パーソルキャリア株式会社|未来の「doda」を作るための“余白”を。コンテンツ制作プロセスの変革で、品質と生産性の劇的向上を実現した軌跡

パーソルキャリア株式会社

業種
人材サービス業
導入部署・部門
インバウンドマーケティング統括部

課題・背景

・事業として取り組むべきことが増え、組織の生産性を高める必要があった。
・コンテンツ制作に時間がかかり、スピード・量の両立が難しく現場負担が大きかった。
・「doda品質」へのこだわりが強く、既存ツールや単純な外注では解決しにくかった。

取り組み内容

・制作業務を棚卸し・分解し、所要時間や属人化ポイント、判断基準を可視化した。
・ベテランのレビュー観点などの暗黙知を収集し、AIが理解できる形で明文化した。
・構成作成〜執筆〜校正までを一気通貫で支援するAIエージェントを開発し、定着支援を行った。

成果

・構成案・執筆領域の所要時間を38.5%削減した。
・現場での効果実感率が91.6%となり、品質維持と負荷圧縮を両立した。
・フィードバック作成や手戻り・迷いが減り、精神的余裕と業務標準化が進んだ。

今後の取り組み

・単なる効率化ではなく、次の時代に勝つための「基盤づくり」を継続する。
・SNSや動画、イベント等も含め、ブランド体験やUX向上にリソースを割く。
・「ペルソナAI」を活用し、企画立案の壁打ちや検討効率化を推進する。

目次

    本事例の概要

    日本最大級の転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア様が、記事コンテンツの制作工数肥大化と厳格な品質担保というジレンマに対し、業務そのものを再設計するパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(PBD)の「生成AI活用支援」を導入。
    構成作成から執筆・校正までを一気通貫で支援するAIエージェントの開発・定着化により、品質を維持したまま所要時間38.5%削減という成果を実現。単なるツール提供にとどまらないPBDの課題解決力が、いかに現場定着と未来に向けた“組織の余白”を創出したのかを追う。


    本事例のポイント

    ・AI活用の罠を回避する「実務の棚卸し」
    ツール導入を急ぐのではなく、プロセスの徹底的な可視化によってAIの適応領域を見極めるアプローチ
    ・構成・執筆プロセスの変革による「生産性向上」
    実務の判断基準に沿ったAIエージェントの活用により、品質を維持しながら制作工数を大幅に削減
    ・「効率化」の先にある組織変革
    目先の工数削減をゴールとせず、現場が自発的に新たな挑戦に向かうためのマインドセットと環境の作り方


    妥協できない「doda品質」と、「生産性向上」の両立のために

    まずは、皆様が所属されているインバウンドマーケティング統括部の役割についてお聞かせください

    中島様: パーソルキャリアでは、キャリア領域を中心とした人材サービスを展開しています。中心となるのは「doda」という転職サービスです。

    求人メディアや人材紹介などを通じて、個人の方のキャリア形成や企業の採用活動を支援しています。そのなかで私たちの大きなミッションの一つがdodaへの集客です。

    手法は多岐にわたりますが、特に注力しているのが「コンテンツを通じての自然集客」です。ユーザーが転職を考え始め悩みや活動の進め方を検索したり、SNSで情報を得たりする際、コンテンツを通じて接点を持ち、dodaへの興味やサービス利用に繋げていくという役割を担っています。


    生成AIの導入支援サービスをご活用いただく前は、どのような課題感をお持ちだったのでしょうか。

    中島様: 事業として取り組んでいくべきことが多くなる中で、組織としての生産性をいかに高めていくかが重要な課題でした。

    特に、我々のメインミッションであるコンテンツ領域は非常に競合が多く、ユーザーにしっかりと情報を届けていくための競争は熾烈を極めています。

    組織としては施策のスピードを高めていきたいところですが、コンテンツ制作にはどうしても多大な時間がかかっており、今の体制・やり方でスピード・量を求めていくには、現場の負担も多い状況でした。

    事業成長に向けた「次の一手」を打つための“余白”をどう作るか、そして現場の負荷をどう軽減するか、そこが大きな壁となっていました。

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    パーソルキャリア株式会社 インバウンドマーケティング統括部
    マネジャー 中島 明日香さま


    「余白を生み出す」ため、その施策としてAI活用の仕組み化・実務定着を推進するに至った経緯を教えてください。

    中島様: 最初は、ライティングツールの導入や外部委託への切り替えなども検討しましたが、私たちには、dodaのコンテンツ制作において絶対に譲れない「品質へのこだわり」があります。

    転職という、人生の重要な局面に関わるテーマを扱っているからこそ、読者からの信頼や「dodaならではの発信」には非常に丁寧に向き合ってきました。

    このような背景もあって、「doda独自の品質担保」という観点では特に、既存のツールや外注だけでは 対応しきれない領域が多いのではないかと考えていました。


    そんな時、情報収集のなかでPBD様の生成AIに関するホワイトペーパーを拝見しました。

    同じパーソルグループ内にこれだけAI業務効率化の知見を持っている企業があると知り、「ここなら私たちの特殊な課題にも伴走してくれるのではないか」と考え、お声がけさせていただきました。


    同じパーソルグループという関係性もありますが、他社も含めて検討された中で、最終的にPBDに任せようと決断された「一番の決め手」は何だったのでしょうか?

    中島様: たしかにグループ会社という安心感はありましたが、決してそれだけではありません。

    何より響いたのは「提案の幅と深さ」です。

    生産性を高めるために生成AI活用を検討していた際に、色々な会社さんからお話を伺いましたが、私たちが叶えたい「実務に踏み込んだ支援」は、まだAIそのものと市場が不完全なこともあり、事例としても多くはありませんでした。

    そんな中でPBD様からは、私たちの難しい要望に対しても「一緒に取り組んでみましょう」と弊社の事業課題を自分事として捉えてご提案をしていただきました。

    新しい領域にチャレンジしていきたいという私たちにとっても、解決策を模索してくれるパートナーだと感じられたことが、非常に大きかったです。


    これまでにない新しい領域への取り組みに対し、社内の承認はどのように得たのでしょうか?

    中島様: 我々の組織が抱える課題に対し、本質的な解決を目指して社内へ働きかけを行いました。

    というのも、実は構成案から執筆までをスピーディーに行うAIライティングツールの導入や、業務委託の活用など、生産性を高めるためのアプローチ自体は社内で複数検討していたのです。

    これらは確かに効果のある施策だと思います。

    しかし、その効果は「制作スピードの向上」と「社員の負担軽減」にとどまります。

    私たちの持つdodaの品質へのこだわり、そのクオリティを実現させているのは、記事オーナー一人ひとりが品質意識を持ちつつも、各工程における確認工程を複数設けているからこそです。

    その部分の負担は何も変わりません。

    逆に、チェックの手間が増える懸念もありました。

    「dodaのチェック観点を盛り込んだうえでの記事制作をすることで【品質担保×生産性向上】を両立したい」という弊社ニーズをくみ取っていただいたPBD様となら、「制作そのものの効率化のみならず、チェック項目や観点の統一を図り、【品質担保×生産性向上】を両立する」という、深くまで踏み込んだ改善案を作れると考え、社内への働きかけを行いました。

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    70項目に及ぶ「暗黙知」の言語化がもたらした変革

    支援が進む中での具体的なアプローチについてはいかがでしたか?

    中島様: まずは、徹底的な「業務の棚卸し」と「タスク分解」を行っていただきました。

    ヒアリング・アンケートを通じて、これまで可視化されていなかった制作業務の全プロセスを分解し、工程ごとの所要時間や、属人化ポイント、判断基準、負荷の大きい作業を可視化し、生成AIがどこに効くのかを特定するという作業です。

    この丁寧なプロセスがあったからこそ、プロジェクトメンバーだけでなく、組織全体に対しても「なぜAIを使うのか」「どのプロセスを改善しているのか」という共通認識を作ることができました。

    組織内への研修も含めた包括的な伴走支援をしていただけたことで、私たちも非常にプロジェクトを進めやすかったです。

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    今回、PBDの支援によって構成作成から執筆、校正までを一気通貫で担うAIエージェントが構築されましたが、その中でもとくに皆様が課題とされていた「確認・校正フェーズ」にはどのようにアプローチされたのでしょうか?

    中島様: 弊社の制作プロセスには複数のチェックポイントが存在します。

    各領域のリーダーによる確認を経て、リスクがないかを確認するためのレビューがあり、執筆後には社内校正によるリスクチェックを行う、といった複数の関門を設けています。

    ただ、ここで課題となっていたのが、メンバー間の「確認観点の差」です。

    当然ながら、経験豊富なベテランメンバーの方がチェックの精度は高いのですが、その判断基準や観点の多くが言語化されておらず、個人のスキルに依存する「暗黙知」となっていました。

    どうすればこれらを共通言語化できるかは、私たちにとって長年の懸案事項でした。


    今回のプロジェクトを通じて、その「見えない基準」に変化はありましたか?

    中島様: 非常に大きな変化があったと思います。

    ベテランメンバーの持つレビュー観点、不文律、品質基準を追加ヒアリングで網羅的に収集し、それらをAIが理解できる形で明文化いただきました。言語化できた項目は70にも及びます。


    また、「本当にこの基準は必要なのか」という本質的な議論にまで踏み込めたことも大きな収穫です。

    例えば、社内で「絶対に守ろう」とされてきた独自の品質基準についても、一つひとつその妥当性を問い直すきっかけになりました。

    これまでのやり方を踏襲するだけでなく、市場やユーザーの変化に合わせて、品質管理の在り方そのものを柔軟にアップデートしていく。

    暗黙知の抽出から始まったプロジェクトが、組織としての「品質の定義」を再構築する議論へと発展したことは、私たちにとって極めて価値のあるプロセスだったと感じています。


    「dodaらしさ」をAIで明文化。フィードバックの工数削減と精神的余裕の創出

    今回のプロジェクトは、ご担当者様にとって個人的にはどのような意味がありましたか?

    松原様: 個人的に非常に助かっているのは、ファイルを読み込ませるだけで、こちらの意図を汲み取った修正提案をパッと出してくれるプロンプトの精度です。

    これまでは外部パートナー様にdodaとしての品質を依頼する際、「こういった言い回しの方がdodaらしい」といったフィードバックの言語化に、かなりの時間を費やしていました。

    パートナー様側でも「dodaらしさ」を完全に理解しきるのは難しいため、こちらがどうコメントを返すべきか悩むことが多くありました。


    しかし今回、その「dodaらしさ」を明文化してAIに組み込んだことで、「こういうニュアンスが欲しかったんだ」というヒントを即座に提示してくれるようになりました。

    そのヒントを基にフィードバックできるので、パートナー様へのコメント作成時間が劇的に短縮され、精神的にもかなり楽になった実感があります。

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    パーソルキャリア株式会社 インバウンドマーケティング統括部
    松原 絵里佳さま


    橋本様:良かった点が二つあります。一つは「AIと人の使い分けの塩梅」が組織内にしっかりと浸透したことです。

    以前別の会社にいた際も、制作現場において「AIにどこまで任せるか」という悩みは共通の課題であると感じていました。

    今回、PBD様に「最終決定はあくまで人間であり、AIは補助である」という活用指針を丁寧に、粘り強く説き続けていただいたおかげで、チーム全体が迷いなくAIを使いこなせるフェーズにまで引き上げられたと感じています。


    もう一つは、制作工程における「迷い」や「手戻り」がスリム化されたことです。

    企画検討フェーズをサポートするAIエージェントという指針ができたことで、考え込み過ぎて思考が停止してしまうといった現象が目に見えて減りました。

    人間はどうしても集中しすぎると細部に囚われ、全体のバランスを見失うことがありますが、AIエージェントが「一般論ではなく、実務の判断基準に沿った回答」を返してくれることで、どのメンバーも安定したパフォーマンスを発揮できるようになりました。

    この「業務の標準化」が実現できたことは、組織にとって非常に大きな前進だったと感じています。

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    パーソルキャリア株式会社 インバウンドマーケティング統括部
    橋本 夕奈さま


    技術面でのサポートについても、印象に残っていることがあれば教えてください。

    松原様: AIそのものの知見を惜しみなくご提供いただいたことが、個人的にとても勉強になっています。
    「なぜこの出力になるのか」「なぜ機能しないのか」といった疑問に対し、「これはモデルの限界なので、アップデートを待ちましょう」「これは本来できるはずですが、ツールが不安定なので別のアプローチで実装しましょう」といった具合に、明確な回答を即座にいただけました。
    自分たちだけで調べていたら絶対に解決できなかった領域ですので、非常に心強かったですね。


    定量的な成果として、見えてきた変化があれば教えてください。

    中島様: 特に大きかったのは、構成案領域・執筆領域の所要時間です。

    この2つの領域が最も所要時間がかかっていたのですが、今回の取り組みを通じて、38.5%の所要時間削減ができました。(構成案領域では36.5%、執筆領域では40.3%)。

    本取り組みにおける現場での効果実感率も91.6%と、現場満足度も高く、dodaとしての品質を維持しながら、構成案領域・執筆領域にかかる負荷をここまで圧縮できたことは、現場にとって非常に大きな成果だと感じています。


    数字で表せない効果として、どのような変化がありましたか?

    中島様: 現場からのアンケートでも「余白が生まれた」という声が確実に上がってきています。

    これまで一人では気づけなかった視点にAIが気づかせてくれる、といった支援的な効果を感じているメンバーも多いです。

    何より嬉しい変化は、小さなことであれば「自分でプロンプトを作って、実行できないか?」と自発的に工夫する動きが見られるようになったことです。

    AIを活用してさらなるチャレンジを目指す、そんな前向きな姿勢が組織に芽生え始めています。


    事実、この一連の取り組みは社内でも高く評価されており、社内の本部アワードにおいてファイナルに進出するなど、大きな注目を集める結果にも繋がりました。


    素晴らしい成果ですね。AIというまだ正解がない未完成な領域に対しても、品質に一切妥協することなく、果敢にチャレンジされた皆様の姿勢が実を結んだ結果だと感じます。最後に、組織としての今後の展望や、PBDに対するこれからの期待についてお聞かせください。

    中島様: コンテンツ領域を取り巻く環境は激変しており、これまでの手法を続けているだけでは、事業成長に直結させることが難しくなってきました。

    中長期的にdodaをグロースさせていくためには、今取り組んでいる施策の先にある「未来のためにやるべきこと」に、リソースをしっかりと割いていかなければなりません。

    記事コンテンツの枠を超えたSNSや動画、イベントなど、ユーザーとの接点はさらに多岐にわたります。

    dodaを利用してくださった方に「使ってみたい」と感じていただくためのブランド体験やUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上も、不可欠な要素です。


    今回のプロジェクトの真のゴールは、単なる効率化ではなく、次の時代に勝つための「基盤」を作ること。

    その基盤づくりの一環として、現在PBD様とともに取り組み始めているのが『ペルソナAI』です。

    これは、実際のインタビューデータをもとに構築された"仮想読者"AIで、まるで転職活動中のユーザーが答えるかのようなリアルな反応を返してくれます。


    企画立案・検討時の壁打ち相手として活用することで、よりユーザーニーズに即したコンテンツ制作や、起案初期における検討プロセスの効率化につながる可能性があると感じており、今後の展開にも期待を寄せています。

    こうした将来を見据えた取り組みも含め、その実現に向けてPBD様には今後も、私たちの実務に深く入り込んでいただく戦略パートナーとして伴走いただけることを期待しています。

    社内だけではどうしても見落としてしまう視点や、技術の進化に伴う最適な方向性のアドバイスなど、「第三の視点」からいただけるご提案は非常に貴重です。

    これからも共に知恵を絞りながら、組織のさらなるグロースを共に実現していきたいと考えています。

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    https://doda.jp/

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    お客様プロフィール

    パーソルキャリア株式会社

    「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げる、パーソルグループの中核を担う人材サービス企業。

    -人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指している。


    取引先 インバウンドマーケティング統括部 中島様、松原様、橋本様
    利用サービス doda記事コンテンツ制作におけるAI活用定着化およびペルソナAI構築プロジェクト

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