導入前の課題
受験者が加速度的に増加、「もうこれは物理的にダメだな……」
1999年からはじまった『食生活アドバイザー®』の検定。年に2回開催され、2001年までは1回の受験者が1000人に満たない数でした。しかし食品偽装に関する事件が起きると関心は高まり、書籍などで紹介されるとさらに話題を呼んで受験者が増えていきました。具体的には、2000人、4000人、と“倍々”で加速度的に増加していったのだといいます。
『食生活アドバイザー®』の創設者でもありFLAネットワーク協会の会長でもある竹内様は、「5000人を超えた時から『もうこれは駄目だな』と判断しました」と当時を振り返ります。
竹内様は、検定の立ち上げから事務処理、会場手配、試験問題の立案などすべてを実施されてきました。マークシートは手作りで、レーザープリンターでの印刷。受験票も“ワードの差し込み印刷”で行うなど、当初は数百人規模の試験だったため対応できていましたが、徐々に時間が掛かるようになってしまったようです。体制としても現・事務局長の寺嶋様とアルバイトを含めた3人だけで行っており、かなり無理があったといいます。
その寺嶋様はこう振り返ります。「試験運営ではトラブルが起きたら大変なので、トラブルが起きないように何とかして対処してました。限られた時間の中で正確にやらなきゃいけないけれど、そういった運用のノウハウもなかったんですよね」
当時のスケジュールとしては、昼間は願書請求の問い合わせで電話にでずっぱりだったといいます。「あの頃はネットでの願書請求なんて無くて、みんな電話請求でしたからね。そうなると電話対応にずっと追われて、17時からがようやく『仕事』ですよ。遅くまで残業もしましたね」と寺嶋様は顔をしかめました。
そんななか、印刷を依頼していた企業から「試験運営であれば、いい会社がありますよ」と紹介してもらったのが、当時の日本アイデックス(現・パーソルビジネスプロセスデザイン)だったのです。
取り組み内容
徐々に委託する業務を増やし、4年目にはほぼすべてを任せることに
「信頼していた会社からの紹介であれば心配ないだろうと思って、すぐにお願いしました」と竹内様。競合との比較などもせず、「こういうことできる?って聞いて、できるっていうので『じゃあ、お願いします』っていう感じで。まずは採点業務からやってもらいましたね」と速やかに委託を進めていったようです。
事務局長の寺嶋様も次のように言います。「その間も順調に受験者数が増えていたということもありましたが、うちの方には対応できる体制がありませんでした。だから、それを備えている日本アイデックスさんにお願いしていこうと思いましたね」
当時の日本アイデックスの『検定事業部』では、様々な資格の検定試験をアウトソーシングで受託していました。そのため、試験運営のノウハウも豊富にあったのです。
採点業務からスタートして3年間ほど、少しずつ委託する業務を増やしていったFLAネットワーク協会様。寺嶋様は「何年かやっていったら、非常にしっかりとした運営でした。安定的な試験運営をしてくれるので、4年目の2009年には全部お願いするようになりましたね」と口にしました。同じく竹内様も、依頼状況について「最初から全ての業務をお願いしたわけじゃなくて、徐々に徐々に業務をお願いしていって最終的に大きくなっていった感じですね。もう今は全部お任せです」と笑顔で仰ってくださいました。
具体的な依頼内容について、稲葉様は「うちがやっているのは願書請求から受験の申し込みまでです。そこから先はすべてパーソルビジネスプロセスデザインさんにお願いしてる感じですね」と説明してくださいました。
導入の効果
一緒に運営することが前提で、「なくてはならない存在」に
願書請求と受験の申し込み以外、すべて運営するようになったパーソルビジネスプロセスデザイン。その後の効果として竹内様は次のように語ります。「全体的にパーソルビジネスプロセスデザインさんの受験運営がしっかりしているので、試験としての評判もよくなるんですよ。そうすると、人が人を呼ぶ形で受験者も増えていきました」
受験者が増え、タレントが受験するCMも流れるようになって知名度も一気に上昇した『食生活アドバイザー®』の検定。そうなると、「運営を任せて欲しい」という企業の売り込みも増えたようです。「うちにもだいぶ引き合いがありましたよ。『それ、やらせてください』って。でも、もう他社には全く目もくれずにきましたね」と寺嶋様は言いきります。
なぜ、他社から売り込みがあっても「他には目もくれない」と言いきるのか寺嶋様に聞いてみると、次のようにお答えいただきました。「やはり“不満がない”という点ですね。試しに『相見積もり』を取ったとしても、頼む気がないのに取るのも失礼な話でしょう? だから、いろんな意味で必要性がないんです。それだけ信頼しているってことですね」
具体的にどういった点を信頼いただいているのか、稲葉様は次のようにコメントくださいました。「いろんな業者さんと付き合いがありますけど、パーソルビジネスプロセスデザインさんは圧倒的にレスポンスが早いんですよ。あと、情報共有も徹底されているので、欲しかった情報が的確にもらえます」
その言葉を受けて寺嶋様も「ほんと、対処が早いっていうのは間違いないですね。検定っていろんな予期しないことも起きるんですけど、お陰様でトラブルになったことがありません。いろんな細かいところにまで非常に神経を配ってくれているからですね。マニュアルを見てもよくできていますから」と称賛してくださいました。
そして最後には「今となってはもうなくてはならない存在ですよね。もう『一緒にやる』ってことが大前提になっていますよ」と寺嶋様は笑顔で語ってくださいました。
稲葉様からは、「今後はデジタル化も推進していきたいので、新しい動きについても相談させてもらえればと思います」と今後の期待も寄せていただきました。
「食生活アドバイザー®」のご紹介
一般社団法人 FLAネットワーク協会
会長 竹内 弘光 様
「食生活アドバイザー®」は食生活全般のスペシャリストであり、『「食べる」を「生活」の視点で考える』をテーマに、食を通じて健康な生活をバックアップできるアドバイザーとしての資格です。試験範囲は次の6つです。
「栄養と健康」「食文化と食習慣」「食品学」「衛生管理」「食マーケット」「社会生活」
これらを見て分かるように、学習することで身につくのは、プライベートや仕事にも活かせる知識です。たとえば食品表示などの買い物に役立つ視点や、やりくり上手になる経済知識。さらに人にアドバイスできるまでの健康や栄養の知識もあれば、仕事にも活かせる経済や消費の仕組みも学ぶことができます。
お客様プロフィール
一般社団法人 FLAネットワーク協会
FLAネットワーク協会のFLAが(Food & Lifestyle Adviser)を表している通り、自らの食とライフスタイルを考え、創造し、実践できる人材を育てるための組織です。展開している資格の『食生活アドバイザー®』は、単に食べ物に詳しいということではなく、健康の源である「食べる」を「生活」の視点で考えるスペシャリスト。その『食生活アドバイザー®』の検定事業を行っていることを中心として、栄養や食文化、衛生管理、食のマーケットまで幅広く学び、大きな視点で活かすことのできる人材育成を行っていらっしゃいます。
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿7-15-10 大山ビル2F |
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設立 | 1999年4月(2009年4月一般社団法人として設立登記) |
代表者 | 竹内 弘光 |
従業員数 | 5名(2022年7月時点) |
担当者コメント
前任のPWD担当者が築き上げてきた信頼性があるからこそ、今があると思います。
『一緒にやる』は私も同様の考えのもと、動いております。ご相談いただくことがあれば“一緒になって”思考錯誤できればと思い、レスポンス早く回答や情報共有を心がけております。
今後も安定した試験運営ができるよう、弊社メンバー一丸となって努めて参ります。
※掲載内容は取材当時の情報です。