ダイレクトソーシング(DS)とは?
近年、企業の人材採用において「ダイレクトソーシング(DS)」が注目を集めています。
ダイレクトソーシングとは、SNSや求職者登録サイトにおいて、企業の経営者や人事担当者が、求職者にスカウトなどの直接的なアプローチを行う方法です。
従来の採用方法は、求人広告や人材紹介などが一般的でしたが、労働人口の減少や求人倍率の上昇に伴い、「受け身」の姿勢では優秀な人材を確保することが難しくなりつつあります。
しかし、ダイレクトソーシングであれば、求職者登録サイトなどのデータベースから、求める人材を見つけ出すことが可能です。これは従来の「受け身」の採用方法とは対照的な、「攻め」の採用方法といえるでしょう。
ダイレクトソーシングのメリットとは?
ダイレクトソーシングの主なメリットには、以下の3つが挙げられます。
一つずつ見ていきましょう。
- 広告コストの削減
- ターゲットの拡大
- 求める人物像に近い候補者の獲得(マッチ率の向上)
メリット(1)広告コストの削減
一つ目のメリットは、広告コストの削減が見込める点です。
求人広告では採用に至らない場合でも、掲載した分の費用が発生してしまいます。また、人材紹介の多くは成果報酬制が多いですが、紹介料の相場は年収の30%ほどでに設定されているため、決して安価とは言えません。
一方で、ダイレクトソーシングはサービス提供企業により定額制・成果報酬制に分かれるものの、成果報酬制の場合は採用決定費の相場が「年収の15~20%」であるため、大幅にコストを抑えることができます。
メリット(2)ターゲットの拡大
二つ目のメリットはターゲットとなる人材を拡大することができる点です。
求人広告や人材紹介を利用する人は一定の転職意欲を持っている一方で、同時期に複数社に応募しているケースがほとんどでしょう。その場合、競合他社との競争に勝たなければならず、優秀な人材を取りこぼしてしまうということも考えられます。
その点、ダイレクトソーシングのデータベースに登録している方の中には「求人内容しだいで転職を検討している」という潜在層も存在しています。
このような潜在層に対しては、求人広告や人材紹介では接触することが難しく、ダイレクトソーシングというアプローチならではのメリットと言えるでしょう。
メリット(3)求める人物像に近い候補者の獲得(マッチ率の向上)
候補者に対して直接アプローチするダイレクトソーシングでは、事前に設定している人物像と近い候補者を採用できる可能性が高い傾向にあります。
求人広告の場合、自社が求める条件とは異なる人材からの応募も一定数来てしまうことは珍しくありません。また、応募数が多くなりますと、不合格の連絡などに割かなければならない工数が増えます。
人材紹介でも「求める人材像をしっかりと伝えたにもかかわらず、理想とは異なる人材を紹介される」という事態が考えられます。
その点、ダイレクトソーシングでは検索条件を細かく設定でき、事前に候補者の情報を確認した上でスカウトできます。つまり、仕組み的にマッチ率を向上させることが可能というわけです。
ダイレクトソーシングを実施する際の注意点
前項でご紹介したように、ダイレクトソーシングには多くのメリットがあります。
しかし、ダイレクトソーシングを実施していくにあたり、以下のような点に注意しておかなければなりません。
- 条件設定の幅が広いため、定期的な見直しが必要
- 候補者からの反応を得るには、表現力が必要
順番に解説します。
注意点(1)条件設定の幅が広いため、定期的な見直しが必要
ダイレクトソーシングでアプローチ対象を絞る条件は多岐に渡ります。
そのため、検索条件を幅広く設定してしまうことで、求める人材の絞り込みが困難になる場合があります。反対に検索条件を絞り込み過ぎると候補者が少なくなります。
自社の採用ペルソナに適した人材を見つけるための検索スキルがある程度求められる点に注意しておきましょう。
注意点(2)候補者からの反応を得るには、表現力が必要
ダイレクトソーシングはマッチ率が高いと前述しましたが、基本的に候補者からの反応・返信は少ない傾向にあるということを認識しておく必要があります。
例えば、SNSや求職者登録サイトからスカウトメールを送った場合、一般的に返信率は10~20%ほどと言われています。場合によっては、ほとんど返信が来ないというケールも想定しておく必要があります。
また、優秀な候補者ほど、多くのスカウトメールを受信しているでしょうから、そのような人材の目に留まり、返信をしたくなるようなスカウト文章を作成することが重要です。
担当者は、ライティングスキル、表現力を培う必要があるという点を考慮しておきましょう。
このようにダイレクトソーシングには検索や文章のスキルが求められるといえます。
社内に相応のスキルを備えた担当者がいればベストですが、そうでない場合は外部のダイレクトソーシングを専門に行っている会社へ依頼することも、選択肢に加えることをおすすめします。
ダイレクトソーシングは採用をどう変える
ダイレクトソーシングは採用をどう変える
労働人口の減少が今後もますます進んでいく中で、企業の採用活動はさらに厳しいものになっていくでしょう。
また、求人広告や人材紹介といった受け身の方法だけで採用活動を行っていくことは、ますます難しくなっていくことが予測されます。
その点、ダイレクトソーシングは、企業側のアクションによる「攻め」の採用方法です。
上述したように、運用を継続し効果を最大化させるためにはある程度の専門知識と経験が求められる方法ではありますが、その課題さえクリアできれば、低コストで優秀な人材を採用できる可能性は高まるでしょう。
ダイレクトソーシング代行ならパーソルビジネスプロセスデザインへ
「低コストで優秀な人材」を採用できる可能性を高くする、ダイレクトソーシングについてお分かりいただけたでしょうか。
パーソルグループでは、「doda Recruiters」「ミイダス」といったダイレクトソーシングのサービスを提供しています。日本最大級の人材データベースを活用した「攻め」の採用を、検討してみてはいかがでしょうか。
また、「ダイレクトソーシングを行えるほどのスキルを備えた担当者がいない」といったお客様向けに、パーソルビジネスプロセスデザインはダイレクトソーシングに特化した専門チームを編成し、以下をはじめとするサービスを提供しています。
- 人材要件に沿った候補者のサーチやターゲットリストの作成
- 候補者一人ひとりに合わせたスカウト文章の作成・送信業務
- 送信した候補者の管理や返信、応募への対応
- 面接日程の調整業務 etc.
一般的な人材の採用代行(RPO)サービスは、クライアントごとにプロジェクトチームを編成しますが、パーソルビジネスプロセスデザインの「ダイレクトソーシング支援サービス」では業務に応じてチームを編成しているため、専門性の高い知識を蓄積しているのが特長です。
きめ細やかなサービスで貴社の人材採用をサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。