会議お役立ちコラム
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良いファシリテーション
投稿日:2023年7月20日

目次
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経営会議は組織内で重要な意思決定が行われる場です。
多くの企業で課題なのが、円滑な進行や建設的な議論を行うことが困難になるという点があります。
そこで、ファシリテーションの役割が重要になってきます。
ファシリテーションとは、会議を円滑に進めるための技法であり、意思決定の質を向上させる重要な要素です。
会社にとって最高レベルの会議である経営会議においては、特に高い効果が期待されます。
今回は経営会議におけるファシリテーションの課題や影響、そして良いファシリテーションのポイントについて詳しく解説していきます。
1. ファシリテーションの概要
ファシリテーションは、会議やミーティングなどのグループ活動を円滑に進めるための技法です。
その主な役割は、会議出席者の関与を促し、意見やアイデアを引き出すことです。
ファシリテーター(ファシリテーションを担当する人)は、会議やミーティングの進行をサポートし、会議出席者が集中しやすい環境を整えることも認識する必要があります。
また、グループのメンバーと協力して目標を達成するために、会議の進行方法を決定しなければなりません。
出席者全員が平等に発言できるような雰囲気を作り出し、議論が偏らないように注意することも大切です。
また、異なる意見や視点を尊重し、有益なディスカッションが行われるように導きます。
ファシリテーションの手法の一つには、アイスブレイク活動を通じて参加者同士の緊張をほぐし、コミュニケーションを促進する方法があります。
また、グループの意見をまとめるような場合は、マインドマップなどの視覚的なツールを使用することも効果的です。
ディスカッションの進行を助けるために、ファシリテーターは適切な質問を投げかけたり、要約したりすることも必要です。
さらに、ファシリテーターが中立的な立場を保ち、意見の対立や軋轢をうまく調整することで、より円滑なプロセスが実現されることとなります。
2. 会議におけるファシリテーションの課題

会議におけるファシリテーションに関する実態として、会議の出席者の約半数がファシリテーションに課題があると感じている調査結果があります。
この調査結果は、会議におけるファシリテーションの重要性と、理想的なファシリテーションが行われてない実態を示し、理想と現実が乖離していることを示唆しています。
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ファシリテーションの影響
良いファシリテーションが会議運営に与える影響は計り知れません。
ファシリテーションがうまくいかない場合、議論が拡散し、結論が出せないという問題が生じます。
また、意見の対立や情報の欠如がもたらす混乱を避け、効果的な意思決定を促進するためには、優れたファシリテーターの存在が不可欠です。 -
良いファシリテーションとは
良いファシリテーションは、円滑な意思決定を行うために出席者が意見を出し合い、建設的な議論ができるような会議を実現することです。
ファシリテーターは、会議の進行を円滑化し、参加者のコミュニケーションを促進する役割を果たさねばなりません。
そのためには、適切なファシリテーション技術やスキルを持ち合わせた人物がこの役割を担うことが必要です。
良いファシリテーションは、出席者全員が積極的に議論を重ねて意見を出し合い、意思決定に向けた一体感を醸成することができる環境のことを指します。
3. 良いファシリテーションのポイント

3-1. 全員が発言しやすい雰囲気を作る
良いファシリテーションの第一のポイントは、会議出席者全員が発言しやすい雰囲気を作ることです。
出席者が自由に意見を出し合い、活発な議論が行われる環境を整えるためには、以下のような具体的な工夫が効果的です。
まず、会議の冒頭に「よもやま話」を入れることで、参加者同士の距離感を縮めます。
軽いトークや雑談を通じてリラックスした雰囲気を醸成し、参加者が打ち解けやすくなります。
また、全員に必ず意見を聞くことも重要です。
発言機会を均等に配分し、特定の意見や声が抑えられることなく多様な視点や知見が共有されるようにします。
ファシリテーターは積極的に参加者の発言を引き出し、意見を尊重する姿勢を示すことで、参加者が自信を持って発言できる環境を作り出すことも大事な任務です。
さらに、参加者同士のコミュニケーションを促進するために、グループディスカッションやペアワークなどの小グループ活動を取り入れることも有効です。
小さなグループでの意見交換や共同作業によって、参加者がより積極的に発言しやすくなり、個々の声がより大きな議論に反映される機会が増えます。
3-2. 参加者の意見を事前に収集する
会議前に参加者の意見を事前に収集することは、良いファシリテーションのポイントです。
事前の意見収集によって、会議内での議論の拡散を防ぎ、必要最小限の議論で意思決定ができます。
以下では事前の意見収集が行われた場合と行われなかった場合の比較を説明します。
3-2-1. 事前に意見収集ができているとき
出席者の意見や提案を事前に把握することで、会議の議題や論点を明確に整理することができます。
事前に収集された意見は、会議の進行に役立ちます。
よって議論の焦点が明確になり、時間を有効に使いながら効果的な意思決定ができます。
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当日の事前説明が不要
参加者の意見が事前に収集されているため、会議の開始前に長い説明や情報共有を行う必要がありません。
事前の資料や意見を共有することで、会議の時間をより有益に活用できます。 -
事前に不足内容を補える
事前の意見収集によって、参加者からの情報や視点の不足が明らかになった場合、補足的な情報を事前に用意することができます。
これにより、会議中に情報不足や誤解が生じるリスクを減らし、意思決定がしやすい状況が作り出されます。
3-2-2. 事前に意見収集ができていない場合
逆に事前に意見収集ができていない場合には、以下のような課題が生じる可能性が高くなります。
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議論が拡散し結論が出ない
参加者の意見や提案が会議中に初めて出されるため、話題が広がったり横道に逸れてしまい、議論が拡散して結論に至るまでの時間がかかる場合があります。
有能なファシリテーターでも、話題が広がってしまうと元に戻すのに労力を要します。 -
説明の時間が長くなる
参加者に対して提案内容の説明や情報共有が会議の場で一から必要になるため、会議の時間が長くなってしまいます。
長時間に及ぶ会議は出席者の集中力も低下させてしまいます。 -
情報不足で判断ができない
参加者が会議前に情報や意見を持っていない場合、十分な情報に基づいた判断や意思決定をすることが難しくなります。
その結果、最終決裁者である社長などが適切な判断を下すため、会議後に持ち帰って検討するようなことも発生すると、決定が後ろにずれこんでしまいます。
3-3. 会議の冒頭と終わりの時間を有効に使い全員で意思決定を進める
良いファシリテーションの重要なポイントとして、会議の冒頭と終わりの時間を有効に活用し、全員で意思決定を進めるという点もポイントです。
まず、会議の冒頭10分を活用することで、未完了のタスクや進捗状況の確認を行います。
参加者は自身の担当事項や進捗状況を報告し、決定事項の進行状況を共有します。
このような確認作業によって、問題や課題を早期に把握し、迅速な対応が可能です。
また、会議の終了10分を活用して、会議内での決定事項や確認事項の確認を行います。
参加者は自身が担当する事項やTODOリストを確認し、決定事項を明確にします。
全員で確認を行うことで、漏れや不明確な点を防ぎ、意思決定の精度とスピードを向上させることもできます。
会議の冒頭と終わりの時間を有効に使うことで、より効果的な会議運営と意思決定プロセスが実現されます。
4. 会議改善を行いやすい会議体とは
会議改善は、行いやすい会議体で模索しながら構築していくことが最適です。
まず、定例的な会議を活用して改善を実施することがベターでしょう。
定例的な会議では、準備時間が確保されているため、改善のための具体的な取り組みを計画しやすくなります。
また、継続的に改善を行うことで、会議の効果や効率を向上させることができます。
さらに定例的な会議での改善に加えて、報告会議の削減を目指すことも重要です。
報告会議は情報共有や報告の場として機能しますが、必要ない場合や短縮できる場合は、代替手段を検討することで会議の質を高めることができます。
例えば、事前の文書共有やコメントの活用、個別の報告メールなどを活用することで会議の必要性を見直し、改善の効果を高めるなどの工夫も必要です。
これらの取り組みによって、会議改善を行いやすい会議体を構築することができます。
定例的な会議を通じて改善を進め、報告会議の削減や代替手段の活用によって効率を高めます。
より効果的で生産的な会議環境を整えることで、参加者の満足度や成果にもつながる期待もあります。
会議体の改善は、持続的な企業の変革と適切な意思決定の促進に向けた重要な一歩です。
5. 良いファシリテーションの効果とメリット
良いファシリテーションは、経営会議において多くの効果とメリットをもたらします。
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建設的な議論と意思決定の促進
良いファシリテーションによって、建設的な議論と意思決定を促進することができます。
ファシリテーターは出席者の異なる意見や視点を尊重し、公平な議論の場を作ります。
出席者が自由に意見を述べる雰囲気が出来れば、新たなアイデアや解決策も生まれやすくなります。
また、ファシリテーターは議論の進行を促進し、意見の飛躍や無駄な論争を避ける役割を果たす必要もあります。
これにより、効果的な意思決定が行われます。 -
参加者の積極的な参加と意欲の向上
良いファシリテーションは、出席者の積極的な参加と意欲の向上につながります。
ファシリテーターは参加者の声を尊重し、参加意欲を高めるための環境を作ります。
また、参加者が自分の意見やアイデアを主体的に出すことで、自己表現や自己肯定感を高めることもできます。
これにより、参加者の意欲や貢献度が向上し、より有意義な会議が行うことが可能です。 -
時間とリソースの効率的な活用
良いファシリテーションは会議の時間とリソースを効率的に活用することもポイントです。
ファシリテーターは議論を適切に導き、無駄な議論や時間のロスを最小限に抑えることも念頭に置いておかねばなりません。
また、意思決定のプロセスをスムーズに進めることで、迅速な意思決定を実現します。
これにより、組織の生産性や効率性が向上し、時間とリソースの浪費を減らすことができます。 -
チームの一体感と信頼関係の構築
良いファシリテーションはチームの一体感と信頼関係の構築に寄与します。
ファシリテーターは出席者の声を平等に聞き、意見やアイデアを尊重します。
このような環境の中で議論が進むと、出席者間でコミュニケーションがとれ、信頼関係アップにもつながります。
信頼関係が構築されると、参加者は自由に意見を交換したり、チームメンバーと協力したりすることができます。
また、ファシリテーターは会議出席者がお互いを理解し合うための配慮も必要です。
これにより、チーム全体の一体感が高まり、より会議の効率が上がることは必至です。 -
解決策の質の向上
ファシリテーターは議論の中で参加者から多様な意見や視点を引き出し、それらを統合することでより良い解決策を見つける方向に導かねばなりません。
議論が適切にファシリテートされると、参加者はより多くの情報を共有し、問題解決に向けたアイデアを出し合うことができます。
従ってファシリテーターは、議論の焦点を明確にし、意見の対立や困難な局面を乗り越えるための手法を提供することも必要です。
これにより、より優れた解決策が導き出される可能性が高まります。
ファシリテーションは、参加者の能力や貢献を最大限に引き出し、集団の知恵を活用する手法です。
適切にファシリテートされた会議やグループ活動は、意思決定の質を向上させ、経営会議の成果を高めることに寄与することは必至です。
6. まとめ
良いファシリテーションは、経営会議において円滑な進行や建設的な議論を促進し、意思決定の質を向上させる重要な要素です。
ファシリテーションの役割は、会議出席者の関与を促し、意見やアイデアを引き出すことです。
良いファシリテーションを行うためには、出席者が発言しやすい雰囲気を作ることが重要です。
また、参加者同士の距離感を縮め、発言機会を均等に配分し、コミュニケーションを促進する工夫も必要です。
参加者の意見を事前に収集することで、会議の議題や論点を明確に整理し、議論の拡散を防ぐことにもつながります。
事前の意見収集は会議の効率化に寄与し、時間を有効に使いながら意思決定を進めることができます。
さらに、会議の冒頭と終わりの時間を有効に使い、全員で意思決定を進めることも重要です。
その他会議の冒頭ではリラックスした雰囲気を作り、参加者同士のコミュニケーションを促進することなども、ファシリテーターの行う配慮の一つです。
会議の終わりの時間ではまとめやアクションプランの策定を行い、会議の成果を確認することも忘れてはいけないポイントです。
良いファシリテーションは、経営会議において特に重要です。
効果的なファシリテーションを行うことで、円滑な意思決定や建設的な議論が実現され、組織の成果に寄与します。
ファシリテーターには適切な技法やスキルを持ち、中立的な立場で会議を進行し、参加者の関与と意見の多様性を促す役割を果たすことが求められます。