オフィス拡張と品質課題を背景に、オフサイトBPOへの移行を決定
※本記事の内容、お客さまの役職、当社社員の役職および旧社名は、取材時の情報に基づいています。
賃貸保証サービスを展開するD社では、入居希望者の審査申込書に関するデータ入力業務を運用していました。申込書は全国の不動産会社から送付され、繁忙期には月間約3.5万件に達します。
従来は委託先のスタッフがクライアントの拠点に常駐して業務を行うオンサイト形式で運営されていましたが、対応人数の増加によりオフィススペースが逼迫。新たな執務エリア確保によるコスト増加が懸念されていました。また、品質面や運営面における改善余地もあり、運営体制の見直しが求められていました。
こうした背景から、業務継続性とコスト最適化の両立を目的に、パーソルビジネスプロセスデザインによるオフサイトBPO体制への移行がスタートしました。オフサイトは、業務をクライアント拠点外のBPOセンターなどに移管して運営する形態です。これにより、クライアント側の執務スペースへの依存を抑えながら、業務量に応じた人員配置や運営体制を構築しやすくなりました。
月間最大3.5万件の入力業務をオフサイトBPOセンターへ集約
新たな運営体制では、賃貸保証契約の申込書データ入力業務をBPOセンターへ移管しました。
対象となるのは、不動産会社から送付された申込書の内容を専用システムへ入力する業務です。申込書はPDF化された状態で共有され、スタッフが内容を確認しながらシステムへ登録していきます。繁忙期には月間約3万5千件、閑散期でも約2万件の処理が発生しており、安定した運営体制の構築が求められました。
また、運営開始後には、東京と大阪で運用ルールが異なることや、実際の業務とマニュアルの内容に差異があることも判明しました。安定した運営に向けて、拠点間でばらつきのある業務フローやルールを整理する必要がありました。
AI活用を支える業務標準化を推進
さらに、実際の運営工数を算出したところ、当初の想定を上回る工数が発生していることが明らかになりました。
そこでプロジェクトでは、入力スピードの向上と品質維持の両立を目指し、業務改善を継続的に実施しました。業務フローを棚卸ししたうえで、入力ルールの見直しや不要なルールの整理について顧客と協議を重ね、現場視点で改善を提案しました。
さらに、拠点ごとに異なっていたルールを統一し、マニュアルの最新化や教育体制の整備を進めることで、業務を標準化しました。こうした業務標準化が、その後のAI活用を円滑に進めるための運営基盤となりました。
AIの活用により運営体制を最適化
2026年には、クライアントが導入したAIによる自動入力の活用が開始されました。パーソルビジネスプロセスデザインは、BPO運営を通じた業務標準化に加え、導入後の活用状況を踏まえた改善要望の整理や改善提案を継続しました。標準化された運営体制とAI活用を組み合わせることで、大量処理業務を持続可能な形へと進化させました。
現在では、申込書全体の約8割において、最終確認を除く入力工程をAIが担っています。スタッフは人による判断が必要な確認業務へ集中できるようになり、業務効率が大きく向上しました。
また、AI活用以前はサポート人員を含めて最大約60名規模で運営していましたが、現在は約3分の1となる約20名規模の体制で、安定的な運営を実現しています。
現場改善とテクノロジーの両輪で、さらなる効率化へ
今回の成果を支えたのは、AI活用だけではなく、現場での継続的な業務改善です。
運営チームが日々の業務を通じてルールを整理し、マニュアルを整備するとともに、顧客との協議を重ねることで、業務の標準化を実現しました。その上でAIを業務運営に活用し、導入後も現場視点で改善を重ねたことが、大量処理業務における効率化と品質維持の両立につながっています。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、BPO運営ノウハウとデジタル技術を組み合わせながら、お客さまの業務特性に応じた最適な運営体制の構築を支援してまいります。