ナレッジマネジメントが営業組織にもたらす6つのメリット
企業で働く人々は、必ず何らかのナレッジを持っています。
このナレッジを、個人の頭の中にとどめておくのではなく、組織全体で共有し学ぶべき部分は積極的に学んでいける体制を構築することを、ナレッジマネジメントと言います。
ナレッジマネジメントが適切に行われると、営業組織が抱える「属人化」や「担当者による成果のバラつき」といった悩みを解消しやすくなります。
この章では、ナレッジマネジメントが営業組織にもたらすメリットについて解説します。
知識の共有と蓄積
個々の営業担当者が持つ知識や経験を部門全体で共有し、組織全体の知識レベルを向上させることができます。
これにより、新入社員や異動者が迅速に業務に適応できるようになります。
業務の効率化
顧客情報や過去の取引データ、成功事例や失敗事例などを一元管理することで、情報の検索や活用が容易になり、業務効率化が図れます。
顧客満足度の向上
顧客に対する対応が一貫性を持つようになり、顧客満足度が向上します。
た、顧客のニーズや傾向を把握しやすくなり、より的確な提案やサービスの提供が可能となります。
組織の競争力強化
知識を共有し組織内に蓄積することで、営業戦略の策定や市場の変化に迅速に対応できるようになり、競争力が強化されます。
業務継続リスクの軽減
特定の個人に依存するリスクを軽減し、担当者が異動や退職した場合でも、ナレッジベースを活用することで業務の継続性を保つことができます。
革新と改善の促進
組織内での知識共有が進むことで、新しいアイデアや改善策が生まれやすくなり、業務プロセスの革新や改善が促進されます。
ナレッジマネジメント設計のポイント
ここでは、営業組織がナレッジマネジメントを設計する際に特に注目していただきたいポイントをご紹介します。
ナレッジマネジメントの設計の最大のポイントは、セールスに関する工夫を理解し・行動し・成果を出すことができる、実効性・再現性ある成果ナレッジを目指すことです。
一般的な理論やフレームワークを参照しながらも、実際の営業活動での「成果を出すポイント」や「持つべきマインド・スタンス」を棚卸し、社員の経験を活かした成果の出し方を明らかにします。
表面的なフレームワークやハウツーだけでなく、そのベースとして個人が持つべき最適なマインドや仕事へのスタンスも、ナレッジマネジメントがカバーすべき範囲の一つです。
こちらの資料には、ナレッジマネジメントを導入する際に必要な5つのステップについてまとめていますのでぜひご確認ください。
ナレッジマネジメントを通じて営業組織が成長した事例
ここでは、ナレッジマネジメントを通じて営業組織の強化に成功した事例をご紹介いたします。
いずれもパーソルビジネスプロセスデザインがご支援した事例です。
社内エバンジェリスト育成で事業の成長に貢献
SIer企業A社様では、取り扱っているとあるクラウドサービスを成長させたいと考えていたものの、少々複雑な仕組みだったため提案できる営業担当が少なすぎる、という課題を抱えていました。
また、本部施策が現場に浸透しづらく、これまでとは異なる取り組みの必要性を感じていました。
そこで弊社がご支援したのが、社内エバンジェリスト(伝道者)を育成することで、現場に無理なく施策を浸透させる取り組み。
このエバンジェリスト施策を実施するためにはエバンジェリストの定義や条件を策定しなければならないため、必然的に、ハイパフォーマーのナレッジを可視化し勉強会コンテンツや認定試験に落とし込むことになりました。
この施策をスタートした結果、A社では年間90名もの社内エバンジェリストが誕生し、該当商材の事業も二けた成長を継続。当初の目的を果たすことができました。
エンドユーザーの満足度向上を実現
SaaS系企業B社様のライセンス更新部門では、営業ナレッジ共有の仕組みがなく営業支援フローも属人化しており、その結果営業担当者のリソース不足につながり提案などのコア業務に対応する時間がなかなか創出できない、という課題を抱えていました。
そこで弊社からは、営業プロセスの可視化・再構築のほか、ナレッジの属人化を解消・防止するための施策を提案。
エンドユーザー向けの提案資料共通フォーマット作成、育成研修カリキュラムの策定、各種業務マニュアル作成などを行った結果、案件対応期日の完遂率が約20%向上しただけでなく、営業担当の提案の質も向上し、エンドユーザー満足度の向上も実現することができたのです。
ナレッジマネジメントが実現する「誰もが売れる営業組織」
ナレッジマネジメントがしっかりと根付いた組織は、担当者ごとのスキルギャップが抑えられ、常に新しい情報やノウハウが更新されるため、高速でPDCAサイクルを回すことができます。
さらに、ナレッジマネジメントが根付いた営業組織なら、新しい市場や顧客層にも積極的にアプローチしやすくなります。
過去の事例や成功ノウハウを参考にすれば、高度な専門知識が必要とされる商材でも、チーム全員で学びながら拡販を進めやすいです。
特にITやセキュリティのように変化が速い分野では、適応力と柔軟性が求められるため、ナレッジマネジメントの有無が組織力の分水嶺になることも少なくありません。
こうした積極的な姿勢が社内に広がると、新たな商品企画や営業施策のアイデアも生まれやすくなります。
担当者同士で気軽に相談し合い、成功例から学んだことをすぐに現場で試せるメリットが、さらに多くのビジネスチャンスを呼び込むのです。
結果として、組織全体が次々と新しい可能性に挑戦していく好循環が生まれます。
最終的には誰もがどんな領域でも一定水準以上の営業活動を行い、堅実な利益を生み出し続けられる「強い組織」が形成されます。
それにより、より高度な戦略や新規事業への挑戦もしやすくなるはずです。
ナレッジマネジメントは単なる業務効率化ではなく、組織の将来性を高める投資と考えると、より大きな視点で導入の意義が理解しやすくなります。
まとめ
本記事では、ナレッジマネジメントが営業組織を強くするカギであることをお伝えしました。
誰もが売れる営業組織づくりに向けて、情報共有や属人化の解消は欠かせない要素です。
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の「セールスイネーブルメント支援」では、ハイパフォーマーのナレッジを可視化し、営業プロセスを再構築するだけでなく、現場の負荷を軽減する仕組みやデータ活用までを定着化させる総合的なサポートを行っています。
コンサルティング力×人材力×伴走力を掛け合わせて貴社の課題を包括的に解決し、最適な結果へ導くお手伝いをいたします。
ナレッジ共有の仕組みづくりを進めて組織全体の底上げを図りたい方は、こちらからお気軽にご相談ください。