社内教育eラーニングの理想と現実|運用で担当者が疲弊する理由
社内教育にeラーニングを導入する際、多くの担当者様は「従業員が時間や場所を選ばずに学べる環境を提供できる」といった、メリットを想像されるのではないでしょうか。
また、「集合研修にかかるコストや手間を大幅に削減できる」という期待も大きいことでしょう。
確かに、eラーニングは教育の機会を均等化し、効率化を進めるための非常に強力なツールです。
しかしその一方で、導入後に「かえって業務が増えてしまった」と頭を抱える担当者様が少なくないのも、また現実なのです。
eラーニングシステムは、あくまで学習コンテンツを配信するためのプラットフォーム、つまり「箱」に過ぎません。
実際に教育効果を高めるためには、そのシステムを動かす「人」の活動が不可欠であり、この運用業務こそが担当者を疲弊させてしまう大きな原因となっているのです。
1-1. 導入しただけでは終わらないeラーニング運用の落とし穴
eラーニングの導入が決まり、無事にシステムが稼働し始めると、プロジェクトの大きな山を越えたと一安心してしまうかもしれません。
しかし、本当のスタートラインに立ったのはまさにその瞬間なのです。
実際に運用を開始すると、様々な運用面での課題も巻き起こります。
例えば、従業員からは「ログインIDとパスワードがわからない」「動画が再生できない」「この設問の意味が理解できない」といった、技術的なものから学習内容に関するものまで、実に様々な問い合わせが寄せられます。
また、ただ学習コンテンツをシステム上に置いておくだけでは、日々の業務に追われる従業員はなかなか受講を進めてくれません。
そのため、定期的に学習の進捗状況を確認し、未受講者にはリマインドの連絡を送るといった、地道な働きかけが絶対に必要となります。
こうした「学習を促し、サポートする」という能動的な活動がなければ、せっかく多額の投資をして導入したeラーニングも、残念ながら宝の持ち腐れになってしまうのです。
1-2. 本来の業務を圧迫する「ツールの外側」で発生する定型業務
eラーニングの運用において担当者の方々を特に悩ませるのは、学習管理システム(LMS)の画面上だけでは完結しない、「ツールの外側」で発生する数多くの定型業務です。
具体的には、未受講者や進捗の遅れている従業員をシステムから抽出し、リストアップした上でリマインドメールを送る作業が挙げられます。
さらに、部署ごとや役職ごとに受講率を集計し、各部門の管理職へ報告する業務も定期的に発生します。
そして、経営層へ提出するために、システムから出力した生のデータをExcelなどで見やすく加工し、グラフや考察を加えたレポートを作成する作業も無視できません。
これらは一つひとつの作業は単純に見えるかもしれませんが、毎月、あるいは毎週のように繰り返し発生するため、積み重なると膨大な時間となってしまいます。
その結果、本来担当者が最も注力すべきである「教育体系全体の設計」や「新しい研修コンテンツの企画」といった、より戦略的で付加価値の高いコア業務の時間を圧迫してしまうという、本末転倒な事態に陥ってしまうのです。
eラーニング運用で発生しがちな3つの課題と担当者の悩み
eラーニングの運用を日々続けていく中で、多くの人事・教育担当者様が直面する課題があります。
それは、システムの機能だけでは解決しづらい、人手を介した細やかな対応が求められる業務の存在です。
これらの業務は、担当者の貴重な時間を少しずつ奪い、気づけば大きなな負担となっていることもあります。
ここでは、特に多くの担当者様が悩みを抱えがちな「受講進捗管理と個別フォロー」「システムに関する問い合わせ対応」「社内向けのレポート作成」という3つの具体的な課題に焦点を当て、その実態を詳しく見ていきます。
これらの課題を正しく把握し、解決策を見つけ出す足掛かりにしてください。
2-1. 課題①:人手での確認が必須な受講進捗管理と個別フォロー
学習管理システム(LMS)を活用すれば、誰がどのコースをどこまで進めているか、といった全体の進捗状況を一覧で確認することは可能です。
しかし、システムが示してくれるデータはあくまで「結果」に過ぎず、「なぜこの従業員の学習が進んでいないのか」という、その背景にある理由までは把握しづらいのが実状です。
例えば、日々の業務が多忙で学習時間を確保できないのか、学習内容が難しくてつまずいているのか、あるいは単純に受講を忘れているだけなのか、その原因は一人ひとり全く異なります。
本当に受講率を高め、教育効果を最大限に引き出すためには、こうした個別の事情を丁寧に把握し、一人ひとりに合わせたきめ細やかなフォローが不可欠になります。
具体的には、進捗が遅れている従業員に個別に声をかけたり、時には直属の上長に協力を依頼したりといった、システムの外での人間的なコミュニケーションが必要となるのです。
特に、全社的な必須研修などで高い受講率が目標として課せられている場合、この個別フォローに多くの時間を割かれ、疲弊してしまっている方が非常に多いのが実情です。
2-2. 課題②:時間を奪われるシステム利用に関する問い合わせ対応
eラーニングの運用において多く発生するのが、従業員から日々寄せられるシステム利用に関する問い合わせ対応です。
「ログインパスワードを忘れてしまいました」「スマートフォンでの受講方法を教えてください」「修了テストを提出するボタンはどこにありますか?」といった基本的な質問は、詳しいマニュアルを展開していてもゼロにすることはできません。
これらの問い合わせは、一つひとつの対応時間は短いかもしれませんが、本来集中して行いたい企画業務などを不意に中断させてしまうため、担当者の生産性を大きく低下させる隠れた原因となります。
特に、新入社員研修や全社一斉のコンプライアンス研修など、受講対象者が多いタイミングでは、同様の問い合わせが特定の時期に集中し、担当部署がまるで社内ヘルプデスクのような状態になってしまうことも珍しくありません。
高度な専門知識が不要な定型的な質問への対応に追われることは、担当者にとって大きなストレスとなり、仕事へのモチベーション低下にもつながりかねない、深刻な問題と言えるでしょう。
2-3. 課題③:手間がかかる社内向けの実施状況レポート作成
eラーニングの実施状況やその成果を社内の関係者に報告することも、教育担当者の重要な役割の一つです。
しかし、このレポート作成業務が、想定よりも手間と時間がかかる作業となっていることに、多くの担当者様が頭を悩ませています。
学習管理システムから受講状況のデータをCSV形式などでダウンロードできたとしても、それをそのまま報告書として提出できるケースはほとんどありません。
なぜなら、報告する相手、例えば経営層や事業部長、現場のマネージャーなどによって、求められる情報の切り口や粒度が全く異なるからです。
例えば、経営層には会社全体の投資対効果がひと目でわかるようなサマリーを、事業部長には管轄部門の受講率や成績優秀者のリストを、といった形で、目的に合わせたデータの抽出や加工が必要になります。
そのために、ExcelのピボットテーブルやVLOOKUP関数などを駆使してデータを集計し直し、PowerPointで見やすいグラフや表を作成し、そこから読み取れる考察を添える、といった一連の作業に毎月数時間、場合によっては数日を費やしている担当者様も少なくないのです。
課題解決の鍵は業務の切り分け|eラーニング運用をコンタクトセンターへ委託するメリット
これまで見てきたように、eラーニングの円滑な運用には、多くの定型的かつ継続的な業務が必ず付随してきます。
これらのノンコア業務に追われる状況から脱却し、担当者が本来のコア業務に集中するための最も有効な鍵は、「業務の切り分け」と「外部リソースの活用」、すなわちアウトソーシングにあります。
特に、eラーニング運用業務の委託先として今、注目したいのが「コンタクトセンター」の活用です。
コンタクトセンターと聞くと、一般的には電話対応を専門に行う部隊というイメージが強いかもしれませんが、実はeラーニング運用で発生する様々な業務と非常に親和性が高いという特徴を持っています。
ここでは、なぜコンタクトセンターがeラーニング運用のパートナーとして有効なのか、そして業務を委託することで得られる具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。
3-1. なぜコンタクトセンター?eラーニング運用業務との高い親和性
コンタクトセンターがeラーニング運用の委託先として非常に適している理由は、彼らが長年培ってきた専門性と、すでに確立された業務インフラにあります。
現代のコンタクトセンターの業務は、単なる電話応対に留まりません。
メールやチャットといった複数のチャネルでの問い合わせ対応、データの入力・集計、特定のリストに基づく架電(例えば未受講者へのリマインドコールなど)、そして全ての対応履歴を管理・分析するといった、多岐にわたる業務を日々、高い品質で遂行しています。
これは、eラーニング運用で発生する「システムに関する問い合わせ対応」「未受講者へのリマインド」「受講データの集計・レポート作成補助」といった業務内容と相性が良いのです。
確立された業務フロー、専門的なトレーニングを受けたオペレーター、そして応対品質を管理・向上させるためのシステムといったリソースがすべて揃っているため、eラーニング運用業務を非常にスムーズかつ高品質に実行することが可能です。
自社でゼロから同様の体制を構築するよりも、効率的でコストパフォーマンスに優れているのではないでしょうか。
3-2. メリット①:人事・教育担当者の大幅な工数削減とコア業務への集中
eラーニング運用業務をコンタクトセンターへ委託することで得られる最大のメリットは、人事・教育担当者の方の大幅な工数削減が実現できることです。
これまで対応に追われていた、パスワードリセットの依頼やシステムの操作方法に関する問い合わせ、未受講者への定型的なリマインドメールの送信といった、時間のかかるノンコア業務の負担を大幅に削減することができます。
これにより創出された貴重な時間を、人でなければできない、より付加価値の高いコア業務に振り向けることが可能になるのです。
例えば、企業の成長戦略に沿った新たな研修プログラムの企画・開発、従業員一人ひとりのキャリアパスに合わせた教育体系の見直し、そして次世代のリーダーを育成するための選抜研修の設計など、企業の競争力を直接的に高める戦略的な業務に集中できるようになるのです。
繰り返し発生する定型業務は外部のベンダーに任せ、担当者は本来の役割である企画・戦略業務に専念するという役割分担は、人事・教育部門全体の生産性を飛躍的に向上させることにつながります。
3-3. メリット②:プロによる対応で教育運用の安定化と品質向上
コンタクトセンターに運用を委託するメリットは、単なる工数削減だけに留まりません。
専任の担当による質の高い対応は、eラーニング運用全体の安定化と品質向上にも大きく貢献します。
例えば、従業員からの問い合わせに対して、事前の研修を受けたオペレーターが迅速に回答することで、受講者の満足度は向上し、学習の途中でつまずいてしまうことを最小限に抑えることができます。
また、担当者の異動や退職によって、これまで蓄積してきた運用ノウハウが失われてしまうといった「属人化」のリスクを根本から回避できるのも大きな利点です。
業務が標準化され、詳細なマニュアルが整備された環境で運用されるため、社内の担当者が代わったとしても、常に安定したサービスレベルを維持できます。
さらに、コンタクトセンターは日々の問い合わせデータを蓄積・分析し、「よくある質問(FAQ)」を充実させたり、システムの改善点をフィードバックしたりといった、運用をさらに良くしていくための改善提案も可能です。
これにより、継続的に教育運用の品質を高めていくという、理想的な好循環が生まれるはずです。
3-4. まずは現状の課題からお聞かせください|運用の委託ならパーソルビジネスプロセスデザイン
ここまで、eラーニング運用における具体的な課題と、コンタクトセンターへの業務委託という有効な解決策について詳しく解説してきました。
「まさに自社の状況に当てはまる」「確かに日々の運用業務に追われている」と感じられた担当者様も多いのではないでしょうか。
もし、毎日の運用業務に大きな負担を感じ、本来最も注力すべき戦略的な業務に集中できていないというお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、その私たちにご相談ください。
「何から手をつければ良いかわからない」「どの業務を外部に切り出せるのか判断がつかない」といった漠然としたお悩みの場合でも構いません。
まずは現状の課題や運用体制についてお聞きし、貴社にとって最適な業務の切り分け方や、具体的な解決策をご提案させていただきます。
ぜひ、この機会にお気軽にお問い合わせください。
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