アカウント営業戦略で売上を伸ばす組織作り|営業責任者向け実践ガイド

アカウント営業戦略で売上を伸ばす組織作り|営業責任者向けガイド

「優秀な営業担当者に成果が偏ってしまう」「価格競争から抜け出せず、利益が伸び悩んでいる」
営業責任者として、このような課題に頭を悩ませてはいないでしょうか。個人の頑張りに頼った従来の営業スタイルに、限界を感じている方も少なくないかもしれません。

もし、こうした状況を根本から変えたいとお考えなら、その鍵は「アカウント営業」にあります。
アカウント営業とは、特定の重要顧客に対し、営業担当者一人ではなく組織全体で向き合い、長期的な信頼関係を築くことで、お互いの成長を目指す戦略のことです。

この記事では、単なる「モノ売り」から脱却し、顧客にとって唯一無二の「戦略的パートナー」となるためのアカウント営業について、そのメリットから具体的な戦略の立て方、そして組織に根付かせる方法までを分かりやすく解説します。

属人化を防ぎ、安定した収益基盤を築くための組織作りとはどのようなものか。
明日からの営業活動を変えるヒントが、きっと見つかるはずです。

目次

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    アカウント営業とは?従来の営業戦略との違いを解説

    はじめに、アカウント営業がどのようなものか、その本質からご説明します。 アカウント営業とは、重要なお客様を選び、会社全体で長期的な信頼関係を築く戦略のことです。 商品を売るだけでなく、お客様の成長を支え、自社の利益も最大化していくことを目指します。

    以前の営業は個別の販売に注力していましたが、アカウント営業は「面」で向き合う点が違います。 アカウント営業では選んだお客様の経営課題や事業計画など、ビジネスの根幹を理解します。 そして課題解決の協力者として、製品やサービスを組み合わせた包括的な提案を行います。

    つまり、単なる「もの売り」から脱却し、お客様の成功を共に目指す取引関係を築くのです。 変化の激しい現代において、お客様から選ばれ続けるために求められている営業の形です。


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    1-1. なぜ今、アカウント営業が重要視されるのか?

    では、なぜ今、これほどまでにアカウント営業の重要性が叫ばれているのでしょうか。 その背景には、私たちのビジネスを取り巻く環境の大きな変化が関係しています。 多くの市場では、たくさんの企業が似た製品を提供し、いわゆる同質化が進んでいます。

    その結果、価格競争が激しくなり、新しいお客様を獲得するための費用は年々高まる一方です。 安定成長のためには、新規開拓だけでなく、既存の優良なお客様との関係維持が重要になります。 月額制サービスが普及した現代では、長く使い続けてもらう視点が成功に不可欠となりました。

    お客様の課題も複雑になっていますから、表面的なお付き合いだけで心をつなぐのは困難です。 だからこそ、会社全体で課題解決に取り組むアカウント営業が、成長を実現するための鍵です。


    1-2. 担当者レベルで終わらない、組織的な営業活動の全体像

    アカウント営業は、一人の営業担当者の力だけで成功するものではない、という点にあります。 営業だけでなく開発や経営層まで、会社全体がチームとなり向き合うことが成功への一歩です。 これは個人の力に頼るのではなく、組織の力でお客様の期待を超える価値を提供します。

    各部門がセミナーを企画したり技術支援を行ったりするなど、部署の垣根を越えた連携です。 各部署の情報を共有し、一人の担当者では実現できないような、質の高い提案が可能になります。

    このように、各部署が役割を果たしながら連携する姿が、組織的な活動の全体像です。 そして、この強固な連携体制こそが、お客様との揺るぎない協力関係を築くための土台です。


    成果を最大化するアカウント営業戦略の3つのメリット

    アカウント営業戦略を組織全体で実践することは、企業にとって計り知れない恩恵をもたらします。 それは、単に目先の売上が増えるといった短期的な話だけではありません。 収益構造を安定させ競争力を高め、さらに働く社員の成長にも繋がるメリットが期待できます。

    ここでは、アカウント営業がもたらす代表的な3つの大きなメリットについて解説していきます。 メリットを理解することで、なぜ多くの企業が転換を急いでいるのか、理由が見えてくるはずです。

    企業の成長基盤を盤石にする上で、アカウント営業がいかに有効な戦略であるかご納得いただけます。


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    2-1. 顧客生涯価値(LTV)の向上と安定した収益基盤の構築

    アカウント営業がもたらす最大のメリットは「顧客生涯価値」の向上です。 これは一社のお客様が取引を開始してから終了するまでの期間にもたらす利益の総額を指します。 つまり、お客様とどれだけ長く、良い関係を続けられるかを示す重要な指標です。

    アカウント営業ではお客様を理解し、まだ気づいていない潜在的な課題を捉えることを目指します。 これにより、利用範囲を広げる提案や、関連製品を提案する機会が自然と生まれやすくなります。 その結果、お客様一社あたりの取引額が継続的に増加し、生涯価値が大きく向上していくのです。

    特定の優良なお客様からの売上が安定すれば、それは企業にとって強固な収益基盤となります。 売上予測が立てやすくなり経営が安定するため、新しい事業への投資を計画的に進められます。


    2-2. 顧客との強固な信頼関係による競合優位性の確立

    差別化が難しくなった現代において、強固な信頼関係は競争力の源泉となります。 アカウント営業は、まさに信頼関係という資産を構築するための、最も効果的な方法でしょう。 解決へと導く協力者として認識されることで、関係性はより強固なものへと進化していきます。

    このような関係が一度築ければ、他社がより安い価格を提示しても簡単には乗り換えられません。 自社を深く理解し支援してくれる協力者を失う不利益の方が、目先の費用削減より大きいからです。

    価格競争から抜け出し、あなたと取引を続けたいと言われる立場を築くことが独自の強みです。


    2-3. 営業担当者のスキルアップとモチベーション向上

    アカウント営業は、担当する営業担当者に対して、多岐にわたる高度な技能を要求します。 製品知識だけでなく、業界動向や経営陣が抱える課題までを理解するための分析力が必要です。 さらに、社内の関連部署を巻き込みながら計画を前に進めていく調整力や統率力も求められます。

    難易度の高い業務に取り組む経験は、お客様の成長に貢献できる専門家へ成長させる機会です。 また、お客様から信頼され感謝の言葉をいただく場面も増えるため、やりがいを感じられます。

    成長を実感し貢献を感じられる環境は、営業担当者の仕事に対する意欲を高める要因でしょう。 これが結果的に、離職の防止や、組織全体の士気の向上にも繋がっていくのです。


    成功に導くアカウント営業戦略の立て方【5ステップ】

    ここまでで、アカウント営業の重要性や数々のメリットをご理解いただけたかと思います。 次に皆様が気になるのは「具体的に何から、どのように始めればいいのか」という部分でしょう。 アカウント営業は、決して思いつきや個人の頑張りだけで成功するほど簡単なものではありません。

    成果を出すためには、計画を立て段階的に、そして丁寧に進めていくことが不可欠です。 ここからは、成功へと導くための具体的な進め方を、5つの段階に分けて解説していきます。 この段階に沿って丁寧に取り組むことで、戦略が着実な成果へと繋がっていくはずです。

    ぜひ、ご自身の会社の状況に当てはめながら、各段階の内容を具体的に検討してみてください。


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    3-1. ステップ1:重要顧客(ターゲットアカウント)の選定基準

    最初に行うべき最も重要な段階は、自社の力を集中させる重要なお客様を戦略的に選ぶことです。 すべてのお客様に対して、同じように時間や労力をかけるのは現実的ではありません。 そこで、自社の強みを活かし大きな成果が期待できるお客様を、基準に基づき選ぶ必要があります。

    この選定基準は、単に現在の取引額が大きいという一点だけで決めるべきではありません。 将来の成長性や自社の戦略との方向性が合っているか、業界への影響力といった視点が重要です。

    売上規模や収益性、成長性といった観点からお客様を評価し、点数化するなどの手法も有効です。 価値のあるお客様はどこなのかを明確に定義することから、アカウント営業は始まるのです。


    3-2. ステップ2:顧客情報の徹底的な収集と分析

    お客様を選定したら、次の段階ではお客様を詳しく知るための、徹底的な収集と分析に入ります。 この段階で集める情報の質と量が、後に行う戦略立案の精度を大きく左右します。 まさに、戦略の土台を築くための重要な工程です。

    収集すべき情報は、経営計画などの公式な情報だけにとどまりません。 業界ニュースや競合動向、担当者の経歴や社内データまで、あらゆる情報を網羅的に集めます。 情報を分析して、お客様の本当の課題や意思決定の仕組み、独自の価値を導き出すことが重要です。

    この丁寧な作業こそが、的確で効果的な計画を策定するための、強固な土台となるのです。


    3-3. ステップ3:具体的な目標設定とアカウントプランの策定

    お客様に関する深い理解が得られたら、いよいよ具体的な戦略を練る段階へと進みます。 最初に行うべきは、そのお客様に対して最終的に何を達成したいのかという目標の明確化です。 数字で示す目標と、経営層との関係構築といった質の目標の両方を設定することが重要です。

    これにより、活動の方向性がより明確になり、チームの目線が揃います。 そして、その目標を達成するための詳細な行動計画を策定します。 この計画には、中間目標や具体的な行動、担当者と実行期限を分かりやすく落とし込みます。

    詳細な計画書があることで、チーム全体が同じ方向を向き、迷うことなく活動に取り組めます。


    3-4. ステップ4:関係部署を巻き込んだ実行体制の構築

    作り上げた計画も、営業担当者一人だけで実行しようとしてもうまくいきません。 アカウント営業は組織戦であり、計画を実行するためには社内の様々な部署の協力が不可欠です。 特別な提案資料の作成や技術支援、導入後の補助体制の構築など、部署との連携が考えられます。

    成功の鍵は、初期段階から関係部署を巻き込み、それぞれの役割と責任を明確にすることです。 営業だけの仕事という意識をなくし、全社的な取り組みとして位置づけることが重要です。

    定期的な会合で成功事例などを共有し、組織全体でお客様を攻略する体制を構築していきます。


    3-5. ステップ5:定期的な進捗確認と戦略の見直し(PDCA)

    計画を実行していく中では、問題が発生したり市場環境が変化したりすることは避けられません。 そのため、定期的に進捗状況を確認し、戦略を柔軟に見直していく工程が不可欠となります。 ここで重要になるのが、計画、実行、評価、改善の循環を回すという考え方です。

    具体的には、定期的に会合を開き、定めた行動が計画通りに進んでいるかを客観的に確認します。 遅れが生じている場合は原因を特定して、具体的な改善策を計画に反映させていくのです。この循環をスピーディーに回し続けることこそが、成果へと結びつけるための最大の原動力です。


    アカウント営業を組織に根付かせるセールスイネーブルメント

    高度な技能を要する営業戦略を、一部の担当者だけの特殊な能力で終わらせてはいけません。 定着させ組織全体の水準を底上げするには、営業活動を仕組み化する考え方が重要になります。 これは営業活動に必要な情報や訓練を体系的に提供し、科学的に支援する一連の取り組みです。

    個人の才能に依存せず組織として成功するための仕組みを構築することが、必須条件です。 ここでは、アカウント営業という戦略を組織に根付かせる上で、仕組みが果たす役割を解説します。強い営業組織を作るための、まさに設計図とも言える考え方です。


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    4-1. 属人化を防ぎ、組織全体の営業力を底上げする仕組みとは

    成果が特定の優秀な個人の技能に大きく依存してしまう、個人への偏りは組織の課題です。 その社員がいなくなると売上が落ちてしまうという、大きな危険を常に抱えている状態です。 仕組みを構築することは、まさにこの経営上の危険を防ぐための、極めて有効な対策となります。

    優秀な担当者の商談内容を分析して成功の型を抽出し、誰もが実践できる形式に落とし込みます。 また情報を一元管理できる道具を導入し、個人の知見を組織の資産として共有する環境を作ります。 さらに、具体的な計画の立て方や交渉術に関する継続的な訓練を実施することも重要です。

    個人の経験を誰もが利用できる知識へと転換し、組織全体の営業力を継続的に向上させます。


    4-2. 現場起点の改善サイクルで成果を出すための第一歩

    取り組みを成果に繋げるためには、上層部が施策を一方的に押し付けるだけでは不十分です。 最も重要なのは現場の担当者を主役にし、彼らの声を起点とした改善の循環を回すことです。 なぜなら、現場の担当者こそが、お客様の声や市場の変化を最も敏感に感じているからです。

    現場の情報は、営業戦略を改善するための最も価値ある要素となります。 事例を分析して訓練内容や資料に反映させ、現場で実践してもらう循環が、成果を出す一歩です。


    4-3. 現場起点のセールスイネーブルメントソリューション

    アカウント営業を定着させるためには、現場が主体的に活動し知見を共有する仕組みが不可欠です。 しかし、何から始めれば良いのか、どのように仕組みを構築すべきかお悩みの方も多いはずです。 組織を次の段階へと導くためのヒントが詰まった、特別な資料をご用意しました。

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