Salesforce導入後にまず押さえるべき基本的な使い方
Salesforceを初めて導入された際、聞き慣れない専門用語や一見すると複雑そうな画面に、少し戸惑ってしまうかもしれません。
しかし、ご安心ください。
Salesforceは、その基本的な構造といくつかの簡単な操作方法さえ理解してしまえば、決して難しいツールではなく、ビジネスを力強くサポートしてくれる頼もしいパートナーになります。
まずは、情報を整理するための「大きな箱」と、その中に入れる「情報のカード」のような関係性をイメージすることから始めてみましょう。
Salesforceの世界では、顧客情報や案件情報といった大切なデータを、それぞれ専用の「オブジェクト」という名前の大きな箱に分けて整理し、保管します。
そして、その箱の中には、「レコード」と呼ばれる、一つひとつの具体的な情報が書かれたカードが格納されている、と考えてみてください。
例えば、「取引先」というオブジェクト(箱)には、A社、B社、C社といった会社ごとの情報(レコード)がそれぞれ一枚のカードとして入っている、といった具合です。
この「箱とカード」というシンプルな基本構造を頭に入れておくだけで、Salesforceというツールの全体像がぐっと身近に感じられ、これから何をすれば良いのかが見えやすくなるはずです。
ここから先の章で、具体的な用語の意味や実際の操作手順を一つひとつ丁寧に解説していきますので、リラックスして読み進めてください。
1-1. 初心者必見!Salesforceの主要オブジェクトと基本用語
Salesforceをスムーズに使いこなすための最初のステップは、業務で頻繁に登場する基本的な用語と、それぞれが持つ役割をしっかりと理解することです。
特に重要で、まず最初に覚えておきたいのが「リード」というオブジェクトです。
これは、展示会で名刺交換をさせていただいた方や、自社のウェブサイトから資料請求やお問い合わせをくださった方など、まだ本格的なお取引には至っていない「見込み客」の情報を管理するための場所を指します。
次に登場するのが「取引先」で、これは既に契約関係にあるお客様や、具体的な商談が進行中の企業の会社情報そのものを管理する、いわば顧客台帳の中心となるオブジェクトです。
そして、「取引先」と密接に関連するのが「取引先責任者」です。
これは、その取引先に所属されているご担当者様個人の情報、例えばお名前や部署名、役職、メールアドレスや電話番号などを記録しておくための場所になります。
さらに、具体的な商談内容を詳細に管理するのが「商談」オブジェクトで、ここでは案件ごとの提案金額や受注予定日、現在の進捗状況などを時系列で追いかけることができます。
これらの主要なオブジェクトは、それぞれが独立しているのではなく、すべてが有機的に連携している点がSalesforceの最大の強みです。
例えば、大切に育ててきた「リード」から具体的な引き合いが発生すると、簡単な操作一つでその情報が「取引先」「取引先責任者」「商談」へと自動的に変換され、情報が引き継がれます。
このように、お客様との関係性が深まっていく段階に応じて、情報を最適な形で整理・管理できることこそ、Salesforceが世界中の企業で選ばれている理由の一つといえるでしょう。
1-2. ログインから顧客管理まで|5ステップでわかる初期設定と操作
それでは、理論だけでなく、実際にSalesforceを操作する手順を見ていきましょう。
ここでは、初めてログインしてから、最初の顧客情報を登録するまでの一連の流れを、誰でも簡単に真似できる5つのステップに分けてご紹介します。
まずステップ1は、基本中の基本である「ログイン」です。
会社のシステム管理者から指定された専用のURLにアクセスし、ご自身のIDとパスワードを入力してSalesforceの世界に入ります。
次にステップ2として「ホーム画面の確認」を行いましょう。
ログインに成功すると、最初に表示されるのがホーム画面です。
ここには、今日のあなたのタスクやスケジュール、チームの売上状況を示すグラフなどが集約表示されており、自分がいま何をすべきかが一目でわかるダッシュボードの役割を果たします。
ステップ3は、いよいよ営業活動の起点となる「リードの作成」です。
画面の上部にあるメニューバーから「リード」というタブをクリックし、「新規」ボタンを押して、見込み客の会社名やお名前、連絡先などを入力フォームに従って登録します。
そしてステップ4は「取引先の作成」です。
リードとして登録したお客様との商談が具体化してきたら、リードの詳細画面にある「取引開始」というボタンを押すことで、その情報を「取引先」へと昇格させます。
もちろん、既存のお客様の情報を新規で登録することも可能です。
最後にステップ5として「取引先責任者の作成」を行います。
作成した取引先に紐づける形で、商談の窓口となるご担当者様の情報を登録しましょう。
このシンプルな5つのステップを覚えるだけで、顧客管理の基本的な操作はマスターしたも同然です。
営業成果を最大化するSalesforceのシーン別活用術
Salesforceの基本的な使い方が身についたら、次はいよいよ、その力を最大限に引き出して営業成果を大きく向上させるための、より実践的な活用術を学んでいきましょう。
Salesforceは、単に顧客情報を記録しておくだけのデジタル台帳ではありません。
営業活動におけるあらゆる場面で、あなたのパフォーマンスを飛躍的に高めてくれる強力な武器となり得るのです。
例えば、顧客に関するあらゆる情報を一元管理することで、担当者が急な休みを取った場合でも、チームの他のメンバーが過去のやり取りを瞬時に確認してスムーズに対応でき、結果として顧客満足度の向上に直接つながります。
また、進行中の商談の進捗状況をリアルタイムで可視化すれば、どの案件に今最も注力すべきか、あるいはどの案件が停滞していてサポートが必要なのかが一目瞭然となります。
これにより、感覚に頼るのではなく、状況に応じた的確な次のアクションを導き出すことが可能になります。
さらに、日々の活動を通じて蓄積された膨大なデータを分析することで、これまで個人の勘や経験だけに頼りがちだった営業戦略を、客観的なデータに基づいた、より再現性の高い戦略的な意思決定へと進化させることができるでしょう。
この章では、具体的なビジネスシーン別に、Salesforceをどのように活用すれば営業成果に直結するのか、その秘訣を詳しく解説していきます。
2-1. 【顧客管理】見込み客から既存顧客までを一元管理する使い方
多くの企業で、顧客情報が個々の営業担当者のExcelファイルや個人の手帳でバラバラに管理されているケースが見受けられます。
しかし、このような管理方法では、「最新の情報が誰のパソコンに入っているかわからない」「担当者が退職してしまったら、過去の商談経緯が完全に不明になってしまった」といった、ビジネスの継続性を脅かす問題が起こりがちです。
Salesforceを導入し、正しく活用すれば、こうした情報の属人化のリスクを根本から解消し、見込み客の段階から長年お付き合いのある大切な既存顧客まで、すべての顧客情報を一元的に管理し、組織の共有財産とすることができます。
具体的には、ある特定のお客様に対して、チームの誰が、いつ、どのような電話をし、どんな内容のメールを送ったのかという「活動履歴」が、すべてその顧客情報に時系列で記録されていきます。
これにより、担当者が急遽変更になった場合でも、後任者はこれまでの経緯を正確に把握した上で、お客様に不安を与えることなくスムーズな引き継ぎを実現できます。
また、見込み客である「リード」が有望だと判断されれば、前述の通り「取引開始」ボタン一つで、「取引先」「取引先責任者」「商談」といった関連情報が自動で作成・連携されます。
この機能により、お客様との関係性がどのように始まり、どのように発展していったのか、その大切な歴史を誰もがいつでも追跡できるようになるのです。
組織全体で顧客情報を共有し、一貫性のあるきめ細やかな対応を実現することこそが、お客様との長期的な信頼関係を築くための最も重要な基盤となります。
2-2. 【案件管理】商談の進捗を可視化し失注を防ぐ活用法
営業活動に携わる方であれば、「あと一歩のところまでいったのに、なぜか失注してしまった」「気づいた時には、競合他社に契約を決められていた」といった、悔しい経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。
Salesforceが持つ強力な案件管理機能をフルに活用すれば、こうした不本意な失注を減らし、成約率を着実に高めていくことが可能です。
その中心的な役割を担うのが「商談」オブジェクトです。
各商談の進捗状況を、例えば「初回アプローチ中」「提案書提出済み」「価格交渉中」「クロージング」といった、自社の営業プロセスに合わせた「フェーズ」で管理することで、今どの案件がどの段階にあるのかをチーム全体でリアルタイムに共有できます。
さらに、各フェーズにおける受注確度や受注予定日、そして「次に行うべきこと(ToDo)」を明確に登録しておくことで、個々の案件の集合体である営業パイプライン全体がくっきりと可視化されます。
これにより、上司やマネージャーは、部下の案件リストを眺めるだけで、「この案件は特定のフェーズで停滞しているから、何か課題があるのかもしれない。サポートに入ろう」「この成功パターンは他のメンバーにも共有して、チーム全体のスキルアップにつなげよう」といった、的確でタイムリーな指示やアドバイスが可能になります。
このように、個々の営業担当者の頑張りだけに頼るのではなく、商談の進捗を組織全体で見える化し、チームとしてフォローアップする体制を築くことこそが、取りこぼしを未然に防ぎ、成約率を最大化するための鍵となるのです。
2-3. 【レポート機能】データに基づいた意思決定を促す使い方
営業担当者が日々Salesforceに入力している商談の進捗や活動履歴は、単なる業務報告ではありません。
それらはすべて、分析・活用することで未来の戦略を導き出すことができる、会社の貴重な「データ資産」なのです。
このデータ資産を最大限に活用するための強力なツールが、「レポート」と「ダッシュボード」機能です。
これらの機能を使いこなすことで、これまで個人の勘や長年の経験だけに頼りがちだった営業スタイルから脱却し、客観的なデータに基づいた、より賢明で効果的な意思決定ができる組織へと変貌を遂げることができます。
例えば、「今月の担当者別売上ランキング」や「商品・サービス別の受注件数比較」、「失注理由のトップ5分析」といった、ビジネス上重要な示唆を与えてくれるレポートを、プログラミングなどの専門知識がなくても、簡単なマウス操作だけで作成することが可能です。
作成したレポートは、単なる数字の羅列ではなく、円グラフや棒グラフ、じょうごグラフなど、見る人が直感的に理解しやすい形式で視覚的に表現することができます。
さらに、特に重要で常に監視しておきたい複数のレポートを、「ダッシュボード」という一枚の画面に自由に配置して集約すれば、チームの目標達成率(KPI)や活動状況などをリアルタイムでモニタリングできる、まさに経営のコックピットが完成します。
毎朝のミーティングでこのダッシュボードを全員で確認する習慣をつけるだけで、チーム全体の状況が即座に把握でき、「今週はどの活動に注力すべきか」といった具体的な戦略を立てるのに大いに役立ちます。
データは、あなたとあなたのチームが次に進むべき道を照らす、強力な羅針盤になるのです。
Salesforceの導入効果を高めるための3つのポイント
Salesforceという高性能なツールを導入したからといって、残念ながら、それだけで自動的に素晴らしい成果が上がるわけではありません。
その導入効果を最大限に引き出し、投資を成功に導くためには、押さえておくべきいくつかの重要なポイントが存在します。
中でも特に大切になるのが、現場の営業担当者や関係部署のメンバーに、ツールを「日々、積極的に使ってもらう」ための工夫です。
どんなに高機能で高価なシステムであっても、現場のメンバーが日々の活動情報を入力してくれなければ、それはデータが空っぽの「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
そのためには、導入初期の段階で明確な運用ルールを設計し、それを形骸化させずに社内に定着させるための仕組みづくりが不可欠です。
また、Salesforceの標準機能だけでは、自社特有の業務フローや商習慣に完全にはフィットしない、という場面も出てくるかもしれません。
しかし、そこで諦める必要は全くありません。
Salesforceには豊富な拡張機能が用意されており、それらを活用することで、自社の業務にぴったり合った、より便利で使いやすい環境を構築していくことが可能です。
そして、もし自社だけでの活用に限界を感じたり、より高度な活用を目指したくなったりした際には、専門家の知見を借りることも非常に有効な手段となります。
ここでは、導入効果を確実に高めるための、これら3つの具体的なポイントについて詳しく解説していきます。
3-1. 導入で失敗しないために|社内定着を成功させる運用ルール
「せっかく高額な費用をかけてSalesforceを導入したのに、結局誰も使ってくれず、Excel管理の時代に逆戻りしてしまった…」。
これは、Salesforce導入プロジェクトにおける、最も典型的で悲しい失敗パターンの一つです。
この失敗の根本的な原因の多くは、「日々の入力作業が面倒くさい」「そもそも何を入力すればいいのかよくわからない」「入力しても自分に何のメリットがあるのか感じられない」といった、現場のユーザーが抱く率直な声にあります。
こうした事態を防ぐためには、導入初期の段階にこそ、丁寧なルール作りと現場への働きかけが極めて重要になります。
まず、入力項目は欲張らず、「これだけは必ず入力してほしい」という最低限の必須項目に絞り込みましょう。
項目が多すぎると、それだけで入力の心理的なハードルが上がり、敬遠される原因になります。
次に、商談名や顧客名の命名規則など、入力のルールを標準化し、誰が見ても分かりやすく、後から分析しやすい綺麗なデータが蓄積されるようにします。
そして最も大切なのが、使い方に関する定期的な勉強会を開催したり、各部署にSalesforce活用を推進するアンバサダー的な役割の人を任命したりするなど、継続的なサポート体制を築くことです。
まずは小さな範囲からスモールスタートで成功体験を積み重ね、「Salesforceを使うと、報告の手間が減って、むしろ仕事が楽になる」というポジティブな実感を持ってもらうことが、全社的な定着を成功させる一番の近道といえるでしょう。
3-2. もっと便利に!AppExchangeで機能を拡張する活用アイデア
Salesforceが持つ大きな魅力は、その豊富な標準機能だけにとどまりません。
まるでスマートフォンのアプリストアのように、世界中の開発パートナーが提供する様々なビジネスアプリケーションを追加して、Salesforceの機能を自由に拡張できる「AppExchange」という素晴らしい仕組みが用意されています。
このAppExchangeを上手に活用すれば、自社のユニークな業務課題に合わせてSalesforceをさらに便利にカスタマイズし、生産性を飛躍的に向上させることが可能です。
例えば、営業担当者が日々の活動で受け取る大量の名刺を考えてみてください。
これを一枚一枚手作業でSalesforceに入力するのは、非常に時間のかかる大変な作業です。
しかし、AppExchangeで提供されている名刺管理アプリを導入すれば、スマートフォンのカメラで名刺を撮影するだけで、AI-OCR技術が文字情報を読み取り、自動的にSalesforceにリードや取引先責任者として登録してくれます。
また、多くの顧客を効率的に訪問する必要があるフィールドセールスの場合、地図連携アプリを導入すれば、担当エリア内の顧客の所在地を地図上にマッピング表示し、その日の最も効率的な訪問ルートを自動で作成してくれる、といった使い方もできます。
その他にも、見積書や請求書といった各種帳票を、Salesforce上のデータからワンクリックで綺麗に出力できるアプリなど、日々の業務効率を劇的に向上させてくれる便利なツールが数多く公開されています。
まずは自社の業務課題を洗い出し、それを解決してくれるアプリがAppExchangeにないか探してみることで、Salesforce活用の幅が大きく広がるはずです。
3-3. 自社に最適な活用法が見つかる|専門家への相談と資料請求
この記事では、Salesforceの基本的な使い方から、営業成果を高めるための応用的な活用術まで、幅広くご紹介してきました。
しかし、記事を読み進める中で、「理論はわかったけれど、具体的に自社のビジネスの場合はどう活用すれば最も効果的なのだろう?」「レポート機能だけでなく、もっと高度なデータ分析や業務の自動化を実現してみたい」といった、さらなる疑問やより高いレベルの要望が生まれてきたかもしれません。
もちろん、自社のメンバーだけで試行錯誤を重ねていくのも一つの貴重な経験ですが、時にはその道のプロフェッショナルである専門家の力を借りることで、より早く、より確実に大きな成果へとたどり着くことができます。
Salesforceの導入や活用を専門に支援している私たちのようなパートナー企業は、様々な業種・業界における数多くの成功事例や、そこで培われた貴重なノウハウを豊富に蓄積しています。
専門家に相談することで、自社のビジネス課題や目指すべきゴールに合わせた最適な活用方法の提案を受けたり、自社内だけでは思いもよらなかったような画期的な業務改善のヒントを得られたりする可能性が大いにあります。
もし、現在のSalesforceの活用方法に少しでも悩みや課題を感じているのであれば、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
具体的なサービス内容や、他社がどのようにSalesforceを活用して成果を上げているのかが満載の資料を取り寄せてみることで、あなたの会社が次にとるべき一歩が、きっと明確に見えてくるはずです。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、お客様のビジネスに合わせたSalesforceの導入から定着までを支援する、様々なパッケージプランをご用意しております。
具体的な活用事例やプランの詳細にご興味のある方は、ぜひ以下のリンクから資料をダウンロードしてご覧ください。
成果が出るデータ管理の仕組みはサクッとSalesforceで
「Salesforceパッケージプランのご紹介資料」を無料でダウンロード