エグジットインタビューとは?その目的や実施のメリット、抑えるべきポイントを解説

エグジットインタビューとは?その目的や実施のメリット、抑えるべきポイントを解説

退職者の声を聴くことができるエグジットインタビューでは、採用課題の解決策や組織改善を行うための重要な情報を見つけることができます。離職防止だけではなく、エグジットインタビューを行うことで、所属チームや組織、会社の課題解決に役立てることができるでしょう。

 本記事では、エグジットインタビューの意味や目的、実施するメリットについて解説しています。実際に面談を行う際によく使われる質問項目についても紹介していますので、ぜひ、お役立てください。

目次

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    エグジットインタビューとは

    エグジットインタビューとは何か

    エグジットインタビュー(退職者面談)とは、従業員が退職する際に企業と行う面談のことです。この面談では、退職を決意した理由や、組織への意見など、ポジティブなことからネガティブなものまでヒアリングを行います。退職時面談ともいい、近年では取り組みを始めている企業が増えてきています。

    退職者の視点から現場の実情や問題点を明らかにすることで、組織の改善点を浮き彫りにするとともに、将来の人材管理や職場環境の向上に貢献する手法です。

    エグジットインタビューの目的

    エグジットインタビューの目的は、退職者の声から現状の問題点を洗い出し、経営層や人事部にフィードバックをすることで、組織課題の発見や改善を行うことにあります。

    エグジットインタビューを通じて、企業は離職の原因を分析できるようになり、他の従業員が同様の問題で退職することを防ぐための対策を講じることができます。また、エグジットインタビューを通じて得られる情報は、組織風土の改善や業務プロセスの最適化に役立てられます。

    エグジットインタビューの重要性

    退職者に対して、会社が意欲的に話を聞こうとする姿勢を示すことで、退職者自身も「あの会社は最後までしっかりとした対応をしてくれた」というポジティブな印象を持つことができます。そうすることで、将来的に退職者がまた企業に戻ってくるアルムナイ採用へとつながる可能性が高まる要素となるでしょう。

    エグジットインタビューとは、一企業が従業員の退職というネガティブなイベントをポジティブな成長機会に変えるための重要な取り組みになります。昨今の人材競争激しいビジネス環境において、優れた人材を引き留め、健全な組織文化を築くためには、エグジットインタビューの適切な実施やインタビュー結果の活用が重要視されています。

    エグジットインタビューを行うメリット

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    退職者に対してエグジットインタビューを行うことには、以下のようなメリットがあります。これらのメリットを活かして取り組むことで、企業全体の改善や成長を図ることができるでしょう。

    離職理由の明確化

    エグジットインタビューを通じて退職者から直接的なフィードバックを得ることで、離職の具体的な原因を把握することができます。面談を通じて得られる情報は、何が退職の引き金になったのかを明確にし、同様の問題が他の社員にも発生しないよう予防策を講じるための重要なデータとなります。離職理由を明らかにすることで、組織内の改善ポイントを特定し、戦略的な対応が可能です。

    組織環境の改善や満足度向上

    エグジットインタビューで得られたフィードバックを基に、職場環境や業務プロセスの改善点を洗い出すことができます。具体的な改善策を講じることで、在籍している従業員の業務満足度を向上させることが期待されます。

    従業員が自身の意見が組織全体の改善につながると感じることで、モチベーションアップにもつながります。健全な職場環境は、長期的な組織の成長に不可欠といえるでしょう。

    定着率の改善

    エグジットインタビューによって発見できた問題点を迅速に解決していくことで、退職者を減らすこともできるでしょう。離職の原因を明確にし、改善策を実行することで、従業員が辞めたいと考えてしまう原因をなくし、定着率を高めることができます。定着率の改善は、採用コストの削減や組織の安定性向上に直結します。結果として、経験豊富な人材が長期間活躍できる環境が整います。

    企業イメージの向上

    退職者に対しても最後まで真摯な対応を示すことは、企業の評判を高める効果につながります。最後まで従業員に寄り添った対応を行うことで、退職者がポジティブな口コミを残す可能性が高まり、新たな人材採用にも貢献できる可能性も高ります。また、従業員の意見を尊重する企業文化を内外に示すことは、潜在的な求職者に対しても好印象を与え、魅力的な職場として認識されることで、採用力の向上を図ることも可能です。

    エグジットインタビューを行うタイミング

    エグジットインタビューは従業員が退職を決意した直後に実施することが最適です。具体的には、退職届が提出されてから最後の勤務日までの間に行うことが推奨されます。退職理由や背景が新鮮なうちにインタビューを行うことで、より正確で具体的なフィードバックを得ることができるからです。

    退職通知を受け取ったら、できるだけ早くエグジットインタビューを計画し、日程の調整を行うことが重要です。ただし、退職の理由や従業員の状況に応じて、柔軟に対応することを心掛けましょう。例えば、急遽退職する場合や、個人的な理由で精神的に負担を抱えている従業員に対しては、インタビューが適切なタイミングとなるよう配慮しなければなりません。

    また、エグジットインタビューを実施する際には、退職者がリラックスできる環境を整える必要があります。オフィス内での実施が難しい場合は、カフェやミーティングルームなど、リラックスできる場所を選びましょう。さらに、オンラインでの実施も選択肢の一つです。特にリモートワークや遠隔地の従業員の場合、オンラインインタビューは効率的かつ柔軟に対応できます。

    実施頻度はどれくらい?

    エグジットインタビューの実施頻度は、基本的には退職者が出るたびに行うことが一般的です。それぞれの退職者からのフィードバックを組織改善に役立てることができるので、なるべく全ての退職者に対して実施することが望ましいからです。

    企業の規模や退職者の数によって、エグジットインタビューの頻度は異なります。例えば、大企業や従業員数が多い場合、年間に複数回のエグジットインタビューが実施されることになります。一方で、中小企業や従業員数が少ない場合は、例えば年間に数回程度となることが考えられます。いずれにせよ、退職者が現れる度に都度対応する方針を基本とすることが推奨されます。

    また、エグジットインタビューの実施頻度については、定期的に見直しを行い、必要に応じて調整することも重要です。企業の状況や環境の変化に応じて、エグジットインタビューのタイミングや方法を柔軟に変更することで、より効果的な運用が可能になります。


    面談時の質問例

    エグジットインタビューでよく使われる質問項目

    エグジットインタビューでは、従業員が退職する理由をより深く理解し、組織の改善点を見つけることが重要となります。

    よく使われる質問として以下のような内容があります。

    1.退職の理由について

    「退職を決意した主な理由は何ですか?」

     意図: 具体的な退職理由を把握し、企業が改善すべき点を明確にするため。

    「現職で満足していた点と不満だった点を教えてください」

     意図: ポジティブな面とネガティブな面の両方を理解し、企業の強みと課題をバランスよく評価できるようにするため。

    「退職を決定する前に、改善を試みたことはありますか?」

     意図: 従業員が退職を決断する前にどのような試みをしたのかを知ることで、職場のコミュニケーションや支援体制の評価につなげるため。

    2.職場の環境について

    「職場の環境やチームの雰囲気についてどう感じましたか?」

     意図: 職場の人間関係や雰囲気が退職にどの程度影響を与えたのかを理解するため。

    「どのようなサポートやリソースがあれば、より仕事がしやすかったと思いますか?」

     意図: 業務改善や従業員支援に必要な要素を具体的に把握するため。

    3.キャリアと成長について

    「この会社で得たスキルや経験で、特に価値があると感じたものは何ですか?」

     意図: 企業が提供できる成長機会や教育プログラムの評価を行い、今後の参考にするため。

    「将来のキャリアや目標に対して、現職がどのようにサポートできましたか?」

     意図: 従業員のキャリアパスと現職の一致度を評価し、キャリア支援の改善点を見つけるため。

    今あげた例のような質問は、従業員の退職理由や職場環境、キャリアの視点から企業の改善点を洗い出すことができるでしょう。ただし、例文をそのまま従業員にヒアリングするのではなく、従業員の状況に照らし合わせて使い分けすることで、効果的にインタビューを進めることができるでしょう。


    オープン質問とクローズ質問

    エグジットインタビューでの質問には、オープン質問とクローズ質問の両方を適切に取り入れることが大切です。

    それぞれの特性とバランスを理解することで、より深く従業員の本音を聞くことのできるなインタビューを実施できます。

    1.オープン質問

    オープン質問は、従業員に自由に考えを述べてもらうための質問形式です。これにより、従業員の深い洞察や感情、具体的な事例を引き出すことができます。

    従業員からの細部にわたる情報や感情を引き出し、本当の退職理由や感情を知ることに適しています。

     

    (例)

    「現職での最も印象的な経験を教えてください」

     意図: 具体的で感情に基づく経験を引き出し、職場のポジティブまたはネガティブな要素を理解するため。

    「あなたが退職を決意した際に、どのような要素が最も強く影響しましたか?」

     意図: 退職の決定要因を具体的に掘り下げ、より深い理解を得るため。

    2.クローズ質問

    クローズ質問は、回答が「はい/いいえ」や選択肢に限られた形式の質問です。これにより、具体的な情報や数字を短時間で収集することができます。

    クローズ質問をすることで、定量的な情報を簡潔かつ迅速に収集することができます。

    「会社の福利厚生には満足していましたか?」

     意図: 具体的な要素に対する満足度を簡単に評価するため。

    「退職前に上司や人事部に相談しましたか?」

     意図: 具体的な行動やコミュニケーションの有無を素早く確認するため。

    3.バランスの取り方

    オープン質問とクローズ質問をバランスよく組み合わせることで、インタビューのパフォーマンスを向上できます。

    まず、クローズ質問で基本的な情報を引き出し、その後にオープン質問で詳細な背景や感情を掘り下げるとよいでしょう。

    (例)

    クローズ質問: 「現職でのスキル向上は満足できるものでしたか?」

    オープン質問: 「そのスキル向上に関して、具体的にどのような点がよかったと思いますか?」

     

    エグジットインタビュー後のデータ活用

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    データの整理~分析

    エグジットインタビューから収集されたデータをただ保管するだけではなく、組織の健全性や改善策を見いだすために有効活用することが重要です。
    まずは、インタビューから得られた情報を系統的に整理しましょう。この段階では、退職者の意見や回答をカテゴリー別に分類し、共通点やパターンを見つける作業を行います。
    例えば、業務環境に関する不満やキャリアアップの機会についての意見など、複数の退職者から似たようなフィードバックが得られることが多いです。

    次に、整理されたデータの分析を行います。定量的なデータ(例えば、どのくらいの割合で特定の理由が挙げられているか)と定性的なデータ(具体的なコメントやケーススタディ)を両方考慮に入れることで、総合的な理解が深めることができ、組織内の課題や強い点が浮かび上げることができるでしょう。

    改善策の立案~実施

    データを分析した結果、具体的な課題や問題点が明らかになったら、次に行うべきは改善策の立案です。
    分析結果を基に、どのような具体的な取り組みが必要かを検討します。例えば、退職者の多くが「働き方の柔軟性欠如」を理由に挙げていた場合、リモートワークの導入やフレックスタイム制度の検討が必要となるでしょう。改善策を立案する際には、関連部署やチームリーダーを巻き込む必要があります。意見交換をしながら具体的なアクションプランを策定できないと、次の実施のプロセスが困難となってしまうからです。

    また、改善策の実施にはリソースや時間がかかることも多いため、段階的に進めるか、優先順位を付けて効果的に進行する方法を考える必要があります。そして改善策の実施後には、その効果をモニタリングし、必要に応じてさらなる調整や追加の対策を講じなければなりません。例えば、導入したリモートワーク制度が実際に退職率の低下や生産性向上につながっているかどうかを定期的に評価し、その結果に基づいて制度の改良を継続することが求められます。

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    ここまで、エグジットインタビューについて解説してきました。エグジットインタビューをやってみたい、という企業様も「何から始めていいかわからない」「やりたいが、稼働が割けない」といったこともあるでしょう。

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