レジリエンスとは?
レジリエンスとは、「困難やストレスを感じる状況に遭遇したとしても、精神的に大きく落ち込むことなく適応し、回復・成長する力」です。もともとは、物理学の分野で用いられた概念で、外部からの圧力に対し、元の状態に戻ろうとする(反発する)力を意味していました。
現在ではこの考え方が応用され、人がストレスや困難・逆境に直面した際の「精神的な回復力」に関しても“レジリエンス”が使われています。
組織においては、このレジリエンスの差が、ストレス耐性の差として表れ、「休職」「離職」だけでなく生産性に直結する「パフォーマンス低下」といった形で顕在化することも少なくありません。そのため、個人の資質にとどまらず、人材マネジメントや健康経営の観点でも注目が高まっているのです。
精神的な回復力、適応力、抵抗力を指す
レジリエンスは、精神医療や心理学の分野で、トラウマや強いストレスを受けた後の回復プロセスを説明する概念として発展してきました。
たとえば、同じような大きな事故やつらい体験をした場合でも、影響の受け方には個人差があります。強いストレスを受けながらも適応し、日常生活を送ることができる人がいる一方で、長期的に心身の不調に悩まされる人もいます。
このように「ストレスを感じても回復できる力」いわゆる「自然治癒力」をレジリエンスと呼びます。
ビジネスの場面でも、業務量の多さや失敗への不安によるプレッシャー、複雑な対人関係など、避けられないストレスが多く存在します。レジリエンスが高い状態にあることで、このようなストレス要因を過度な負担として抱え込むのではなく、受け止め方を調整しながら前向きに対処していくことができるでしょう。
我慢強さとは異なる
レジリエンスはいわゆる「我慢強さ」とは異なります。
我慢強い人は、弱音を吐かずストイックに一つの物事に打ち込める忍耐強さをもっているといえるでしょう。しかし、人間のキャパシティは人それぞれです。
能力の限界を超えてまで我慢してしまうと、メンタルヘルスの不調を招いてしまう可能性があります。 また、「文句を言わずに長時間労働に耐える」といったように、あまり生産的でない目的に向かって我慢し続けていることもあるでしょう。
重要なのは、「自分の限界やストレスサインに気づく自己認識」、「必要に応じて休む、相談する、やり方を変えるなどの柔軟な適応」です。「我慢すれば強くなる」という考え方に寄せ過ぎると、かえって不調を見逃し対応が遅れるリスクが高まります。そうならないためにもレジリエンスを高め、「立て直す」ことが求められるのです。
レジリエンスが重視される背景
レジリエンスの高さは、人それぞれです。
ストレスの原因が多様化・複雑化し、誰もがメンタルヘルス不調に陥るリスクを抱えている昨今では、「個人の性格」ではなく、組織として向き合うべきテーマとして注目されています。ここでは、レジリエンスが求められる背景について3つの観点で解説します。
VUCA時代|変化が前提の働き方が求められる
現代は、「VUCA(ブーカ)」の時代と呼ばれています。
VUCA(ブーカ)とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った言葉で、不確実性の高さ、将来の予測の難しさ、変化の激しさなどが強い状態を指します。
このような環境下では、従来求められていた「決まった業務を正確に行う力」だけでは、不十分であり、「組織や自身の状況の変化に適応し続ける力」が必要になります。具体的には、次のような環境の変化に対して柔軟に対応しながら、成果を出すことが求められるといえます。
- 事業成長のための組織再編や業績拡大による事業方針の変更
- 従事していた業務内容の変化
- リモートワークの推進、出社回帰の動きなど働き方の多様化
こうした状況においては、予期せぬストレスを感じることも少なくないため、「落ち込むことがあっても立て直す・修正する力」「環境に適応し、思考や行動を切り替える力」となるレジリエンスが、不可欠となるでしょう。
ストレス要因の多様化|適応するためのリスク管理が必要
前述した、働き方の変化に伴い、従業員が感じるストレス要因は多様化しています。
長時間労働や業務過多など、多くは量的ストレスが中心でしたが、近年では、以下もストレスの要因として挙げられています。
- 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)
- 仕事の失敗、責任の発生等
- 役割・地位の変化等
※参考:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)
このようなストレスは外から見えにくいだけでなく、本人も自覚しづらいケースが多いことが特徴です。気づいた時にはメンタルヘルス不調が深刻化しているケースも多く、「急な離職・休職」といった事態が起こりやすくなるといえます。
レジリエンスは、このような突発的なリスク要因を抑制するために必要な力ですが、前提として「現状を把握しておくこと」が重要な取り組みとなるでしょう。
人的資本経営の広がり|健康と成長が投資対象に
レジリエンスは、人的資本経営とも強く関係しています。
近年、「人的資本経営」の考え方が普及し、従業員の健康や成長を“コスト”ではなく“投資”として捉える動きが加速しています。従来、「問題が発生した後の対応」とされていたメンタルヘルス対策ですが、現在では、「問題が起きる前の対応(予防)」として取り組まれています。
その中で、レジリエンスは「不調からの回復」「パフォーマンスの安定化」「環境変化への適応」など多くの観点に関わる指標といえ、人的資本経営を推進していく上で、欠かせない要素として注目されています。
【比較表】レジリエンスと混同される用語を解説
メンタルヘルス対策において使われるレジリエンスという言葉ですが、「ストレス耐性」「メンタルヘルス」「ワークエンゲージメント」といった概念とよく混同されます。
これらの意味や役割はそれぞれ異なるため、違いを整理して理解することが大切です。
▼【比較表】
| 用語 | 意味 | 役割・特徴 |
|---|---|---|
| レジリエンス | ストレスや困難に直面した際に、回復・適応する力 | 変化や逆境に置かれた際の対応力。回復・適応する過程に関与 |
| ストレス耐性 | ストレスに対する抵抗力 | ストレスの「感知」「回避」「処理」「転換」が中心。ストレスに耐える「容量」 |
| メンタルヘルス | 心の健康状態を指す | 良好か不調かという「心の状態」を表す |
| ワークエンゲージメント | 従業員が誇りとやりがいを持ち、はたらいている状態 | 活力・自発性を高め、心身ともに健康な状態 |
■ストレス耐性との違い
ストレス耐性は、「ストレスに対して、どれくらい耐えることができるか」という点で見られることが多く、主に「ストレスに耐える容量」を表します。
耐久できる量には人それぞれ違いはありますが、一定のキャパシティを超えたタイミングで、蓄積した負荷が大きな不調として顕在化するリスクもあるでしょう。対してレジリエンスは、ストレスを受け止め、回避・適応し、次に活かす一連のプロセスを含む点が異なるといえます。
■メンタルヘルスとの違い
メンタルヘルスとは、直訳すると「心の健康」を指す言葉で、良好/不調などの状態を示します。一方で、レジリエンスは、その状態に至るまでの「回復する力」や「適応する力」といったプロセスに関わります。
同じようにストレスを受けた場合でも、レジリエンスが高い人はすぐに立ち直ることができ、結果としてメンタルヘルスを良好な状態で保てるのです。つまり、メンタルヘルスは“心の健康状態”となる結果を示し、レジリエンスは、その結果の要因となる“立て直す力”と整理できるでしょう。
■ワークエンゲージメントとの違い
ワークエンゲージメントとは、「従業員が誇りとやりがいを持ち、没頭して働いている状態」を指します。「自然治癒力」とされるレジリエンスと異なる点は、対象とする状態です。
レジリエンスが、困難・逆境に直面した際の対応力であり、ワークエンゲージメントは、日常的な仕事への熱量・ポジティブな思考を総合した尺度です。レジリエンスが高く、過度なストレスを感じても落ち込みにくい人は、エンゲージメントも高い状態で維持されやすくなるといった点で、相互に関連しています。
レジリエンスを構成する6つのコンピテンシー
前項までで、レジリエンスとは何か、似ている言葉との違いについて解説しました。
レジリエンスとは、単なる精神論/根性論ではなく、複数の要素から成り立つスキルとして、整理することができます。つまり、レジリエンスを構成する要素を分解して理解することで、意図的に高めていくことも可能なのです。
ここでは、代表的な6つのコンピテンシーについて解説します。
自己認識:自分の状態を言語化できる
「自己認識」とは、物事に対する感情や思考、ストレス状態を俯瞰して捉え、言葉にする力のことです。
自己認識が低いと、ストレスの原因が曖昧なまま放置してしまい、メンタルヘルス不調が悪化し時にはすでに手遅れになっている場合が考えられます。
「なぜ今、ストレスを感じているのか」「この業務が苦手で負担に感じている」など、自己認識ができることで、早期段階で対処し適応することができるのです。
自制心:衝動的反応を抑える
「自制心」は、どのような状況においても自分を律し、感情に振り回されないようコントロールする力です。
「感情が表に現れやすく、言動に出てしまう」「思わず、極端な結果に惹かれ飛びつく」など自制心が機能していないと、誤った行動をしてしまうことも考えられます。
一度立ち止まり、あらためて目の前の選択肢の中から最適なものを選ぶことができる自制心は、ストレスの影響を最小限に抑える役割があるといえるでしょう。
精神的柔軟性:視野を広げ極端な思考を避ける
人間は、熱中しすぎると視野が狭くなりがちです。こうした状況では、「精神的柔軟性」つまり物事に対して複数の視点を持ち、柔軟に解釈を変えることができる力が必要です。
「失敗してしまうと評価が下がってしまう」ではなく、「改善点を見つけ成長につなげる良い機会だ」と捉えるなど、極端な思考に偏らず、視野を広げ多面的に考えることができるのです。
精神的柔軟性を高めることで、ストレスを必要以上に感じることなく、現実的な対処につなげることが可能になるでしょう。
現実的楽観性:根拠のない楽観ではなく現実に集中する
「現実的楽観性」とは、「何とかなる」と思い込むのではなく、現実を踏まえ“できること”を前向きに行う姿勢を指します。
重要なのは、課題やリスクを正しく認識し、今できることに集中すること。悲観/楽観どちらかに偏り過ぎるとバランスが崩れ、リスクが増大する恐れがあります。一方で、現実的楽観性は、その中間で行動を最適化する役割を担います。
自己効力感:「やればできる」という自信
自己効力感:「やればできる」という自信
どんな窮地に置かれても、過去に積み重ねた経験や成功体験などから「挑戦できる」「主体的に動き対処できる」という感覚を持つことが大切です。
この自己効力感が低いと、問題や逆境に直面した際に「自分にはできない」「無理だ」と決めつけやすく、回復・適応のプロセスが取れなくなってしまうのです。
人とのつながり:関係性を構築し助けを求める
人とのつながり:関係性を構築し助けを求める
レジリエンスは、個人の性格・特性・スキルだけで完結するものではありません。周囲との関係性を構築し、協力し合う「つながり」が重要です。
・困ったときに相談できる人がいる
・精神的に安心して話せる環境がある
など、日常生活においても、ビジネスの場面においても、他者との関わりがもたらす“安定”が回復力を大きく高めるでしょう。
「一人で抱え込む状態」が長期間続くと、ストレスが増幅し不調に直結するため、適切に他者を巻き込み、支援を求めることがレジリエンス向上には欠かせません。
レジリエンスを高めるメリット
では、レジリエンスを高めると、具体的にどんな良い影響があるのでしょうか。従業員一人ひとりが高めるメリットだけでなく、組織全体のレジリエンスを高めることにも大きなメリットがあります。それぞれ考えてみましょう。
従業員の精神的健康度を高める
令和6年度の労働安全衛生調査では、仕事や職業生活に関するストレスのうち、「仕事の失敗・責任等」がストレスとなっている人が36.2%と高い割合を占めていました。仕事をしていると責任や失敗は避けられませんが、それによってストレスを感じる人が多いといえるでしょう。
※参考:厚生労働省「令和6年度労働安全衛生調査(実態調査)」
レジリエンスを高めると、責任が重い状況や失敗などの逆境に打ちのめされてしまうのではなく、成長の機会と捉えたり、適度に受け流したりできるようになると考えられます。必要以上に落ち込むことがなくなりますので、精神的健康度が向上するでしょう。
企業価値を高める
近年では、「組織レジリエンス」と呼ばれる評価指標が、企業価値を左右するものとして注目されています。
組織レジリエンスは、企業が発展していくために長期的に変化していくことや、混乱を予期して準備し対応する能力を指す言葉です。
つまり、個人の能力であるレジリエンスを組織にまで拡張した概念を指し、長期的な企業繁栄につながる指標であることから、ビジネスの健全性を示すものとして今後も重視されるでしょう。
従業員一人ひとりのレジリエンスが高まると、企業風土としてしなやかに判断する土壌が醸成されていきます。VUCA時代といわれる激動の時代を生き抜くためには、組織レジリエンスの高さがステークホルダーの信頼につながるのです。
レジリエンスが高い人の特徴
では、「レジリエンスが高い」とはどのような性格や行動の傾向があることを指すのでしょうか。
レジリエンスを構成する要因は、生まれ持った性質の影響が大きい「資質的レジリエンス要因」と後から獲得される程度が大きい「獲得的レジリエンス要因」に分けられます。それぞれ解説をしましょう。
資質的レジリエンス要因
資質的レジリエンス要因には、「楽観性」「統御力」「行動力」「社交性」が含まれます。
- 楽観性:将来に対する不安を持たずに楽観的な見通しを持って行動できる
- 統御力:不安が少なく、負の感情や体調に振り回されずにコントロールできる
- 行動力:目標や意欲を、忍耐力により努力して実行できる
- 社交性:見知らぬ人への不安や恐怖が低く、関わりを好んでコミュニケーションを取れる
これらの特徴は、ストレスを受けにくくする土台として機能します。レジリエンスが高い人は、共通してこの特徴を持つ傾向にありますが、先天的に備わった資質による影響が大きく、トレーニングでは向上しにくい性質だといえるでしょう。
獲得的レジリエンス要因
獲得的レジリエンス要因には、「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」の3つが含まれます。資質的レジリエンス要因に比べると、教育やトレーニングによって身に付けやすいものだといえるでしょう。
- 問題解決志向:状況を改善するために、積極的な問題解決への意思を持って方法を学ぶ
- 自己理解:自分の特性や考え方を理解して、自分にあった目標設定や行動ができる
- 他者心理の理解:他人の心理を認知的に理解する、もしくは受容する
後天的な要因であるこれらの特徴は、日常生活や業務の中での経験、研修を通して高めていくことが可能です。
本人の資質を無理に変えすぎないことが重要
資質的レジリエンス要因は、個人の生まれ持った性格が影響するため、人によって向上が見込める場合とそうでない場合がありえます。例えば、以下のようなレジリエンスの高め方は限界があるでしょう。
- 内向的な人の「社交性」を高める:他人との積極的な関りがストレスになる可能性がある
- 慎重な人の「楽観性」を高める:何事もポジティブに考えるのは難しい
本人の資質を変えようとすることは、逆に不適応を起こす可能性があります。
重要なのは、個々の特性を尊重し受け入れ、3つの獲得的レジリエンス要因(問題解決志向、自己理解、他者心理の理解)を高めることです。そうすることで、本来持っている性格を残しつつ、ストレスに対してしなやかに対処できるようになっていくはずです。
【個人】レジリエンスを高める方法
レジリエンスは生まれつきの性格だけで決まるものではなく、日々の思考や行動の積み重ねによって高めることができます。
ここでは、従業員一人ひとりが実践できるレジリエンス向上の方法を紹介します。
自己理解と他者心理の理解を深める
自己理解ができていると、ストレスを感じやすいパターンや陥りやすい考え方の癖を認識し、適切な行動をとることにつながります。
さらに、他者心理が理解できるとコミュニケーション上のミスリードが少なくなり、必要以上にネガティブな感情に振り回されなくなるでしょう。
レジリエンスを高めるための思考法として有効なのは、次に紹介する『ABC理論』に基づいたストレス状況の整理です。従業員がABC理論による思考法を身につけられるよう、企業は研修体制を整えていくことが必要でしょう。
ABC理論で考え方の癖を把握する
ストレスに対する反応は個人の受け止め方によって変化します。
ABC理論とは、ストレスが生じるプロセスを次のようにして3つに分解して考えるフレームワークであり、認知行動療法のルーツとなった論理療法の中心的な理論です。
- A(Activating event):出来事
- B(Belief):解釈
- C(Consequence):結果
ストレスの引き金になる「出来事(A)」が起こり、それを「解釈(B)」し、何らかの感情や反応などの「結果(C)」が生じます。例えば、「上司から叱責された」という出来事から生じるストレスは、次のようなプロセスで起こるといえるでしょう。
- A:上司から叱責された
- B:自分のことを嫌っているに違いない
- C:上司と話すのが怖い、話しかけられない
この場合、もし「解釈(B)」として「期待しているから叱ってくれているんだ」と別の見方ができれば、「結果(C)」は違った反応になるかもしれません。
例のように、ABC理論は自分がどのような解釈をする癖があるのかを認識し、合理的な解釈ができるなるための有効な方法なのです。
さらに、ABC理論を用いて整理すると考え方の癖を認識できるだけではなく、相手の発言の意図を客観的に分析できるようになります。自己理解が深まるだけでなく、他者心理の理解にもつながり、レジリエンスが高まっていくでしょう。
コーピング(ストレス対処行動)を持つ
コーピング(ストレスコーピング)とは、ストレスの原因や心身への影響に対して意図的に対処する行動や考え方を指します。
たとえば、「家族や友人と雑談する」「気分転換に軽くストレッチをする」「タスクを小さく分解する」などの行動です。
些細な行動や考え方でも自分に適したコーピングを実行することで、ストレスの原因を緩和し、メンタルヘルスを良好に保つことができるでしょう。
■関連記事:「コーピング(ストレスコーピング)とは?意味や実践方法、社内に導入する方法をわかりやすく解説」
【組織】レジリエンスを高める方法
レジリエンスを高めるには、性格特性のように変えにくい部分に働きかけるのではなく、トレーニング可能な部分を強化していくことが重要だと前述しました。
そのためには、個人の努力だけに依存するのではなく、組織として育成や環境づくりを通した支援が不可欠です。ここでは、従業員のレジリエンスを高めるために、企業が取り組むべきポイントを整理します。
企業としての方向性を明確にする
経営方針が曖昧であると、従業員はどういった方向性で仕事に注力すればいいか分からなくなります。
「自社はどのような事業に力を入れていくのか」、「そのための課題は何なのか」といった具体性を持った方針を示すことで、従業員は自分の業務の意味を再確認できるのです。
企業が今後の見通しや事業計画を示し共有することで、困難な課題に立ち向かって未来に進んでいくことができるでしょう。
問題解決志向を育てる環境づくり
レジリエンスの向上には、「困難な状況に対し主体的に取り組む姿勢」を育てることが重要です。
そのためには、業務の中で自然と問題解決志向を高められるような環境を整えることが求められます。
- 自ら考え、選択する機会を増やす
- 結果だけで評価せず、プロセスを振り返る機会を与える
- フィードバックを通し、思考を整理する
上記のような取り組みが有効になるため、「どうすれば課題を改善できるのか」について考える習慣を組織的に作り、レジリエンスの基盤を構築しましょう。
仕事の裁量範囲を徐々に広げる
従業員一人ひとりが、管理者から与えられた指示通りに動くばかりだと、「自力で解決する姿勢」が育まれません。
仕事の裁量を少しずつ大きくし、自立的な課題解決ができるような職場環境づくりが必要でしょう。また、従業員が失敗を恐れずに課題に挑戦できるよう、「必要以上に失敗を追求しない」「挑戦することを評価する」など風土を整えることも不可欠と言えます。
■関連記事:「心理的安全性とは?“ぬるま湯組織”との違いやメリット、高める方法を詳しく解説」
従業員の状態を可視化し、早期に支援する
従業員の状態を可視化し、早期に支援する
レジリエンスを高める上では、“状態が見えない”ことが想像以上に大きな枷となります。
ストレスの感じ方や捉え方は従業員一人ひとりで異なるため、「どの程度蓄積しているのか」「個人・集団の傾向」を感覚だけでは正確に把握することができません。
毎年の実施義務があるストレスチェックを始め、ストレスの状態をデータとして可視化し、継続的に把握することが重要となるでしょう。
【まとめ】“状態を可視化”し“適正な支援”を実施しましょう
本記事では、レジリエンスの意味や構成する6つのコンピテンシー、高める方法について解説しました。
レジリエンスを高めるためには、思考を見直すことやコーピングの習得といった個人の取り組みが重要です。しかし実際には、不調への気づきの遅れや現場での把握の難しさなどから、個人任せでは限界があるでしょう。
レジリエンスの本質は「高めること」ではなく「状態を把握し、適切な支援につなげること」です。目に見えないからこそ、個人のストレス状態や組織の傾向をデータとして可視化し、早期対策につなげることが重要です。
その第一歩となるストレスチェックを有効活用することで、リスクの可視化、職場改善の検討が進みやすく、レジリエンスを高める基盤を整えることができるでしょう。パーソルビジネスプロセスデザインでは、ストレスチェックの実施から集団分析、高ストレス者対応まで一貫して支援する「ストレスチェックサービス」を展開しています。詳しくは、以下をご覧ください。