コールセンターにおけるマニュアルの重要性
マニュアルがない状態では、オペレーターごとに案内内容や応対品質にばらつきが生まれ、クレームや他社への乗り換えにつながることもあります。マニュアルは、案内内容、判断、記録、社内連携の基準をそろえる共通の道具です。
ただし、文書を作っただけでは品質は安定しません。研修、検索しやすい構成、定期的な更新、管理体制までそろえてはじめて機能します。日本コンタクトセンター協会(CCAJ)のガイドラインでも、問い合わせや苦情の日時、内容、回答、対応者を正確に記録することが求められています。
※参考: 一般社団法人 日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コールセンター業務倫理ガイドライン」(PDF)
応対品質を統一し、新人教育と属人化防止につなげる
案内の基準や参照先を共通化しておくと、次のような効果が期待できます。
- オペレーターごとの案内差を抑える
- 誤案内や確認のための長時間保留を減らす
- 新人教育を標準化する
- ベテランへの依存を防ぐ
- SVへの質問・エスカレーション集中を抑える
ただし、検索しにくい、情報が古い、例外処理が書かれていないマニュアルでは、逆にSVへの質問が増えることもあります。必須知識、判断条件、参照FAQ、権限外の処理、対応履歴に残す項目までを標準化することが大切です。
マニュアル通りの応対だけが正しいわけではない
マニュアルは重要ですが、記載内容をそのまま読み上げれば良いわけではありません。顧客の状況や感情に合わせた対応が求められる場面も多く、機械的な受け答えは「融通が利かない」という印象を与えかねません。
大切なのは、「必ず守る基準」と「状況に応じて調整できる要素」を分けておくことです。
| 分類 | 主な項目 |
|---|---|
| 必ず守る基準 | 本人確認、個人情報の取扱い、対応権限、禁止事項、対応履歴の登録、エスカレーション条件 |
| 状況に応じて調整できる要素 | 共感やお詫びの表現、説明する順番、言葉の難易度、補足の量 |
判断範囲を超える案件は、自己判断せず上司や専門部署へ連携する仕組みも、あわせてマニュアルに組み込んでおきましょう。
コールセンターのマニュアルは主に4つに整理できる
コールセンターのマニュアルに載せる情報は、性質によって大きく4種類に整理できます。
この4分類は「情報を整理する軸」です。実際に運用する1冊のマニュアルは、これらを統合した目次に落とし込みます。目次の完成形は後述の「完成見本」で紹介します。
分類(1)会社の基礎知識
会社概要、商品・サービス情報、社内規程など、オペレーターがはたらくうえで前提となる情報を載せます。単なる会社案内の転載にすると実務では使いにくいため、次の観点で内容を絞り込むのがポイントです。
- 顧客へ案内してよい情報と、案内してはいけない情報の境界
- コールセンター内で完結する業務と、他部署へ連携する業務の切り分け
- 関係部署の連絡先、緊急時の連絡ルート
商品改定、規程変更、組織変更を更新のトリガーとして明記しておくと、鮮度を保ちやすくなります。個人情報を扱う業務では、個人情報保護委員会のガイドラインを踏まえ、取扱範囲や閲覧権限も自社規程で定めておきましょう。
分類(2)ビジネスマナー
第一声、名乗り、敬語、クッション言葉、保留・転送時の基本ルール、避けたい表現などをまとめます。相手の顔が見えないぶん、話す速度、遮らずに聞く姿勢、復唱や要約確認まで含めておくと、認識違いによるクレームを予防できます。
具体的な言い回しは、後述の「シーン別テンプレート」に集約すると重複を避けられます。ここでは原則やルールに絞って記載しましょう。
分類(3)システム・ツールの操作方法
CRMやCTIなど、業務で使うシステム・ツールの操作手順を載せます。顧客情報の検索、対応履歴の登録、保留・転送、折り返し登録、FAQ検索、操作エラー時の連絡先などが対象です。
画面キャプチャを並べるだけでは実務で使いにくいため、「操作の目的→手順→必須入力→禁止操作→異常時の対応」の順で整理すると理解しやすくなります。システムや画面はアップデートで変わりやすいため、変更時の更新担当者と確認方法を決めておくことも重要です。
分類(4)トークスクリプト
第一声から終話までの会話例、頻出問い合わせへの回答、本人確認、顧客の回答に応じた分岐、対応できない場合の案内、エスカレーション条件などを定めます。
会話文だけを記載してしまうと、「何を確認すべきか」「どの条件で回答が変わるか」まで伝わりません。発話例に加えて、確認項目、YES/NOの分岐、対応不能時の案内、エスカレーション条件、対応履歴に残す項目まで併記しておくと、実務での使いやすさの向上が期待できます。
この章では役割の説明にとどめ、完成した会話例は「シーン別テンプレート」で、作成方法は後半の「トークスクリプトの作り方」で扱います。
【完成見本】コールセンターマニュアルの目次とテンプレート例
ここでは、自社向けに調整して活用できる目次テンプレートと、運用に欠かせない管理表のサンプルを紹介します。自社の業務範囲や社内規程に合わせて、適宜カスタマイズしてお使いください。
例(1)コールセンターマニュアル全体の目次テンプレート例
例(2)FAQ管理表の記入例
FAQは、質問と回答だけでなく、確認条件、回答根拠、回答できない条件まで管理することで実用性が高まります。
| 項目 | 記入例1 | 記入例2 |
|---|---|---|
| 問い合わせカテゴリ | 契約変更 | 配送状況 |
| 顧客の質問 | プランを変更したい | 商品が届かない |
| 検索キーワード | プラン変更、料金見直し、安くしたい | 未着、届かない、配送遅延 |
| 標準回答 | 所定の手続き後、翌月から変更できます | 配送状況を確認して案内します |
| 回答前の確認事項 | 本人確認、現在の契約、受付期限 | 注文番号、本人確認、発送日 |
| 根拠資料 | サービス約款第◯条、文書番号◯◯ | 配送手順書◯版、FAQ番号◯◯ |
| エスカレーション条件 | 例外適用、受付期限超過 | 紛失、誤配送、重大な遅延 |
| 更新日 | 2026/07/01 | 2026/07/01 |
| 更新担当者 | 業務企画担当 | 物流担当 |
検索キーワードには、正式名称だけでなく顧客が実際に使う口語表現も登録しておくと、目的のFAQへ短時間でたどり着けます。
例(3)エスカレーション基準表テンプレートの記入例
「高・中・低」だけでは現場が動きにくいため、「即時」「当日」「翌営業日」など具体的な期限に置き換えるのがポイントです。
例(4)更新履歴・承認欄の記入例
更新日だけでは新旧の判別ができないため、適用開始日と承認者をセットで管理することを推奨します。
【シーン別テンプレート】コールセンターの電話対応・受け答えの例文
電話対応でよく出てくる場面ごとに、推奨例、NG例、記録項目、エスカレーション条件をまとめました。会社名や担当者名、本人確認項目、受付時間などは自社用に置き換えてお使いください。
シーン(1)電話を受けるときの第一声・名乗り
窓口名と担当者名を、聞き取りやすい速さで伝えます。第一声は、社内で定めたサービスレベルや平均応答速度の目標に沿って、できるだけ早く応答します。
| 推奨例
・通常時「お電話ありがとうございます。◯◯お客さまセンター、担当の△△でございます」 ・待たせた場合「大変お待たせいたしました。◯◯お客さまセンター、担当の△△でございます」
|
| NG例と理由
・「もしもし」「はい、◯◯です」 ・窓口名や担当者名が伝わらず、顧客が正しい窓口につながったか確認できません。 |
通話録音を行う場合、個人情報保護法上、録音の告知が一律に義務付けられているわけではありませんが、利用目的の通知または公表は必要です。自社規程に沿って冒頭の案内方法を定めましょう。
※参考:個人情報保護委員会「顧客との電話の通話内容は個人情報に該当しますか。また、通話内容を録音している場合、録音している旨を相手方に伝えなければなりませんか。」
シーン(2)相手の名前・用件を確認するとき
推測や決めつけを避け、正確にヒアリングします。
| 推奨例
・聞き取れなかった場合:「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」 ・用件の要約確認:「◯◯のお手続きについてのお問い合わせでよろしいでしょうか」 |
| NG例と理由
・「◯◯様ですよね」と聞き取れたふりをする/「つまり解約したいということですね」と決めつける ・誤った情報のまま対応を進めるとクレームに発展します。業務に不要な個人情報の取得も避けましょう。 ・対応履歴に残す項目:顧客名、用件、問い合わせカテゴリ、要望、確認できなかった項目 |
シーン(3)本人確認をするとき
本人確認は情報漏えいを防ぐ重要な工程です。顧客が目的を理解できる説明を添えましょう。
| 推奨例
・「お客さまの情報を安全にお取り扱いするため、当社所定の項目を確認いたします」 ・確認が完了しない場合:「現時点ではご本人さまの確認が完了していないため、契約内容のご案内やお手続きを承ることができません」 |
| NG例と理由
・「◯◯市にお住まいの◯◯様ですね」とこちらから情報を開示する/「生年月日は◯月◯日で合っていますか」と回答を誘導する ・なりすまし防止の観点から、いずれも避けるべき対応です。 ・エスカレーション条件:本人確認が完了しない/登録情報に不一致がある/代理権を確認できない/なりすましの疑いがある |
シーン(4)保留・転送するとき
理由を説明し、顧客の了承を得てから行います。無言の保留は避けましょう。
| 推奨例
・保留時:「確認いたしますので、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」 ・長引く場合:「お待たせして申し訳ございません。もう少々お待ちいただくか、確認後に折り返すこともできますが、いかがいたしましょうか」 ・転送時:「詳しい担当者へおつなぎいたします。ここまで伺った内容は、私から担当者へ引き継ぎます」 |
| NG例と理由
・無言で保留する/転送先で顧客に同じ説明を最初から求めさせる ・顧客の不満を強める原因になりますので、転送時は用件と確認済み情報を引き継いでください。 ・対応履歴に残す項目:保留・転送の理由、確認した部署、引き継いだ内容、案内した期限、折り返しの要否 |
シーン(5)担当者不在・折り返しを案内するとき
不確実な約束は避け、確実に案内できる情報だけを伝えます。
| 推奨例
・「あいにく担当の◯◯は席を外しております。戻りましたら、こちらから折り返しご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか」 ・戻り時間が不明な場合:「戻り時間が確定していないため、確認のうえ担当者からご連絡いたします」
|
| NG例と理由
・「◯◯は本日休暇で旅行中です」「30分後には戻ると思います」 ・個人のプライバシーを漏らすおそれがあるほか、確約できない時間の案内は約束違反につながる可能性があります。 ・対応履歴に残す項目:顧客名、折り返し先、希望時間帯、用件、緊急度、担当者への連絡日時 |
シーン(6)すぐに回答できないとき
即答できない場合は推測で答えず、確認内容、回答期限、連絡方法を明確に伝えます。
| 推奨例
・「こちらは確認が必要な内容です。担当部署へ確認し、本日◯時までにお電話で回答いたします」 ・期限を確定できない場合:「まず本日◯時までに進捗をご連絡いたします」 |
| NG例と理由
・「分かりません」「多分◯◯だと思います」「すぐに回答します」 ・解決に向けた行動が伝わらず、守れない期限の約束によって企業の信頼を損ねる可能性があります。 ・対応履歴に残す項目:未回答の内容、確認先、担当者、回答期限、連絡方法、顧客と約束した事項 |
シーン(7)クレームを受けた直後
顧客の話を遮らず、事実を整理することを優先します。
| 推奨例
・初期謝罪:「このたびは、ご不便をおかけし申し訳ございません。状況を確認させていただきます」 ・要約:「◯月◯日にお手続きいただいたにもかかわらず、現在も反映されていないということでよろしいでしょうか」 |
| NG例と理由
・「それは当社のミスです」「必ず返金します」「そのようなことはあり得ません」 ・事実確認前に責任や補償を断定すると、事後の適切な解決が難しくなる可能性があります。「不快・不便を感じさせたことへのお詫び」と「会社の責任を認める判断」は分けて考えましょう ・対応履歴に残す項目:顧客の主張、発生日時、対象商品・サービス、確認済みの事実、要望、案内内容、上席への連携内容 |
なお、暴言・恫喝など社会通念上不相当な言動については、通常のクレームと分けて対応します。2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、すべての事業主にカスハラに対する雇用管理上の措置が義務付けられます。厚生労働省が示すカスタマーハラスメント対策の枠組みを参考に、自社の基準を整えておきましょう。
※参考: 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(PDF)
※参考:厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」
シーン(8)上司・専門部署へエスカレーションするとき
顧客への説明と、社内への引継ぎは分けて考えます。
| 推奨例
・顧客へ:「本件は、責任者が詳しい状況を確認したうえでご案内いたします」 ・「正確にご案内するため、専門担当部署へ確認いたします」 |
| NG例と理由
・「エスカレーションします」「私では分からないので上司に回します」 ・社内用語は伝わりにくく、責任放棄の印象を与える可能性があります。 ・社内への引継ぎ情報:本人確認状況、用件と発生経緯、確認済みの事実、顧客の主張と要望、これまでの案内、緊急度、約束した回答期限 |
応対のテンプレートである「トークスクリプト」の作り方
手順(1)顧客のペルソナを設定する
一方、既存センターのマニュアル改訂では、架空のペルソナ作成にこだわる必要はありません。実際の対応履歴、保留の理由、誤案内、FAQで解決できなかった質問、エスカレーションに至った経緯といった実データから改善点を割り出すほうが、改訂の精度は上がります。
手順(2)顧客応対力が高いオペレーターからトーク内容を抽出する
現場の暗黙知を形式知に変える工程です。応対品質の高い対応事例やSVの対応を分析し、次の要素を抽出します。
- 顧客の感情に寄り添う言葉
- 難しい情報を分かりやすく伝える工夫
- どのタイミングで本人確認を行ったか
- どのFAQを参照して判断したか
- どの条件で保留・転送・エスカレーションしたか
- 対応履歴にどんな情報を残したか
言い回しだけでなく、判断と処理の手順まで抽出することがポイントです。個人の話し方をそのまま正解とせず、社内規程や品質基準と照合したうえで標準化しましょう。通話録音や対応履歴を分析目的で使う場合は、自社の情報管理ルールとプライバシーポリシーに従ってください。
手順(3)問い合わせごとにフローチャートを作成する
正常に処理できるケースだけでなく、次のような例外ルートも記述しておくと、実務で迷いにくくなります。
- 本人確認が完了しない
- 該当する契約や注文が見つからない
- 顧客が必要情報を提供できない
- オペレーターの権限外である
- システム障害が発生している
- 重大な事故や苦情の疑いがある
文章だけのスクリプトより、視覚的なフローチャートのほうが、例外ルートを瞬時に判断しやすくなります。
手順(4)情報をもとにスクリプトの書き出す
- オペレーターの発話(必ず読む必須文言と、調整可能な言い回しを区別する)
- 顧客の想定回答と分岐指示
- 確認事項、注意事項
- システムへの入力タイミング
- 対応履歴に残す項目
- エスカレーション条件
手順(5)ロールプレイをして内容をチェックする
- 会話として不自然でないか
- 必要な確認が抜けていないか
- 分岐に矛盾がないか
- 通話中にシステム操作を同時にできるか
- エスカレーション条件が明確か
- 新人でも必要な情報にたどり着けるか
作成者だけで検証すると前提知識の不足に気づけません。重要な変更が含まれる場合は、法務や情報セキュリティの担当者にも参加してもらうと、確認漏れの防止につながります。
マニュアル活用におけるポイント
ポイント(1)定期的な見直しと改善を行う
- 商品・サービスの変更
- 法令・業界ルール・社内規程の変更
- 誤案内や重大クレームの発生
- 個人情報事故やセキュリティ事案
- FAQで解決できない質問の増加
- CRM・CTIの変更、組織体制の変更
ポイント(2)更新担当者・レビュー担当者・承認者を決める
| 作成・更新担当者 | 変更案を作成する |
|---|---|
| 業務レビュー担当者 | 業務手順と内容を確認する |
| 法務・情報セキュリティ担当者 | 法令や情報管理を確認する |
| 最終承認者 | 公開を承認する |
| 公開・周知担当者 | 現場へ変更を伝える |
小規模なセンターであれば兼務でも構いませんが、作成者以外の目でレビューする工程は必ず設けましょう。本人確認、個人情報、補償、重大事故に関する変更は、特に慎重な確認が必要です。
ポイント(3)版番号・更新日・変更履歴を管理する
現場が参照する最新版を1つに定めておかないと、古い情報のまま案内してしまうリスクが生まれます。最低限、次の項目は管理しておきたいところです。
- 文書ID、版番号
- 公開日、適用開始日
- 変更箇所、変更理由
- 作成者、レビュー者、承認者
- 周知日 旧版の取扱い
旧版は、共有フォルダ、個人PC、メール添付、印刷物、研修資料などに残りやすいため、削除・回収の手順まで決めておくと安心です。緊急改訂の際は「暫定版であること」と「正式版への切替予定」を明示しましょう。
ポイント(4)見やすさや使いやすさに注意する
どんなに優れた内容でも、使ってもらえなければ意味がありません。装飾の美しさよりも、通話中に「必要な情報へ短時間で到達できる検索性」を優先しましょう。次のような工夫が有効です。
- 問い合わせカテゴリ別に整理する
- 検索キーワードや同義語を登録する(顧客が実際に使う口語表現を含める)
- 1ページ1テーマを原則にする
- 図、表、フローチャートを活用する
- OK例・NG例をセットで示す
- FAQへのリンクを整備する
- モバイル端末や複数画面での閲覧を確認する
新人と経験者の両方が使えるよう、要点と詳細説明を分けて掲載する方法も有効です。
ポイント(5)現場の質問・対応履歴を次回改訂に反映する
改善は、現場の感想だけでなく、対応履歴や検索ログなどの事実データに基づいて行うのが理想です。SVへ繰り返し寄せられる質問、FAQでヒットしなかった検索語、保留が長引いた理由、エスカレーション理由といったログを集めれば、優先して対応すべき改訂ポイントが見えてきます。
優先順位を決める際は、発生頻度、顧客への影響、法令・セキュリティ上のリスク、処理時間への影響、新人が迷う可能性、複数の商品・業務への影響といった観点で判断するとぶれにくくなります。
マニュアルやテンプレート作成は外注も可能
自社での作成が向いているケース
次のような場合は、自社で作成したほうがコスト面でも品質面でも合理的です。
- 商品・サービスや業務フローの変化が頻繁で、更新のたびに外注していると間に合わない
- 自社にしかない業務知識や独自ルールが多く、外部への説明コストが大きい
- SVや品質管理担当者が育っており、作成・レビュー・承認の役割を社内で回せる
- オペレーターや窓口の規模が小さく、対応範囲も限定的である
- ナレッジを社内に蓄積し、次回改訂や研修に生かしたい
自社作成では、実際に電話を受けている担当者の感覚を反映しやすく、更新スピードも自分たちで調整できます。一方で、担当者の時間確保、テンプレートの初期設計、レビュー体制の整備は必須です。ゼロから作るのが難しい場合は、目次テンプレートや管理表の様式だけを外部から取り寄せ、中身は自社で埋めていく「ハイブリッド型」も現実的な選択肢です。
外部支援を検討したほうがよいケース
次の項目に複数該当する場合は、マニュアル単体ではなく、運用設計そのものに課題が潜んでいる可能性があります。
- 新規窓口の開設期限が決まっている
- 一定規模以上で、教育・品質管理・シフト管理の負荷が高い、または複数拠点で運営している
- マニュアルが部署別に分散している
- 更新担当者や承認者が決まっていない
- FAQが更新されていない、エスカレーションが減らない
- 個人情報や機密情報を扱う
- 24時間・休日対応、BCPや監査への対応が必要
依頼する際は、納品物だけで比較しないことがポイントです。現状調査、業務分析、FAQ設計、トークスクリプト作成、研修、CRM・CTI・IVRの設定、運用後のモニタリング、VOC分析、継続改善、セキュリティ対応まで、どこまで支援対象かを確認しましょう。
なお、マニュアル作成サービスを提供する企業のなかには、研修代行やFAQ作成まで請け負う企業もあります。マニュアル、研修、ナレッジ管理を一貫して依頼できると、コールセンター運営の手間やコストの削減につながる可能性があります。
パーソルビジネスプロセスデザインでも、コールセンターアウトソーシングを通じて、電話応対研修・教育、対応マニュアルの改善、FAQのアップデートなどを含む運用支援を行っています。ご興味があれば、下記から詳細をご確認のうえ、お気軽にご相談ください。
まとめ
本記事では、4分類のマニュアル、実務用の目次テンプレート、FAQ管理表、エスカレーション基準表、更新履歴の様式、シーン別の受け答え例文、トークスクリプトの作成手順、運用のポイントまでを紹介しました。作成後は現場データをもとに継続的に改善し、常に使える状態を保っていきましょう。
自社での作成が難しい場合は、外注も選択肢のひとつです。パーソルビジネスプロセスデザインでは、コールセンター運営、電話応対研修・教育、対応マニュアル改善、FAQアップデートを含む運用支援についてご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。