CDPとMAの違いは?使い分けのポイントや併用のメリットを徹底解説

CDPとMAの違いは?使い分けのポイントや併用のメリットを徹底解説

「CDPとMAの違いは?」

「自社にはCDPとMA、どちらが向いている?」

 

このようなお悩み・疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

本記事ではCDPとMAの違いや各ツールでできること、使い分けのポイントなどをわかりやすくまとめています。CDPとMAについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

    もっと見る▼

    CDP・MAとは?

    まずは、CDPとMAの概要を見てみましょう。


    ツール 概要
    MA 顧客開拓に向けたマーケティング活動を自動化するためのツール
    CDP 企業が保有する顧客情報を収集・統合・分析できるプラットフォーム

    以下では、それぞれの特徴について解説します。


    MAとは

    MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)は、顧客開拓に向けたマーケティング活動を自動化するためのツール

    メール配信やフォーム作成、スコアリングといったマーケティング活動を自動化できるのが特徴です。

     

    人の手で作業していた業務を自動化することで、より効果的・効率的なマーケティング活動を実現できます。

     

    ●      HPからホワイトペーパーをダウンロードしたリード顧客に対して、フォローアップメールを自動で送信

    ●      特定のスコアを超えたリード顧客に関して、営業連携のアラートを出す

     

    MAを使えば、上記のような施策をシナリオに沿って自動で展開できます。


    CDPとは

    /img/sample/dummy.jpg

    CDP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)とは、

    企業が保有する顧客情報を一元的に収集・統合し、分析まで行える仕組みのことです

     

    購入履歴や問い合わせ内容、サイト上での行動記録など、さまざまな種類の情報を組み合わせて活用できます。

    見込み客も含め、広範な顧客データを対象にしている点が特長です。

     

    例えば、以下のようなシーンで活用できます。

     

    ●      ある商品を購入した顧客の傾向を分析し、似たような行動をするユーザーに対してマーケティング施策を展開する

    ●      過去の取引データをもとに、再購入の可能性が高い顧客を抽出する

    ●      ECサイトでの閲覧・購入履歴と実店舗での購買履歴を統合し、パーソナライズ化したレコメンデーションを提供する

     

    CDPについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

     

    関連記事|CDPとは?機能やメリット、マーケティング上の意味をわかりやすく解説


    CDPとDMPの違い

    CDPと混同されやすいツールにDMP(Data Management Platform:データ・マネジメント・プラットフォーム)があります。

    システムの機能面では似たような構造ですが、使い方が目的に応じてよって定義されます。

     

    また、両者は、扱うデータの種類に違いがあります。


    ツール 扱うデータの種類
    CDP 自社で収集した1st Partyデータを扱う
    DMP 外部の匿名化された3rd Partyデータを扱い、広告などに活用

    CDPでは会員情報や購入履歴など企業独自の1st Partyデータを活用しますが、

    DMPではCookieを通じて収集された行動データなど外部の3rd Partyデータを活用することが特徴です。

     

    また、CDPは顧客の生涯を通して分析するため、データの保存期間に制限はありません。

    一方、DMPは広告のターゲティングをメインに使用するため、長くて半年程度の保存期間となっている場合が多いです。

     

    なお、両者の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

     

    関連記事|【2024年】CDPとDMPの違いとは?CDPの仕組みや特徴を解説


    CDPとCRMの違い

    CRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップ マネジメント)も、CDPと混同されやすいツールのひとつです。


    ツール 概要
    CDP 企業が保有する顧客情報を収集・統合・分析できるプラットフォーム
    CRM 既存顧客との関係性を一元管理するためのプラットフォーム

    CDPとCRMのいずれも、顧客データを収集・管理・分析できる点は共通です。

    ただし、CDPが既存顧客だけでなく見込み客も広くカバーできるのに対し、CRMは主に既存顧客の管理に特化しています


    関連記事|CDPとCRMの違いは?比較表や使い分けのポイントをわかりやすく解説


    【比較】CDPとMAの違い

    CDPとMAはいずれも顧客データを起点としたマーケティング基盤ですが、役割や活用方法に違いがあります。


    項目 CDP MA
    目的 顧客データの統合・分析 顧客に対する
    マーケティングアクションの自動実行
    扱うデータ オンライン・オフラインを含む多様なデータ 主にオンラインデータ
    活用フェーズ 顧客接点のすべてのフェーズ リードナーチャリング
    (見込み顧客の育成)がメイン

    CDPはあらゆる顧客データを集約・統合し、顧客理解を深めることを主な目的としています

    一方、MAは集約されたデータを活用し、あらかじめ設定したシナリオに基づいてアクションを実行する役割を担います。

     

    そのため、詳しくは後述しますが、「CDPかMAのどちらかを選ぶ」という発想にとどまらず、両者を組み合わせて活用することがおすすめです。

    CDP単体ではマーケティングの施策実行まではカバーしていないため、MAとの併用で施策を自動化することがポイントです。

     

    以下ではCDPとMAの違いについて、さらに掘り下げて解説します。


    目的の違い

    CDPは、点在している顧客データを一元的にまとめて、マーケティングに活かせるように分析することを目的としています

    集約された情報を分析することで、個々の顧客がどのような関心を持ち、どのように行動しているかが見えてきます。

     

    一方MAは、顧客へのアクションを目的としています。

    データやシナリオをもとに「誰に、どのようなアクションを、いつ行うか」を判別し、マーケティング活動を自動化することが役割です


    扱うデータの違い

    CDPでは、オンラインとオフラインのデータを統合できるのが特徴です。

    例えばPOSデータとの連携により、実店舗での購買履歴も組み合わせて管理できます。また、社内の各部門で個別に保有されているデータも、CDPなら一元管理が可能です。

     

    一方、MAで扱えるデータは、主にメールの開封・クリック履歴や、Webフォームへの入力内容、アクセス履歴などに限られます。


    活用フェーズの違い

    CDPでは、見込み顧客の育成からリピート顧客まで、あらゆるフェーズの顧客データを活用できます

    リード獲得やナーチャリング、クロージング、ロイヤル化など、一連のフェーズをサポートする基盤として役立ちます。

     

    一方、MAは主に見込み顧客の育成(リードナーチャリング)フェーズにおける自動化を強みとしていることが特徴です。


    MA単体でできること

    /img/sample/dummy.jpg

    次に、MA単体でできる、以下5点について紹介します。

     

    ●      顧客データの蓄積・管理

    ●      リードジェネレーション

    ●      リードナーチャリング

    ●      リードスコアリング

    ●      マーケティング施策の実行・評価


    顧客データの蓄積・管理

    MAでは、Web上の行動履歴や問い合わせフォームへの回答履歴など、主にオンラインで得た情報を管理できます。

    企業名、担当者の役職、業種などの属性情報はもちろん、過去の接点や履歴も紐づけて管理できるのが特徴です。

    マーケティングを実施する際に、より正確なターゲティングが可能です。


    リードジェネレーション

    リードジェネレーションとは、見込み顧客を創出するための取り組みです。

     

    MAでは、リードを獲得するための機能も充実しています

    例えば、ランディングページ(LP)の作成や、コンバージョンを促すフォームの設置、ダウンロード資料の提供などを実装できます。

     

    関連記事|リードジェネレーションとは?意味や代表的な手法6つ・実施ポイントを紹介


    リードナーチャリング

    リードナーチャリングにもMAを活用できます。リードナーチャリングとは「見込み顧客との関係性を深めて購入意欲を高めていくこと」です。

     

    MAでは、見込み顧客をフェーズに応じて「問い合わせあり」「資料送付済み」「商談予定」などの形でラベリングできます。

    ラベリングにより、次にどのようなアプローチを取るべきかが明確になるため、戦略を立てやすくなります。


    リードスコアリング

    MAツールでは、創出した見込み顧客に点数をつける「リードスコアリング」も可能です。

    スコアが一定の基準に達した時点で営業チームに通知したり、特定のアクションを自動実行したりするシナリオを設計できます。

     

    スコア設計はシナリオに基づいて行い、受注確度の高さに応じて点数を設定します。

    例えば、ホワイトペーパーのダウンロードは10点、より関心度の高いセミナーへの申し込みには30点を加点する、といった形で調整します。


    /img/sample/dummy.jpg

    マーケティング施策の実行・評価

    MAでは、設定したルールやシナリオに基づき、ターゲットごとに施策を自動で実行できます

    例えば、「資料をダウンロードした3日後にフォローメールを送信する」といったシナリオを構築しておけば、手動での対応が不要です。

     

    また、施策ごとの成果を可視化できるレポート機能も搭載されており、配信結果やユーザーの反応をもとに次の施策を見直せます

    PDCAサイクルを回すうえでも役立つ機能です。


    CDP単体でできること

    /img/sample/dummy.jpg

    CDP単体でできることは以下の3つです。

     

    ●      データの収集

    ●      データの統合・整形

    ●      データの分析


    顧客データの収集

    CDPは、あらゆるチャネルから顧客に関する情報を収集します

    顧客の性別、年齢、居住エリアといった基本属性はもちろん、以下のようなデータも集約できます。

     

    ●      ユーザー属性

    ●      Webサイト上での行動ログ

    ●      購買履歴

    ●      実店舗への来店履歴(POSデータとの連携)

    ●      メールマガジンにおける開封率やクリック率

    ●      コールセンターの対応履歴

    ●      外部システム内のデータ

     

    Webサイトへの訪問など、匿名状態でのアクションも記録できることが特長です。


    顧客データの統合・整形

    収集した情報を顧客IDに紐付けることで、個人のデータとして統合できます。

    例えば、Webサイト上での行動履歴とメールの開封履歴などを一人の顧客データとしてまとめることで、より詳細なプロファイルを作成できます。

     

    また、一部のCDPにはデータ整形機能が備わっており、情報の表記ゆれや重複、不足などを自動で補正してくれるものもあります。

     

    関連記事|データクレンジングとは?メリットや手法、やり方をわかりやすく解説


    顧客データの分析

    統合された情報をもとに、顧客の関心や傾向を分析できます

     

    例えば、ある商品を購入したユーザーの共通点を抽出し、類似の行動を取る層にアプローチすることも可能です。

    また、過去の行動から離脱しやすいタイミングを特定すれば、カスタマージャーニーの改善にもつながるでしょう。

     

    他にも、セグメント作成やレコメンド設計、Webサイトのパーソナライズ化など、CDPで分析したデータは幅広く活用できます。


    CDPとMAの使い分けポイント

    /img/sample/dummy.jpg

    以下では、CDPとMAを使い分ける際のポイントを紹介します。MA導入のみで良い企業と、CDPとMAの併用が向いている企業に分けて解説します。

     

    ●      MA導入のみで良い企業

    ●      CDPとMAの併用が向いている企業


    MA導入のみで良い企業

    MAの導入のみで効果が見込めるのは、チャネルが限定されていて、マーケティング活動の自動化や効率化をメインの目的とする場合です。

     

    例えば、BtoBモデルを採用している企業の多くは、顧客接点がWebサイトとメールに集中しています。

    SNSやアプリ、実店舗といったチャネルがないため、MAの機能だけでもリードの育成が可能です。

     

    また、目下の課題が以下のような場合も、まずはMAツールの導入が向いているでしょう。

     

    ●      リードナーチャリングを強化したい

    ●      施策の実行や効果測定を自動化したい


    CDPとMAの併用が向いている企業

    顧客接点が多様化していたり、データのサイロ化(※)に課題を感じていたりする場合は、CDPとMAの併用がおすすめです。

     

    ※データのサイロ化とは、部門ごとにデータが分断され、全社で一元的に活用できない状態のこと。

     

    例えば、Webサイトに加えてアプリや実店舗などでもデータを保有している場合、CDPでデータを統合する必要があります。

    そのうえで、MAを活用してマーケティングを実行すれば、顧客ごとに最適化されたアプローチを行えます。

     

    また、以下のような方針の場合も、CDPとMAの併用が向いているでしょう。

     

    ●      チャネルを横断した顧客データの活用がしたい

    ●      マーケティング施策のパーソナライズ化を進めたい

    ●      One to Oneマーケティングへの移行を目指している


    CDPとMAを併用するメリット

    /img/sample/dummy.jpg

    よりビジネスを強化するなら、CDPとMAの併用もおすすめです

    CDPとMAは役割が異なるため、「CDPで収集・分析したデータをMAで活用する」といった併用が可能です。

     

    ここでは、CDPとMAを組み合わせることで得られるメリットを紹介します。

     

    ●      収集データの種類が増える

    ●      より複雑なセグメンテーションに対応できる


    収集データの種類が増える

    MA単体では取得・統合が難しいクロスチャネルデータも、CDPを併用することでカバーできます。

     

    例えば、広告のクリック履歴やアプリ内の行動ログ、実店舗での購買履歴など、CDPと併用することで扱えるデータの種類が広がります。

    オンライン・オフラインを横断したデータを活用できれば、よりマーケティング施策の精度を高められるでしょう。


    より複雑なセグメンテーションに対応できる

    CDPで作成した高度なセグメント分析をMAに連携することで、顧客インサイトに基づいたマーケティング施策を実施できます

     

    例えば、「メールマガジンの特定カテゴリの記事に高い関心を示し、アプリでは関連商品を閲覧しているが未購入の顧客」など、複数チャネルの条件を組み合わせたターゲティングも可能です。MAを使えば自動でメール配信を行えるため、施策を実行する際の手間もかかりません。

     

    従来のような一括配信に加えて、顧客ごとの行動や興味関心に基づいたアプローチが行えるため、顧客との関係性を深めやすくなります。


    まとめ

    本記事では、CDPとMAの違いについて解説しました。

     

    CDPとMAはいずれも企業のマーケティング活動の向上に役立つツールです。

    しかし、CDPが顧客データを集約・統合・分析する役割を果たすのに対して、MAではCDPで得たデータからマーケティング施策を自動実行するのが主な役割です。


    なお、パーソルビジネスプロセスデザインでは、CDP(Treasure Data)やMAの導入を支援しています。

    専門の資格や知識を持つコンサルタントが丁寧にサポートするので、導入を検討している方はぜひお問い合わせください。

     

    >>【Treasure Data CDP】PoCサービス概要資料
    >>マーケティングオートメーション導入・活用支援


    このページをシェアする

    • Xシェアボタン
    • Facebookシェアボタン
    • Linkedinシェアボタン