本事例の概要
多彩な金融サービスを展開するJA三井リース様が、AI活用の運用フェーズ移行に伴い深刻化した推進体制の課題に対し、実務まで伴走するパーソルビジネスプロセスデザインの「ハンズオン型支援」を導入。
年間50,000時間の工数削減を達成しながら、いかにして外部委託から脱却し、若手人材の育成と全社的なAI定着を実現させたのかを追う。
本事例のポイント
1. AI運用フェーズへの移行に伴う、マネジメント体制の「内製化」とリソース不足
2. 上流の意思決定から現場の実務まで、同じ目線で伴走する「ハンズオン型コンサルティング支援」の導入
3. 年間50,000時間の工数削減(KPI達成)と、若手メンバーにおける「成功体験」の創出
「おんぶに抱っこ」からの脱却。AI運用フェーズで直面したマネジメントの限界
まずは、お二人が所属されている業務企画部の役割と体制についてお聞かせください。
井上様:私が部長を務める業務企画部は、現在「業務企画室」と「DX推進室」の2室体制で運営しています。
業務企画室はいわゆる事務統括のような役割として、社内の事務ルールの整備などを担っています。
一方のDX推進室は昨年4月に新設された部門で、SaaSを用いた業務効率化やRPAの推進など多岐にわたるミッションを抱えています。
なお、生成AIの活用推進については、私たち業務企画部だけでなく、IT企画部や総合企画部を含めた3部合同による、10名程度のチーム体制で横断的に取り組んでいます。
今回の支援体制に切り替わる以前は、どのような体制で生成AIの導入を進めていたのでしょうか。
井上様:一昨年から、世の中のトレンドに遅れないよう「まずは生成AIを使ってみよう、Copilot活用を中心とした業務効率化・工数削減に取り組もう」というフェーズに入りました。
当時は、自社リソースだけでは知見が足りなかったので、パーソル様ではない別のコンサル会社さんにお手伝いいただいておりました。
JA三井リース株式会社 業務企画部
部長 井上 憲治さま
戸田様:前任のコンサル会社さんにお願いしていたのは、プロジェクト全体のマネジメントです。
AI利活用について、社内への「認知フェーズ」においては、外部の知見をそのまま取り入れる形だったので、ある意味「おんぶに抱っこ」の状態でスムーズに進んでいきました。
しかし、今年度から「実行・運用フェーズ」に入ると、私たちの中に「AIを使ってこんなことをやりたい」「あんな課題を解決したい」という自社なりのビジョンがどんどん芽生えてきたんですね。
そうなると、外部の立場であるコンサル会社さんでは、社内で起きている細かな変化や文脈をすべてウォッチしきれなくなります。
私たちも、社内の情報を100%伝えきることは難しい。
プロジェクト全体の舵取りを外部に任せきりにする形に、限界を感じ始めたのがちょうど上半期を終えたタイミングでした。
当時、現場で特に苦労されていたのはどのような点だったのでしょうか。
戸田様:サポートいただいていた範囲が「上流のコンサル」と「現場の開発」に二極化してしまっていたので、その中間にあたる「現場での運用調整」や「細かな仕様の詰め」を私一人で実行しなければならず、コントロールが非常に難しかったことです。
また、当時はリモートメインでのご支援だったこともあり、コミュニケーションの密度にも難があったかもしれません。
こうした経緯から、社内でもプロジェクトマネジメント機能をしっかりと「内製化」していく必要があるという結論に至りました。そのタイミングで、パーソルさまからご提案いただいた内容が、まさに私たちの求めていたものだったのです。
JA三井リース株式会社 業務企画部 DX推進室
室長代理 戸田 卓司さま
求めていたのは対等な「壁打ち相手」。「1のオーダーに10の成果」で応える伴走支援
マネジメントの内製化を決断された後、今回の「ハンズオン型支援」を導入するに至った経緯を教えてください。
戸田様:マネジメントを内製化し、私がそこを担っていくにあたって求めていたのは、自分が上流の意思決定に回る分、実務を動かすためのリソースを補ってくれる存在、そして何より、私と同じ目線で壁打ちができる「仲間」となる存在でした。
というのも、今の私たちのチームは、20代の若手メンバーが中心です。フレンドリーな雰囲気の職場ではあるのですが、どうしても若手からは「相談させてください」というコミュニケーションになりがちです。
私にとっては、上申する前の段階で対等に議論し、一緒に作業もしていただけるパートナーが必要でした。
多くの選択肢がある中で、なぜパーソルビジネスプロセスデザインを新たなパートナーに選ばれたのでしょうか。
戸田様:パーソル様のご提案は、専門性の高い人材を当社のプロジェクトにしっかりとアサインしていただけるというもので、これが私のニーズに完璧に合致しました。
また、過去にSalesforceの運用等でも手厚くご支援いただいた実績があり、当社の業務への理解が深かったことも安心材料として大きかったです。
実際、本プロジェクトに入っていただいた担当者の方は、実務を力強く推進し、私の良き相談相手として同じ目線でプロジェクトの将来を語り合えるパートナーになってくれました。
井上様:もう一つ、大きな決め手になったのは「フラットな視点によるご提案」です。
一般的なコンサル会社さんは、どうしても自社製品や特定のソリューションに寄る傾向があります。
しかし、パーソル様はご提案時から中立的で、自社のナレッジを惜しみなく提供し、私たちが自由に使える環境を整えてくれるという姿勢が見て取ることができた。そこが信頼に繋がりましたね。
いざ新たな体制でプロジェクトが始動して、戸田様が最もプレッシャーを感じたのはどのような時でしたか?
戸田様:これまでは「コンサルが示す方向」に向かえば良かったところを、今度は自分が方向性を示してパーソル様に的確な依頼をしなければならなくなり、そこは不安でした。
優秀な人材にいかにご活躍いただくかも、私の責任。
走り出しの時期は、とにかく自分の想いややりたいことを執拗なまでに伝えさせていただき(笑)、密なコミュニケーションを取ることに時間を割きました。
パーソル様の同じ目線で伴走していくような、パートナー的な動きに非常に助けられました。
実際に伴走が始まってから、現場ではどのような変化や効果を実感されましたか。
戸田様: 一番は、自分たちに欠けていた「専門性」が確実に埋まったことです。
生成AIの取り組みを推進するにあたって、いわゆるエンジニア的な専門の素養を持ったメンバーがチームにはおりません。
どうしても外部リソースに頼る必要がある我々にとって、現状分析から施策実行まで技術的な裏付けを持って動けるリソースがあることは、非常に大きな安心感につながっています。
具体的なエピソードを挙げると、とあるAIチャットボットを開発いただいた際のことです。
私が出した要件定義は、わずか数行のシンプルなもの。
しかし、パーソル様から上がってきたアウトプットは、単に動くボットではなく、将来的な汎用性まで考慮されたクオリティの極めて高いものでした。
まさに「1のオーダーに対して10の成果」で返してくださった事例です。
ユーザーからも高い支持を得ていますし、この成功体験があったからこそ、次の施策へスムーズに移行できています。
井上様: 成功事例が目に見える形になったことで、他の部署からも「自分たちの業務でもこんなボットが作れないか」という相談が自然と寄せられるようになりました。
1つ成功事例を作って、そこからさらに加速させていく。
この良い波及効果は、自社だけでは到底生み出せなかったものだと思います。
今回の取り組みを通じた、定量的な改善成果があれば教えてください。
井上様:チーム全体として、会社が掲げている「大幅な工数削減」というKPIに向け、その算定ルールの策定からご支援いただきました。
この目標達成へ向けて、様々な企画やアイテムを共に準備し、結果的に今期それが達成された(※注:本取り組みを通じ、当初設定した年間28,000時間の削減目標を大きく上回る50,000時間の削減を達成)ことで、次に向けてどうするかという議論が始まっていることも大きな成果だと思います。
50,000時間の削減目標を達成。プロジェクトを通じて現場が得た「本当の価値」とは
目標達成という組織的なインパクトの一方で、今回のプロジェクトはお二人にとって個人的にどのような意味がありましたか?
井上様:私自身というより、このプロジェクトを担当している若いメンバーについてですが、パーソル様と一緒に実績を積み、成功体験を作ることができました。
単なるAIツールの導入開発にとどまらず、ガイドライン策定や研修、ユースケース創出など「社員が使いこなすための仕組み」をトータルで伴走していただくことで、こういった日々の成長も副次効果としてあるのは、本当にありがたいと感じています。
戸田様:私にとっては「同じ目線で話ができる仲間」ができたこと。とにかくそこに尽きます。
業務効率化や外部との連携によって生まれたリソースで、新たに始めた取り組みや挑戦はありますか?
戸田様:「空いた時間で新しいことを始めたか」と聞かれると、正直に言えば、今はまだ目の前の課題を全力で回している状態です。
パーソル様がいなければ、今の業務は回っていません。
ただ、確実に言えるのは、できる範囲が広がったということです。
リソースの観点から、普通であればクオリティや対応範囲に濃淡が出てきたであろう各施策に、パーソル様のおかげで妥協せずに着手できています。
Copilot Studioの研究など、より高度な領域にも足を踏み入れることができており、当初の計画以上の深さで施策を推進することができました。
来期はさらに「AIエージェント」の領域にも関与し、挑戦していきたいと考えており、こうした次なるステップへ進む余裕が生まれたのも支援のおかげです。
もし、今回の成功体験を他部署や同じ悩みを抱える他社の担当者に伝えるとすれば、どのようなメッセージを送りますか?
戸田様:「同じ目線で話してくれるので、まずは一度試してみて」ということですね。
我々の課題に対する助言だけにとどまらず、同じ熱量で話してくれるパートナーなので、いわゆる「一般的なコンサルティングとは違いますよ」というところは、ぜひプッシュしたいポイントです。
プロジェクトの立ち上げ期を振り返って、もしタイムマシンで当時の自分にアドバイスを送るとしたら、どのような言葉をかけますか?
戸田様:「自分たちの思いや本当にやりたいことを、もっともっと丁寧に伝えていいんだよ」と言ってあげたいですね。
実は、今でも少し引っかかっているのが、スタート当初の私のタスクの振り方なんです。
パーソル様のご担当の方は非常に高いスキルを持っており、こちらが恐縮してしまうような細かな仕事もすべて拾ってくださって、確実に形にしてくれていました。
そのレベルに見合った高度なタスクを、最初から十全にお願いできていたかというと、完璧ではなかったように思います。
結局は「コミュニケーションの深さ」が重要なのではないでしょうか。
相手が持っているスキルセットをより丁寧に引き出し、その上で役割分担を最適化できていれば、最初の3ヶ月でもっと大きな成果を積み上げられたかもしれません。
最後に、組織としての今後の展望や、パーソルビジネスプロセスデザインに対するこれからの期待についてお聞かせください。
井上様:私の立場から申し上げると、最終的に目指すべきゴールは、やはりAI活用の「内製化」になります。
自分たちの力で課題を見つけ、自分たちの力で解決の仕組みを作れるようになること。
これが、会社としての真の強みになると信じています。
しかし、それは一朝一夕にできるものではありません。
だからこそ、パーソル様にはその高い知見をご共有いただきながら、私たちが部署として、そして会社としても成長していけるように、引き続き頼れるパートナーとして共に歩んでいければ幸いです。
お客様プロフィール
JA三井リース株式会社
「Real Challenge, Real Change」をグループ経営理念に掲げる、JAグループと三井グループを基盤とした総合リース会社。
両グループが有する農林水産業の広範なネットワークやグローバルな事業基盤、「モノ・事業・金融」に関する高度な専門性を強みに、従来のリースの枠組みを超えた多彩なソリューションを提供。
お客様やパートナーと共に社会課題を解決し、持続可能な社会の実現とビジネスの成長に貢献している。
| 取引先 | 業務企画部 井上様・戸田様 |
|---|---|
| 利用サービス | 生成AI/AIエージェントハンズオン型コンサルティング支援 |