【採用面接で人材を見抜くキラー質問例10選】確認すべき項目とポイントを解説

【採用面接で人材を見抜くキラー質問例10選】確認すべき項目とポイントを解説

「同じ候補者なのに、面接官によって評価が真っ二つに分かれる」「面接では好印象だったのに、入社後にミスマッチが発覚した」――採用面接で、こうした悩みを抱えていませんか。


限られた面接時間の中で候補者の経験や適性を判断する・見極めるため、多くの面接官が“キラー質問”を探しています。しかし、面接の精度を左右するのは質問の奇抜さではありません。大切なのは、何を確認する質問なのかを決め、回答を具体的な行動まで深掘りし、面接官全員が同じ基準で評価できるかどうかです。


本記事では、企業の採用担当者・面接官に向けて、面接で確認すべき7つの項目と、経験・価値観・志望度・コンプライアンス意識などを見抜くキラー質問例10選を紹介します。


あわせて、STARの考え方に沿った深掘りの手順、厚生労働省の指針を踏まえたNG質問と言い換え例、面接前のチェックリストもまとめました。次の面接からすぐに使える質問と、評価のばらつきを抑える視点を、ぜひ持ち帰ってください。


目次

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    面接におけるキラー質問とは?

    面接におけるキラー質問とは、候補者の経験や考え方、仕事上の判断基準を掘り下げ、自社が求める人材かを判断する材料を得るための質問です。適切に活用すれば、候補者の経験や判断基準を具体的に把握しやすくなり、採用後のミスマッチ防止にもつながります。


    ただし、一つの回答だけで候補者の本質や適性を断定することはできません。回答の背景にある状況、本人の役割、具体的な行動、結果まで確認することが大切です。


    また、キラー質問は候補者を追い詰めるためのものではありません。答えにくい質問を何度も重ねたり回答を否定したりすると、圧迫面接と受け取られ、志望度の低下を招く恐れがあります。


    採用面接で人材を見抜くには、キラー質問をすること自体を目的にせず、その質問で候補者の何を確認するのかを先に明確にしておきましょう。次章では、採用面接で確認すべき項目と、面接官が聞くべき代表的な質問を一覧で紹介します。


    採用面接で人材を見抜くために確認すべき項目と質問例

    採用面接で人材を見抜くには、質問の数を増やすよりも、候補者の何を確認するのかを先に決めることが重要です。


    入社後に活躍できるかどうかは、一つの能力だけでは判断できません。これまでの経験や成果に加え、課題への向き合い方、自ら動く姿勢、他者との関わり方、仕事上の判断基準、自社との相性などを複数の観点から確認する必要があります。


    厚生労働省も、公正な採用選考を行うため、職務遂行に必要な適性・能力を評価する観点からあらかじめ質問項目や評価基準を決めておくよう案内しています。確認項目を決めないまま質問を重ねると、面接官ごとに聞く内容や評価の観点がばらつきやすくなります。


    採用面接で確認すべき主な項目と代表的な質問は、以下の通りです。自社が求める人物像や募集職種に合わせて、優先する項目を選びましょう。


    確認項目 面接で確認する内容 面接官が聞くべき代表質問 参照する質問例
    経験・実績 本人が担当した範囲、具体的な行動、成果への貢献度 これまでの経験で、成果を出すためにあなた自身がとった行動を教えてください (1)これまでの経験/(5)入社後の活躍
    問題解決力 課題の捉え方、原因の分析、対応した行動、得られた結果 これまでで最も解決が難しかった課題と、とった行動を教えてください (1)これまでの経験/(5)入社後の活躍
    主体性 指示を待たずに課題を見つけ、自ら行動した経験 自ら課題を見つけ、改善に向けて行動した経験を教えてください (1)これまでの経験/(5)入社後の活躍
    人間性 自分自身への認識、他者への配慮、責任の捉え方 周囲からどのような人物だと言われますか?そう言われる理由も教えてください (2)人間性/(8)本心
    協調性 チーム内での役割、合意形成、意見が対立したときの調整 チーム内で意見が割れた際、どのように調整しましたか? (6)コミュニケーションスキル/(7)協調性
    価値観 仕事上の判断基準、優先順位、ルールに対する考え方 仕事で難しい判断をした経験と、その際に重視した判断基準を教えてください (3)価値観/(10)コンプライアンス意識
    志望度・定着性 企業や職務への理解、企業選びの軸、入社後への期待 当社で実現したいことと、その理由を教えてください (4)自社との相性/(9)入社志望度

    7つの確認項目は、それぞれが独立しているわけではありません。例えば、過去の経験を深掘りすれば、経験・実績に加えて問題解決力や主体性も確認できます。他者との関わり方を聞けば、人間性、コミュニケーションスキル、協調性を複数の角度から捉えられます。


    そのため、すべての項目に別々の質問を用意する必要はありません。一つの質問に対して、候補者本人の役割、とった行動、判断した理由、得られた結果を深掘りすることがポイントです。これは状況、課題、行動、結果を順に確認する「STAR(Situation・Task・Action・Result)」の考え方にも通じます。


    以下では、採用面接で人材を見抜く際に使えるキラー質問例を、目的別に紹介します。

    ※参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」


    【目的別】実際に面接で活用されるキラー質問

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    実際の面接で活用できるキラー質問を、10の目的別に紹介します。

    1. これまでの経験を見抜くキラー質問例
    2. 自己認識や他者との関わり方を確認するキラー質問例
    3. 価値観を見抜くキラー質問例
    4. 自社との相性を見抜くキラー質問例
    5. 入社後に活躍できるかを見抜くキラー質問例
    6. コミュニケーションスキルの有無を見抜くキラー質問例
    7. 協調性の有無を見抜くキラー質問例
    8. 本心を見抜くキラー質問例
    9. 入社志望度を見抜くキラー質問例
    10. コンプライアンス意識を見抜くキラー質問例

    質問を選ぶときは、珍しさや答えにくさではなく、自社の採用基準との関連性を基準にしましょう。

    質問例(1)これまでの経験を見抜くキラー質問例

    候補者がこれまでに得た経験やスキルを確認する際は、次のような質問が活用できます。

    • これまでどのような経験をしてきたのか、簡潔に教えてください。
    • これまでの経験を通じて、どのようなスキルを身につけましたか?
    • これまでの経験で、嬉しかったことや大変だったことを教えてください。
    • これまで経験したことの中で、最も印象的だったことについて、1分以内で簡単に教えてください。
    • その出来事から、具体的に何を学びましたか?
    • これまでの経験で課題に感じたことはありますか?もしある場合には、どのように解決してきましたか?

    質問例(2)自己認識や他者との関わり方を確認するキラー質問例

    候補者の自己認識や、仕事における他者との関わり方を確認する際は、以下のような質問が考えられます。

    • どのような人と一緒に働きたいですか?
    • あなたの長所と短所について、詳しく教えてください。
    • 自身の性格について、どのように考えていますか?
    • 入社後、あなたの長所をどのように活かしたいですか?
    • 短所を改善するために、意識していることはありますか?
    • あなたは周囲の人から、どのような性格だと思われていますか?

    質問例(3)価値観を見抜くキラー質問例

    価値観を確認するときは、人生観や思想ではなく、仕事上の判断基準や優先順位に焦点を当てることが重要です。尊敬する人物や社会問題への考え方など、職務との関係が明確でない質問は、思想・信条の把握につながる恐れがあります。


    • 将来的にどのようなキャリアを形成したいですか?
    • 働く上で、どのような価値観を大切にしたいですか?
    • どのような仕事や場面にやりがいを感じますか?
    • 仕事の進め方を改善するうえで、参考にした行動や考え方があれば教えてください。
    • 担当業務に関係する最近の業界変化を一つ挙げ、業務にどのような影響があると考えるか教えてください。
    • 入社後、どのような役割を担いたいと考えていますか?
    • 仕事で難しい判断をした経験と、そのときに重視した基準を教えてください。

    「難しい判断をした経験」を聞いた後は、「何を優先しましたか」「ほかにどのような選択肢がありましたか」と深掘りし、判断に至る過程を確認します。評価の際は、自社と同じ考え方かどうかだけでなく、募集職種で求める行動と整合しているかを見ましょう。


    質問例(4)自社との相性を見抜くキラー質問例

    候補者と自社との相性を確認したい場合は、以下のようなキラー質問が考えられます。

    • 当社について、どのような印象を抱いていますか?
    • 当社の魅力は何だと思いますか?
    • どのような環境で働きたいですか?
    • 当社で働きたいと考えた理由は何ですか?
    • これまでチームの一員として、成し遂げたことや活躍したことはありますか?
    • 当社のほかにどのような業界や職種を検討しているか教えてください。
    • 集団行動するうえで、どのようなことが大切だと思いますか?

    質問例(5)入社後に活躍できるかを見抜くキラー質問例

    自社で長期的に活躍できる可能性を確認したい場合は、次の質問を活用しましょう。

    • 将来の具体的な目標はありますか?
    • 大きな失敗をしたとき、どのような行動をしましたか?
    • 当社に入社した場合、成し遂げたい目標はありますか?
    • 当社に入社した場合、どのような活躍をしていくのか、具体的なイメージは浮かんでいますか?
    • 新しい知識やスキルを習得する際に、どのようなアプローチを行いますか?
    • 5年後、どのような人材になっていたいですか?
    • 仕事、学業または職務に関連する活動で、最も困難だった挑戦を教えてください。

    質問例(6)コミュニケーションスキルの有無を見抜くキラー質問例

    コミュニケーションスキルには、分かりやすく話す力だけでなく、相手の意見を聞く力、認識のずれを調整する力、必要な情報を共有する力も含まれます。自己評価だけでなく、職場で実際にとった行動を聞くことが大切です。


    • 初対面の人と話すときに、意識していることはありますか?
    • 上司や同僚から、仕事の進め方や周囲との関わり方について、どのようなフィードバックを受けましたか?
    • 人と話すのは得意ですか?それとも苦手ですか?
    • 人間関係を構築する際、どのようなことを意識していますか?
    • 意見が異なる相手と仕事を進めた経験を教えてください。
    • チームで作業する場合と個人で作業する場合では、それぞれ何を意識していますか?

    フィードバックについて聞いた後は、「その内容を受けて、どのように行動を変えましたか」と確認すると、受け止め方や改善行動まで把握できます。


    質問例(7)協調性の有無を見抜くキラー質問例

    候補者が他者と協力して業務を遂行した経験を確認する際は、以下のような質問が有効です。

    • 良好な人間関係を構築するためには、何が大事だと思いますか?
    • 複数人で協力して何かを成し遂げた経験はありますか?その際、どのような役割を担いましたか?
    • 仲間内で対立した場合、どのように対処しますか?
    • 良いチームと悪いチームには、それぞれどのような特徴があると思いますか?
    • チームワークを重視するきっかけになった出来事があれば、具体的に教えてください。
    • チームとして行動するうえで、何が大切だと思いますか?

    質問例(8)本心を見抜くキラー質問例

    候補者の本心は、一つの質問や回答だけで断定できるものではありません。回答の内容だけでなく、具体的な経験、判断の理由、ほかの回答との一貫性を確認しましょう。人生観や私生活に踏み込まず、仕事上の判断や行動に範囲を限定することも重要です。


    • 仕事上の判断で大切にしている基準を教えてください。
    • 限られた予算の中で、業務上の課題を改善した経験があれば教えてください。
    • 自分の強みを一つ挙げ、その強みが発揮された具体的な経験を教えてください。
    • 当社の事業や業務について、改善の余地があると感じる点があれば教えてください。
    • 現在の仕事上の課題として改善したい点と、そのために取り組んでいることを教えてください。
    • 自分の判断が間違っていたと気づいた経験と、その後の対応を教えてください。

    「判断で大切にしている基準」を聞いた後は、「その基準を実際に使った場面を教えてください」と続けると、考え方と行動の一貫性を確認できます。奇抜な質問や正解のない仮定質問は、評価基準が曖昧になりやすいため注意しましょう。


    質問例(9)入社志望度を見抜くキラー質問例

    志望度を確認するには、「第一志望ですか?」と尋ねるだけでなく、企業理解、職務理解、企業選びの軸を具体的に聞くことが重要です。志望度は選考中に変わることもあるため、候補者が何を期待し、どのような情報を求めているかも把握しましょう。


    • なぜ当社の選考を受けようと思ったのですか?
    • 企業を選ぶ際に重視しているポイントを教えてください。
    • 当社の事業や仕事内容について、どのように理解していますか?
    • 当社で実現したいことと、その理由を教えてください。
    • 入社を判断するために、確認しておきたい情報はありますか?

    「当社で実現したいこと」を聞いた後に「なぜ当社で実現できると考えたのですか」と確認すれば、企業研究の深さと、候補者の希望と自社環境の一致度を把握できます。


    質問例(10)コンプライアンス意識を見抜くキラー質問例

    法令や社内ルールを守り、問題に気づいたときに適切に行動できる人材かを見抜きたいのであれば、以下のようなキラー質問が効果的です。


    • 社内ルールと業務上の要請が衝突した経験があれば、どのように判断・相談しましたか?
    • コンプライアンスは、具体的にどのようなことに気をつければ良いと思いますか?
    • コンプライアンス違反の可能性がある行為に気づいた場合、どのように対応しますか?
    • 職場で不正の可能性がある行為を発見した場合、どのように確認・報告しますか?
    • 仮に、あなたが配属された部署でコンプライアンス違反が発生した場合、どのような影響があると思いますか?

    不正に関する質問では、次の点に注目して評価します。


    評価の観点 確認すること
    事実確認 推測で当事者を責めず、事実と意見を分けて確認しようとしているか
    報告先 上司や内部通報窓口など、適切な報告先を考えているか
    行動 証拠を改ざんせず、独断で廃棄・拡散することなく、組織のルールに沿って行動しようとしているか


    適切な対応は企業の規程や職種によって異なるため、自社の報告ルートを基準に評価項目を事前に決めておきましょう。


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    面接でキラー質問をするときのポイント

    面接でキラー質問をするときには、以下のような6つのポイントを意識しましょう。

    • ポイント(1)自社が求める人物像を明確にする
    • ポイント(2)回答しやすい雰囲気を作る
    • ポイント(3)タブーな質問は避ける
    • ポイント(4)キラー質問の内容を深掘りする
    • ポイント(5)面接官からも候補者の判断に必要な情報を伝える
    • ポイント(6)求職者等へのセクハラ防止措置を面接官全員に浸透させる

    順番に解説します。

    ポイント(1)自社が求める人物像を明確にする

    キラー質問は数多くあるため、何を聞くべきか迷う面接官も少なくありません。まずは自社が求める人物像を明確にしましょう。


    先に紹介した7つの確認項目も、すべてを均等に確認する必要はありません。自社の採用基準に照らして優先順位を決めましょう。例えば、営業職では顧客との関係構築力や目標達成への主体性、管理職では意思決定力やチームを調整する力が重視されるでしょう。職種ごとに必要な行動を定義し、それを確認できる質問に落とし込むことが大切です。


    ポイント(2)回答しやすい雰囲気を作る

    候補者が緊張した状態で面接を続けると、具体的な経験や考えを十分に話せないおそれがあります。

    候補者が本来の力を示せなければ、自社に適した人材を不採用とし、採用機会を逃す恐れがあります。候補者が落ち着いて回答できるよう、面接官は落ち着いた表情や適度な相づちを意識し、話しやすい雰囲気をつくりましょう。

    ポイント(3)タブーな質問は避ける

    人柄を知りたいあまり、私生活まで聞いてしまう面接官もいるかもしれません。しかし採用面接では、本人の適性や能力と関係のない質問を避けることが原則です。不適切な質問は、就職差別につながるだけでなく、企業の信頼を損なう恐れがあります。


    また、注意すべきなのは、本籍、家族、宗教、思想などを直接尋ねる質問だけではありません。厚生労働省は、人生観、生活信条、尊敬する人物なども「本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)」として挙げ、面接などで把握することは就職差別につながる恐れがあるとしています。雑談のつもりでも、結果的に思想・信条を把握してしまう可能性に留意しましょう。


    注意が必要な質問の例
    本籍地・出生地
    家族の職業、収入、健康・病歴
    持ち家か賃貸かなどの住宅状況
    宗教・支持政党
    人生観・生活信条、尊敬する人物、愛読書
    結婚・妊娠・出産の予定
    男女や属性によって内容を変える質問


    なお、結婚の予定の有無や、子どもが生まれた場合の継続就労の希望の有無などを、女性にだけ質問してはいけません。男女雇用機会均等法第5条により禁止される、性別による異なる取扱いの例として指針に示されています。


    質問を考えるときは、「募集職種に必要な適性や能力を確認するために必要か」「候補者全員に同じ基準で質問できるか」「回答を客観的に評価できるか」の3点を確認しましょう。確認したい内容が同じでも、聞き方を変えれば業務に関する質問にできます。


    避けたい質問 言い換え例 確認できること
    大切にしている言葉は何ですか? 仕事上の判断で大切にしている基準を教えてください 業務上の判断基準
    友人からどのような人物と思われていますか? 上司や同僚から、仕事の進め方についてどのようなフィードバックを受けましたか? 職場で見られた行動


    深掘りの仕方にも注意が必要です。「なぜ」を繰り返して追い詰めたり回答を否定したりすると、圧迫面接と受け取られかねません。状況、本人の役割、行動、結果の順に聞き、考える時間を確保しましょう。

    オンライン面接でも、公正な採用選考の考え方に沿った対応が必要です。背景に映った部屋の様子や家族、同居人など、職務上必要な適性・能力に関係のない情報を質問したり、採否判断に用いたりしないようにしましょう。


    面接で質問する前のチェック項目

    • □ 質問の目的を説明できるか
    • □ 募集職種に必要な適性・能力と関係しているか
    • □ すべての候補者に同じ基準で質問できるか
    • □ 回答を評価する基準が決まっているか
    • □ 本籍・出生地・家族・住宅状況を尋ねていないか
    • □ 宗教・思想・支持政党に触れていないか
    • □ 人生観・生活信条・尊敬する人物を尋ねていないか
    • □ 結婚・妊娠・出産などの予定を尋ねていないか
    • □ 私生活や友人関係へ不必要に踏み込んでいないか
    • □ 男女や候補者の属性によって質問を変えていないか
    • □ オンライン画面に映った私生活の情報に触れていないか
    • □ 深掘りが否定や追及になっていないか
    • □ 質問項目と注意事項を面接官全員で共有しているか

    不適切な質問をしてしまった場合は、その場で質問を撤回し、回答する必要がないことを伝えたうえで謝罪しましょう。

    併せて、得られた情報を採否判断に用いないことを徹底し、面接後は社内ルールに沿って採用責任者などへ経緯を報告します。改めて、面接時の質問リストや面接官向けガイドを見直すことが重要です。

    例:

    「今の質問は、職務上の適性を確認するうえで適切ではありませんでした。質問を撤回しますので、お答えいただく必要はありません。失礼いたしました。」


    タブーな質問について詳しくは、以下の記事をご確認ください。


    ■ 関連記事:「面接官によるタブーな質問12選!心がけるポイントやコツを解説!」

    ポイント(4)キラー質問の内容を深掘りする

    キラー質問をしても、一問一答で終わっては、候補者の経験や判断基準を十分に把握することは困難です。具体的なエピソードや、そう考えた理由をさらに聞くことを意識しましょう。


    深掘りするときは、次の4点を順に聞くと、回答を具体的な行動レベルまで掘り下げられます。


    1. そのときの状況
    2. 候補者本人の役割
    3. 実際にとった行動
    4. 行動の結果と学び

    例えば「チームで成果を出した経験」を聞いた場合は、チーム全体の成果だけでなく、本人が担当した範囲まで確認します。ただし、疑う姿勢で追及するのではなく、候補者ごとに同じ観点と順序で事実関係を整理することが重要です。

    ポイント(5)面接官からも候補者の判断に必要な情報を伝える

    面接官は質問するだけでなく、候補者が質問に答えるための前提情報や、自社への入社を判断するために必要な情報も伝えましょう。質問の意図や前提が伝わらないと回答が抽象的になりやすく、仕事内容や期待する役割が伝わらなければ、入社後のギャップや選考辞退にもつながります。


    面接官から伝えたい情報には、次のようなものがあります。


    • 必要に応じて説明する質問の意図
    • 回答しやすくするための前提情報
    • 職務内容や入社後に期待する役割
    • 候補者の関心に合わせた自社の情報

    例えば協調性を聞く場合、「この職種では、複数部門と調整しながら業務を進める場面があります。意見の異なる関係者と協力して成果を出した経験があれば教えてください」と前提を添えると、候補者は関連する経験を選びやすくなります。


    面接官自身の経験談を短く紹介するのも一つの方法です。ただし、長くなると面接時間を圧迫し、回答を誘導してしまう恐れもあります。前置きは短くとどめ、面接の主役は候補者であることを意識しましょう。見極めと情報提供の両立が、採用後のミスマッチ防止につながります。


    ポイント(6)求職者等へのセクハラ防止措置を社内に浸透させる

    2026年10月1日より、求職活動等におけるセクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)を防止するための雇用管理上の措置を講じることが、企業規模・業種を問わず、労働者を雇用するすべての事業主に義務付けられました。


    これは、2025年6月11日に公布された改正法により、男女雇用機会均等法に新たな措置義務が設けられたものです。なお、事業主は、面接官など候補者と接する従業員だけでなく、管理監督者を含む労働者に周知・啓発する必要があります。周知するのは、求職活動等におけるセクハラの内容と、これを行ってはならない旨の方針です。


    義務化の背景には、企業と求職者間に力関係が生じやすく、深刻な被害につながることあります。厚生労働省の調査では、2020~2022年度の卒業生のうち、インターンシップ以外の就職活動を経験した人の31.9%が、セクハラを受けたと回答しています(※インターンシップ中にセクハラを経験したと回答した人の割合は30.1%)。

    被害の内容としては、食事やデートへの執拗な誘い、性的な冗談やからかいなどが報告されています。また、就職活動に対する意欲の減退、眠れなくなったこと、通院や服薬をしたことなど、心身への影響も確認されています。

    ※参考:厚生労働省「就活ハラスメント対策研修」


    注意したいのは、対象となる人と場面が採用面接に限らない点です。

    対象となる人 求人への応募者、会社説明会やインターンシップの参加者、企業が雇用する労働者へのOB・OG訪問を行う人、教育実習・看護実習その他の実習を受ける人
    対象となる場面 面接や説明会に加え、SNSなどを介したやり取りも含む。飲食店など、通常の職場以外で行われるものも対象
    性的な言動の例 恋愛経験など性的な事実関係を尋ねる、性的な冗談やからかいを行う、私的な食事に執拗に誘う、不必要に身体に触れる

    事業主に義務付けられる措置は、指針上、大きく4区分、合計11項目に整理されています。


    区分 主な内容
    ① 方針の明確化と周知 セクハラを禁止し、行為者には厳正に対処する方針を定め、従業員に周知する。面談の時間や場所、対応する従業員の人数、連絡手段など、採用活動のルールを決めて、求職者等にも周知する
    ② 相談体制の整備 求職者等が利用できる相談窓口を定めて周知し、担当者が適切に対応できるようにする
    ③ 事後の迅速かつ適切な対応 事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害を受けた求職者等への配慮、行為者への適正な措置、再発防止措置を行う
    ④ あわせて講じる措置 相談者、行為者、情報提供者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じる。事実確認等に協力した労働者を不利益に取り扱わないことを定め、その内容を労働者および求職者等に適切に周知する

    指針で示されている例を踏まえ、例えば次のようなルールを定めておくと、面接官が適切に行動し、候補者も安心して採用活動に参加できるようになります。


    • 面接や面談は原則として就業時間内に、社内の会議室などで行う
    • 個室や飲食を伴う場所は避け、一対一にならない体制にする
    • 候補者との連絡は、会社が管理する手段に限る

    既存のハラスメント相談窓口を活用する場合も、求職者等からの相談を受け付けられる体制を整え、相談方法を求職者等に分かりやすく周知する必要があります。


    なお、これらのの措置は、規程を整えるだけでは機能しません。実際に求職者・候補者と接するのは、人事担当者だけではないからです。事業主は、現場の面接官、インターンシップの受け入れ担当者、OB・OG訪問に対応する社員など、管理監督者を含む労働者に、ルールと対応方針を周知・啓発することが重要です。

    ルールと対応方針を面接官一人ひとりの言動に反映させることが、求職者や候補者を守り、安心して選考に臨める環境づくりにつながります。

    ※参考:厚生労働省「求職活動等をする方を守るために ― 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の新ルール」

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    人材を見抜くための確認項目や質問例を整理しても、それだけでは不十分です。質問の意図、深掘りの方法、評価基準が面接官の間で共有されていなければ、合否判断にばらつきが生じます。

    面接の精度を高めるために必要なのは、奇抜な質問を増やすことではありません。採用基準に沿った質問を共通化し、候補者の具体的な行動まで深掘りしたうえで、同じ基準で評価できる状態をつくることです。こうした面接体制を整え、今よりも面接の精度を高めたい場合は、パーソルビジネスプロセスデザインにご相談ください。

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