運用・監視の業務は委託できる?導入ステップとトラブル回避策を解説

運用・監視の業務は委託できる?導入ステップとトラブル回避策を解説

システムの運用や監視業務に多くの時間と人員を割いているにもかかわらず、専門知識不足や24時間対応の負担に悩む企業が増加しています。このような課題を解決する手段として、運用・監視業務の外部委託が注目されています。
外部委託により人件費の削減や専門性の確保が可能になる一方で、委託時のトラブルや失敗リスクも存在するため、適切な導入手順と注意点を理解することが重要です。

本記事では、運用・監視業務の委託可否から具体的な導入ステップ、よくあるトラブル事例とその回避策まで詳しく解説します。

目次

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    運用・監視業務の委託範囲

    運用・監視業務のアウトソーシングは、企業のITインフラ管理において重要な選択肢となっています。まずは委託可能な業務範囲を正確に把握しましょう。

    委託可能な運用・監視業務の範囲

    運用・監視業務として委託できる範囲は多岐にわたります。サーバーやネットワーク機器の24時間監視、システム保守、インシデント対応、障害対応フローの実行など、日常的な運用作業のほぼすべてを外部委託することが可能です。

    具体的には、監視ツールを用いた死活監視、性能監視、ログ監視、セキュリティ監視といった基本的な監視業務に加え、定期メンテナンス、バックアップ作業、障害復旧支援なども委託範囲に含められます。さらに、クラウド運用監視など、最新のIT環境にも対応したサービスが提供されています。

    運用・監視業務を外部委託するメリットと注意点

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    運用・監視業務の外部委託は、24時間体制やコスト削減などの利点がある一方、委託範囲の明確化やセキュリティ対策など事前の準備が欠かせません。それぞれのメリットや注意点についてみていきましょう。

    外部委託するメリット

    運用・監視業務を外部委託することで得られるメリットは数多く存在します。その一つに、24時間365日体制での専門的な監視体制を構築できる点があります。

    人件費削減の観点では、自社で運用チームを維持するコストと比較して大幅なコスト削減が期待できます。また、専門知識を持つエンジニアによる高品質なサービスを受けられるため、障害の早期発見や迅速な対応が可能になります。社内リソースを本業に集中できる点も重要なメリットといえるでしょう。

    委託時に考慮すべき注意点

    一方で、運用・監視業務の委託には注意すべき点もあります。最も重要な注意点は、業務範囲定義の明確化とコミュニケーション体制の確立です。

    委託先との責任分担が曖昧な場合、障害発生時の対応に遅れが生じるリスクがあります。また、セキュリティ対策の観点から、機密情報の取り扱いや情報漏洩防止策について十分な検討が必要です。さらに、一つの委託先に過度に依存するベンダーロックインリスク回避策を検討し、将来的な委託先変更の可能性も考慮しておくことが重要です。

    運用・監視業務の外部委託の導入手順

    運用・監視業務の委託を成功させるためには、段階的かつ計画的な導入アプローチが不可欠です。適切な手順を踏むことで、トラブルを最小限に抑えながらスムーズな移行を実現できます。

    目的と要件の明確化

    導入の第一段階として、委託の目的と具体的な要件を明確に定義する必要があります。コスト削減、専門性の確保、24時間対応の実現など、具体的な目標を設定し、現状の課題を整理することで、最適な委託先選定の基準が明確になります

    要件定義では、監視対象システムの洗い出し、求めるサービスレベル、通知・報告体制、障害対応時の要求事項などを詳細に検討します。また、委託費用相場の調査も並行して実施し、予算の妥当性を検証することが重要です。

    委託先の選定

    委託先業者の選定基準として、技術力、実績、対応体制、セキュリティ対策、コストパフォーマンスなどを総合的に評価する必要があります。

    選定基準に基づいて複数の候補に絞り、その後は各候補者からの提案内容を比較検討し、自社の要件にマッチするサービス内容を見極めます。特に、同じ業界での実績がある専門業者を優先的に検討することで、業界特有の課題への対応が迅速に行えるでしょう。

    契約内容の詳細検討

    委託先が決定したら、契約内容の詳細を慎重に検討します。サービス内容、責任範囲、費用体系、契約期間、解約条件などを明文化し、双方の認識を統一することが重要です。

    障害発生時のエスカレーション手順、定期報告の形式、変更管理プロセス、機密情報の取り扱いについても詳細に規定しましょう。また、将来的なサービス拡張や縮小に対応できる柔軟性も確保しておくことが推奨されます。

    段階的な移行

    実際の運用開始前に、段階的な移行計画を策定し、十分なテスト期間を設けることが成功の鍵となります。まず小規模なシステムから委託を開始し、徐々に範囲を拡大していくアプローチが効果的です。

    移行期間中は、既存の運用体制と並行してサービスを提供し、問題が発生した場合の影響を最小限に抑える体制を維持します。各段階でのテスト結果を評価し、必要に応じて運用手順の調整を行うことで、本格稼働時の品質を確保できます。

    運用・監視を外部委託する際のトラブル事例とその回避策

    運用・監視業務の委託時には、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。事前に典型的なトラブル事例を理解し、適切な回避策を講じることで、リスクを大幅に軽減できるでしょう。

    責任範囲の曖昧さによる対応遅延

    最も頻繁に発生するトラブルの一つが、責任範囲の曖昧さに起因する対応遅延です。障害発生時に「どちらが対応すべきか」で混乱が生じ、復旧までの時間が長期化するケースがあります。

    この問題を回避するためには、委託開始前に詳細な責任分担表を作成し、想定される障害シナリオごとの対応フローを明文化することが重要です。

    コミュニケーション不足による認識齟齬

    委託先とのコミュニケーション手段確立が不十分な場合、重要な情報の伝達漏れや認識齟齬が発生しやすくなります。特に、システム変更や新規導入時の連携不足は、深刻な障害につながるリスクがあります。

    効果的な回避策として、定期的なコミュニケーション会議の設定、情報共有ツールの活用などが挙げられます。

    セキュリティインシデント

    運用・監視業務の委託に伴い、機密情報へのアクセス権限を外部業者に付与する必要があります。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、情報漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。

    セキュリティリスクの軽減には、委託先のセキュリティ体制の徹底的な評価、アクセス権限の最小限化、監査ログの定期確認、従業員教育の実施などが効果的です。


    想定外の追加費用発生

    契約時に想定していなかった作業が発生し、予算を大幅に超える追加費用が請求されるトラブルも珍しくありません。特に、システム構成の変更や障害対応時の緊急作業で発生しやすい問題です。

    このトラブルを防ぐためには、契約時に作業範囲を詳細に定義し、追加作業が発生した場合の費用算定方法を明確に規定することが重要です。また、定期的なレビューを実施し、予算管理を徹底することで、想定外の費用発生を早期に察知できます。

    運用・監視業務の委託先選定ポイント

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    運用・監視業務の委託を成功させるためには、適切な委託先選定が最も重要な要素となります。技術力やコストだけでなく、総合的な観点から評価し、長期的なパートナーシップを築ける業者を選択することが重要です。

    技術力と専門性の評価

    委託先の技術力評価では、保有する技術資格、エンジニアのスキルレベル、最新技術への対応状況などを総合的に判断する必要があります。特に、自社で使用している技術スタックや監視ツールに精通しているか、トラブルシューティングの実績が豊富であるかといった点は、サービス品質に直結する重要な要素です。

    また、クラウド環境での運用経験や、最新のセキュリティリスクに対する知見も重要な評価項目となります。技術的な提案力があり、継続的な改善提案を行える業者を選択することで、長期的な価値創出が期待できるでしょう。

    サービス体制と対応力の確認

    24時間365日の監視体制や、障害発生時の初動対応速度は、運用・監視サービスの品質を左右する重要な要素です。委託先のサービス体制を詳細に確認し、自社の要求水準を満たせるかを慎重に評価する必要があります。

    具体的には、監視センターの運営体制、エスカレーション手順、平均復旧時間、障害対応実績などを詳しく確認しましょう。また、繁忙期や災害時の対応能力、バックアップ体制の充実度なども重要な判断材料となります。

    コストパフォーマンスの確認

    委託費用の評価においては、単純な価格比較だけでなく、提供されるサービス内容との総合的なバランスを考慮することが重要です。初期費用、月額費用、追加作業費用の体系を明確に理解し、長期的なコスト見通しを立てる必要があります。

    契約条件の柔軟性も重要な評価ポイントです。事業拡大や縮小に応じたサービス規模の調整、契約期間の設定、解約条件などが、自社の将来的な変化に対応できる内容であるかを確認しておくことが重要です。

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    運用・監視業務の委託は、適切な導入ステップを踏み、トラブル回避策を講じることで、大幅なコスト削減と業務効率化を実現できます。委託範囲の明確化、専門業者の慎重な選定、段階的な移行計画の実行が成功の鍵となります。

    パーソルビジネスプロセスデザインでは、企業のITインフラ運用を支える包括的なアウトソーシングサービスを提供しています。豊富な実績と専門知識を持つエンジニアチームが、24時間365日体制でお客様のシステム運用をサポートし、安定稼働と継続的な改善を実現します。運用・監視業務の委託をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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