現場のコンサルタントが解説!AI時代に求められるSFAの活用法とは

現場のコンサルタントが解説!AI時代に求められるSFAの活用法とは
企業におけるSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)導入のスピードは、ここ数年加速する一方です。しかし、いったん導入は済んだものの、十分に活用して成果を上げている、と胸を張って明言できる企業は、果たしてどのくらいあるでしょうか。また、最近のSFAにはAIも搭載されており、使いこなせれば大きな成果を上げられる仕組みになっていますが、本当に使いこなせている企業はどのくらいあるでしょうか。
本記事では、これからの営業組織に求められるAI時代の効果的なSFAの活用について、コンサルティングの現場に入り肌で感じた内容も踏まえてご紹介いたします。貴社の営業組織強化の一助になりましたら幸いです。

この記事の監修

三代 智宣

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
CX事業本部 統合コンサルティング統括部 統合コンサルティング部
マネジャー 三代 智宣

大手IT通信事業者での法人営業・代理店営業を経て、複数社のインサイドセールス等の新規事業立ち上げや営業戦略・推進業務に従事。
その後SFA/CRMの導入支援・定着支援部門を管掌し、現在は、トータルコストの最適化を目的に、AIを活用した顧客の営業課題や業務改善を中心としたコンサルティング部門と、顧客の課題解決に向けSaaSを中心としたソリューション型の代理店営業部門を兼務。
DX×営業課題×コンサルティングの融合によるサービス開発を行い、顧客価値の最大化を目指しています。

※肩書・所属部署等は記事作成時のものです。

目次

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    企業のSFA/CRM導入におけるこれまでの市場の動き

    まずは、SFA・CRMがどのように浸透してきたのか、これまでの市場の動きをおさらいしてみましょう。

    Excel管理で発生する課題

    今でこそ「SFAを管理・活用する」ということがビジネスを伸張させるツールとして当たり前になった感がありますが、つい数年前まで日本の多くの企業では、営業管理・案件管理・顧客管理は大手~中小企業問わずExcelを使って行うのがスタンダードでした。 ほとんどの企業で、社内にExcelが得意な従業員が数名おり、その人材のExcelスキルを活かして(あるいはマネージャーが工数をかけて作成し)、案件管理表や各営業ごとの目標達成に向けた進捗管理を行うということが、どの会社でも当たり前に実施されておりました(かつて私が所属していた会社もその一つです)。

    ご存じの通りExcelは非常に優秀なツールであり、これを使いこなせるエキスパート的な従業員がいればあらゆることに使えるツールではあるのですが、一方で、様々なフォーマットのエクセルファイルが乱立して肝心な時に必要なファイルの所在がわからなくなる 、データが多すぎると開いたり更新するのに時間がかかるなど、様々な課題も抱えているものでした。 これらを解決し、社内に乱立した営業情報・顧客情報を整理して、企業として戦略的に営業戦略を組み上げ実施していくための基盤ツールとして期待されているのがSFAという仕組みです。

    SFAの登場とコロナ禍を通じた浸透

    2000年にセールスフォースの日本法人が設立されて以降、我が国でも徐々にExcelではなくSFAを使用して営業管理・案件管理・顧客管理を実施したい、というニーズが増加していきました。


    CRM/SFAを導入している企業が2012年では9%にとどまっていたのが、2018年には28%と大幅な伸びを見せていたり(矢野経済研究所調べ)、SFAを含むクラウド型CRMの市場規模が2016年度の1297億円から2022年度では4780億円規模へ成長していたり(ミック経済研究所調べ)、SFAを含むCX/デジタルマーケティング市場が2027年度には2022年度比153.7%の3983億円と予測される(富士キメラ総研調べ)など、さまざまな調査結果でこの市場が成長領域であるということが示されています。

    特に、2020年から3年以上にも渡った新型コロナウイルス感染症によるリモートワークやDX(デジタルトランスフォーメーション)の浸透、そして、IT導入補助金などDXを推進するための支援策の拡充などもあり、それまで未導入だった企業への導入も進んでいきました。

    弊社が取り扱っている、営業組織での活用事例も多い国産の業務改善プラットフォーム「kintone」を運営するサイボウズ株式会社が2026年に発表した2025年kintone連結売上高は、前年比33.9%増で216億円を突破しており、ここからも我が国全体の動向としてSFA導入ニーズ及び営業DXのニーズが右肩上がりで伸びていると言うことができます 。


    /img/sample/dummy.jpg ※出典:サイボウズ株式会社

    2020年代後半、変化しつつある市場環境

    我が国でも続々と導入企業が増えているSFA/CRMですが、AIが急速に浸透している2020年代後半、これまでとは異なるフェーズに突入したということを実感しています。

    データ利活用による「攻め」の営業戦略と可視化プロセス

    これまでのSFA導入プロジェクトでは、その多くが導入初期段階で、かつSFA活用経験のある従業員もそこまで多くなかったこともあり、初期構築、データの入力や連携などの運用フローの整備、定着化などが主なご支援内容でした。
    2020年代中盤以降はそこから一歩進み、蓄積してきたデータを利活用して効果的な営業戦略を策定し現場に落とし込んでいけるかにチャレンジしている企業が増加しているように感じます。

    特にAI/AIエージェントの登場により、これまで膨大な人員とコストを必要としていたデータ分析系の作業が大幅に効率化されているため、以前よりデータの利活用に取り組みやすくなっています。このような最新技術もうまく組み合わせて、スピード感をもって自社に最適かつ根拠のある営業戦略を策定し、その戦略を現場に落とし込むことができた企業が、今後も売上を伸ばしていけると考えられます。

    成約率・商談スピードの可視化が売上を左右する

    データの蓄積が進んだ次のステップとして重要なのが、成約率や商談スピード(リードタイム)の可視化です。
    単に売上金額を追うだけでなく、どのフェーズで案件が停滞しているのか、失注の主な原因はどこにあるのかを数値で客観的に把握することで、営業プロセスのボトルネックを正確に特定できます。
    これにより、個人の経験や勘に頼りすぎない、組織として再現性の高い営業活動の展開が可能になります。

    現場の入力負荷を軽減し、属人化を解消する運用の工夫

    SFAが定着しない最大の要因の一つに、営業現場の入力負荷があります。
    利活用を促進するためには、入力項目の精査やモバイル端末からの入力環境の整備など、現場の負担を最小限に抑える工夫が不可欠です。
    営業活動の履歴が正しく記録される文化が定着することで、情報の属人化が解消され、担当者変更時やチームでのフォローアップも円滑に行えるようになり、組織としての営業力が底上げされます。
    最近では、商談の録音・録画を分析してAIが自動で入力内容をレコメンドしてくれたり、SFAに必要項目を自動反映してくれるなど、営業現場のSFA入力負荷を大幅に軽減してくれるツールも増えています。
    このようなツールを上手に活用すれば、ハイパフォーマーの商談構成を可視化し、他の営業メンバーに落とし込んで組織全体の営業力を強化するような取り組みも可能になります。
    ちなみに弊社では、営業現場の入力を促進し組織力を強化するための、さまざまなツール導入支援や伴走支援サービスを提供しております。

    SFA/CRMは将来のための投資

    さまざまな現場に入りコンサルティングや利活用の提案をさせていただいておりますが、SFA/CRMをまだ導入していない企業様の中には、「導入すべきかの判断軸をどこにおいてよいか今一つわからない」というご意見を耳にすることがあります。部署によっても意見が分かれており、「意思決定者はどれを採用してよいのかわからない」ということです。

    たとえば、営業部門の方にSFA/CRM導入に関する意見を聞くと、これをコストと捉え、ツール単体に対する短期的な費用対効果を求められることが多いように思います。これは、営業部門のミッションが「売上最大化」であることから、導入することでどこまで売上が伸びるのか、という視点が大きくなるということであり、部門の性格上当然の観点であると思います。

    一方で、ネットワークやシステムを管理する部門の方に導入に関する意見を聞くと、工数の算出や投資を回収できる期間について会話をすることが多い傾向があります。例えば導入後〇年で〇百万円を回収できるのか、というような内容のご意見です。システム部門のミッションが「効率化・利便性向上」を目指していることから、こちらも当然の視点と言えます。

    双方とも組織のミッションとして筋の通った意見ではありますが、果たしてSFA/CRM導入に関しては、どちらをより優先して考えるべきなのでしょうか?

    私としては、SFA/CRMは将来のための投資として中長期的に捉える方が適切ではないかと考えます。直近のコストだけ見るのではなく、ビジネスを2倍にも3倍にも成長させるために必要な「基盤」として、SFA/CRMを導入しおおいに活用するべきではないでしょうか。事業が成長し、施策を打ちたいと思ったときに、適切なデータを取り出せる環境が整備されていないと、効果的な施策が打ちづらくなるからです。

    これから求められるSFA活用の具体的な支援事例

    ここからは、コンサルタントとして様々な現場に入ることで見えてきた、さまざまな企業の課題とSFA活用のご支援事例についてご紹介いたします。

    A社様の事例

    まずは金融系のA社様の事例をご紹介します。 この企業様は、SFA/CRMツールとしてSalesforce製品の導入は済んでいたものの、実際にはほとんど活用できていない状態でした。 その大きな原因として挙げられているのが「営業現場が把握したい定量面(契約数、目標達成率)を効率的に把握・確認ができないので利用しづらい」というもので、従来活用していたExcelで予実・プロセス管理も並行でおこなっており二重管理から脱却できない、という部分が課題となっていました。

    そこで弊社からは、まずは①パイプラインの可視化、②営業活動の可視化の2点を営業現場の要望を踏まえて実施することをご提案。 Sales Cloud開発の要件定義支援や、利用率を可視化したうえでの社内での定着支援を実施しているほか、CRM Analyticsを通じて全国の支店データと数百名の営業担当者のデータの可視化を実現しています。 これらの取り組みを通じて、この企業様が目指す課題解決型・能動型の営業スタイルへの転換と、蓄積されたデータを有効活用したゴールデンルートの発見に向け伴走しています。

    B社様の事例

    次に、産業機械メーカーのB社様の事例をご紹介します。 この企業様はもともと営業管理をほとんど行っておりませんでしたが、ITに詳しい担当者が入社したことでこの領域の強化の必要性を感じ、各ツール(SFAはkintone、MAはAdobe Marketo Engage、DMPとしてuSoner)を導入し社内DXをスタートさせていました。しかし、それをどのように構築・運用し、蓄積したデータをどのように活用すべきかというノウハウ部分に課題を抱えている状態でした。

    そこで、弊社にてSFA・MA・DMPの各専門性を有した人材による横断コンサルティングチームを結成。 1年以上にも及ぶ長期的なプロジェクトとして、ツールごとに現場で使われるようなUI・UXの再設計や定着支援を行い、現場で使い続けられるような仕組みを通じた「営業DX」の実現を目指して伴走いたしました。直近では、kintoneとAI(Dify)を組み合わせた次世代型営業システムの構築に着手し、データの「集約」から「分析・予測」へと進化を続けています。

    >>株式会社スギノマシン|「データの蓄積」から「AIによる予測」のステージへ。 スギノマシンが挑む、kintone×Difyによる営業DXの第二章

    まとめ

    ここ数年「営業DX」「デジタルトランスフォーメーション」「営業×AI」という言葉がトレンドワードとなっています。その背景には、そもそもの生産年齢人口の減少や、「働き方改革」を通じた多様な働き方への対応、それに伴う労働生産性向上への取り組みなど、否が応にも向き合わなければならない大きなうねりがあります。特にAI/AIエージェントの進化で、正しいデータさえあれば既存の業務の一部が考えられないレベルで効率化されるなど、社会は大きく変わり続けています。

    繰り返しになりますが、2020年代後半は「データを蓄積すること」自体は当たり前となり、「データを""正しく""蓄積すること」「そのデータをうまく利活用すること」「有限なリソースを効率的に生かすこと」を実現する企業こそが生産性向上を実現し、業績を大きく伸ばすことになるでしょう。

    当社では「データドリブンな組織を作るための基盤づくり」から「蓄積したデータの利活用」まで、さまざまなテクノロジーを活用しながら一気通貫して伴走支援させていただいております。データドリブンな組織づくりに取り組みたいとお考えの企業様は、ぜひご相談いただけますと幸いです。

    SFAの導入・定着から、蓄積したデータの分析・活用まで一気通貫で支援します。
    SFAを活用したデータドリブンな営業組織づくりを相談する

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