採用コスト削減の完全ガイド|相場や費用上昇の要因と最適化の進め方を解説

採用コスト削減の完全ガイド|相場や費用上昇の要因と最適化の進め方を解説

「採用に掛けている費用が年々増えている」
「高い手数料やコストを払っているが、期待する成果につながらない」

多くの人事担当者が抱えるこうした課題は、決して珍しいものではありません。

特に近年の採用手法の多様化や人材獲得競争の激化により、「そもそも自社の採用コストは高いのか安いのか、適正値が分からない」という声も増えています。こうした環境において、採用コストの最適化は企業にとって喫緊の課題といえるでしょう。

しかし、単に予算を削減するだけでは、採用目標の達成が難しく、採用の質や量に影響を及ぼしかねません。重要なのは、採用コストの相場や構造を正しく理解したうえで、どこに見直す余地があるのかを見極めることです。

本記事では、採用コスト上昇の背景や相場を把握しながら、短期・中長期それぞれの観点で実施できる改善・最適化の考え方を解説します。コスト削減を達成した成功事例を交え、今後取り組むべきヒントをお示しします。

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    なぜ「採用コスト」の見直しが重要視されているのか?

    採用コストの見直しが急務となっている背景には、複数の社会的・経済的要因が複雑に絡み合っています。これらの要因を理解することで、自社が置かれている状況をより客観的に把握できるでしょう。

    企業間の人材獲得競争の激化

    現在の採用市場は、企業にとって非常に厳しい状況が続いています。2025年7月時点で正社員の人手不足を感じている企業の割合は51.4%と高水準で推移しており、多くの企業が同じ人材を奪い合う構図となっています。

    さらに、dodaの転職求人倍率は2025年7月で2.33倍と、求職者1人に対して2.33件の求人がある状況です。この競争激化により、費用をかけても採用につながらない企業が増えやすく、結果として採用単価の上昇につながっています。

    優秀な人材ほど複数の企業から内定を得るため、条件面での競争も激しくなり、採用コスト全体を押し上げる要因となっているのが現状です。


    経済環境の不確実性によるコスト見直し意識の上昇

    経済環境の不確実性により、企業のコスト管理への意識が高まっています。2025年の景気について「回復局面」と見込む企業は前年より減少し、7.7%となり5年ぶりに10%を下回りました。

    また、日銀の見通しによると、海外経済の減速や不確実性がある中で、企業は引き続きコスト管理をしつつも、慎重な経営判断を迫られているとされています。このような状況下では、採用コストの最適化も当然視野に入ってきます。

    「採用は投資」という考え方は重要ですが、その投資効果を最大化するための戦略的なアプローチがより一層求められているのです。



    人的資本経営へのシフト

    人的資本経営への注目が高まる中、採用コストに対する意識も変化しています。2023年時点で人的資本経営に取り組んでいる上場企業は6割強となっており、経済産業省も人的資本経営を積極的に推進しています。

    この流れにより、今後はより戦略的で効果的な人材投資への転換が求められるようになると考えられます。単に「人を採用する」から「戦略的に必要な人材を効率的に獲得する」へのシフトが求められており、採用コストの見直しもその一環として重要視されているのです。

    人的資本の開示義務化なども進む中、採用投資の透明性と効果測定がより重要になってきています。

    採用コストの相場を知る

    前述したように採用コストを見直す必要が高まるなか、「実際にどのくらいの費用がかかるのか」を正しく把握することは、採用戦略の立案や予算の最適配分に欠かせません。

    採用市場は常に変化しており、最新のデータに基づいて相場を知ることは、過剰な投資やコストの偏りを抑えるうえで特に大切です。採用コストは企業規模・職種・採用手法など複数の要素で大きく変動します。そのため、一律の金額だけを見て判断するのは難しいといえるでしょう。

    本章では、求人広告・人材紹介会社・自社サイト・SNSなど多様なチャネル別の相場だけでなく、新卒・中途の違いを整理し、採用コストの総額を見直す際のポイントをまとめます。

    採用コストの全体像と計算方法

    採用コストを正しく理解するうえで、まず押さえておきたいのが「採用単価」の考え方です。

    採用単価とは、採用活動にかかる費用(採用コスト)の総額を採用人数で割って算出する指標で、採用活動の効率性を見極めるための基本的な式となります。採用コストの構成要素は大きく2つに分けられます。

    • 内部コスト:採用担当者や現場担当者の人件費、面接や説明会、内定者対応に要する工数・費用、リファラル採用のインセンティブetc.
    • 外部コスト:採用媒体、求人広告への出稿費用や人材紹介・エージェントに支払う手数料、採用ページ・採用動画などの制作費etc.

    外部コストは請求額として把握しやすい一方、内部コストは表面化しづらく、結果的に採用コストが増大する主因になりがちです。費用を見直す際は、どの領域への投資が集中しているのかを整理し、定期的に全体像を把握することが重要でしょう。

    採用コストの相場(新卒・中途別)

    採用コストの相場は、新卒採用か中途採用かによって異なります。

    新卒採用では、求人サイトへの掲載や会社説明会・イベントの会場費、採用サイトや動画の制作・運用費、オンライン説明会の運営など、母集団形成に関連する施策が多く、コストが高くなる傾向があります。また、内定者に対するフォロー研修やイベントなどを実施することも多いため、採用プロセスが長くなる点も特徴です。

    一方、中途採用では人材紹介会社や求人広告を中心に、求めるスキルや経験、職種によってコスト差が生じます。特にエンジニアなど専門性の高い職種では、求人市場のニーズが強く、採用単価が高まるケースも少なくありません。

    このように、新卒・中途それぞれでコスト構造やリスクが異なるため、「相場より高い・低い」という単純な比較ではなく、自社の採用計画や事業フェーズに合った水準かどうかを見極める視点が欠かせません。

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    採用手法やチャネルごとの費用の違い

    採用コストは新卒・中途の違いだけでなく、採用手法・チャネルによっても大きく変わります。

    代表的な手段である求人広告、人材紹介会社、採用サイト、SNSなどは、それぞれ費用構造や特性が異なっており、自社の採用計画に応じた使い分けが不可欠となります。

    厚生労働省が実施した「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」によると、正社員採用における1人当たりの採用コストは、採用手法ごとに大きな差があることが示されています。具体的には、職業紹介事業者やスカウトサービスの場合は、1件当たり80~90万円台と比較的高水準である一方、求人情報サイト・広告では数万円~約30万円、自社採用サイトやSNSなどを活用した場合は数万円以下に抑えられる結果が分かります。

    採用手法別にみた正社員1人当たりの採用コスト(厚生労働省調査・p.91)※出典:厚生労働省「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」(p.91)
    ※数値は調査時点の平均値であり、企業規模・職種・募集条件により変動します。

    厚生労働省の調査結果からも分かるように、外部サービスへの依存度が高いほど採用コストが高くなる傾向にあるということです。

    人材紹介やスカウトを活用することで、採用成功につながる可能性が高い反面、成功報酬や高い手数料が伴うことになります。一方で、採用サイトやSNS、リファラル採用などは、高い広告費・手数料を抑えやすく比較的費用対効果の高い採用手法と言えるでしょう。

    ただし、採用コストが低い手法が必ずしも採用成功に直結するとは言えない点には注意が必要です。専門性の高い職種・業種や即戦力となる人材を求める場合には、スカウトや人材紹介などを利用する方が有効となるケースもあるからです。

    重要なのは、自社の採用目標を達成していくために、求める人物像や特性、採用人数と時期などの要素を整理したうえで、採用手法を最適化させることです。

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    採用コストが膨らむ5つの要因

    採用コストの増加要因を把握するためには、構成要素となる「内部コスト」と「外部コスト」の視点で分析することが重要です。本項では、採用コストが膨らむ代表的な要因を内部・外部の両軸から5つご紹介します。

    内部コストが膨らむ要因

    内部コストとは、自社の人件費や社内リソースによって発生するコストのことです。

    外部への支払いがないため見過ごされがちですが、実際には採用コスト全体の大きな割合を占めています。特に以下の2つの要因が内部コスト増加の主な原因となっています。

    歩留まりの低さによる非効率な採用活動

    最も大きな内部コスト増加要因は、選考プロセスにおける歩留まりの悪さです。書類選考の通過率が低い、面接の参加率が悪い、内定辞退が多いといった状況では、同じ人数を採用するために膨大な工数が必要になります。

    例えば、内定承諾率が30%の企業と70%の企業では、同じ10名を採用するのに必要な内定出し数が大きく異なります。30%の企業は約33名に内定を出す必要がありますが、70%の企業なら約14名で済みます。この差は、採用担当者の工数や選考コストに直結します。

    採用業務の属人化とノウハウ不足

    採用業務が特定の担当者に依存している状況も、コスト増加の大きな要因です。採用のノウハウが組織として蓄積されていないため、効率的な採用プロセスが構築できず、無駄な作業や重複業務が発生しがちです。

    また、面接官によって評価基準がバラバラだったり、選考プロセスが標準化されていなかったりすると、判断の質にばらつきが生じ、結果として採用ミスによるコスト増加につながります。

    外部コストが膨らむ要因

    外部コストは、採用媒体費用やエージェント手数料など、外部業者への支払いによって発生するコストです。

    金額が明確で把握しやすい反面、効果測定を怠ると無駄な支出が蓄積しやすい特徴があります。外部コスト増加の主な要因を見ていきましょう。

    エージェント・広告への過剰な依存

    エージェント・広告への過剰な依存は、外部コスト増加の主要因となっています。人材紹介では成功報酬として年収の30-35%を支払うのが一般的で、年収500万円の人材であれば150-175万円のコストが発生します。

    多くの企業では、複数のエージェントに同一求人を依頼したり、効果測定を行わずに契約を継続したりしており、これが不必要なコスト増加を招いています。

    各エージェントの得意分野や実績を把握せず、「とりあえず多くの会社に依頼すれば良い人材が見つかる」という考えで進めてしまうケースが典型例です。

    採用イベントや合同説明会への参加

    採用イベントへの参加は、費用対効果を検証せずに継続すると企業にとって大きな負担となります。多数の求職者と効率的に接触できるように見えますが、コスト分析を行うと課題が浮き彫りになります。

    出展費用に加えて、当日の人件費(採用担当者2-3名分)、事前準備工数、交通費・宿泊費が発生し、1回の参加で相当なコストがかかります。

    問題は明確な戦略なしに参加を続けるケースです。「例年参加している」「競合も出展している」といった理由で継続している企業では、投資効果が検証されていません。年間複数回参加しても採用に結びつく人数が少なければ、1人当たりの採用コストが他手法と比べて著しく高額になります。

    イベント参加者の大半は「情報収集層」であり、即座に転職を検討する「顕在層」の比率は高くありません。短期間での採用を重視する企業には、期待する成果が得られないことが多いのが実情です。

    効果的な活用には、参加目的の明確化(認知度向上か即戦力確保か)、ターゲット層との適合性検証、参加後のフォロー体制構築、参加効果の定量的測定が不可欠です。

    採用管理システム(ATS)のミスマッチ

    自社の採用規模や業務フローに合わないATSを導入すると、投資対効果が著しく悪化します。高機能システムを導入したものの使いこなせずに宝の持ち腐れとなったり、逆に機能不足で別のツールを追加導入する必要が生じたりするケースが見られます。

    年間数十名の採用企業が数百名規模向けシステムを選んだり、シンプルな採用フローの企業が複雑なワークフロー機能付きシステムを導入したりする例は珍しくありません。

    効果的なコスト管理には、エージェントの選定基準明確化と定期的な成果評価、そして自社の実情に応じたATS選択が重要です。



    採用コスト上昇のボトルネックを特定する3ステップ

    採用コストを効果的に削減するためには、まず現状を正確に把握し、どこにボトルネックがあるかを特定することが重要です。以下の3つのステップで体系的に分析していきましょう。

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    ステップ1:採用チャネルごとの「費用対効果」を算出する

    最初に取り組むべきは、採用チャネル別の採用単価を算出することです。媒体費用やエージェント手数料だけでなく、採用担当者の工数コストも含めた総投資額を採用成功数で割って、実際の採用単価を把握しましょう。

    さらに、チャネル別の歩留まり率、選考期間、入社後定着率も含めた総合評価により、投資効果の高いチャネルを特定し、予算配分の最適化を図ります。定着率が低いチャネルは、見かけの採用単価は安くても実質的なコストが高くなる可能性があります。

    ステップ2:辞退・離脱が多い工程を洗い出す

    書類選考から内定承諾まで各段階の通過率を詳細に分析し、ボトルネックとなっている工程を特定します。例えば、以下のような分析を実施したと仮定しましょう。

    ●選考フロー分析例


    • 応募→書類選考:通過率45%(業界平均50%)
    • 書類選考→一次面接:参加率65%(業界平均80%)
    • 一次面接→二次面接:通過率40%(業界平均60%)
    • 二次面接→最終面接:通過率70%(業界平均75%)
    • 最終面接→内定:通過率80%(業界平均85%)
    • 内定→承諾:承諾率45%(業界平均65%)

    この例では、一次面接への参加率と内定承諾率に課題があることが分かります。

    面接官別の合格率、選考期間の長短による影響、候補者フィードバックの分析により、改善優先度の高い課題を明確化し、効果的な施策立案につなげることができます。

    ステップ3:効率の悪い採用業務を棚卸しする

    採用担当者の業務時間配分を詳細に記録し、付加価値の低い作業や重複業務を洗い出します。

    ●具体的な業務分析例

    • 書類選考:1日2時間 × 20日 = 40時間/月
    • 面接調整:1日1.5時間 × 20日 = 30時間/月

    • 候補者対応(メール・電話):1日1時間 × 20日 = 20時間/月

    • レポート作成:週5時間 × 4週 = 20時間/月

    • 面接実施:1回1時間 × 40回 = 40時間/月


    この分析により、書類選考と面接調整に最も時間がかかっていることが判明した場合、以下のような効率化を検討します。
    ●業務効率化の検討項目

    • 書類選考の自動化:AIスクリーニングツールの導入
    • 面接調整の効率化:自動調整ツールやカレンダー連携
    • レポート作成の簡素化:ATSの活用やテンプレート化
    • 候補者対応の標準化:チャットボットや自動返信の活用

    例えば、書類選考にAIスクリーニングツールを導入すれば、40時間が10時間に短縮される可能性があります。面接調整を自動化すれば30時間が5時間まで削減でき、合計で月65時間もの工数削減が実現できます。

    これらの改善により、限られた人的リソースの有効活用と採用品質の向上を両立させることが可能になります。

    【短期軸】採用コスト最適化に向けた即効性のあるアプローチ

    短期間で効果を実感できる採用コスト削減施策を4つ紹介します。

    1. 無駄な採用媒体・エージェント契約の棚卸し
    2. 求人票・スカウト文面の最適化
    3. 採用手法の選別と最適化
    4. 採用代行やATSの導入・リプレイス

    これらは比較的導入しやすく、早期に成果を見込める取り組みです。それでは順番に解説していきます。

    無駄な採用媒体・エージェント契約の棚卸し

    まず取り組むべきは、現在契約している採用媒体やエージェントの効果測定と見直しです。採用実績を媒体・エージェント別に分析し、費用対効果の低いチャネルを特定します。

    成果に繋がっていない契約の解約や、重複している機能の整理により、採用コストの削減が可能です。例えば、同じターゲット層にアプローチする複数の媒体を使っている場合、最も効果の高い1-2媒体に絞り込むことで大幅なコスト削減が実現できます。

    同時に、自社採用サイトの強化も検討しましょう。自社サイト経由の応募は外部媒体費用がかからないため、長期的なコスト削減効果が期待できます。SEO対策やコンテンツ充実により、自然検索からの流入を増やすことが重要です。


    求人票・スカウト文面の最適化

    求人票やスカウト文面の改善は、コストをかけずに応募の質と量を向上させる効果的な方法です。魅力的で具体的な求人内容への改善により、質の高い応募者の増加と選考効率の向上を実現できます。

    A/Bテストを活用した文面の検証や、ターゲット人材に響くメッセージの設計により、歩留まり向上が期待できます。例えば、「経験者求む」ではなく「○○の経験を活かして△△の課題解決に挑戦したい方」といった具体的な表現に変更するだけで、応募者の質が大きく改善することがあります。


    採用手法の選別と最適化

    従来の手法にとらわれず、多様な採用手法を組み合わせることで、コスト効率を向上させることができます。

    ●主要な採用手法とその効果

    • リファラル採用の強化
      社員紹介制度の構築により、低コストで質の高い採用を実現。紹介インセンティブの設計や社内向け啓発活動により、採用コストを従来の1/3程度に削減可能です。社員が「一緒に働きたい人」を紹介するため、企業文化とのマッチング精度も向上します。

    • ダイレクトソーシング
       LinkedInやビズリーチなどを活用した直接アプローチにより、エージェント手数料を削減。初期投資は必要ですが、中長期的なコスト削減効果は大きく、特に専門性の高いポジションや希少スキルを持つ人材の採用で威力を発揮します。

    • アルムナイ採用
       退職者との関係を維持し、再入社の機会を創出することで採用コストを大幅に削減。既に企業文化を理解しているため、選考プロセスの短縮やオンボーディングコストの抑制も期待できます。

    • ジョブ型採用

       職務内容を明確化することで、候補者との認識齟齬を減らしミスマッチを防止。結果として、採用から定着までの総コスト削減効果が期待できます。


    これらの手法を自社の採用課題や業界特性に合わせて組み合わせることで、外部依存度を下げながら効果的なコスト削減を実現できます。

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    採用代行やATSの導入・リプレイス

    採用代行サービスや採用管理システム(ATS)の導入により、業務効率化と工数削減を実現できます。内製化が困難な業務のアウトソーシングで、トータルコストの最適化を図ることが可能です。

    特に採用規模が拡大している企業では、システム導入による工数削減効果が大きく、採用担当者は戦略的な業務に集中できるようになります。

    現在ATSを使用している企業でも、機能過多で月額費用に見合った価値を得られていない場合や、逆に機能不足で追加ツールの併用によりコストが膨らんでいる場合は、リプレイス(見直し)を検討することが重要です。

    リプレイス成功のポイントは、現状課題の明確化、自社に必要な機能の特定、費用対効果の数値検証です。適切なリプレイスにより、年間数百万円のコスト削減につながるケースも少なくありません。


    【中長期軸】本質的な採用コスト削減へのアプローチ

    短期的な施策と並行して、中長期的な視点での根本的な改善にも取り組むことが重要です。これらの施策は効果が現れるまで時間がかかりますが、持続的なコスト削減効果をもたらします。

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    採用要件(採用ペルソナ)の再定義

    過度に高い要求水準や曖昧な条件設定を見直し、本当に必要なスキル・経験を明確化することが重要です。多くの企業で「即戦力」への過度な依存が採用難易度とコストを押し上げています。

    ポテンシャル採用の拡大や、育成前提での採用により、希少な即戦力人材への過度な依存を回避できます。採用母集団の拡大と競争緩和により、コスト削減と採用成功率向上を両立させることが可能です。

    例えば、「業界経験5年以上」という条件を「関連業界経験3年以上または同等のスキルを持つ方」に変更することで、候補者層を大幅に拡大できます。


    採用ブランディングの構築

    自社の魅力を効果的に発信し、候補者から選ばれる企業になることで、採用コストの削減が可能です。強い採用ブランドがあれば、高額な広告費をかけなくても質の高い応募者を獲得できるようになります。

    採用ブランディングの構築には、以下の要素を押さえておきましょう。

    • 企業理念・ビジョンの明確化
    • 働く環境・文化の可視化
    • 成長機会・キャリアパスの提示
    • 既存社員の声・体験談の発信

    SNSや自社メディアを活用した継続的な情報発信により、長期的な採用力向上を図ることができます。

    入社者フォローやオンボーディング支援の整備

    入社後3ヶ月以内の早期退職を防ぐため、体系的なオンボーディングプログラムを構築することが重要です。早期退職が発生すると、採用にかけたコストが無駄になるだけでなく、再度採用活動を行う必要があるため、実質的な採用コストが大幅に増加します。

    メンター制度や定期面談、目標設定支援により、定着率を向上させることで実質的な採用コストを削減できます。例えば、定着率が70%から90%に改善すれば、同じ人数の定着を実現するのに必要な採用数を大幅に減らすことができます。

    長期的な人材投資効果の最大化を図るために、入社後1年間の継続的なサポート体制を整備することが推奨されます。


    採用コストの削減に成功した企業事例3選

    実際に採用コスト削減に成功した企業の事例を通じて、具体的な改善アプローチとその効果を確認してみましょう。

    日本ピザハット・コーポレーション株式会社

    ●課題
    全国にある店舗ごとで採用手法がバラバラだっため、応募から面接までのタイムラグや担当者負担が大きく、応募数に対して面接・採用率が低い状況が大きな問題となっていました

    ●施策
    採用業務を一括外注し、応募者対応や日程調整を統一運用する体制に変更。各店舗では店長が面接と合否連絡に専念できる体制へと移行を図ることで、採用プロセスの効率化を実現しました。

    ●成果

    • 面接参加率:40% → 76%に向上
    • 月間採用人数:0.8人 → 1.3人/店舗に増加
    • 採用単価:1名あたり約5,000円改善
    • 採用業務の可視化と安定化も実現


    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    ●課題
    事業拡大による採用人数増加を背景に、業務量が増加。人事部門のリソースをひっ迫している状況でした。実際に「書類選考」から「最終面接」まで45営業日を要しており、採用の長期化が課題として顕在化していました。また一部業務を別のRPOベンダーに委託していたものの、低品質・ミス頻発など工数が削減されていないという課題をお持ちでした。

    ●施策
    RPOベンダーの見直し、高品質なマニュアル整備、レポーティング、改善提案を伴う運用体制へ移行。プロセスの標準化と品質管理の徹底により、採用業務の効率化を実現しました。

    ●成果

    • リードタイム:45営業日 → 22営業日に半減
    • ミス件数:年間ゼロ件を達成
    • 報告・レポート品質向上で人事稼働が大幅に軽減


    ヤマト運輸株式会社

    ●課題
    全国の営業所が個別に採用業務・求人発注を実施しており、媒体費の非集中管理によるコストロスと応募者への対応品質のバラつきが深刻化。応募者からのクレームも発生していました。

    ●施策
    採用業務の一元化、応募媒体の集約交渉、ATS導入、面接官トレーニング、応募者対応の標準化などによる体制構築を実施しました。全国統一の採用プロセスにより、効率化とクオリティ向上を両立させました。

    ●成果

    • 応募単価:全体平均で22%改善
    • 応募者クレームの減少
    • 採用業務の属人化解消および応対品質向上


    採用コストを削減するなら採用コンサルティングの導入がおすすめ

    採用コスト削減は単に支出を減らすことではなく、投資効果を最大化することが重要です。内部・外部コストを分析してボトルネックを特定し、短期・中長期の施策を組み合わせることが成功の鍵となります。

    ただし、過度なコスト削減は採用の質や企業ブランドに悪影響を及ぼす可能性があります。レスポンス遅延による優秀人材の流出や、業務負荷増加によるミスマッチ、採用ブランディングの軽視による長期的な採用力低下には注意が必要です。また、採用業務の属人化や専門性不足も効率低下の要因となります。

    こうした課題を回避するために、採用コンサルティングサービスの導入による採用プロセスの最適化や、採用代行サービスなど外部パートナーへの業務委託が有効です。自社の採用課題と目標を明確にし、段階的に改善を進めることで、持続可能な採用コスト削減を実現できるでしょう。

    採用コスト削減と品質向上の両立を目指す際はぜひ、パーソルビジネスプロセスデザインの「採用コンサルティングサービス」、「採用代行サービス」をご検討ください。専門チームによる効率的な採用プロセス設計で、貴社の課題解決をサポートいたします。

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