社内ヘルプデスクの問い合わせ削減術|社員満足度を下げずに効率化を図るステップを紹介

社内ヘルプデスクの問い合わせ削減術|社員満足度を下げずに効率化を図るステップを紹介

社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数が急増し、問い合わせ対応に追われて本来の業務に支障をきたしたり、回答の遅延により社員満足度が低下したりする課題が深刻化しています。しかし、単純に問い合わせを制限するだけでは、社員の利便性や満足度を損なう可能性があるため注意が必要です。

本記事では、社内ヘルプデスクの問い合わせを効果的に削減しながら、社員満足度を維持・向上させるための具体的な手法をご紹介します。


目次

    もっと見る▼

    pwdbanner-wp-spoc (3483)

    ヘルプデスク運用の改善を検討している方、必見。課題の洗い出しから改善方法までを詳しく解説!

    無料ダウンロード



    社内ヘルプデスクの問い合わせが増加する背景

    多くの企業で社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数が増加傾向にあります。DX推進やリモートワークの普及により、ITツールの利用頻度が高まったことで、システムや業務に関する質問が急増しているのが現状です。


    担当者の属人化問題

    社内ヘルプデスクの担当者は、問い合わせ対応と本来業務の兼任により、過度な負担を抱えているケースが多く見られます。特に中規模以上の企業では、1日に数十件から数百件の問い合わせが寄せられることも珍しくありません。


    さらに深刻な課題として、対応業務の属人化が挙げられます。特定の知識やスキルを持つ担当者のみが対応可能な状況では、その人が不在の際に問い合わせが滞留し、遅延連絡などによる余分な工数の発生につながります。


    回答品質のばらつきと対応遅延

    問い合わせ件数の増加により、十分な時間をかけた丁寧な対応が困難になり、回答品質にばらつきが生じています。急いで回答した結果、不正確な情報を提供してしまい、後日再度問い合わせが発生するという悪循環に陥るケースも少なくありません。


    また、問い合わせが集中する時間帯や繁忙期には、回答までに数時間から数日を要することもあり、業務の停滞を招く要因となっています。これらの課題を解決するためには、問い合わせ削減と効率化の両方に取り組む必要があります。


    問い合わせ数が増大する要因

    効果的な問い合わせ削減を実現するためには、まず現状を正確に把握することが重要です。多くの企業で共通して見られる問題点を整理し、自社の状況と照らし合わせて分析しましょう。


    マニュアルや情報提供体制の不備

    社内マニュアルが存在しても、実際に活用されていないケースが頻繁に見受けられます。主な要因として、マニュアルの検索性が低い、内容が専門的すぎて理解しづらい、情報が古く更新されていない、設置場所が分からない、といった問題が挙げられます。


    特に大規模な企業では、部門ごとに作成されたマニュアルが散在し、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかることが問い合わせ増加の要因となっています。情報の一元化と体系的な整理が急務といえるでしょう。


    社員の問い合わせに対する意識

    社員の側にも問い合わせが減らない要因があります。「直接聞いた方が早い」という思い込みや、「同じ会社だから答えてもらって当然」という依存的な意識が根強く存在している場合があります。


    また、問い合わせが担当者の時間とコストを消費するという認識が不足していることも課題です。このような意識の問題に対しては、啓発活動や制度面での工夫が必要になります。


    既存ツールの利用率の低さ

    FAQサイトやマニュアルが整備されていても、その存在や利用方法が社員に十分認知されていないケースが多く見られます。定期的な周知活動や利用促進の取り組みが不足していると、せっかく整備したツールも活用されません。


    利用率を向上させるためには、アクセスしやすい環境の整備と継続的な啓発活動が欠かせません。


    自己解決促進による問い合わせ削減手法

    問い合わせ削減の最も効果的なアプローチは、社員が自力で問題を解決できる環境を整備することです。適切なツールと仕組みを導入することで、大幅な問い合わせ削減を実現できます。


    FAQ作成

    FAQの作成は問い合わせ削減の基本となる施策です。過去の問い合わせ履歴を分析し、頻繁に寄せられる質問を抽出して、分かりやすい回答を用意します。重要なポイントは、専門用語を避けて平易な言葉で説明することと、画像やスクリーンショットを活用して視覚的に理解しやすくすることです。


    FAQは作成後の運用が成功の鍵を握ります。定期的な内容更新、検索機能の充実、利用状況の分析に基づく改善を継続的に実施する必要があります。また、社内イントラネットのトップページなど、アクセスしやすい場所への配置も重要です。


    ナレッジを企業内で共有する仕組みづくりも重要です。各部門の専門知識を組織全体で活用できる仕組みを確立します。定期的なメンテナンスを行い、常に最新の情報を提供することが重要です。


    チャットボット導入による24時間対応の実現

    チャットボットの導入により、基本的な問い合わせに対する24時間自動対応が可能になります。AI型チャットボットは自然言語での質問に対応でき、学習機能により精度が向上します。一方、シナリオ型チャットボットは定型的な質問に特化しており、運用が比較的簡単です。


    チャットボット導入のメリットは、社員が気軽に質問できる環境の提供、即座の回答による自己解決促進、時間外対応の実現です。導入初期は回答精度が低い場合もありますが、継続的な学習により改善されます。


    問い合わせ対応の効率化施策

    自己解決促進と併せて、実際に発生する問い合わせへの対応効率を向上させることも重要です。標準化された対応プロセスと適切なツール活用により、品質を保ちながら効率化を図ります。


    問い合わせ管理システムの導入

    問い合わせ管理システムの導入により、すべての問い合わせ情報を一元管理できます。システムの主要機能には、問い合わせの自動分類、担当者への自動振り分け、対応状況の可視化、対応履歴の蓄積などがあります。


    管理システムを活用することで、対応漏れの防止、優先度に応じた効率的な対応、過去の対応履歴を参照した迅速な回答が可能になります。また、対応データの分析により、問題の傾向把握と改善施策の立案にも活用できます。


    テンプレート返信

    頻繁に発生する問い合わせに対しては、予め回答テンプレートを準備しておくことで対応時間を大幅に短縮できます。テンプレートは定期的に見直しを行い、より分かりやすい表現に改善していきます。


    さらに、テンプレートは一度作って終わりではなく、定期的な見直しが欠かせません。問い合わせ内容や顧客ニーズは時間とともに変化していくため、最新の状況に合わせて内容をアップデートすることで、常に適切で分かりやすい表現を提供できます。


    ナレッジベース構築

    ナレッジベースの構築では、過去の対応事例を体系的に整理し、担当者が迅速に参照できる環境を整備します。これにより、属人化の防止と応対品質の均一化を実現できます。


    また、ナレッジベースは単なる事例の蓄積にとどまらず、「検索性」と「更新性」が重要なポイントです。キーワード検索やカテゴリー分けを行うことで、必要な情報にすぐアクセスできる仕組みを整えれば、担当者の対応スピードが大幅に向上します。さらに、内容を定期的に見直し最新情報へアップデートすることで、常に正確で信頼性の高い情報を提供できるようになります。


    対応範囲の明確化

    ヘルプデスクで対応する範囲を明確に定義し、社員に周知することで、不適切な問い合わせを減らすことができます。対応範囲外の問い合わせについては、適切な担当部署への振り分けルールを策定します。


    振り分けプロセスを効率化するため、問い合わせの内容に応じた自動分類機能の活用も有効です。これにより、初期対応の時間短縮と適切な専門部署での迅速な解決が可能になります。


    社員満足度を維持する問い合わせ削減の進め方

    問い合わせ削減施策を実施する際は、社員満足度の低下を招かないよう慎重に進める必要があります。段階的な導入と継続的なフォローアップにより、社員の理解と協力を得ながら効率化を図ります。


    段階的な施策導入

    問い合わせ削減施策は一度にすべてを導入するのではなく、影響度の高い施策から段階的に実施します。まずはFAQの充実や既存マニュアルの改善から始め、社員の反応を見ながらチャットボットや管理システムの導入を検討します。


    各施策の導入後は、社員からのフィードバックを積極的に収集し、得られた課題を速やかに改善へとつなげることが重要です。具体的には、定期的なアンケート調査や利用状況の分析により、施策の効果測定と継続的な改善を行います。


    社員への周知徹底

    問い合わせ削減の取り組みについて、その目的とメリットを社員に丁寧に説明します。単なる業務効率化ではなく、より迅速で正確なサポートの提供、担当者の負担軽減による品質向上など、社員にとってのメリットを具体的に示します。


    また、「問い合わせはコスト」という認識を共有し、自己解決への協力を求めます。ただし、必要な場合は遠慮なく問い合わせできる環境は維持し、萎縮効果を避けることが重要です。


    利用しやすいツール設計

    導入するツールは社員の使いやすさを最優先に設計します。直感的な操作が可能なインターフェース、迅速な検索機能、モバイル対応など、日常的に利用してもらえる工夫が必要です。


    利用状況の分析に基づき、使いにくい部分の改善や新機能の追加を継続的に実施します。社員のニーズに応えるツールの進化により、自己解決率の向上と満足度の維持を両立できます。


    PDCAサイクル運用による継続的改善

    問い合わせ削減施策の成功には、定量的な効果測定と継続的な改善が不可欠です。適切な指標設定と分析により、施策の効果を客観的に評価し、さらなる改善につなげます。


    定期的な分析

    問い合わせ削減の効果を測定するための主要指標には、問い合わせ件数、自己解決率、平均回答時間、社員満足度スコアなどがあります。これらの指標を定期的に測定し、施策の効果を定量的に把握します。


    問い合わせ内容の分析により、依然として多い問い合わせのカテゴリーや新たな問題点を特定し、追加施策の検討材料とします。データに基づいたアプローチにより、より効果的な改善策を立案できます。


    社員フィードバックと活用

    定量指標だけでなく、社員からの定性的なフィードバックも重要な改善材料です。定期的なアンケート調査やヒアリング調査により、ツールの使いやすさ、情報の充実度、応対品質などについて意見を収集します。


    収集したフィードバックは分類・分析し、改善優先度を決定します。社員の声に基づく改善を実施することで、より実用的で満足度の高いサポート体制を構築できます。


    成功事例の共有と横展開

    効果的だった施策については、成功要因を分析し、他の部署や類似の課題を抱える領域への横展開を検討します。成功事例の共有により、組織全体での問い合わせ削減効果を高めることができます。


    また、外部への事例発表や業界団体での情報交換により、他社の先進事例を学ぶ機会を作ることも有効です。継続的な学習と改善により、競争優位性のあるサポート体制を維持できます。


    ヘルプデスクのアウトソーシングならパーソルビジネスプロセスデザインへ

    社内ヘルプデスクの問い合わせ削減は、FAQ作成、チャットボット導入、ナレッジ共有体制の構築など、複数の施策を組み合わせて実現します。重要なポイントは、社員満足度を維持しながら段階的に導入し、継続的な改善を行うことです。自己解決促進と対応効率化の両輪により、大幅な業務効率化と品質向上を実現できます。


    しかし、これらの施策を社内で実施するには専門的な知識と継続的なリソース投入が必要です。パーソルビジネスプロセスデザインでは、豊富な経験と実績に基づくヘルプデスク運営サービスを提供しており、問い合わせ削減から応対品質向上まで包括的にサポートいたします。社内ヘルプデスクの効率化をお考えの際は、ぜひご相談ください。


    pwdbanner-wp-spoc (3483)


    pwdbanner-service-helpdesk.jpg (46062)

    関連サービス

    ヘルプデスクアウトソーシング

    ヘルプデスクアウトソーシング

    問い合わせ対応やデスクサイドサポート、キッティング対応などを代行します。国際スタンダードの高品質かつ安定的なヘルプデスク業務運用を行います。

    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン