なぜ今「営業組織の作り方」が問われているのか?
なぜ今「営業組織の作り方」が問われているのか?
労働人口の減少、商材の高度化・複雑化、さまざまな領域のデジタルシフト、
そして顧客の購買行動の変化等により、営業の在り方は大きく変わりつつあります。
かつては経験豊富な営業パーソンが顧客との個人的な信頼関係を武器に成果を上げてきましたが、昨今では「個人のスキル」に依存した営業スタイルが限界を迎えつつあります。
顧客は事前に情報収集を済ませた上で比較検討を行い、営業にはより高度な提案力やスピードが求められるようになりました。
こうした背景の中で注目されているのが、「誰もが売れる営業組織」「仕組みで売れる営業組織」の構築です。
属人的な営業から脱却し、再現性のある営業プロセスを整えることで、誰もが一定の成果を出せる環境を作ることが可能になります。
特に新たに営業組織を立ち上げる企業や、既存の営業体制に課題を感じている企業にとっては、ゼロベースで営業の仕組みを見直す絶好のタイミングです。
今、「営業組織の作り方」が問われているのは、外部環境の変化と内部課題の両面に対応するためです。
強い営業組織を作るには、感覚や経験だけに頼らず、データを基軸とした組織設計・運用・改善の視点を持つことが求められています。
誰もが売れる営業組織の作り方の3つのポイントとは?
この章では、誰もが売れる営業組織の作り方にお悩みの貴方のために、特に重要な3つのポイントをご紹介いたします。
ポイント1:役割設計と人材配置
ポイント1:役割設計と人材配置
売れる営業組織をつくる上で、最初に取り組むべきなのが「役割設計」と「人材配置」です。
従来の営業組織では、営業担当者がリード獲得から新規顧客との商談・クロージング、さらには既存顧客のフォローまでを一人で担っているケースが主流となっていました。しかし、このような“何でも屋”の体制では、個人の力量に依存しやすく、成果のばらつきが生じやすくなります。
組織として成果を安定的に出すためには、営業活動を分業し、それぞれのプロセスに適した人材を配置することが重要です。
たとえば、見込み顧客の発掘を担うインサイドセールス、商談・受注を担うフィールドセールス、受注後のフォローを担当するカスタマーサクセスなど、役割を明確に分けることで、各自が専門性を発揮できる環境が整います。
また、組織の成長に応じて、マネージャーや営業バックオフィスといった支援的なポジションも必要になります。
こうした役割設計と適切な人材配置によって、個人の努力に頼るのではなく、チームとして成果を出す「組織力」が生まれます。
ポイント2:成果を出すためのプロセス設計とツール活用
営業の成果を属人化させず、再現性をもって高めていくには、「プロセス設計」と「ツール活用」による仕組み化が不可欠です。
優秀な営業パーソンの行動を観察すると、顧客接点のつくり方や提案タイミング、クロージングの手順には一定のパターンがあります。
これを可視化し、誰もが実行できるようにすることで、組織全体の営業力を底上げできます。
まず重要なのは、営業プロセスをステージごとに明確に区切ることです。
たとえば、「リード獲得 → アプローチ → ヒアリング → 提案 → クロージング → フォローアップ」といった流れを定義し、各段階で何をするべきかを明文化しておくことで、新人でも迷わず動けるようになります。
さらに、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を活用することで、案件の進捗や顧客情報をチームで共有しやすくなります。
ツールを使ってデータを蓄積・分析することで、ボトルネックの特定や改善施策の検討にも役立ちます。代表的なツールとしては、Salesforce、kintone、HubSpotなどが挙げられます。
このように、仕組みとツールによるプロセス設計は、「誰でも売れる営業」を実現するための土台となります。
ポイント3:営業組織を強くする「育成・評価・改善」サイクルとは
ポイント3:営業組織を強くする「育成・評価・改善」サイクルとは
営業組織を一過性の成果ではなく、継続的に成長する組織へと育てるためには、「育成・評価・改善」のサイクルを確立することが欠かせません。
いくら役割設計やプロセスが整っていても、個々のスキルが成長しなければ、組織力は頭打ちになります。
まず重要なのが、体系的な育成の仕組みです。OJTに頼るだけでなく、営業プロセスごとに必要なスキルを明文化し、座学やロールプレイング、定期的なフィードバックを通じて段階的に習得できるようにします。
特に、営業メンバーが心から納得して次の業務に取り組めるようになるためには、上長の感覚だけではないデータを基軸としたフィードバックと育成の仕組みを構築することがとても重要になります。
次に評価制度では、単なる売上成果だけでなく、プロセスへの貢献やチームとの協働、顧客満足度なども加味することがポイントです。
これにより、短期的な数字だけを追うのではなく、長期的に信頼される営業人材を育てる土壌が生まれます。
そして最後に欠かせないのが、組織としての「改善」です。
営業活動の振り返りやデータ分析を定期的に行い、プロセスや教育内容をアップデートしていくことで、組織は常に進化し続けることができます。
誰もが売れる営業組織作りのご支援事例とは?
誰もが売れる営業組織作りのご支援事例とは?
この章では、パーソルビジネスプロセスデザインが「誰もが売れる営業組織づくり」をご支援した事例をご紹介いたします。
SaaS企業A社様のライセンス更新部門では、リソースの逼迫により顧客への提案などコア業務の時間が創出できない、プロセスの属人化により組織としての業務品質が担保できていない、営業ナレッジ共有の仕組みがない、という課題がありました。
そこで、運用フローの確立とステータス管理の導入、共通提案資料のフォーマットや育成研修カリキュラムの策定、マニュアル作成など、属人化を防ぎ全体のレベルを底上げするさまざまな改善施策を実施。
その結果、ライセンス更新部門の案件対応完了期日の完遂率が約20%向上し、さらにはエンドユーザー満足度も向上させることができたのです。
まとめ
まとめ
営業組織の成功は、優秀な個人に頼るのではなく、誰もが成果を出せる「仕組みづくり」にかかっています。
本記事では、役割設計と人材配置、営業プロセスの明確化、そして育成・評価・改善のサイクルという3つのポイントをご紹介しました。
しかし、実際にこれらを自社の営業現場に落とし込むには、専門的なノウハウと客観的な視点が必要です。
私たちは、営業組織の業務設計や仕組み化、人材育成の仕組みづくりまでを一貫して支援する「セールスイネーブルメント支援」を提供しています。
貴社の営業組織がより強く、再現性のある成果を上げられるよう、ぜひ一度ご相談ください。