※掲載内容は取材当時(2025年7月)のものです。
導入前の課題
導入前の課題
オペレーターは1000人規模。顧客対応の品質差を埋めていきたい
イオンフィナンシャルサービス様は、イオンカードやイオン銀行による預金・ローン、各種相談などの銀行サービス、コード決済の「AEON Pay」や電子マネーの「WAON」など、多彩な金融サービスを展開しています。
利用者数も多いため全国に6拠点のコールセンターを構え、オペレーター数も外部委託を含めると1000人をゆうに超える規模。そんなコールセンターでは“ある課題”を抱えていたようで、コールセンター運営グループのマネージャーである尾崎様が説明してくださいました。
「10年以上前から品質管理のためミステリーコールを利用していましたが、ミステリーコールは顧客を特定しない“一般的なサービス紹介”に関する問い合わせだけが対象なんです。でも、私たちの対応は大半が顧客特定をしたうえでのものなので、あまり意味がないな、と……」
そうして顧客対応における『モニタリング』を通じて現状の課題把握に取り組んでいったイオンフィナンシャルサービス様ですが、1000人規模のオペレーターを抱えていると、次の課題として「オペレーターごとの品質差」を感じるようになったと言います。
イオンフィナンシャルサービス株式会社
コンタクトセンター部 コールセンター運営グループ
マネージャー 尾崎 様
「品質に差があると言っても苦情が来ているというわけではなくて、あくまでリスク対策として差を埋めておく必要があったわけです」と語るのは、コンタクトセンター部の部長である北野様。
モニタリングの結果、少し評価の低いオペレーターに対して、「何かプラスアルファで価値のあるフィードバックができないか」と考えはじめたようです。
そもそも“苦情が来る前に先回りして手を打つ”というのは「イオンの基本理念に沿っているんです」と北野様は続けます。実はイオンの基本理念には「お客さまを原点に平和を追求し、」という文言があるのです。
そんな基本理念に沿って“お客さまを原点とした対応”をしていたイオンフィナンシャルサービス様。モニタリングでは、軸となる「評価基準」のブラッシュアップを続けており、最終的には『HDI国際スタンダード』をベンチマークとしていったようです。
ブランディング・CS本部 コンタクトセンター部
部長 北野 様
そして、同業他社と情報交換をした際に「外部に委託して品質向上の取り組みをしている」と耳にすると、自社でも外部委託を模索すべく、すぐにリサーチをしていったと尾崎様は言います。
「2022年ごろ、外部でお手伝いいただける会社を探そうとネットで調べはじめました。検索キーワードとしては『コールセンター 研修』もそうですし、『モニタリング 評価』などですね」
そうしてたどり着いたのが、パーソルビジネスプロセスデザインを含む2社だったようです。
取り組み内容
取り組み内容
HDIの軸でモニタリング評価をし、そこにリンクする研修を実施
2社からの提案を受け、最終的にパーソルビジネスプロセスデザインに決定したイオンフィナンシャルサービス様ですが、その“決め手”について尾崎様は次のように説明してくださいました。
「やはり、“モニタリング評価と研修がセットである”ことがありがたくて。モニタリングであぶり出された課題に対してヒットする研修をしていただける、というのが非常によかったんです」
固定化された研修ではなく、個別最適化した研修を受講できる点に加え、もう1つ決め手となった点が、「“HDI”だった」と続けて語ります。「ベンチマークしていたHDIの専門審査員を担当されている、というのは大きかったです。審査員をやっている会社がダイレクトに私たちに研修してくださるなんて、こんな理想的なことはないなと思いましたね」
そうしてパーソルビジネスプロセスデザインが受託すると、まずは現状のレベル感を分析するために拠点ごとのモニタリング音源を「HDI」の評価軸で確認していきました。さらに、その評価から見えてきた課題に対する研修を作り込み、実施していったのです。
一方、モニタリング評価を実施したことで“新たな課題”も顕在化しました。その内容について尾崎様は次のように解説します。
「新たに顕在化した課題として、『共感』と『傾聴』がありました。私たちは『ハートフル』をミッションとして掲げていましたので、ここはきちんと強化しないとミッションが達成できなくなってしまうわけです」
また、研修はオペレーターだけでなく品質担当者向けにも実施しましたが、その意図について北野様は次のように説明してくださいました。
「オペレーターだけ研修しても駄目なんですよね。やはり教育担当もやらないといけないですし、オペレーターをサポートするSV(スーパーバイザー)も研修を受けないといけない。色々な方向から一貫して意識を合わせていく必要がありました」
そうして、オペレーター・品質担当者・SVとそれぞれに研修を実施。内容もフォーマットに沿った典型的なものではなく、現状の評価を踏まえたものへとカスタマイズし、長い研修だと8か月にも及ぶ伴走をしていったのです。
実際にオブザーバーとして参加された尾崎様は、研修の内容について次のように仰ってくださいました。「毎回同じ研修にはなってないところが、我々にとってはお願いしてよかったなっていうポイントでした。センターごとの課題にリンクした学びがありましたので、人それぞれ感じ方も違っていたんですよね」
導入の効果
オペレーターの行動や意識が変わり、4年連続で三つ星を獲得
「モニタリング評価と研修をセットで実施した結果、どうなったのか」を尾崎様に伺うと、次のように話してくださいました。
「やっぱり、課題にきちんとリンクした研修内容なので納得感が高いんです。なので改善活動を実行しやすく、全員の行動や意識が変わっていくのを感じました」
変化について具体的に伺うと、例えば札幌のセンターでは、何らかの取り組みをして成功したら「これは全社でやろうよ」と主体的に提案が出てくるようになったのだとか。また、定例ミーティングの場でも一人ひとりが意思を持って発言してくれるようになるなど、責任感が芽生えていったようです。
そんな行動や意識の変化はお客さまにも伝わったようで、北野様がこんなエピソードを教えてくださいました。
「お客さまからご意見やご要望をいただいたら、社内連携ツール上で共有するようにしているのですが、その中で“お褒めの言葉”をいただくケースが増えてきました。これ、わざわざお電話いただいてお褒めの言葉を頂戴しているので、すごいことなんですよ」
そして、他にも目に見える成果があったと尾崎様が続けます。「HDIの格付けベンチマークにおいて2022年から4年連続で最高評価の三つ星をいただきました。電話窓口だけでなく、WEBサポートの部門もあわせてです」
様々な成果が形になっていったイオンフィナンシャルサービス様ですが、今後の展望について伺うと尾崎様は次のようにお話しくださいました。
「引き続き“お客さまに評価されるコールセンター”であり続けるために、コールモニタリングや弱点強化に向けた研修を継続していきたいですね」
続けて北野様も「三つ星に留まらず、五つ星や国際認定の七つ星も目指していきたいですね。ですので、今後ともパーソルビジネスプロセスデザインにはKCS活用など業界最先端の実績に基づいた総合的なご支援をお願いしたいです」と期待を寄せてくださいました。
お客様プロフィール
イオンフィナンシャルサービス株式会社
イオンフィナンシャルサービス様は、1981年、総合スーパー「ジャスコ」でお買い物をされるお客さまへのクレジットカードの発行や融資から事業を開始。イオングループの金融事業として、イオンカードやイオン銀行による預金・ローン、各種相談などの銀行サービス、コード決済の「AEON Pay」や電子マネーの「WAON」など、多彩な金融サービスを展開しています。
本社所在地 | 東京都千代田区神田錦町3丁目22番地 テラススクエア |
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設立 | 1981年6月 |
代表者 | 代表取締役社長 深山 友晴 |
従業員数 | 15,547名(グループ連結従業員数:2024年度) |
URL |
<担当者コメント>
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
ワークスデザイン事業本部 サービスデザイン統括部 サービス戦略部
澁谷 貴子
イオンフィナンシャルサービス様は、多彩なサービスをご利用されるお客さまと、同じ視点に立った応対をとても大切にされているセンターです。すでに、HDI三つ星評価を連続で獲得されているという素晴らしい実績がありながらも、現状維持を良しとせず、常にセンターの改革と応対品質の向上を追求されています。このような、センターの皆様の努力の積み重ねが、“お客さまから評価されるセンター”であり続けることを体現されていると感じています。