【営業部長向け】アカウント営業とは?売上を最大化する組織作りの方法

【営業部長向け】アカウント営業とは?売上を最大化する組織作り

「優秀な営業担当者に売上が偏り、組織としての成長に限界を感じていませんか?」
「価格競争から抜け出せず、利益率が思うように上がらない…」

もし、貴社の営業組織がこのような課題を抱えているなら、その解決の鍵は「アカウント営業」にあるかもしれません。
個人のスキルに依存したその場しのぎの営業活動では、不安定な市場で勝ち続けることは困難です。

この記事では、特定の顧客と長期的なパートナーシップを築き、売上を最大化する「アカウント営業」について、その本質から解説します。
さらに、明日から実践できる具体的な組織作りの方法まで、体系的にご紹介します。

短期的な売上を追いかける営業スタイルから脱却し、顧客と共に成長する、持続可能な収益基盤を築くためのヒントがここにあります。

目次

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    アカウント営業とは?基本から他の手法との違いまで解説


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    アカウント営業とは、特定の企業、いわゆる「アカウント」をターゲットとして定め、そのお客様と長期的で戦略的な関係を築き上げることで、お互いのビジネスの成長を一緒に目指していく営業スタイルです。
    これは、単に自社の製品やサービスを売り込むだけの活動ではありません。
    お客様の事業全体を深く理解し、経営上の課題や将来のビジョンまで共有する、まるで「ビジネスパートナー」のような役割を担うことが求められます。
    このアプローチで最も大切にされるのは、短期的な売上を追いかけることではなく、お客様の成功を全力でサポートすることです。
    その結果として、お客様が取引期間全体で自社にもたらしてくれる価値、すなわち「顧客生涯価値(LTV)」を最大化することを最終的な目的としています。
    例えば、ある企業のITインフラを任されたとしましょう。
    この場合、システム導入だけで終わるのではなく、3年後、5年後といった未来の事業拡大まで見据えた計画を考え、最適な解決策を提案し続ける、といった活動がアカウント営業の典型的な姿です。
    お客様一社一社と真摯に向き合い、信頼関係を土台とした継続的なお取引を目指すことこそ、この営業スタイルの本質と言えるでしょう。


    1-1. アカウント営業の基本的な考え方と目的

    アカウント営業の根底には「お客様の成功こそが、自社の成功につながる」という非常にシンプルな、しかし力強い考え方があります。
    そのため、営業担当者は目先の売上目標を追いかけるのではなく「担当するお客様が本当に抱えている課題は何か」「その事業をさらに成長させるためには、何が必要なのだろうか」という、お客様側の視点に立って物事を考えることが基本となります。
    その目的は、お客様にとって「この会社なしでは考えられない」と思っていただけるような、唯一無二の戦略的パートナーとしての地位を確立し、長期にわたって安定した取引関係を維持していくことです。
    このような関係を築くことで、一度きりの取引で終わることはありません。
    お客様の事業が成長するのに合わせて、現在お使いのサービスをより上位のものへ切り替えていただく「アップセル」や、関連する別の製品・サービスを追加でご提案する「クロスセル」といった機会が自然と生まれてくるのです。
    結果として、お客様一社あたりの取引額が継続的に増え、先ほども触れた「顧客生涯価値(LTV)」が最大化されていきます。
    これは、常に新しいお客様を探し続けなければならない営業スタイルとは対照的です。
    既存の優良なお客様との関係をじっくりと深めることで、安定的かつ持続可能な収益の土台を築くことを目指す、非常に戦略的なアプローチと言えるでしょう。


    1-2. ソリューション営業やルート営業との決定的な違い

    アカウント営業は、他の営業手法、特に「ソリューション営業」や「ルート営業」としばしば混同されがちですが、その目的や関わり方には明確な違いが存在します。
    まず「ソリューション営業」は、お客様が抱えている課題に対して、自社の製品やサービスを「解決策(ソリューション)」として提案する手法です。
    これはアカウント営業と似ている部分もありますが、ソリューション営業が主に対応するのは、お客様がすでに認識している「顕在化している課題」です。
    一方、アカウント営業はそこからさらに一歩踏み込み、お客様自身もまだ気づいていない「潜在的な課題」を発見したり、将来の事業戦略を共に創り上げたりすることまで視野に入れます。
    お客様のビジネス全体を広い視野で捉え、より長期的で包括的なパートナーシップを目指す点が、決定的な違いと言えるでしょう。
    次に「ルート営業」は、既存のお客様を定期的に訪問し、決まった製品の注文を受けたり、納品を行ったりするのが主な役割です。
    お客様との関係を維持する点では共通していますが、アカウント営業のように、お客様の経営戦略にまで深く関与することはほとんどありません。
    どちらかというと、決まった業務をこなす受動的な側面が強いのが特徴です。
    アカウント営業は、これらの営業手法の良い部分を取り入れつつも、より戦略的で長期的な視点を持ち、自ら積極的にお客様の未来に関わっていく「能動的な」営業スタイルなのです。


    なぜ今アカウント営業が重要?導入で得られる3つの大きなメリット


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    現代のビジネス環境において、アカウント営業の重要性はますます高まっています。
    市場が成熟し、多くの業界で製品やサービスが似通ってくる「コモディティ化(同質化)」が進む中で、価格の安さだけで競争に勝ち続けることは非常に難しくなりました。
    他社との違いを明確にし、持続的に成長していくためには、お客様との間に単なる「売り手と買い手」という関係以上の、強固なつながりを築くことが絶対に不可欠です。
    アカウント営業は、まさにこの課題に対する強力な答えとなります。
    お客様のビジネスに深く入り込み、戦略的なパートナーとして貢献することで、価格だけではない特別な価値を提供し、お客様から「選ばれ続ける」存在になることができるのです。
    短期的な成果だけを追い求めるのではなく、長期的な視点でお客様と真摯に向き合うこのスタイルは、安定した収益基盤を築くための重要な鍵と言えるでしょう。


    2-1. 顧客生涯価値(LTV)の最大化で安定した収益基盤を築く

    アカウント営業を導入する最大のメリットの一つが「顧客生涯価値(LTV)」の最大化です。
    LTVとは「Life Time Value」の略で、一人の顧客が取引を開始してから終了するまでの間に、自社にもたらしてくれる利益の総額を指す言葉です。
    アカウント営業では、お客様との長期的な信頼関係を築くことに全力を注ぎます。
    その結果、お客様は自社を単なる取引先としてではなく、自分たちのビジネスの成功に欠かせない大切なパートナーとして認識してくれるようになります。
    このような関係が築けると、既存サービスの継続利用はもちろんのこと「もっと上位のプランにしたい」「関連する別のサービスもお願いしたい」といった、より高単価な契約につながるアップセルや、他の商材も合わせて契約してくださるクロスセルの機会が格段に増えるのです。
    一般的に、新規顧客の獲得には既存顧客を維持するコストの5倍かかるとも言われています。
    このことからも、LTVを高めることは、広告宣伝費などのコストを抑えつつ、効率的に売上を伸ばし、安定した収益基盤を築く上で、きわめて効果的な戦略なのです。


    2-2. 顧客との強固な信頼関係がもたらす解約率の低下

    お客様との間に築かれた強固な信頼関係は「解約率(チャーンレート)」を大幅に低下させるという、非常に大きな効果をもたらします。
    もし、製品やサービスの機能、あるいは価格の安さだけでお客様とつながっている場合、競合他社から少しでも条件の良い提案があれば、お客様は簡単に乗り換えてしまう可能性があります。
    しかし、アカウント営業を通じてお客様のビジネスを深く理解し、課題解決に向けて共に汗を流すパートナーとしての関係ができていれば、話は全く別です。
    「この担当者は、私たちのことを誰よりも理解してくれている」といった、数字では測れない「情緒的な価値」が、お客様をつなぎとめる強力な力となります。
    このような特別な関係性があれば、多少の価格差で他社に乗り換えるという判断にはなりにくく、長期的に取引を継続してもらえる可能性が飛躍的に高まるのです。
    ビジネスの安定性を測る上で、解約率の低さは非常に重要な指標であり、アカウント営業は、その改善に直接的に貢献する有効な手段と言えるでしょう。


    2-3. 顧客の課題解決パートナーとしての地位確立

    アカウント営業を実践することで、あなたの会社は単なる「もの売り」から脱却し、お客様にとってなくてはならない「課題解決パートナー」としての地位を確立できます。
    この営業スタイルでは、お客様の業界全体の動向、競合他社の動き、さらには社内の人間関係や力学といった内部情報まで、深く把握することを目指します。
    その結果、お客様自身でさえまだ気づいていないような潜在的な課題や、将来起こりうるリスクを先回りして指摘し、その解決策を具体的に提案することが可能になります。
    このような提案を継続的に行うことで、お客様からの信頼は絶大なものとなり「何か困ったことがあったら、まずあの会社に相談しよう」と一番に思い出してもらえる「第一想起」の存在になることができるのです。
    このパートナーとしての地位を確立できれば、競合他社との無意味な価格競争から抜け出し、自社の専門性や提案力を正当に評価してもらえるようになります。
    これは、会社の利益率の向上はもちろんのこと、営業担当者自身のやりがいやモチベーションアップにもつながる、非常に価値のある大きなメリットと言えるでしょう。


    成功に導く!アカウント営業の具体的な進め方と組織作り


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    アカウント営業を成功させるためには、個々の営業担当者の頑張りだけに頼るのではなく、しっかりとした戦略的な計画と、組織全体での取り組みが絶対に不可欠です。
    まずは、どの顧客を重要なターゲットとして選定し、どのようなアプローチで関係を深めていくのかを具体的に描く「アカウントプラン」の作成が、すべての始まりとなります。
    そして、その計画を実行に移すためには、担当者にどのようなスキルが求められるのかを明確にし、計画的に育成していく必要があります。
    さらに重要なのは、アカウント営業は決して一人の力で完結するものではないということです。
    営業部門だけでなく、技術部門、マーケティング部門、カスタマーサポート部門といった関連部署が一体となってお客様を支援する体制を構築することが、成功の鍵を握っています。
    ここでは、アカウント営業を軌道に乗せるための具体的な進め方と、それを力強く支える組織作りのポイントについて、一つひとつ順を追って詳しく解説していきます。


    3-1. 成果を出すアカウントプランの作成手順4ステップ

    アカウント営業における羅針盤の役割を果たすのが「アカウントプラン」です。
    これは、特定の顧客に対して、中長期的(例えば1年後、3年後)にどのような関係を築き、どのようにして売上を拡大していくかを定めた、非常に詳細な計画書を指します。
    感覚的な営業活動から脱却し、戦略的に成果を出すために、以下の4つのステップで作成を進めましょう。
    まず「ステップ1:情報収集と分析」です。
    顧客の公式サイトやIR情報はもちろん、業界ニュースや日々の対話から、事業内容、経営課題、組織図、キーパーソンといった情報を徹底的に集め、現状を深く分析します。
    次に「ステップ2:目標設定」。
    1年後、3年後の売上目標や「経営層へ直接提案できる関係を築く」といった関係性のゴールなど、具体的で測定可能な目標を明確に立てます。
    そして「ステップ3:戦略とアクションプランの立案」。
    設定した目標を達成するために、どの製品を、いつ、誰に、どのように提案するのか、具体的な行動計画にまで落とし込みます。
    最後に「ステップ4:実行と評価・改善」です。
    計画に沿って行動し、定期的に進捗を確認します。
    市場や顧客の状況変化に応じて、プランを柔軟に見直していくPDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回し続けることが重要です。
    このプランがあることで、チーム全体で目線を合わせ、一貫性のあるアプローチが可能になります。


    3-2. アカウント営業担当者に求められる必須スキルとは

    アカウント営業を担う担当者には、従来の営業担当者とは一線を画す、高度で多岐にわたるスキルが求められます。
    まず最も重要となるのが、お客様のビジネスモデルや業界の構造を深く理解し、まるで経営者と同じ視点で物事を考えられる「ビジネス理解力」です。
    これに加えて、お客様との対話や収集した情報の中から、まだ表面化していない課題やニーズを掘り起こす「課題発見・仮説構築力」も絶対に欠かせません。
    さらに、アカウント営業は長期的なプロジェクトになることが多いため、多くの関係者を巻き込み、計画を力強く推進していく「プロジェクトマネジメント能力」が不可欠です。
    例えば、技術部門や開発部門と連携して複雑な提案をまとめたり、導入後のフォローアップを主導したりと、その役割は多岐にわたります。
    そして、すべてのスキルの土台となるのが、お客様企業の経営層から現場の担当者まで、様々な立場の人と深い信頼関係を築くことができる「コミュニケーション能力」です。
    単に話が上手いというだけでなく、相手の話を真摯に深く傾聴し、本音を引き出す力が、最終的な成功を大きく左右すると言えるでしょう。


    3-3. 組織全体で取り組むための効果的な体制構築のポイント

    アカウント営業の成果を最大化するためには、営業担当者個人の力に頼るだけでなく、組織全体でお客様を支援する体制を構築することがきわめて重要です。
    そのためのポイントは大きく3つあります。
    1つ目は「情報共有の仕組み化」です。
    CRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)といったツールを活用し、お客様に関するあらゆる情報を一元管理します。
    これにより、関連部署の誰もが必要な情報にアクセスできる状態を作り、スムーズな引き継ぎが可能になり、組織としての知識やノウハウが蓄積されていきます。
    2つ目は「部門横断での連携体制」です。
    お客様の高度で複雑な要求に応えるため、営業担当者だけでなく、技術、開発、マーケティング、カスタマーサポートといった専門知識を持つメンバーがチームを組んで提案を行う「チームセリング」を推進します。
    これにより、一人の担当者では難しかった提案も可能になり、提案の質が格段に向上します。
    3つ目は「長期的な視点での評価制度」です。
    短期的な売上目標だけでなく、顧客満足度の向上やLTV(顧客生涯価値)の伸長といった、アカウント営業の本質に沿った指標を評価制度に組み込みます。
    これにより、担当者が目先の成果に追われることなく、腰を据えてじっくりとお客様と向き合える環境を整えることが成功の鍵となります。


    アカウント営業を自社に導入し、持続的な成長を実現する


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    アカウント営業は、お客様との深い関係性を築き、持続的な成長を目指すための非常に強力な手法ですが、どのような企業や商材にも万能というわけではありません。
    自社のビジネスモデルや取り扱っている製品・サービスの特性を見極め、アカウント営業が本当に自社にフィットするのかを慎重に判断することが、導入を成功させるための大切な第一歩となります。
    もし、自社がアカウント営業に向いていると判断できたなら、次に取り組むべきは、具体的な営業組織の設計です。
    どのような人材を配置し、どのような目標を設定し、どのようにチームを連携させていくのか。
    戦略に基づいた緻密な組織設計がなければ、せっかくの素晴らしい取り組みも、残念ながら絵に描いた餅で終わってしまいます。
    ここでは、アカウント営業の向き不向きを判断するための基準と、実際に組織を設計していく上で役立つ考え方についてご紹介します。
    これを参考に、ぜひ貴社の未来を切り拓く大きな一歩を踏み出してください。


    4-1. 商材や業界別に見るアカウント営業の向き不向き

    アカウント営業は、すべてのビジネスに適した万能薬ではありません。

    その効果を最大限に発揮できるかどうかは、取り扱う商材や業界の特性に大きく左右されます。
    一般的に、アカウント営業に「向いている」のは、ITシステム、広告代理店の年間契約など、お客様ごとに細かなカスタマイズが必要で、導入後も継続的なサポートが求められる高単価な商材です。
    これらの商材は、お客様のビジネスに深く関与する必要があるため、長期的な関係構築が不可欠となり、アカウント営業の考え方と非常に相性が良いのです。
    一方で「向いていない」とされるのは、文房具や食品といった日用品など、単価が低く、不特定多数のお客様に同じ商品を販売する、いわゆる「薄利多売」モデルの商材です。
    これらの場合、一社一社のお客様に多くの時間や労力といったリソースを投下することは、コストの観点から非効率になりがちです。
    ただし、BtoB(企業向け)ビジネスであれば、多くの業界でアカウント営業の考え方を応用することが可能です。
    自社の商材が、お客様との長期的な関係構築によってさらに価値が高まるものかどうか、という視点で見極めることが重要です。


    4-2. 営業組織の設計に役立つフレームワーク

    ここまでアカウント営業の重要性や具体的な進め方について解説してきましたが、いざ自社に導入しようとすると「一体何から手をつければ良いのか分からない」「自社に合った組織体制が具体的にイメージできない」といった壁に突き当たることも少なくありません。
    アカウント営業を成功させるためには、戦略に基づいた緻密な営業組織の設計が不可欠です。
    そこで今回、貴社の営業組織改革を力強くサポートするため、具体的な組織設計に役立つ「営業組織業務設計フレームワーク」をまとめた特別資料をご用意いたしました。
    この資料では、営業チームの作り方、目標設定(KGI/KPI)の具体例、情報共有を円滑にするための仕組みづくりなど、すぐに実践できるノウハウを体系的に、そして分かりやすく解説しています。
    自社の現状を客観的に分析し、持続的な成長を実現するための最適な営業モデルを構築する第一歩として、ぜひこの機会に下記より資料をダウンロードしてご活用ください。

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