2025/05/09
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国土交通省の「令和6年度スマートアイランド推進実証調査業務」を完遂

~ ドローンを活用した「マルチモーダル物流による長距離高鮮度直送」などの効果と採算性を検証 ~



「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:市村 和幸、以下「パーソルビジネスプロセスデザイン」)は、国土交通省より「令和6年度スマートアイランド推進実証調査業務※1」(以下、本調査)を受託し、2024年8月9日から2025年3月7日にかけて新潟県佐渡市、粟島浦村、新潟市にてドローン運用の社会実装に向けた調査を実施しました。

この度、全ての調査が完了し、地域課題の解決に向けてドローンを活用した「離島・本土間配送と海岸・漁場監視」「マルチモーダル物流による長距離高鮮度直送」「島内ホテルベース物流」の効果と採算性の検証、課題抽出・整理をしました。


  • <参考ニュースリリース(2024年11月27日)>パーソルビジネスプロセスデザインが代表団体を務める新潟スマートロジスティックアイランド推進協議会、ドローン運用の社会実装に向けたスマートアイランド推進実証調査業務を実施:https://www.persol-bd.co.jp/news/20241127-2/

国土交通省は、ICTなどの新技術を活用して離島地域の課題解決を図る「スマートアイランド」の取り組みを推進しています。「令和6年度スマートアイランド推進実証調査業務」では、新潟県の佐渡島と粟島の共通課題である「少子高齢化・人口減少による漁業の担い手不足」や「物流コストの増加」などの解消に向けて、ドローン利活用の在り方を模索し、その効果と採算性の検証を実施しました。本調査に伴い、昨年11月に実施した実証実験では、佐渡島と粟島それぞれから本土に向けて垂直離着陸機(VTOL)の2路線同時飛行を成功させるなど、ドローンの実用化に向けたユースケースの実効性の検証、課題の抽出・整理を行いました。


ドローンによる離島・本土間配送と海岸・漁場監視

「離島・本土間の配送」と「海岸・漁場の監視」、複数用途のドローンフライトに成功

往路は佐渡島から新潟市と粟島から村上市の2路線同時飛行での配送、復路は粟島周辺の漁場をドローンに搭載したカメラで上空より漁場監視をし、広範囲な漁場状況把握の検証を実施。また、佐渡島から新潟市へは1日2往復、粟島から村上市へは1日1往復で特産品配送を実施し、今後の配送方法やルートの検証を行いました。

これらの検証を通して、配送及び漁場管理の実効性に関しての効果の可視化、今後に向けた課題抽出を行い、将来の自走化に向けた計画策定に貢献しました。


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ドローンによる特産品配送の飛行ルート
出典:国土地理院撮影の空中写真(2023年撮影)
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ドローンによる漁場監視のカメラ映像

マルチモーダル物流による長距離高鮮度直送

ドローンを活用した新たな物流ルートの構築により、佐渡島・粟島→東京都内を最短約4時間で配送可能に

ドローンと新幹線を組み合わせたマルチモーダル物流※2により、佐渡島・粟島の特産品である海産物を高鮮度の状態で東京都内の店舗・飲食店に配送するための検証を実施しました。

従来の輸送手段である船便に代わりドローンで本土までの配送を行い、陸上・鉄道(新幹線)と組み合わせた新たな物流ルートを構築しました。これにより、佐渡島・粟島から東京都内にある新潟県のアンテナショップ「THE NIIGATA」や飲食店へ高鮮度な海産物を最短約4時間で配送可能となることを確認、新たな物流方法が有効であることを提示できました。

また、海産物を提供した店舗・飲食店に対するアンケート調査では、品質・鮮度で好評価となり、直送サービスへの高い需要性も確認できました。

今後の実装に向けて天候状況に依存しない供給体制の強化や最適な離発着地点の選定などの検討を進めてまいります。


  • 複数の輸送手段を組み合わせ使用する輸送方式
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マルチモーダル物流の流れ
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「THE NIIGATA」での販売の様子

島内ホテルベース物流

従来約40分要していた配送をドローンの活用により約12分に短縮

現状の陸路配送で島内のホテル・キャンプサイトなどへの配送をドローンで行うサービス提供に向けて検証を実施しました。

佐渡島の羽吉漁港から標高900mを超えるドンデン山の頂上付近にある施設「ドンデン高原ロッジ自然リゾート」へ食品をドローンで配送する検証を行いました。山間部ルートの陸送では約40分を要していたところをドローン配送では約12分に短縮できることが確認でき、ドローン配送サービスの有効性を提示できました。

また、ドローン配送サービスの利用者に対するアンケート調査では、全員から「機会があれば利用したい」との回答があり、同サービスへの期待感が高いことが分かりました。

さらに、島内事業者からは、山間部からフェリーターミナルまでの新たなルート開拓の希望や観光客の忘れ物を届けるといった様々な活用方法の意見を取りまとめる事が出来ました。

今後はより飲食店に近い利便性の高い離発着地点の選定や人的コストの削減方法などの検討を進めてまいります。



自走化に向けた課題整理と計画案の策定

本実証調査を通じて、離島地域の課題解決や活性化に関して、実効性の可視化と今後の課題抽出・整理を行いました。

また、「コスト削減(運用の最適化および現地での人材採用)」「収益性向上(ニーズに見合う商品・サービスの検討および供給体制の強化)」「物流システム最適化(注文管理および配送管理の構築)」に分類をし、今後の計画案を策定しました。

これにより、既存の配送方法に代わるドローン配送の有効性を示すと共に、サービス利用者や受益者からの高い需要性、新たな要望などを示す事が出来ました。これらを基に今後のドローンの実用化に向けた改善策を検討し、標準化を進めることで、地域課題解決や活性化に貢献してまいります。

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