SLAとは?SLO・OLAとの違いやITサービスの品質保証の意味・評価指標を解説

SLAとは?SLO・OLAとの違いやITサービスの品質保証の意味・評価指標を解説

ITサービスを利用する際、チェックして欲しいのが「SLA」です。
SLA
はITにおけるサービス品質保証を指す言葉で、ITサービスを選ぶ際の指標として役立ちます。


SLAはITサービスだけでなく、コールセンターやヘルプデスク、代表電話受付などの問い合わせ窓口でも、応答率・一次回答時間・解決時間・報告体制などを定める際に活用される指針です。

また、SLAと同じように、ITサービスにおけるサービス品質を保証するシステムもあります。

この記事では、SLAの基本的な意味から、SLO・OLA・KPIとの違い、コールセンターやヘルプデスクで使われる具体的な指標、契約時に確認すべき項目、さらにはHDIの国際認定制度まで、実務に役立つ情報をわかりやすく解説します。


目次

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    SLAとは

    「SLA」とは「Service Level Agreement」の略で、「サービス品質保証」を意味します。
    サービスを提供する事業者がサービスの契約者に対し、提供するサービスの品質水準や対応範囲を具体的な数値や基準で取り決め、双方が合意するための契約文書です。

    「サービスレベルアグリーメント」「サービスレベル合意書」とも呼ばれます。
    もともとITや通信サービスの分野で広く使われてきましたが、現在ではコールセンターやBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、ヘルプデスク、代表電話受付など、幅広い業務で活用されています。

    SLAで明確にする主な内容は、次の通りです。

    • どの業務・サービスが対象か

    • どの品質水準を満たす必要があるか

    • どのデータで測定するか

    • 目標を下回った場合にどう対応するか

    • どの範囲を免責とするか

    たとえば、クラウドサービスでは「月間稼働率99.9%以上」、ヘルプデスクでは「一次回答は4営業時間以内」、コールセンターでは「応答率90%以上」などがSLAとして設定されます。

    SLAは単なる努力目標ではなく、サービス品質を客観的に管理するための重要な仕組みです。経済産業省が策定した「SaaS向けSLAガイドライン」でも、利用者と提供者の間でサービスレベルに関する取り決めを行うことの重要性が示されています。



    これらの内容を保証・数値化することで、サービスの利用者はサービスの水準や機能を事前に確認できます。
    サービス提供者も自分のサービスを客観的にアピールできるため、SLAにはサービス利用者・事業者両方にメリットがあるといえます。



    SLAが広まった背景と活用の場

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    SLAはIT・通信・クラウドサービス分野で広く普及してきました。
    通常、企業が販売する製品やサービスは、保証書などで品質保証をメーカーが行います。
    しかし、通信サービスにはサービス品質を明確な数値で合意する仕組みが十分でないケースがありました。

    そのため、インターネットが普及し始めたときには、ネットワーク接続の不安定さや、通信サービス提供者と委託者間で認識のずれなどのトラブルが発生していました。

    これを防ぐために、通信サービスの品質保証をする契約書「SLA」が発行されたのです。
    SLAはITや通信サービスを中心として活用され、現在ではコールセンターやヘルプデスクなどでもSLAによるサービスの品質保証としても活用されています。

    SLAとSLO・OLA・KPIの違い

    SLAを正しく活用するには、関連するSLO・OLA・KPIとの違いを押さえておく必要があります。これらは似た言葉ですが、それぞれ対象や目的が異なり、互いに連動しながらサービス品質管理の全体像を形成しています。
    まずは比較表で、各用語の意味と役割を確認してみましょう。


    項目 SLA SLO OLA KPI
    意味 サービス品質に関する合意 サービス品質の目標 社内・部門間の運用合意 業務成果や品質を測る指標
    主な対象 提供者と利用者 提供者側 社内チーム間 業務・組織
    契約性 高い(契約・合意) 低い(内部目標) 社内合意 契約とは限らない
    応答率90%以上 応答率95%を目標 二次対応部門へ30分以内に連携 一次解決率、CS、AHT

    SLO(Service Level Objective)との違い

    SLAがサービス提供者と利用者の間で交わされる「外部的な約束」であるのに対し、SLOは提供者側が自ら設定する「内部的な品質目標」です。

    たとえば、SLAで「応答率90%以上」と合意している場合、提供者側では余裕を持たせて「応答率95%」をSLOとして設定するなどです。SLOはあくまで内部目標なので、未達になっても直ちに契約違反にはなりません。

    OLA(Operational Level Agreement)との違い

    OLAは、SLAで定めた品質基準を達成するために、提供者内部の複数部門間で結ばれる運用レベルの取り決めです。

    たとえば、ヘルプデスクで「問い合わせに対し解決まで24時間以内に対応する」とSLAで定めた場合を考えてみましょう。

    一次受けのサービスデスクと技術部門の間で「エスカレーションされたインシデントに対し、技術部門は4時間以内に見解を返す」といった内部の運用合意(OLA)が整備されていなければ、SLAの達成は困難になります。

    KPI(Key Performance Indicator)との違い

    KPIは、SLAやSLOの達成状況を日々の業務レベルで計測・監視するための定量的な管理指標です。 たとえば、SLAとして合意された「応答率90%以上」を実現するために、現場の管理者は「放棄呼率」「AHT(平均処理時間)」「稼働率」「一次解決率」などをKPIとして日々モニタリングし、数値が悪化した場合にはすぐに改善策を講じます。

    整理すると、SLAは「利用者との約束」、SLOは「提供者側の目標」、OLAは「社内の連携ルール」、KPIは「日々の管理指標」です。

    SLAが到達すべき最終的な合意基準だとすれば、KPI・SLO・OLAはその達成状況を示す計器盤のような役割を果たしています。これらを組み合わせて運用することで、サービス品質を継続的に改善しやすくなります。

    SLAがもたらす3つのメリット

    SLAにはサービスの内容を明確にする効果がありますが、この効果により3つのメリットが生み出されます。SLAが生み出す以下3つのメリットについて解説します。

    【SLAが生み出す3つのメリット】

    • ITサービスの内容や提供範囲が分かる
    • ITサービスの品質レベルが数値化され分かりやすい
    • トラブル防止や対策方法が分かりやすい

    ITサービスの内容や提供範囲が分かる

    SLAには、ITサービスの提供者が提供するサービス内容や業務範囲が、詳しく記載されます。
    これにより、提供されるサービスの内容や提供される範囲が分かりやすくなるのです。

    サービスの内容や業務範囲が不明瞭だと、サービス提供者と委託者の間で、サービスに関する認識のずれや食い違いが発生します。
    認識のずれや食い違いは、サービス提供におけるトラブルの元にもなりかねません。
    提供者と委託者の両者が、サービスの内容と適応範囲を理解しておけば、食い違いによるトラブルを予防できます。

    サービス内容の明確化は、サービス委託者から信頼を得るにはとても重要です。
    SLAがあれば、サービス委託者からの信頼を得やすくなるわけですから、これは大きなメリットといえるでしょう。

    ITサービスの品質レベルが数値化され分かりやすい

    SLAが持つメリットは、サービス委託者にもいい影響をもたらします。
    SLAはサービスの品質を数値化しているため、サービスの品質を客観的かつ分かりやすい状態で確認・比較できます。
    自分が求めているサービスが選びやすくなるのは、サービスを利用するうえでは嬉しいメリットです。

    ITサービスなどの利用を検討した際には、SLAを確認してみましょう。
    SLAはサービスごとに違う優位性や特徴も記載されているため、自分が求めているサービスがあるかを見極めるのに役立ちます。

    サービス提供者側が品質レベルのアピールとしてSLAを活用する場合、このメリットをいかすには数値化できる項目を盛りこまなくてはなりません。
    アピールの意味もこめてSLAを活用する際は注意しましょう。

    トラブル防止や対策方法が分かりやすい

    SLAにはサービスの提供ができない場合や、保証している品質を維持できない場合の補償内容についても記載されています。
    トラブル発生時はこの内容に沿って対応するため、スムーズに問題を解決できます。

    トラブルが起きてもSLAに記載されているやり方で対処すればいいため、いざという場合でもサービス提供者・委託者ともに落ち着いた状態で対応できます。
    これはサービス提供者にとってはトラブル対応の労力を削減するのに役立ち、サービス委託者はいざというときの安心感につながります。

    例えば、「災害時の対応は例外である」などの例外事由の記載です。
    あらかじめSLAに例外にあたる事由を先に記載・説明した状態で合意をもらえれば、いざというときのトラブルを予防できます。トラブルの防止と対応方法の分かりやすさは、サービス提供者と委託者の両者に役立つ重要なメリットです。

    SLAで使われる主な指標一覧

    SLAでは、サービスの品質を客観的に確認できるよう、定量的な指標を設定するのが一般的です。設定される指標はサービスの種類によって異なりますが、ITサービスやヘルプデスク、コールセンターでは、稼働率、応答時間、解決時間、応答率、一次解決率などが代表的です。

    たとえば、クラウドサービスではサービスが安定して利用できるかを示す「稼働率」が重視されます。一方、ヘルプデスクでは問い合わせへの初回応答や解決までの時間、コールセンターでは電話のつながりやすさや応対品質が重要な指標になります。

    主なSLA指標を整理すると、以下の通りです。

    指標 意味 主な利用場面
    稼働率 サービスが利用可能な時間の割合 ITサービス、クラウド
    応答時間 問い合わせから初回応答までの時間 ヘルプデスク、サポート窓口
    解決時間 問い合わせや障害が解決するまでの時間 ITSM、ヘルプデスク
    応答率 着信に対して応答できた割合 コールセンター
    放棄呼率 応答前に顧客が切電した割合 コールセンター
    一次解決率 初回対応で問題を解決できた割合 ヘルプデスク、カスタマーサポート
    応対品質スコア モニタリング評価による品質点数 問い合わせ窓口、コールセンター
    顧客満足度 アンケートなどで測る満足度 CX、CS部門

    SLA指標を設定する際は、測定しやすい数値だけで決めるのではなく、サービス利用者にとって重要な品質を反映することが大切です。

    たとえば、応答時間が短くても解決率が低ければ、利用者の満足度は上がりにくくなります。反対に、丁寧な対応を重視しすぎると、対応時間が長くなり、待ち時間が増える可能性もあります。

    そのため、SLAでは複数の指標を組み合わせ、スピード・品質・効率のバランスを見ながら設計することが重要です。

    ITサービスマネジメント・ヘルプデスクにおけるSLAの例

    ITサービスマネジメントや社内ヘルプデスクでは、問い合わせ対応や障害対応の品質を管理するためにSLAが設定されます。

    特に、社内システムや業務アプリケーションに関する問い合わせでは、対応の遅れが業務停止や生産性低下につながるため、一次回答までの時間や解決までの時間を明確にしておくことが重要です。

    ITサービスマネジメント・ヘルプデスクで使われるSLAの例は、以下の通りです。


    業務 SLA項目 設定例
    社内ヘルプデスク 一次回答時間 4営業時間以内
    社内ヘルプデスク 解決時間 3営業日以内
    サービスデスク インシデント初動対応 30分以内
    ITSM運用 エスカレーション 重大障害は30分以内に二次対応へ連携
    ナレッジ運用 FAQ更新 月1回以上見直し

    たとえば、社内ヘルプデスクを外部委託する場合、「問い合わせを受け付ける」だけではなく、どの時間内に一次回答を行うのか、どの条件で二次対応部門へ引き継ぐのかを決めておく必要があります。
    これにより、対応の属人化を防ぎ、利用者への案内品質を一定に保ちやすくなります。


    また、FAQやナレッジの更新頻度をSLAや運用ルールに含めておくと、同じ問い合わせの再発防止にもつながります。

    問い合わせ内容を蓄積し、定期的にFAQを見直すことで、利用者の自己解決を促し、ヘルプデスク全体の負荷軽減も期待できます。

    このように、ITサービスやヘルプデスクでは対応スピードや解決時間がSLAの中心になります。

    一方で、コールセンターでは電話のつながりやすさや応対品質、生産性なども重要な評価指標になります。

    次に、コールセンター業務の入電対応を例に、SLAの評価指数を詳しく見ていきましょう。

    SLAの評価指数の例

    SLAで使われる指標は、業務内容によって異なります。なかでもコールセンターでは、電話のつながりやすさ、応対品質、生産性、コストなどを複数の指標で評価します。

    ここではコールセンター業務の入電対応を例に、4つの項目に分けてSLAの評価指数を解説します。

    サービス品質保証指標

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    コールセンターにおけるサービス品質保証指標は、主に電話のつながりやすさを評価するために使われます。なかでも応答率やSLは、顧客が必要なタイミングで窓口につながれているかを確認する代表的なSLA指標です。

    コールセンターの場合、電話で顧客からの問い合わせに対応するため、電話のつながりやすさが重要になります。 このつながりやすさを保証する指標が、以下のものです。

    応答率 着信件数のうち、実際にオペレーターが対応できた電話の割合を示しています。
     高いほど電話がつながりやすく、サービス品質が高いです。
    SL 「Service Level」の略で、一定の時間内にオペレーターが応答したコールの割合を指します。
     着信から30秒以内に80%に応答できる場合は、「80/30」のような形で表記されます。
    こちらも応答率と同様、高ければ高いほど電話がつながりやすく、サービス品質が高いことを示しています。


    応対品質保証

    応対品質も、コールセンターにおける重要なSLA指標のひとつです。電話がつながるだけでなく、顧客の課題を正確に理解し、適切に解決できているかを評価する必要があります。そのため、コールセンターではモニタリングスコアや一次解決率、ミス率などを用いて、応対品質を継続的に確認します。
    応対に関する品質指標として、以下の指標が活用されます。

    モニタリングスコアの表

    モニタリングスコア 言葉遣いや応対内容などの複数の評価項目スコアを合算した取得点数です。モニタリングスコアが高ければ高いほど、顧客ニーズにこたえた回答ができると評価されます。
    一次解決率 顧客からの最初の入電で、転送やコールバックをせずに顧客の問題を解決できた割合を示します。この指標が高い場合、顧客からの問い合わせに的確な応対ができていることが分かります
    ミス率 文字通り、オペレーターのミスがどれだけ発生したかを示します。
     重大なミスとそうでないミスに分けて計測するのが一般的です。
     ミス率が高い場合、オペレーターの管理体制や教育に問題がある可能性も考えられることから、オペレーターの評価だけでなくコールセンター自体の評価にもつながる指標です。


    生産性指標

    コールセンターは生産性も評価されます。
    コールセンターが正しく機能し、成果を上げているかをはかる指標として、以下の指標があります。

    CPH 「Call Per Hour」の略称で「1人のオペレーターが1時間で応対したコール数」を示しています。
    CPHの値が高いほど、限られた時間内により多くの電話応対ができていることが分かります。
    オペレーター自身の生産性をはかる指標としても活用されています。
    ATT 「Average Talk Time」の略称で「1コール当たりの平均通話時間」を示しています。
    ATTが適切な長さである場合、同じ時間でより多くの電話応対ができるためコスト削減につながります。
    ACW 「After Call Work」の略称で「1コール当たりの後処理にかかった平均後処理時間」を示します。
    オペレーターは電話応対後にシステムや依頼内容の処理を行いますが、この処理時間が長いとその分顧客の問い合わせに出られません。
    ACWが適切な時間であることは、コールセンターの生産性の高さを示します。
    AHT 「Average Handling Time」の略称で「1コールに要する平均処理時間」を示します。
    顧客対応中の保留時間や、その後の処理時間を含めた時間から平均値を求めます。
    AHTはACWと同じくコールセンターの生産性を指しますが、顧客対応の品質向上にもつながる指標です。
    稼働率 オペレーターが給与の発生する期間内で、顧客対応業務にあてられた割合を示します。
     顧客対応に充てられた時間:生産時間(コールの通話時間・後処理時間・保留時間)
    それ以外の時間:非生産時間(研修・ミーティング)
    このような形で区別されます。
    低すぎても高すぎても問題があるとされ、80~85%程度が理想の数値です。


    コスト指標

    コールセンターは顧客対応や生産性だけでなく、コストもチェックされます。
    どんなに顧客対応や生産性に優れていても、コストが高ければ見直しの必要があります。
    コストの指標は、以下の指標を活用します。

    CPC 「Cost Per Call」の略で「1コールの応対にかかるコスト」を示します。 オペレーターの人件費・通信費などを含めたコールセンター全体にかかる経費から計算されます。
    CPCが高い場合、入電数に対して人員配置が過剰になっている、AHTが長い、システムや運用フローに非効率があるといった可能性が考えられます。そのため、コスト指標は単に費用を抑えるためだけでなく、運用改善のきっかけとしても活用できます。

    SLA契約・サービスレベル合意書に記載する主な項目

    外部委託先(BPOベンダー等)を選定・契約する際、SLA(サービスレベル合意書)には品質基準だけでなく、対象範囲や測定方法、未達時の対応まで明記することが重要です。

    これらが曖昧なままだと、運用開始後に「どこまで対応してもらえるのか」という認識のズレが生じやすくなります。

    トラブル発生時に契約が機能しない、という事態を避けるためにも、以下の項目が明確に定義されているかを確認してみてください。

    項目 記載内容
    対象範囲 どの業務・サービス・時間帯がSLAの対象か。対象外とする例外も明記する
    品質基準 稼働率、応答時間、解決時間、応答率など、達成すべき具体的な数値目標
    測定方法 どのシステムのデータで、どのような計算式を用いて計測するかを合意する
    報告頻度 月次・週次・日次など、報告フォーマットや定例報告会の要件を定める
    未達時対応 改善計画書の提出、補償(料金減額など)、再発防止策のフローを定める
    免責事項 災害、外部要因、利用者側起因による未達をペナルティ対象外とする条件を定める

    たとえば、コールセンター委託で「応答率90%以上」と記載するだけでは不十分です。どの時間帯を対象にするのか、IVRで完了した問い合わせを含めるのか、繁忙期は別基準を設けるのかといった点まで詰めておく必要があります。

    セキュリティとBCPの視点も忘れずに

    特に金融・保険・クレジットカード会社など、個人情報や機密情報を扱う業務をアウトソーシングする場合は、応答率の保証だけでは不十分です。
    情報漏洩を防ぐセキュリティ管理体制と、災害時にも業務を停止させないBCP(事業継続計画)の観点をSLAや付随する契約条件に組み込むことが求められます。

    具体的には、複数拠点での分散対応体制、専用ネットワークによるアクセス管理、監査対応の仕組みなどが評価項目になります。

    たとえばパーソルビジネスプロセスデザインのコールセンターアウトソーシングでは、全国に拠点を展開し、特定地域で緊急事態が発生しても他拠点へ呼量を分散して業務を継続できる体制を整えています。

    こうしたBCP対策とセキュリティ環境は、委託先選定において重要な判断材料になります。

    SLAは「運用改善のツール」としても活用できる

    SLAは契約時に取り決めるだけのものではありません。月次報告で達成状況を確認し、未達の原因を分析することで、FAQの改善やオペレーター教育、人員配置の見直しといった具体的なアクションにつなげることができます。

    経済産業省の「SaaS向けSLAガイドライン」でも、サービスの内容と範囲、品質の基準値、測定方法、報告と見直しの仕組みを明文化することが推奨されています。

    RFP(提案依頼書)を策定する際にも、ここで挙げた項目が網羅されているかをチェックすることで、契約後の「想定外」を未然に防ぐことにつながります。




    SLAと同じように指標として役立つ「HDI国際認定制度」

    SLAにはさまざまな項目があり、これをすべて提示するのは大変です。
    そのため、SLAと同じような指標として役立つ、「HDI」のメソッドを活用する企業もあります。

    「HDI」は、ITサポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体です。
    サポート業界で唯一、国際的に認知されたサポート基準である「HDI国際スタンダード」を運営管理しています。
    HDIのサポートセンター国際認定を受ければ、国際的なレベルでのITサービスにおける質の高さをアピールできるでしょう。

    HDIの国際スタンダードは、SLAのように企業ごとの契約ではなく、国際的に認められているサポート基準です。
    企業が評価を出しているのではなく、第三者であるHDIが認定することから、客観的な評価としても作用します。
    このことから、HDIの国際スタンダード認定を目指している企業はたくさんあるのです。



    HDIの認定は8つの主要要素をクリアする必要がある

    HDIの国際スタンダード認定を受けるには、HDIが設ける8つの主要要素をクリアしなくてはなりません。

    区分 評価要素
    効果的要因の5要素 リーダーシップ、方針と戦略、従業員管理、サポート資源、プロセスと手順
    結果の3要素 従業員満足、顧客満足、実行結果

    この主要要素をクリアするには、サポートセンターのスタッフ個々の実力はもちろん、サポートセンター全体の品質を向上させる必要があります。 明確な指標があるとはいえ、HDIの認定をクリアするにはプロの力が必要です。

    SLAで定めた品質を継続的に達成するためにも、こうした組織的な品質管理の考え方は重要です。

    HDI国際認定の獲得

    HDIの認定を通して、サポートセンターやコールセンターの品質向上を目指すのであれば、HDIの認定取得支援サービスを活用しましょう。

    「パーソルビジネスプロセスデザイン」では、「HDIサポートセンター国際スタンダード認定支援サービス」や「HDI三つ星・五つ星獲得認定支援サービス」を提供しています。

    「HDIサポートセンター国際スタンダード認定支援サービス」では、以下のサービスをお客様のニーズに合わせて提案・実行し、HDIの認定をサポートします。

    【HDIサポートセンター国際スタンダード認定支援サービスメニュー】

    • SCCアセスメント
    • SCCコンサルテーション
    • SCC簡易アセスメント
    • 擬似格付け
    • コールモニタリング
    • 各種研修教育

    また、「パーソルビジネスプロセスデザイン」では、顧客の視点からお問い合わせ窓口のクオリティーとパフォーマンスの調査を行っています。
    「HDI三つ星・五つ星獲得認定支援サービス」では、この評価の取得を目標に、経験豊富なHDI専門審査員がお客様の視点に立ってセンターの評価・改善提案を行います。
    センターの評価・改善提案を通して、HDI三ツ星・五つ星評価の取得を支援します。

    このほか、コールセンターの業務効率・対応品質・従業員満足度・従業員離職率を大幅に改善する効果が期待できるKCS(Knowledge Centered Service)運用を支援する「KCSコンサルテーションサービス」も行っております。

    以下の「対応品質改善サービス」により、コールセンタースタッフの能力を向上させることも可能です。



    【対応品質改善サービスの内容】

    • コールセンタースタッフの対応をモニタリングや面接で評価・判断
    • コールセンタースタッフの個々の能力にあわせた研修

    ITサービスやサポートデスクの品質向上をご検討中の方はぜひ「パーソルビジネスプロセスデザイン」までお問い合わせください。

    SLAに関するよくある質問(FAQ)

    SLAに関して実務の現場でよく寄せられる質問と、その回答をまとめました。

    Q1. SLA保証とは何ですか?

    SLA保証とは、事前に合意したサービス品質を提供者が保証する考え方です。

    稼働率、応答時間、解決時間、応答率などの基準を定め、基準を満たせなかった場合にはサービスクレジットの付与などの補償をあらかじめ決めておくことがあります。

    Q2. SLAを満たせなかった場合はどうなりますか?

    契約内容に応じて、改善計画の提出、再発防止策の実施、利用料金の減額、サービスクレジットの付与などが行われることがあります。

    未達時の対応をあらかじめ合意しておくことで、迅速かつ建設的な対処が可能になります。

    Q3. コールセンターでもSLAは必要ですか?

    コールセンターでもSLAは有効です。応答率や応答時間などの基準を設けることで対応品質を可視化でき、委託先との認識ズレや運用トラブルも防ぎやすくなります。

    Q4. コールセンターのSLAにはどのような指標がありますか?

    応答率、放棄呼率、平均応答時間、一次解決率、応対品質スコア、AHT(平均処理時間)、月次報告、改善提案などが代表的な指標です。

    業務内容や問い合わせ量に応じて、適切な指標を選ぶことが大切です。

    Q5. ヘルプデスクで設定すべきSLA項目は何ですか?

    一次回答時間、解決時間、インシデント初動対応、エスカレーション条件、FAQ更新頻度、月次レポートなどが主な項目です。

    社内問い合わせ対応を標準化し、属人化を防ぐうえでも有効です。

    Q6. コールセンター委託先を選ぶ際に確認すべきSLA項目は何ですか?

    応答率、放棄呼率、一次解決率、対応時間、報告頻度、改善提案の有無、繁閑差への対応力、セキュリティ体制、BCP対応などを確認しておくことが重要です。

    Q7. 繁忙期だけのコールセンター委託でもSLAは設定できますか?

    繁忙期やキャンペーン期間など、短期間の委託でもSLAは設定できます。

    応答率、対応時間、対応範囲、FAQやスクリプトの整備、報告方法などを事前に決めておくことで、問い合わせが急増した際の品質低下を防ぎやすくなります。

    Q8. SLAにはセキュリティやBCPも含めるべきですか?

    個人情報や機密情報を扱う業務では、SLAや委託条件にセキュリティやBCPの観点を含めることが重要です。

    アクセス管理、情報管理体制、災害時の代替運用、複数拠点対応、監査対応などを事前に確認しておくと安心です。

    まとめ

    SLAはITサービスやサポートの品質を保証し、契約内容を明確にする効果があります。
    この効果は、サービス提供者と委託者の間で起こるトラブルの予防や、サービスのアピール効果などさまざまなメリットが期待できます。


    SLAで表記される指標にはそれぞれ意味があるため、ITサービスを選択・契約する際にはこれらの表記に注目しておきましょう。
    サービスの品質を示す指標が、自分が求めているサービス品質を満たしているかを必ず確認してください。

    また、サービスにおける品質を保証するのは、SLAだけではありません。
    ITサポートサービスの国際的指標である「HDI国際認定」も、サポートセンター品質を客観的に示す補完的な指標として活用できます。

    HDIの認証取得は複数の項目を同時に満たす必要があるため、取得は容易ではありません。
    HDIの認証取得を目指す際は、HDIの取得支援サービスを活用しましょう。


    「パーソルビジネスプロセスデザイン」では、HDIの取得支援サービスをはじめとした、ITサービスの技術向上を手助けするサービスを多数行っています。
    ITサービスやサポートデスクに関するお悩みは、「パーソルビジネスプロセスデザイン」までご相談ください。

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