と全従業員への周知

    窓口の設置に合わせて、就業規則・ハラスメント規程を整備し、利用方法や、相談者等のプライバシーを保護する方針、情報共有の範囲を全従業員に周知します。

    導入して終わりにせず、規程を整備し利用方法を継続的に周知することは、窓口の実効性を高めるうえで重要です。研修・社内掲示・カード配布など、複数の手段で繰り返し伝えましょう。

    従業員が使える公的・無料の相談窓口

    企業が設ける窓口とは別に、従業員が個人で利用できる公的・無料の相談先もあります。あわせて、これらと企業の設置義務との関係も整理します。

    厚生労働省「あかるい職場応援団」・総合労働相談コーナー

    厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、ハラスメントに関する情報や相談窓口が案内されています。また、各都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」では、労働問題について無料で相談できます。

    このほか、法務省の「みんなの人権110番」など、従業員個人が使える公的窓口もあります。従業員に案内できるよう、こうした無料の相談先も把握しておくとよいでしょう。

    社外窓口は公的窓口と役割が異なる点に注意

    ここで誤解しやすい点に注意が必要です。紹介した公的窓口は、主に労働者個人が利用する相談先であり、公的窓口を案内するだけでは、事業主に求められる相談体制を整備したことにはなりません。企業は、社内窓口の設置または外部機関への委託などにより、自社の相談体制を整える必要があります。

    「労働局の無料窓口を案内しているから大丈夫」というのは誤りで、企業は自社の窓口(社内・社外・併用)を整備する必要があります。公的窓口は従業員への案内として、自社窓口は義務対応として、役割を分けて捉えましょう。

    ハラスメント相談窓口の外部委託を支援するパートナーの活用

    ここまで見てきたように、ハラスメント相談窓口の外部委託は、受付対応からメンタルケア・調査・規程整備・研修まで幅広い領域にわたります。サービスのタイプも多様で、自社の課題に合うパートナーを選ぶことが、実効性とコストのバランスを取る鍵になります。

    具体的には、外部相談窓口を提供するEAP事業者、社会保険労務士、弁護士、研修サービス事業者など、目的に応じた支援先があります。受付だけを任せたいのか、調査・法的対応まで求めるのかによって、適した相手は変わります。


    「外部委託を検討したいが、どこに頼めばよいか分からない」という段階であれば、まずは、自社が外部に委託したい業務を整理し、その内容に対応できる支援先を比較することが重要です。自社のニーズと予算に合わせて、必要な範囲から相談してみてください。

    まとめ|社内窓口を補い、公平性と専門性で実効性を高める

    ハラスメントの社外相談窓口は、第三者性や専門性を活用し、社内窓口を補完する選択肢です。実効性を確保するには、社内連携や周知、事後対応の仕組みも併せて整える必要があります。義務やメリット・デメリット、費用、選び方を踏まえ、自社に合う形で導入することが重要でしょう。

    最後に、本記事の要点を整理します。

    • 社内との違い:窓口機能を外部委託。公平性・匿名性・専門性が強み
    • 義務・外部委託可:パワハラ防止措置は、2022年4月から中小企業を含むすべての企業に適用。相談窓口は外部委託も可能だが、周知や社内連携、事後対応の体制整備も必要
    • 罰則:直接の罰則はないが、指導・勧告・企業名公表・安全配慮義務違反のリスク
    • メリット・注意点:第三者性・専門性・負担軽減が期待できる一方、費用、社内との役割分担、形骸化防止に注意が必要
    • タイプ・費用:受付型/カウンセリング型/調査・法的対応型。費用は規模×範囲で変動
    • 選び方・導入:対応範囲・品質・社内連携で比較。課題整理→比較選定→規程整備・周知

    まずは、自社のハラスメント対策の課題と、外部に求める範囲を整理することが第一歩です。そこから、自社に合う相談体制の整備を進めていきましょう。

    なお、ハラスメントに関する相談や報告を受けた後は、事実確認、人事上の措置、再発防止策の実施などが必要です。これらの対応は、基本的に企業が主体となって進めなければなりません。自社だけでの対応が難しい場合は、必要に応じて外部パートナーを活用することも有効な選択肢です。

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