サイロ化とは
サイロ化とは、組織やシステムがそれぞれ単独で活動した結果、情報が分断してしまう状態のことです。企業でサイロ化が発生すると、各部署が各々でデータ収集やシステムの導入を進めるため他の部門との連携が困難になります。
たとえば、営業部門が持つ最新の顧客情報が、カスタマーサポート部門に共有されていないといったケースが挙げられます。
企業がサイロ化している状態では、作業効率が低下したり、顧客への最適な価値提供ができなくなったりするなどの問題が生じやすくなるため、対処が必要です。
サイロ化が発生したときに起きる6つの問題点
サイロ化は企業経営においてさまざまな影響を及ぼします。
ここではサイロ化が発生したときに起きる6つの問題点について、詳しく解説していきます。
- 社内のDX推進に影響が出る
- 社内データが活用できない
- 迅速な意思決定が難しくなる
- 業務効率が悪くなる
- 顧客満足度に影響する
- コスト増加につながる
サイロ化とその課題を解消するために、BPOの活用がおすすめです。BPOについて詳しく知りたい方は下記の資料をぜひご覧ください。
【資料】概要と事例でよく分かる!BPO解説ブック
- BPOの今と未来予測
- BPOの基礎知識
- BPOを導入する3つのメリット
- BPOを導入する4つの注意点
- BPOを活用した5つの事例(営業事務、金融関連業務、経理・財務事務、総務、官公庁)
社内のDX推進に影響が出る
サイロ化が発生すると社内のDX推進に影響が出てしまいます。
社内でDX化を進めるためには、組織全体でのデータ活用と業務プロセスの連携が必要です。しかし、組織内でサイロ化が発生している状態では、情報やシステムが連携されなくなり、推進が難しくなるためです。
経済産業省が公表しているレポートでも、社内でデータの活用ができない、またはシステムが複雑化している企業はDXが実現できないと示しています。
参考| DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省
社内データが活用できない
サイロ化が発生すると、各部門が保有する重要な情報が共有されず、データを十分に活用できないという問題が生じます。
たとえば、営業部門が収集した顧客データが社内で共有されていない場合、マーケティング部門はターゲットの分析ができずに自社に合わない施策をしてしまう恐れがあります。
サイロ化によって、企業の競争力を低下させてしまうといったトラブルにつながるでしょう。
迅速な意思決定が難しくなる
サイロ化により部門間の情報共有がなくなると、経営層は迅速な意思決定ができなくなります。
サイロ化によって各部門から報告される情報にまとまりがなく、全体像を把握するまでに時間がかかるためです。
たとえば、新商品の開発において、営業部門の市場ニーズ情報と、開発部門の技術力の情報がまとまっていない場合、適切な製品戦略が立てられません。
意思決定が遅れるとビジネスチャンスを逃してしまうといった問題を引き起こします。
業務効率が悪くなる
部門間の連携不足により、非効率な業務プロセスが生まれます。
たとえば、営業部門とカスタマーサポート部門が顧客情報を連携していない場合、それぞれで同じデータを入力するといった無駄が発生します。
本来なら付加価値の高い業務に充てるべき人的リソースをノンコア業務に費やしてしまうため、業務効率が低下してしまうでしょう。
顧客満足度に影響する
組織がサイロ化を起こすことで顧客満足度にも影響します。
部門間の連携不足により、顧客に対して一貫性がない、または質が低いサービスを提供してしまうリスクが高まるためです。
たとえば、顧客からの問い合わせに対して、担当部署が異なると回答内容が毎回変わってしまう可能性があります。また、過去のやり取りが共有されないと顧客は同じ説明を何度も求められるケースが考えられます。
情報が連携されていない状況では顧客満足度を下げてしまうため、競合に機会を奪われる原因となるでしょう。
コスト増加につながる
サイロ化は、企業のコスト増加につながります。
たとえば、各部門が業務のシステムやツールを個別に導入することで、類似のソフトウェアが社内に存在し、ライセンス費用や保守運用コストが無駄に増えてしまう例が挙げられます。
また、業務効率が悪化することにより、作業に対して必要以上の工数がかかってしまい、人件費が増加するでしょう。
コスト増加により、人材育成や投資などに回せる資金が少なくなり企業の競争力に影響が出てしまいます。
サイロ化が発生してしまう3つの原因
サイロ化は、文化や企業の成長といったいくつかの要因によって発生します。サイロ化を根本から解決するためには、発生してしまう要因を理解しておくことが大切です。
ここでは、サイロ化が発生してしまう3つの原因について詳しく解説します。
- 社内が縦割りの文化になっている
- 部門ごとに別システムを導入している
- 企業として規模が拡大している
サイロ化を解消させる一つの方法として、BPOの活用がおすすめです。以下の資料ではBPOサービスについての概要や運用実績などをまとめております。
サービス比較検討時の参考資料が必要な方は、あわせてご覧ください。
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社内が縦割りの文化になっている
企業の縦割りの組織構造は、サイロ化を生み出す要因の一つです。
縦割りとは、部署ごとに業務を完結させるように細分化された組織形態のことです。縦割りの文化が発生すると他部署との情報共有や協力に対して消極的になりやすく、部内に影響する仕事だけ対応すれば良いという意識がはたらきます。
また、同じ情報を扱っていても共有がされていないため、業務が重複するなど非効率な状態になりやすくなります。
部門ごとに別システムを導入している
部門ごとに別システムを導入しているといった状況もサイロ化を進める要因です。
各部門が最適と考えるシステムを個別に導入してきた結果、システムの乱立が発生します。各システムは単体では優れた機能を持っていても、情報の連携ができるように設計されていないため、データの統合が困難です。
各部門でシステムを導入すると、結果的にデータのサイロ化が発生してしまい、組織全体での情報活用が難しくなります。
企業として規模が拡大している 企業の規模拡大も、サイロ化を招く原因の一つです。
組織の規模がまだ小さい場合は、従業員は業務全体を把握しやすく、データ連携も円滑に進められます。しかし、規模が拡大すると組織として縦割りが発生したり、情報の連携の手間が増えてしまったりします。
組織の拡大期に、意識的に情報連携の仕組みを構築していないと、サイロ化が進行しやすくなるため注意が必要です。
サイロ化の根本解決にBPOがおすすめな4つの理由
組織のサイロ化を解決するためには、業務プロセスや社内運用の改革が必要です。改革のためにおすすめの手段として、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用が挙げられます。
BPOとは、企業の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託する方法のことです。
ここでは、サイロ化の根本解決にBPOがおすすめな4つの理由を解説します。
- 部署内の業務プロセスを標準化できる
- 業務プロセスを部門ごとに見直して、社内でデータを一元化できる
- 独自のノウハウや実績により社内の組織再編に乗り出せる
- リソースや情報の適正化により社内改革が整えやすくなる
部署内の業務プロセスを標準化できる
BPOを活用することで部署内の業務プロセスを標準化できます。
BPOを導入すると、ベンダーは専門家としての客観的な視点で委託対象となる業務の可視化や分析を行い、適正な状態にするためです。
業務プロセスの適正化によって、これまで属人化していたノウハウが社内に周知され、誰が担当しても同じ品質で業務を遂行できる標準化されたプロセスが確立されます。
BPOにより部署内における非効率が解消され、部門間の情報連携の土台を整えられます。
業務プロセスを部門ごとに見直して、社内でデータを一元化できる
BPOによって部署内だけでなく、部門を横断した業務プロセスを再設計できるため、データの分断を解消することが可能です。ベンダーは、多くの企業の業務改革に携わった経験から、部門間の最適なデータの流れを提案してくれます。
データを社内で共有できる仕組みを構築することで、業務の重複を避けられたり、企業としての迅速な意思決定に繋げられたりします。
独自のノウハウや実績により社内の組織再編に乗り出せる
サイロ化の根本原因が組織構造そのものにある場合、解決には部門の役割見直しや組織再編が必要になる場合があります。BPOのベンダーは、さまざまな業界・規模の企業での組織変革を支援してきた経験があるため、組織構造の見直しまで提案が可能です。
組織再編に対する従業員の抵抗も、外部の専門家が対応することで、客観的な視点での説明ができます。
サイロ化を根本的に改善するためには、自社だけでなく外部の専門業者に依頼するのがおすすめです。
リソースや情報の適正化により社内改革が整えやすくなる
BPOを活用することで、ノンコア業務を外部に委託できるため、社内の人的リソースを企業のコア業務に集中させられます。コア業務にリソースを注力させることで社内改革が進めやすくなるでしょう。
たとえば、人事部や総務部は各部門で使用しているシステムの統合やはたらき方の改善などのコア業務に注力ができます。
会社の戦略的な業務や基盤を整える業務にリソースを配分させることで社内改革を進められるでしょう。
効果的にBPOを社内に導入する5つの手順を解説
BPOを活用して、サイロ化を根本から解決するためには、戦略的かつ計画的なアプローチが必要です。ここでは、効果的にBPOを社内に導入する5つの手順を解説します。
- BPOを活用する目的と業務範囲を明確にする
- 目的と業務範囲をもとに提案依頼書を作成する
- BPOの業者を選定
- 業務プロセスをすり合わせて契約
- 運用を開始して効果測定を実施
パーソルビジネスプロセスデザインでは、BPOの概要をまとめた資料を用意しておりますので、あわせてご覧ください。
【資料】概要と事例でよく分かる!BPO解説ブック
- BPOの今と未来予測
- BPOの基礎知識
- BPOを導入する3つのメリット
- BPOを導入する4つの注意点
- BPOを活用した5つの事例(営業事務、金融関連業務、経理・財務事務、総務、官公庁)
STEP1.BPOを活用する目的と業務範囲を明確にする
BPOを活用してサイロ化を解消するためには、まず目的を明確にしましょう。
たとえば、「部署間のシステムを統一させ、業務効率を30%向上させる」や「人事部のノンコア業務を委託し、コア業務に注力する」など、具体的な目標を設定します。
目的が明確になることで、次に業務範囲の切り分けが容易になります。
サイロ化の解消が目的であれば、複数の部門でまたがる業務プロセスや、データの分断が発生している業務を中心に選定することが重要です。
STEP2.目的と業務範囲をもとに提案依頼書を作成する
目的と業務範囲が固まったら、BPOベンダーに具体的な提案を依頼するための提案依頼書(RFP)を作成します。
RFPには、以下の内容を詳しく記述しましょう。
- 目的
- 業務範囲
- 要件
- 課題
- スケジュール
- 予算
- KPI
自社の状況や要求をできるだけ正確かつ詳細に伝えることで、BPOベンダーから的確な提案を引き出せます。
STEP3.BPOの業者を選定
作成したRFPを複数のBPOベンダーに提示し、各社から提案を受けましょう。ベンダーを選定する際には、単に提示されたコストの安さだけでなく、多角的な評価が必要です。
とくに、以下の項目を意識して選定しましょう。
- 委託したい業務領域における実績
- 専門性
- セキュリティ体制の信頼性
- 改善の提案力
- 担当者とのコミュニケーション
- コスト
複数のベンダーに相談し、相見積もりをして、自社に合う業者を選定しましょう。
STEP4.業務プロセスをすり合わせて契約
最適なBPOベンダーを選定したら、契約締結の前に、実際の業務プロセスについて詳細なすり合わせを行います。
ベンダーから提案された業務フローをもとに、自社の現状と照らし合わせながら、一つひとつの手順を確認し、認識の相違をなくしていきましょう。合意した内容は、SLAとして契約書に明記し、双方の責任範囲と役割分担を明確にします。
双方が納得のいく状態ですり合わせができたら契約を進めましょう。
STEP5.運用を開始して効果測定を実施
BPOサービスの運用開始後は、定期的な効果測定と継続的な改善を実施します。
サイロ化解消が目的の場合は、部門間の情報共有の頻度や顧客満足度など、多面的な指標で測定しましょう。たとえば、全社会議での報告資料作成時間が50%削減された、部門横断プロジェクトの成功率が向上したなどの成果を記録します。
改善点が見つかった場合は、BPOベンダーと協力して対策を実施し、PDCAサイクルを回し続けることで、継続的な組織変革を実現できます。
BPOを活用して企業のサイロ化を根本的に解決しましょう
本記事では、サイロ化について、問題点や解決策を詳しく解説してきました。
サイロ化が発生すると、業務効率の低下や迅速な意思決定の妨げといったトラブルが発生し、企業の成長に影響が出てしまいます。サイロ化を根本から解決し、全社的な連携と最適化を実現する際にはBPOの活用がおすすめです。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、豊富な実績とノウハウをもとに、お客さまの要望にあわせてBPOサービスを提供しております。さらにBPOの事例や成果を詳しく知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
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