「業務量の増加」と「繁閑の差」によって非効率な状況に
※本記事の内容、お客さまの役職、当社社員の役職および旧社名は、取材時の情報に基づいています。
エプソン販売様は、セイコーエプソンのグループ会社です。
従来のプリンターは販売店を通じて販売していましたが、2014年からエンドユーザーと直接契約を結ぶ新たなビジネスモデルの『エプソンのスマートチャージ』を開始しました。『エプソンのスマートチャージ』は、複合機とプリンターの定額サービスで、法人向けに展開されています。
そして、販売から契約までの業務を一括して扱うために、東京都日野市の事業所に『スマートチャージセンター』を開設しました。それから3年ほど、社員と派遣スタッフで契約業務にあたっていましたが、課題が出てきたようです。スマートチャージセンターの課長である今井様は「取り扱う商品のパターンが増えるにつれて業務が複雑化し、業務量も急増していました」と課題を口にします。
エプソン販売株式会社
販売推進本部 スマートチャージMD部
スマートチャージセンター 課長
今井 祐美子 様
さらに、繁忙期と閑散期で業務量の差が激しいことも課題としてあったようです。「最も契約が集中するのが3月で、通常月に比べると数倍の契約数があります。一番業務量が多い時期に人員をあわせると効率が悪くなります」と今井様は顔をしかめます。そして、フレキシブルな体制構築を期待して、パーソルテンプスタッフにご相談くださいました。
パーソルテンプスタッフは、以前から札幌市でエプソン販売様の業務を受託していました。新たにスマートチャージセンターの業務についてお声がけいただいたことで、札幌市にある事業所を「非常時でも事業を継続できる拠点」、つまり
「繁閑の差」に対応するためにやったこと
エプソン販売様でBPOを導入することになり、まずパーソルテンプスタッフが着手したのが『業務の可視化』でした。そして、「業務量をどのように予測して、人員をどう配置していくか」という課題に取り掛かったのです。
「業務量をどのように予測するか」については、年度のはじめにエプソン販売様から契約件数の予測をいただくようにしました。その予測をもとに見込みを立て、ピークになる時期から2~3ヶ月ほど前倒しでスタッフを増やし、その間を“教育期間”にして業務に慣れていただくようにしました。
そして、繁閑の差に対応するために取り組んだのが、「短期間でも覚えることができる業務」を切り出すことです。繁忙期にはスタッフを増やすことになります。その際に、新たに入ってきたスタッフが短期間で取り組める業務を用意しておいたのです。
また、1日の中で見ても「時間帯によって処理する業務」は異なります。例えば、「契約受付の書類」は午前中に郵便で届きます。そのため、『受付の業務』に特化したパートスタッフが午前中から午後2時頃まで勤務する体制を作りました。そして午後になると、『受付した書類をシステムへ入力』することに特化したスタッフが出勤します。
このように、全員がフルタイムで勤務するのではなく、必要な時間帯や時期に応じてパートスタッフの人数を調整しました。そうすることで、繁閑の差に対応できるようにしていったのです。
2年が経過して、再び業務量が急増してしまった
2017年にBPOを導入してから、業務は数倍の規模で拡大していきました。さらに2年後の2019年になると、業務量が急増したのです。その要因は大きく二つありました。
・プリンターと複合機がフルモデルチェンジされた
・契約期間が“5年”のため、2014年のサービス開始から初の契約更新を迎えた
特に『契約更新』については、今井様は次のように考えていらっしゃいました。「お客さまにエプソンのスマートチャージを使い続けていただくために、契約更新の交渉は早めにアプローチを始めます」
契約更新のタイミングはお客さまによって異なりますので、アプローチのタイミングも異なることになり、業務としては複雑になっていました。その複雑な業務を効率化していくために、パーソルテンプスタッフも一緒に考えながら進めていきました。今井様も「この時期が一番の山場だったと思います」と、当時を振り返ります。
その“山場”を乗り越えるためにも、細やかなコミュニケーションを取りながら優先順位をつけ、速やかに納期を調整していきました。また、大口案件を処理するシステムも急遽、導入していただくことに。さらに、日々の納期を順守するための『進捗管理システム』として、エプソン販売様が使われていたMicrosoft Accessをベースにしたものをパーソルテンプスタッフでも管理・運用できるようにしていただきました。
このシステムについて今井様は「処理件数を常に可視化できるようになりましたね。繁閑の差に応じた体制を構築することに加えて、業務の構築も一緒に進めていただけたのは、BPOのメリットですね」と満足していただきました。
課題の提案に、「すごく信頼感がありますね」
改めて、エプソン販売様の業務をパーソルテンプスタッフが受託していることについて伺ってみると、部長の子田様からは次のようなコメントをいただきました。「パーソルテンプスタッフのBPOチームの皆さんに業務をお願いすることと、私たちがシステムを改善して効率化することはセットです。この両輪で効率化を進めることによって、お互いの幸せにつながるのではないでしょうか」
エプソン販売株式会社
販売推進本部 スマートチャージMD部
部長
子田 吉之 様
「システムを改善して効率化する」という点については、パーソルテンプスタッフのデジタルコンサルティング課のシステムエンジニアやプログラマーと一緒に進めています。人材サービス会社ではありますが、『外部のシステムベンダーに委託するよりも業務の運用に即したシステムを構築することができる』と自負しています。
また、人材サービス会社のBPOには特徴的な側面として『チーム力』が挙げられると考えています。BPOチームの中で『目標を示しながら着実に歩みを進める』形で業務を対応しています。その点について今井様より「特に繁忙期は、BPOチームの皆さんに違うスイッチが入っているような感じがします。ゴールを見せて、常に進捗を確認しながら進められていますよね」とお褒めの言葉をいただきました。
さらに、毎月ご提出している報告書では、定量的な内容に加えて「課題」についてもレポートをしています。この点についても今井様より「課題を的確に拾いあげていただくことで、私たちも業務を客観的に分析できます。報告書を見ながら次にするべきことをご相談できることも、BPOの良い点だと感じています」と評価いただきました。
そして最後には今井様より、笑顔で次のようなコメントを頂戴しました。「BPOチームの皆さんが、当社のビジネスや業務を深く理解していただいているからこそ対応できるのだと思います。私たちにとってどうするのがいいのかを常に考えてくださって提案していただけるので、すごく信頼感がありますね」
担当者コメント
パーソルテンプスタッフ株式会社
第一BPO事業本部
東日本ビジネスセンターサービス部 部長
小林 卓史
「エプソン販売様の事業戦略に沿うためにも、これからは変化に対して柔軟性を持ったBPOを追求することが大切だと感じています。これからも、変化に対応して生産性を上げることで、1件あたりの処理コストを下げて利益に貢献できるようなパートナーを目指していきたいですね。」
パーソルテンプスタッフ株式会社
第一BPO事業本部
東日本ビジネスセンターサービス部
ビジネスセンター運用三課 統括プロジェクトリーダー
日暮 一恵
「契約書の処理の際に実施しているのが、スタッフ全員の進捗状況の共有です。全体の進捗状況はシステムで確認できるものの、他のスタッフの状況を知ることで、全員が同じゴールに向かって進めるようになりました。」
パーソルテンプスタッフのBPOは、今後も皆さまの業務改善や生産性UPをサポートしてまいります。お困りごとやご相談があれば、お気軽に電話やフォームからご連絡くださいませ。