背景
東京都が推進する環境・省エネルギー分野における事業の運営を担い、事業者と消費者をつなぐサービスを提供する東京ゼロエミポイント運営事務局様
東京都様より家庭用の省エネ事業の事務局業務を受託されていました。常に安定した運用が求められるなか、限られたリソースでいかに品質を保ち、より高いパフォーマンスを発揮できるかという「生産性の向上」が常に追求すべき大きなテーマとなっていました。しかし、コールセンターの事務効率化を推し進める一方で、単に自動化だけを追い求めてしまうと、事業者や都民との大切な「コミュニケーション不足」を招いてしまう懸念がありました。「効率向上から導かれる品質の安定」という永遠の課題に対し、丁寧な顧客応対を維持しながらも、実務を効率化できる新たな仕組みの構築を模索されていました。
具体的な課題
市場の既存ツールでは困難だった、高度なフリー対話の実現が課題に
コールセンター運営においては、事業の申請に関する様々な手続きに関する入電数が膨大になることが予測されていました。複雑な要件をすべてオペレーターが受ける体制ではリソースが逼迫するため、これらを解決するトークフローの構築が急務となっていたのです。
そこで、自動化できる領域を見極めつつ、「人でないと対応が難しいコミュニケーションはオペレーターにつなぎ、そのほかは最先端のボイスボット(AI音声応答)に任せる」という役割分担を軸に、最適なサービス設計を検討。そこにパーソルビジネスプロセスデザインが参画し、三者間で緊密に連携しながら、実務に最適化されたボイスボット運用支援サービスの構築を進めていきました。
パーソルビジネスプロセスデザインからのご提案
アナログ運用の信頼実績を土台にしたハイブリッド設計のサービスを提供
東京ゼロエミポイント事務局様がこれまで築き上げてきた「丁寧で確実なアナログ運営の実績」という最大の強みを活かし、その土台の上に先進的なAI技術を積み重ねる設計にこだわりました。
入電件数の多い、申請取下げに関しては、一方的な会話で成立することが多いことに着眼しました。
そこで、具体的には、事業者の情報と申請内容を確認し、その申請内容と照らし合わせて状態を確認し、申請取下げの処理を行う、といった役割をボイスボットに担わせることで、AIが顧客の要件を適切に整理・判断します。この一次対応を自動化することで全体の業務プロセスを効率化させ、真に対応が必要なコア業務に人間が注力できる運用体制を目指しました。
また、テスト運用(PoC)では、実務に即したリアルな課題の抽出にも注力。どのようなケースで事業者が迷うか、どのタイミングで離脱するかといった点を検証しながら、トークフローの改善・修正・再テストを徹底的にくり返し、本番運用へ向けた盤石な技術・運用土台を磨き上げました。
実施成果と今後の展望
事業者が「違和感なく対応できる」高い完成度と品質の安定
東京ゼロエミポイント事務局様にとって、ボイスボットを活用したコールセンター運営は初の試みだったため、手探りで設計を行いました。しかし、事前に緻密なシナリオ設計とテスト運用を重ねたことで、事業者からの目立ったクレームや混乱を生むことなく、スムーズに運用移行を実現しました。
また、従来のように1人月単位の固定的な人件費に依存する運営体制から脱却し、アナログ業務を含めた全体の処理効率が劇的に向上。結果として、非常に優れたコストパフォーマンス(全体事務費・運用費の最適化)を実現しました。
現在は「特定の申請取り下げ」という単一のタスクに絞ってボイスボットの運用をスタートしていますが、今後は応対できる要件を拡大し、役割や機能のさらなる向上を目指していきます。