コンタクトセンターは特定の業種だけ?業界を問わない活用の実態
コンタクトセンターという言葉から、通信販売や金融、保険といった業界を思い浮かべる方は多いかもしれません。
これらの分野では、顧客対応の中核として、長年にわたりコンタクトセンターが活用されてきた背景があります。
一方で、近年はその活用範囲が広がり、製造業やIT業界、各種サービス業、さらには官公庁など、業種を問わず導入されるケースが増えています。
背景にあるのは、「問い合わせ対応」や「情報提供」「事務処理の集約」といった業務が、業界を超えて共通して存在しているという点です。
コンタクトセンターは、特定の業界に特化した仕組みというよりも、こうした業務を整理し、効率的に運用するための手段として位置づけられるようになっています。
まずは実際にどのような業種で、どのような業務に活用されているのかを把握することが、自社への適用を考えるうえでの出発点になるでしょう。
では、なぜこれほどまでに多くの業種でコンタクトセンターが活用されているのでしょうか。
その一番の理由は、多くの企業が抱えている課題に、業種を問わない共通点があるからです。
例えば、「お客様にもっと満足してもらいたい」「営業活動をより効率的に進めたい」「社員にはもっと重要で創造的な仕事に集中してほしい」といった願いは、どのようなビジネスであっても共通して持っている普遍的なお悩みと言えるでしょう。
コンタクトセンターは、これらの課題を解決するための、とても頼りになる解決策になります。
専門のトレーニングを受けたオペレーターがお客様対応を一手に引き受けることで、サービスの品質が安定し、お客様に安心感を与えることができます。
また、営業部門は有望な見込み客へのアプローチに時間を集中させることができ、社員は日々の雑務から解放されます。
このように、お客様との関係性を深める「顧客接点の強化」と、社内の無駄をなくす「業務効率化」を同時に実現できる点こそが、業界の垣根を越えてコンタクトセンターが選ばれ続ける大きな理由なのです。
業務別で見る!コンタクトセンターに委託できる4つの主要な役割
コンタクトセンターと一言でいっても、その役割はただお客様からの電話を受けるだけにとどまりません。
実は、企業の活動におけるさまざまな業務を代行できる、非常に幅の広いサービスなのです。
電話やメール対応はもちろんのこと、データ入力や営業のサポートといった裏方の仕事まで、様々な業務をお手伝いすることが可能です。
具体的にどのような業務を委託できるのかを知ることで、自社が抱える課題を解決するために、コンタクトセンターがどのように役立つのかが、よりはっきりと見えてくるはずです。
ここでは、コンタクトセンターが担うことのできる主要な4つの役割を、業務別に分かりやすく解説していきます。
自社のどの部門の、どの業務を効率化できそうか、具体的な場面をイメージしながら読み進めてみてください。
きっと、これまで思いつかなかった新たな活用のヒントが見つかることでしょう。
2-1. 営業支援を加速させるテレセールス・テレマーケティング
コンタクトセンターの役割は、お客様からの連絡を待つ「受け身」の対応だけではありません。
企業に新たなビジネスチャンスをもたらす「攻め」の役割も担うことができるのです。
その代表的な例が、電話を活用して営業活動を支援する「テレセールス」や「テレマーケティング」と呼ばれる業務です。
具体的には、見込み客のリストをもとに専門のオペレーターが電話でアプローチし、商品やサービスの魅力をお伝えして商談のアポイントを獲得したり、開催するイベントやセミナーへの参加を促したりします。
また、既に取引のあるお客様に対して新商品のご案内や現在の利用状況のヒアリングを行うことで、より高価な商品への乗り換えを提案する「アップセル」や、関連商品の追加購入を提案する「クロスセル」といった、さらなる売上拡大につなげることも可能です。
営業担当者が日々の忙しい業務の中でなかなか手が回らない部分をコンタクトセンターが代行することで、営業活動全体のスピードと効率を上げ、企業の売上向上に直接的に貢献することができるのです。
2-2. 顧客満足度を高めるカスタマーサポート・顧客対応
企業の「顔」ともいえるカスタマーサポートは、コンタクトセンターが最も得意とする業務の一つです。
商品やサービスの利用方法に関するご質問、注文の受付、返品・交換の手続き、そして時には厳しいご意見であるクレームへの対応まで、お客様からのあらゆる声を受け止める、企業にとって非常に重要な窓口となります。
専門のトレーニングを積んだオペレーターが、一件一件の問い合わせに対して丁寧かつ迅速に対応することで、お客様が抱える不安や不満を解消し、その企業に対する安心感や信頼感を育むことができます。
この丁寧な対応の積み重ねが、結果的に「この会社から買ってよかった」という顧客満足度の向上につながり、リピート購入やSNSなどでの良好な口コミの拡散といった、長期的なファンを育てるための大切な土台となります。
自社で十分な人員や時間を確保するのが難しい場合でも、コンタクトセンターに委託することで、常に質の高い顧客対応を安定して提供し続けることができるでしょう。
2-3. 社内外の疑問を解決するヘルプデスク・問い合わせ対応
コンタクトセンターの活躍の場は、お客様への対応だけに留まりません。
社内の従業員や取引先からの問い合わせに対応する「ヘルプデスク」としての役割も、企業の生産性を高める上で非常に重要です。
例えば、社内向けのITヘルプデスクとして、パソコンの操作方法がわからない、社内システムにログインできないといったトラブルに関する問い合わせを一手に引き受けたり、総務や人事に関する福利厚生などの定型的な質問に答えたりすることができます。
これにより、情報システム部門や管理部門の担当者は、本来の専門的な業務に集中できる貴重な時間を確保できます。
また、社外向けには、自社製品を取り扱う代理店や販売店からの製品仕様に関する専門的な問い合わせ窓口を設けるといった活用方法も考えられます。
このように、社内外で発生するさまざまな「困った」を解決する中心的な窓口として機能させることができるのも、コンタクトセンターが持つ大きな魅力の一つです。
2-4. コア業務に集中するための定型的な事務業務の代行
意外に思われるかもしれませんが、コンタクトセンターでは電話やメールでの対応だけでなく、それに付随して発生する定型的な事務業務も委託することが可能です。
これは、お客様とのやり取りの後に必ず発生する後処理作業などを、まとめてお願いできるイメージです。
例えば、お客様からの申し込み内容を社内のシステムに入力するデータ入力業務、資料請求に応じて必要な書類を準備して発送する業務、注文を受けてから商品を発送するまでの受発注処理やそれに伴う伝票作成などが挙げられます。
これらの業務は、一つひとつの作業は単純でも、積み重なると多くの時間と人手を要するものです。
本来、新しい企画の立案や会社の未来を考える戦略策定といった「コア業務」に集中すべき社員が、こうした手順の決まった「定型業務」に追われてしまうのは、組織全体にとって非常にもったいない状況と言えるでしょう。
コンタクトセンターにこれらの事務業務をアウトソーシングすることで、社員はより付加価値の高い、創造的な仕事に時間を使えるようになり、組織全体の生産性向上に大きく貢献します。
自社に合うか見極める!委託すべき業務を判断する2つの視点
コンタクトセンターの幅広い活用法を知り、具体的に導入を検討する段階になると、「自社の業務は本当に外部に委託できるのだろうか」という新たな疑問や不安が湧いてくるかもしれません。
特に、自社の業界特有の専門的な知識やノウハウが求められる業務を扱っている場合、その不安はより大きくなることでしょう。
しかし、専門性が高いからといって、すべての業務が委託に不向きというわけではありません。
ここでは、自社の業務がコンタクトセンターへの委託に向いているかどうかを冷静に判断するための、2つの重要な視点をご紹介します。
この視点をもとに自社の業務内容を一つひとつ整理することで、アウトソーシングすべき業務と、引き続き自社で責任を持って行うべき業務の切り分けが明確になり、どこから手をつければ良いのか、具体的な第一歩が見えてくるはずです。
3-1. 専門知識が求められる業界特有の業務とその対応策
コンタクトセンターへの委託を検討する上で、その業務に自社の業界特有の専門知識がどの程度必要かは、非常に重要な判断基準となります。
例えば、医療分野における副作用に関する問い合わせ、複雑な金融商品の詳細な説明、法律に関する専門的な相談など、高度な専門性や国家資格が求められる業務は、一般的なコンタクトセンターでは対応が難しい場合があります。
しかし、ここで「やはり無理か」と諦めてしまう必要はありません。
対応策はいくつか存在します。
一つは、その業界に特化した専門チームを持つコンタクトセンターを選ぶことです。
また、委託先の企業と共同で、非常に詳細な業務マニュアルや実践的な研修プログラムをゼロから構築するという方法もあります。
導入の初期段階で十分な情報共有と徹底した教育を行うことで、専門性の高い業務であっても、お客様が満足する高品質な対応を実現することは十分に可能です。
まずは「うちの業務は特殊だから」と決めつけずに、委託先の候補となる企業にどこまで対応が可能なのか、率直に相談してみることが何よりも大切です。
3-2. 業種を問わず対応しやすい汎用的な業務の具体例
一方で、多くの業種で共通して発生する、いわゆる「汎用的な業務」は、コンタクトセンターへの委託が非常にしやすい領域です。
これらは、どの会社にもある程度共通した、お決まりの業務と考えると分かりやすいでしょう。
具体的には、セミナーやイベントの申し込み受付、会社案内や製品カタログなどの資料請求の対応、会社の代表電話にかかってくる電話の一次受付、そして簡単なQ&A対応などがこれにあたります。
これらの業務は、対応する内容がある程度パターン化されており、複雑な専門知識を必要としないため、比較的スムーズにアウトソーシングへと移行することが可能です。
もし初めてコンタクトセンターの活用を検討するのであれば、まずはこういった汎用的な業務から「スモールスタート」で委託を始め、その効果を実感してみるのが良い方法です。
小さな成功体験を積み重ね、その効果を社内で共有することで、アウトソーシングに対する周囲の理解も得やすくなり、将来的により専門的で複雑な業務の委託へとステップアップしていくための土台を築くことにもつながります。
業種に縛られず活用するためのコンタクトセンター検討ステップ
ここまで見てきたように、コンタクトセンターは特定の業種に限らず、業務内容に応じてさまざまな形で活用されています。
では、自社で導入や委託を検討する場合、どのような順序で考えていけばよいのでしょうか。
ここからは、「業種」ではなく業務と課題の整理を起点に、コンタクトセンター活用を検討する際の基本的なステップを整理します。
各ステップを確認しながら、自社の状況に当てはめて考えてみてください。
4-1. ステップ①業務負荷と課題を整理する
最初に行うべきことは、現在の業務の中で、どこに負荷がかかっているのかを整理することです。
具体的には、以下のような観点で業務を洗い出してみると整理しやすくなります。
・問い合わせ対応や電話応対にどれくらいの時間がかかっているか
・特定の部門や担当者に業務が集中していないか
・繁忙期と閑散期の差が大きい業務はないか
こうした整理を行うことで、「業務量が多い」「中断が頻発する」「人手が足りない」といった、課題の所在が見えてきます。
4-2. ステップ②外部委託によって改善できる業務を見極める
次に、洗い出した業務の中から、外部に委託することで改善が期待できる業務を見極めます。
目安となるのは、次のような業務です。
・手順がある程度決まっている定型的な業務
・専門知識よりも対応量や安定運用が求められる業務
・繁閑差が大きく、社内リソースの調整が難しい業務
これらの業務は、コンタクトセンターによるアウトソーシングと相性がよく、部門の負担軽減や業務の安定化につながりやすい傾向があります。
一方で、判断や企画、意思決定が求められる業務は、引き続き社内で担うことが重要です。
4-3. ステップ③自社に合う支援内容を具体化する
委託を検討する業務が見えてきたら、次は「どのような支援が必要か」を具体化します。
例えば、以下のような支援内容が考えられます。
・営業活動を補完するテレセールス・テレマーケティング
・お客様対応を担うカスタマーサポートやサポートデスク
・社内外の問い合わせに対応するヘルプデスク
・データ入力や受付処理などの定型的な事務業務
コンタクトセンターは、業種に関わらず、こうした業務単位で柔軟に活用できる点が特徴です。
自社の課題と照らし合わせながら、必要な支援内容を整理していくことが重要です。
4-4. ステップ④判断に迷う場合は第三者の視点を取り入れる
業務を整理しても、「どこまで委託すべきか」「本当に効果が出るのか」といった判断に迷うケースも少なくありません。
そのような場合は、コンタクトセンター運営の知見を持つ第三者の視点を取り入れることも一つの方法です。
外部の専門家に相談することで、自社だけでは気づきにくい改善余地や、無理のない委託範囲が明確になることがあります。
あくまで判断材料を補う手段として、相談や情報収集を活用することで、より納得感のある意思決定につながります。
4-5. 自社に合った活用を検討するために|課題整理から始める相談のすすめ
ここまで、コンタクトセンターが業種を問わず活用されている背景や、業務内容を軸に検討するための考え方を整理してきました。
一方で、実際に自社の業務に当てはめてみると、「どこまでを委託できるのか」「自社の場合は何から検討すべきか」といった点で判断に迷うこともあるかもしれません。
そうした場合は、一度立ち止まり、第三者の視点で業務を整理してみるのも一つの方法です。
外部の知見を取り入れることで、自社だけでは気づきにくかった業務の切り分け方や、無理のない活用の形が見えてくることがあります。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、業種や事業規模を問わず、コンタクトセンター活用に関するご相談をお受けしています。
具体的な委託を前提とせず、現状の業務整理や検討段階での情報収集としてのご相談も可能です。
「自社の業務に当てはまるか知りたい」「まずは整理だけしてみたい」といった段階でも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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