データ可視化とは?目的やメリット、データ分析に役立つ可視化ツール(BI)まで解説

データ可視化とは?目的やメリット、データ分析に役立つ可視化ツール(BI)まで解説

データ可視化は、企業が保有する膨大なデータを視覚的に表現する手法です。
適切な手法で可視化すればデータの傾向を理解しやすくなり、ビジネス課題の発見や戦略の策定が容易になります。データドリブン経営の実現にも欠かせないデータ可視化ですが、具体的にどのような手順で進めるか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。


本記事ではデータ可視化の重要性やメリットのほか、グラフやヒートマップなどの可視化手法を活用例を交えて解説します。

データ可視化に役立つBIツールについても触れているので、データを最大限に活用したい企業はぜひ参考にしてください。

目次

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    データ可視化とは

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    データ可視化とは、企業が保有する膨大なデータをグラフやチャートといった視覚的な形式で表現する手法です。
    データビジュアライゼーションとも呼ばれ、数値やテキストなどのデータを意味のある情報に変換し、直感的に理解しやすくします。


    データは、単に蓄積されるだけでは価値を生みません。
    視覚的に表現することでデータのパターンや傾向が明確になり、意思決定の迅速化につながります。
    ビッグデータの活用が進む現代において、データの可視化はビジネスインテリジェンス(BI)の重要な要素のひとつです。


    データを可視化することで有益な情報を見い出しやすくなり、適切な戦略を策定できるようになるでしょう。 



    データ可視化はなぜ必要?ビジネスでの重要性を解説

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    現代のビジネス環境では日々膨大な量のデータが生成されており、従来の経験や勘に頼った意思決定では対応が困難になってきました。
    企業活動では売上や顧客動向など多くの情報をもとに意思決定を行いますが、膨大なデータを数値やテキストだけで確認するのは非効率です。


    データを可視化すれば、必要な情報を瞬時に把握し、適切な判断を下せるようになります。
    例えば、過去数年間の売上データをExcelの表で数値として確認する場合と折れ線グラフで見る場合では、理解のスピードが大きく異なるでしょう。
    ほかにもデータ可視化は、顧客行動の分析や市場トレンドの予測といった幅広い側面で活用可能です。
    企業の経営判断や戦略策定をスムーズにするためにも、データ可視化は欠かせないプロセスといえます。



    データ可視化の4つのメリット

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    企業がデータを最大限活用するには、データの可視化が欠かせません。データ可視化には以下のようなメリットがあり、企業の競争力向上にもつながります。


    ・意思決定のスピード向上
    ・課題の明確化と共通意識の醸成
    ・属人化の解消
    ・データドリブン経営の実現


    本章では、データ可視化によって得られる4つのメリットを詳しく解説します。



    意思決定のスピード向上

    データ可視化をすれば、複雑なデータセットでも瞬時に理解できるようになります。
    膨大な情報から重要な要素を素早く判断できるようになり、意思決定のスピード向上につながるのがメリットです。


    データ可視化では数値やテキストといったデータを定量的に示せるので、情報の比較や統合も容易になります。
    改善が必要な箇所を特定しやすくなるため、市場や顧客ニーズの変化にも迅速に対応できるでしょう。



    課題の明確化と共通意識の醸成

    データ可視化は課題の明確化につながり、組織全体における共通意識の醸成に寄与します。
    羅列された数値でデータを管理していると、各従業員の経験則に基づいてデータを活用してしまうケースも少なくありません。

    組織全体が異なる手法でデータを扱うことで、解釈にバラつきが生じ、意思決定の基準が統一されないこともあります。


    データ可視化によってわかりやすく整理しておけば、誰もが同じ基準で情報を理解できるようになるのが利点です。組織全体で共通認識を持てるので、部門間の連携を強化しつつ迅速な課題解決を図れるでしょう。



    属人化の解消

    データ可視化は、業務の属人化解消にも有効な手段です。
    複雑なデータを視覚的に表現できるので、専門知識がない従業員でもデータを適切に扱えるようになります。
    例えば、ベテラン社員が持つ経験則をデータ化してグラフやチャートで表現すれば、新入社員でも理解しやすくなるでしょう。
    組織全体での情報管理が容易になるので、業務の透明性も向上します。


    データ可視化で特定の個人に頼らない運用体制を構築しておけば、人材の異動や退職による影響を最小限に抑えられます。



    データドリブン経営の実現

    データドリブン経営とは、データに基づいて意思決定を行い、ビジネスの方向性を決定する経営手法です。
    経験や直感に頼らずに、客観的かつ論理的なアプローチで業務を遂行します。
    データ可視化をすれば、ダッシュボードを通じて常に最新の情報を共有することが可能になります。


    経営者や管理職がリアルタイムで企業の状況を把握できるので、データドリブン経営の実現につながります。
    また、予測分析を視覚化すれば、将来のトレンドや潜在的なリスクを事前に察知可能です。
    データドリブン経営の実現によって先手を打った戦略立案ができるようになるので、企業の競争力向上にも貢献するでしょう。


    関連記事|データ可視化で業績アップ!売上・顧客サポートの成功事例を解説



    データ可視化の代表的な手法と活用例

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    データ可視化には以下のようにさまざまな方法があるため、目的や対象データの性質に応じて選択することが重要です。


    ・グラフ・チャート
    ・ヒートマップ
    ・地図(マッピング)


    適切な手法でデータを可視化することで、データの傾向や異常値を直感的に把握しやすくなります。
    ここからはデータ可視化の代表的な手法を活用例とともに見ていきましょう。



    グラフ・チャート|数字のデータを視覚化

    グラフやチャートは、データ可視化の最も基本的な手法のひとつです。

    数値データを視覚的に表現することで、パターンやトレンドを簡単に把握できるようになります。

    グラフやチャートには以下のような種類があるので、データの特性や用途に応じて選択しましょう。 


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    例えば売上の推移を示す場合は、折れ線グラフを用いると増減の傾向を一目で把握できます。
    また項目間の比較には棒グラフ、全体に対する割合を示すには円グラフが有効です。

    より複雑なデータの関係性を示したい場合は、複数のグラフやチャートを組み合わせて可視化しましょう。



    ヒートマップ|Webサイトの分析

    ヒートマップは、データの分布や傾向を色の濃淡で視覚的に表現する手法です。

    Webサイトの分析に有効で、ユーザーの行動パターンを視覚的に把握できます。

    ヒートマップによる分析では、ユーザーの関心が高い領域を赤やオレンジ、あまり注目されていない領域を青や緑で示すのが一般的です。

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    「ページ内のどの部分がよくクリックされているか」「どのエリアが注目されていないか」を可視化できるので、LP(ランディングページ)の改善やCTAの最適化に役立ちます。

    データの相関関係や密集度を分析する場合は、ヒートマップと散布図を連携するのもおすすめです。



    地図(マッピング)|国や地域別のデータ可視化

    地図(マッピング)は、国や地域別のデータ可視化に有効な手法です。
    地域別の売上データや物流の動きなど、地理的な要素が関係する分野でのデータ分析に役立ちます。


    地図を使った可視化では、地域ごとのデータを色分けしたりシンボルの大きさで数値を表現したりするのが基本です。地図上にデータを示せるので、エリアによる傾向や分布を一目で把握できます。
    またGPSを活用すれば、道路交通情報の解析も可能です。
    交通量をリアルタイムで把握できるので、渋滞を避けた配送ルートの設定なども容易になるでしょう



    データ可視化の3ステップ

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    データ可視化を成功させるには、適切な手順を踏むことが重要です。
    単にデータをグラフやチャートに変換するだけでなく、データの整理や共有のプロセスを考慮すれば、より効果的な可視化が可能になります。
    ここでは、データ可視化の基本的な3つのステップについて説明します。


    1. 情報の集計・整理
    2. 集計データのグラフ化
    3. ダッシュボード形式でデータを可視化・共有



    情報の集計・整理

    データ可視化ではまず、必要な情報を収集・整理することが大切です。
    社内データベースやアンケート調査など、さまざまな情報源からデータを集めましょう。
    データを収集するときは、データの正確性や一貫性を確保するのがポイントです。
    データの重複や欠損値を取り除き、精度の高い情報を収集(データクレンジング)します。


    データクレンジングを実施しなければ、データを可視化した際に誤った結論を導き出すリスクがあるので注意が必要です。
    なお収集したデータを整理する際は、年齢別や製品別のようにカテゴリー別に分けておくと(データスクリーニング)、分析をスムーズに進められます。


    関連記事|データクレンジングとは?メリットや手法、やり方をわかりやすく解説 



    集計データのグラフ化

    データの収集と整理が完了したら、データをグラフ化しましょう。
    データを視覚的に表現することで、傾向やパターンを直感的に把握しやすくなります。


    グラフ化では、データの種類や分析目的に応じて適切な手法を選択することが大切です。
    各要素の相関関係を可視化するなら散布図、カテゴリーごとに比較するなら棒グラフのように、分析結果をわかりやすく伝えられる手法を選びましょう。
    また、情報の視認性を高めるには、グラフのレイアウトや色分けを工夫するのも重要なポイントです。


    例えば棒グラフや折れ線グラフでは、色のコントラストをつけて異なるデータ系列を区別すると比較が容易になるでしょう。



    ダッシュボード形式でデータを可視化・共有

    データ可視化の最終ステップでは、データをダッシュボード形式で可視化し、関係者と共有します。
    ダッシュボードとは、複数のデータをまとめて表示できる可視化手法のひとつです。
    データの全体像をリアルタイムで確認でき、業務の進捗管理や異常の早期発見に役立ちます。
    売上や在庫状況といったデータも一元管理して視覚化できるので、迅速な意思決定につながるでしょう。


    また、ダッシュボードを活用すれば、関係者全員に最新の情報を共有可能です。
    各部門が共通のデータをもとに議論を進められるので、組織全体におけるデータ活用レベルの向上が期待できます。



    データ可視化を成功させるポイント

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    データ可視化を成功させるには、以下3つのポイントを押さえておくことが大切です。


    ・データ可視化の対象や目的の明確化
    ・ニーズに合った可視化手法の選択
    ・データのサイロ化防止


    データを効果的に活用するためにも重要なポイントなので、事前に確認しておきましょう。



    データ可視化の対象や目的の明確化

    データ可視化を行う際は、まず「何のために可視化するのか」を明確にすることが重要です。
    目的が曖昧なままデータを可視化しても得られる情報が散漫になり、正しい意思決定につながらない可能性があります。


    同時に「どのような判断を下すためのデータなのか」「誰がデータを活用するのか」といった対象も明確に決めておくのがポイントです。
    データ可視化の目的は、単に情報を見やすくするのではなく、意思決定の質を向上させることにあります。
    適切な目的設定を行えばデータの収集や分析がスムーズに進み、より効果的な可視化を実現できるでしょう。



    ニーズに合った可視化手法の選択

    データ可視化の手法は、データの種類や分析の目的に応じて選ぶのがポイントです。
    誤った手法を選択するとデータの意味を正しく伝えられず、かえって誤解を招く可能性があります。


    例えば複数のカテゴリーデータを比較する場合は、棒グラフや積み上げ棒グラフなどカテゴリーごとのデータ比較に特化した手法が最適です。
    また、時間の経過によるトレンドを示す際に円グラフを使うと変化が見えにくいため、折れ線グラフや面積グラフを使うとよいでしょう。


    なおデータ可視化の手法を選ぶときは、見やすさと伝わりやすさを意識するのも重要です。
    可視化手法を適切に選択すればデータの持つ意味を正しく伝えられ、意思決定プロセスの効率化につながります。



    データのサイロ化防止

    データのサイロ化とは、部門ごとにデータが分断され、組織全体での共有が困難になる状態のことです。
    サイロ化が進むと部門間の連携が取れず、情報の一貫性が欠如したり重複した作業が発生したりする可能性があります。


    データのサイロ化を防止するには、リアルタイムで情報を共有できる仕組みを構築することが大切です。
    データ可視化ツールやクラウド型BIツールを導入すれば、異なる部門のデータを統合し、一元的な管理が可能になります。


    組織全体でデータを有効活用できるので、ビジネスの成長にも寄与するでしょう。



    Excelによるデータ可視化のデメリット

    Excelは手軽にデータ管理や分析を行えるツールですが、大規模なデータ分析や複雑な可視化には向いていません。具体的には以下のようなデメリットがあり、Excelに依存していると業務効率が低下するリスクがあります。 


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    Excelは手軽にデータを可視化できる反面、大量のデータ分析やリアルタイムでの共有においては限界があります。

    特にビッグデータの分析や組織全体でのデータ活用には適していないため、より高度で専門的なツールの導入が必要です。



    データ可視化にはBIツールの活用が有効

    BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)は、企業が保有するデータを収集・分析・可視化するためのツール群です。
    膨大なデータをリアルタイムに集計し、グラフやダッシュボードで視覚化できます。
    BIツールを使えば、自動で最新の情報を収集・更新できるのがメリットです。
    手作業によるデータ入力や更新の手間を削減し、正確かつ迅速な分析を実現できます。


    また、BIツールにはダッシュボード機能が備わっており、複数のデータソースの統合にも便利です。
    全体像を俯瞰して見られるので、組織全体での意思決定がスムーズになるでしょう。
    クラウドベースのツールであれば関係者全員が同時にデータを扱えるため、データのサイロ化を防ぎ、一貫した分析が可能になります。
    BIツールにはTableauPower BIなどさまざまな製品があるので、ツール選びで迷っている方はぜひ以下の記事も参考にしてください。


    関連記事|どのBIツールを選ぶ? Tableau、Power BI、Looker Studioの違いを比較表で解説!



    まとめ

    データ可視化とは、企業の膨大なデータを視覚的な形式に変換し、情報を直感的に理解しやすくする手法です。
    適切な手段で可視化すればデータの傾向を素早く把握し、効果的な経営戦略を立案できるようになります。

    データの可視化はExcelでも可能ですが、大規模なデータを扱うならBIツールの導入がおすすめです。
    BIツールには自動データ更新やダッシュボード機能が備わっており、より精度の高いデータ分析を実現できます。各種データとの連携も可能で、BIツール内でデータを一元管理できるのが特徴です。


    データ可視化はビジネスの意思決定を支える重要な要素なので、自社に合ったBIツールを選定しましょう。


    BIツールの選び方や導入方法に迷っている企業は、ぜひパーソルビジネスプロセスデザインの「BI/ダッシュボード設計・構築支援」の利用を検討してみてください


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