勤怠の改ざんは違法!従業員・企業側の不正対策について解説

勤怠の改ざんは違法!従業員・企業側の不正対策について解説

勤怠の改ざんは決して他人事ではありません。「従業員のため」と考えた残業時間の調整や、管理職が部署の評価を気にして部下に過少申告を指示してしまうケースなど、悪意なく行われた行為が、企業の存続を揺るがす重大なコンプライアンス違反に発展する可能性があります。もしあなたの会社で勤怠が改ざんされた事例が発覚した場合、その影響は金銭的な損失だけでなく、企業の信用失墜や従業員の士気低下にもつながりかねません。本記事では、勤怠改ざんの法的な定義から、改ざんが発生する具体的なケースや根本的な再発防止策まで、担当者・従業員の二つの視点で解説します。この記事が、あなたの会社の勤怠管理体制を見直し、労務リスクを未然に防ぐ一助となれば幸いです。

目次

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    1. 勤怠改ざんの定義とは?違法行為の具体例と法的側面

    勤怠改ざんとは、労働時間を実態と異なる形で記録・申告・修正する明確な違法行為を指します。これは単なる事務処理上の誤りではなく、労働基準法に抵触する重大な法律違反であり、労働者の正当な権利を侵害する行為です。企業には正確な労働時間記録の義務があり、労働者にはその記録に基づいた適切な賃金が支払われるべき法的権利があります。

    具体的には、以下のような行為が勤怠改ざんに該当します。

    • タイムカード打刻後に業務を指示し、退勤時間を手書きで修正させる。
    • 実態より短い/長い労働時間を故意に入力する。
    • 遅刻したにも関わらず、同僚に代理打刻を依頼する(なりすまし打刻)。
    • 実態と異なる休憩時間を記録するよう指示/黙認する。
    • 出張中の移動時間や待機時間を意図的に勤務時間として計上しない。

    これらの行為は、意図せず行った場合や「従業員のため」という動機であったとしても、客観的事実を歪めるため許容されません。


    2. 企業が直面する4つの深刻なリスク

    勤怠改ざんが企業にもたらす法的、金銭的、行政的、人材流出のリスク

    勤怠改ざんが発覚した場合、企業は事業継続を揺るがす深刻なリスクに直面します。代表的な4つのリスクを具体的に解説します。

    刑事罰:労働基準法・刑法違反のリスク

    勤怠改ざんは、罰金や懲役が科される可能性のある犯罪行為に該当します。

    具体的には、賃金台帳の虚偽記載は労働基準法違反(30万円以下の罰金)、賃金不払いは同法違反(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)に問われます。さらに、タイムカードの不正書き換えなどは刑法第159条「私文書偽造等罪」(3月以上5年以下の懲役)が適用される可能性もあります。過去には、大手広告代理店の残業隠蔽事件で、法人と管理職が罰金刑に処された事例もあり、企業は刑事責任を問われる現実的なリスクを抱えています。


    金銭的損失:未払い残業代と付加金による財政的打撃

    勤怠改ざんは、本来支払うべき賃金の倍額にもなりうる、壊滅的な金銭的損失を企業にもたらします。

    未払い残業代は過去3年分(将来的には5年に延長される予定)の遡及請求が可能であり、悪質と判断された場合には労働基準法第114条に基づき、未払い額と同額の「付加金」の支払いを命じられる可能性があります。例えば、未払い残業代が500万円と認定されれば、合計で1,000万円の支払いを命じられることもあり、これは企業の資金繰りに深刻な影響を与える可能性があります。


    行政処分:労働基準監督署による是正勧告と企業の信用失墜

    勤怠改ざんが発覚すれば、労働基準監督署による立入調査(臨検)と「是正勧告」を必ず受けます。

    勧告に従い違反状態を改善し、その結果を報告する義務が生じ、これには多大な時間的・人的コストがかかります。勧告を無視した場合、刑事事件化のリスクが高まり、一度行政処分を受けた企業は労働基準監督署の重点監視対象となります。これにより、企業の社会的信用は大きく損なわれ、取引先や顧客からの信頼失墜にもつながります。


    人材流出:従業員エンゲージメント低下と組織の生産性への影響

    勤怠改ざんが横行する企業では、従業員の企業に対する信頼が失われ、結果として優秀な人材が会社を去っていきます。

    正当な労働が評価されないと感じることで、従業員の働く意欲(エンゲージメント)は著しく低下し、モチベーションの低下は生産性の低下に直結します。これにより、優秀な人材の流出や、それに続く「離職ドミノ」が発生し、企業に知識やノウハウが蓄積されにくくなります。常に採用・教育コストがかかる非効率な経営を強いられ、企業の競争力を根本から蝕む深刻な損失となります。


    3. 勤怠改ざんの具体例とは?【企業主導・従業員の不正】

    勤怠改ざんは、企業側の指示と従業員側の不正、大きく二つの側面から発生します。自社に潜む潜在的なリスクを特定するため、それぞれの具体的なケースとその背景を解説します。


    企業側が主導する改ざんの事例

    企業側の改ざんは、主に人件費コスト削減、労働規制逃れ、あるいは管理職の社内評価維持が動機となります。これらの背景には、企業が直面する厳しい競争環境や、部門ごとの目標達成プレッシャー、さらには労働関連法令への知識不足が潜んでいることがあります。


    ケース①:残業代削減を目的とした改ざん

    これは最も典型的な人件費削減を目的とした改ざんです。具体的には、以下のような手口が見られます。

    • 「サービス残業」の強要・黙認:定時でタイムカードを打刻させた後も業務を継続させたり、退勤後に業務を持ち帰らせたりする行為です。「会社の売上が厳しいから」「みんなやっているから」といった言葉で、従業員に協力を暗に求めるケースも少なくありません。これは未払い残業代の発生に直結します。
    • 残業申請の不許可・申請時間の修正実際の残業時間より短く申請するよう指示したり、申請された残業時間を管理職が勝手に修正して短くしたりします。企業側の勤怠システム設定で、一定時間以上の残業申請が自動的に却下される仕組みになっている場合もあります。
    • 休憩時間の不正操作:短時間しか休憩を取っていないにもかかわらず、システム上で1時間の休憩を強制的に計上したり、休憩中に業務を指示したりするケースです。

    これらの行為は、企業が直接的に未払い賃金を発生させる行為であり、最も悪質性が高いと判断され、刑事罰や金銭的損失に直結します。


    ケース②:36協定の上限超過を逃れるための改ざん

    働き方改革で厳格化された時間外労働の上限規制(原則月45時間、年360時間など)を逃れるための勤怠改ざんです。

    • 「自己研鑽」名目での労働時間隠蔽:上限を超えそうな従業員に対し、「自己研鑽だから」「学習時間だから」と指示し、業務時間として記録させない手口です。しかし、会社の指示や業務上必要性が認められる学習時間は労働時間とみなされます。
    • 変形労働時間制の悪用:本来は労働時間調整のために導入される制度を、残業隠しに利用するケースです。制度を正しく理解せず、安易に導入・運用している企業で見られます。
    • 出向・転籍を装う:一部の悪質なケースでは、特定の従業員の労働時間上限を回避するため、関連会社への出向や転籍を装い、実態は同じ場所で働き続けさせるという偽装が行われることもあります。

    これらの行為は、表面上は上限規制を遵守しているように見せかけようとしますが、実態が伴わないため、労働基準監督署の監査で発覚するリスクが非常に高いです。


    ケース③:管理職が評価を気にして行う改ざん

    残業時間の多寡が管理職の評価や部門のコスト管理目標に直結する企業で頻繁に見られるケースです。

    • 部下への過少申告指示:管理職が自身の評価を守るため、部下に残業時間の過少申告を直接指示したり、「この部署は残業が多いと評価が下がるから、適当に調整しておいて」「この分の作業はサービスでお願い」といった圧力をかけたりします。
    • 黙認・見て見ぬふり:部下が自主的にサービス残業を行っていることを知りながら、それを黙認し、修正を指示しないことも、企業側の責任が問われる行為です。管理職が部下の労働実態を把握する責任を怠っているとみなされます。
    • 非管理職の労働時間管理:管理職ではない役職(主任、リーダーなど)に対し、実態は管理監督者に該当しないにもかかわらず、名ばかり管理職として残業代の支払いを回避するケースも、広義の勤怠改ざんとして問題視されます。

    部下は上司からの圧力や人間関係、自身の評価を気にして、不本意ながら従ってしまうことが少なくありません。これにより、社内全体のコンプライアンス意識が低下し、不正が常態化する危険性があります。


    従業員側が行う改ざんの事例

    従業員側の改ざんは、主に金銭の不正受給や勤怠不良の隠蔽が動機となります。個人の利得や自己保身が引き金となることが多いです。


    ケース①:残業代の不正請求(カラ残業など)

    これは、実態以上に労働したように装い、不当に賃金を得ようとする行為です。

    • 「カラ残業」:業務が終了しているにもかかわらず、長時間職場に残り、退勤時刻を遅く打刻して残業代を不正請求する代表的な手口です。PCの電源をつけたまま放置したり、個人的なウェブサイト閲覧やゲームを行ったりしながら、業務時間と偽るケースも含まれます。
    • 「なりすまし打刻」:遅刻や早退を隠す目的でも見られますが、主に残業代を不正に多く請求するために、同僚に依頼して代理で打刻してもらう行為です。ICカードを預けたり、勤怠システムのパスワードを共有したりする手口が用いられます。
    • 移動時間の不正計上:業務とは関係ない移動時間や、本来休憩時間であるはずの移動時間を、業務時間として計上するケースです。

    これらの行為は、企業に不必要な人件費負担をかけるだけでなく、他の従業員との不公平感を招き、職場全体のモラルを低下させます。


    ケース②:遅刻・早退・欠勤の隠蔽

    自身の勤怠不良を隠し、評価の低下や減給、あるいは懲戒処分などを免れようとする行為です。

    • 代理打刻:遅刻したにも関わらず、同僚に依頼して始業時刻前に代理で打刻してもらうのが典型例です。同様に、早退時にも代理打刻を行うことがあります。
    • 手書き出勤簿の虚偽記入:手書きの出勤簿を使用している場合、遅刻や早退を事実と異なる時刻で記入する行為です。管理者のチェックが甘い場合に発生しやすいです。
    • 無断欠勤の隠蔽:欠勤した事実を隠すため、他の従業員に連絡を頼んだり、病欠と偽って虚偽の診断書を提出したりするケースも含まれます。

    これらの行為は、企業全体の勤怠管理の信頼性を損ねるだけでなく、他の真面目に勤務している従業員からの不満を引き起こし、人間関係の悪化にもつながります。


    ケース③:休憩時間の過少申告

    労働者が休憩時間を取得しているにも関わらず、それを記録せず、結果として労働時間を長く見せかけようとするケースです。

    • 休憩中の業務継続::休憩時間中にもかかわらず、業務を継続し、その時間を労働時間として記録する、あるいは休憩記録自体をしないことで、業務時間を長く見せかけます。
    • 業務量によるプレッシャー::特に成果主義が強く、労働時間と評価が直結しやすい職場で発生することがあります。休憩時間を取ることで業務が進まないというプレッシャーから、休憩を隠してしまうこともありますが、これも厳密には勤怠改ざんに該当し、労働基準法違反のリスクがあります。
    • 「短い休憩」を隠す::実際には1時間休憩を取るべきところを30分しか取っていない場合、従業員がその30分を労働時間として計上しようとするケースです。これは未払い賃金につながる可能性もありますが、正確な記録を怠るという点で問題となります。

    休憩時間の過少申告は、従業員の健康を害するリスクがあるだけでなく、企業の労働時間管理の信頼性を損なう要因ともなります。


    勤怠改ざんが発覚する主なきっかけ

    勤怠改ざんが発覚する様々なきっかけを示すイメージ

    「勤怠改ざんは隠し通せる」という考えは幻想です。様々なきっかけで必ず明るみに出るため、企業は常にそのリスクを認識しておく必要があります。


    労働基準監督署の臨検(立入調査)

    労働基準監督署による立入調査(臨検)は、勤怠改ざんが発覚する公的なきっかけとして最も一般的です。監督官は企業の勤怠記録だけでなく、PCログなどの客観的なデータも詳細に照合し、不正を見抜きます。特に従業員からの申告(内部告発など)があった場合の調査では、不正が厳しく追及されるため、見逃されることはありません。

    従業員(退職者含む)からの内部告発

    最も多いのは、現職の従業員や元従業員からの内部告発です。不正への不満、未払い賃金への不満、あるいは正義感から、行政機関(労働基準監督署など)や外部の専門家(弁護士など)に情報が寄せられるケースが頻繁に発生します。特に退職後など、社内の制約がない状況で告発されることが多く、企業としては事前に不正の芽を摘むことが重要です。


    PCログオン・ログオフ履歴との乖離

    従業員のPCの利用履歴(ログオン・ログオフ時間、アプリケーションの使用時間など)は、勤怠改ざんを暴く最も強力な客観的証拠の一つです。タイムカードや勤怠システムの記録とPCログに大きな乖離があれば、サービス残業や不正打刻の有力な証拠とみなされます。労働審判や裁判においても、PCログは労働時間を証明する重要な証拠として扱われることが多く、企業はPCログの適切な管理が不可欠です。

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    その他客観的記録からの発覚

    PCログ以外にも、様々な客観的記録が勤怠改ざんの証拠となります。これらは操作が難しく、勤怠記録との照合によって矛盾が明らかになります。

    • 入退館記録:オフィスのセキュリティシステムによる入退館履歴。
    • 業務用メール・チャットログ:送受信履歴や最終アクティブ時間。
    • 防犯カメラ映像:オフィスへの出入りや勤務状況を記録した映像。

    勤怠改ざんを防ぐ本質的な対策とは?企業と労働者、双方の取り組み

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    勤怠改ざんを未然に防ぎ、健全な職場環境を構築するためには、企業と労働者、双方がそれぞれの立場で対策を講じることが不可欠です。曖昧なルールや管理体制は不正の温床となるため、本質的な対策が求められます。


    企業側の対策:仕組みと文化の構築

    企業は、従業員が不正を行えない、また行う必要のない「仕組み」と「文化」を構築する責任があります。これにより、コンプライアンス遵守と生産性向上の両立を目指します。


    対策1:経営層によるコンプライアンス遵守の明確な意思表示

    経営トップが「いかなる理由でも勤怠改ざんを許さない」と繰り返し、明確に社内外へ発信することが、全ての対策の基礎となります。この強い意思表示がなければ、現場の対策は形骸化し、単なるお題目となってしまいます。全従業員に対して、経営層のコミットメントを明確に伝えることで、勤怠管理の重要性を認識させ、不正に対する意識を高めることができます。定期的なメッセージ発信や、社内研修での言及などが効果的です。


    対策2:勤怠管理ルールの再整備と周知徹底

    労働時間の定義や残業申請フローを誰が読んでも誤解のないように具体化し、就業規則に明記した上で、研修などを通じて全社に徹底します。「知らなかった」「勘違いしていた」という言い訳をなくすためにも、書面だけでなく、集合研修やeラーニングなどを活用し、理解度を確認しながら繰り返し周知することが重要です。特に、みなし労働時間制やフレックスタイム制など、特殊な労働時間制度を導入している場合は、その運用ルールをより詳細に明確化する必要があります。


    対策3:客観的な労働時間管理体制の構築とシステム導入

    自己申告制を廃止し、ICカードやPCログと連動した勤怠管理システムを導入することが、不正防止の最も強力な手段です。これにより、個人の意思が介在しにくい客観的な記録が可能になり、サービス残業やカラ残業の兆候を早期発見できます。

    • タイムレコーダーの導入:ICカード、指紋認証、顔認証などの生体認証システムを活用することで、なりすまし打刻を防止できます。
    • 勤怠管理システムの導入:クラウド型の勤怠管理システムは、リアルタイムでの勤怠状況把握、残業時間のアラート機能、各種労働法規への対応などが可能です。システムとPCログを連携させることで、より正確な労働時間管理が実現します。
    • PCログ監視システムの導入:従業員のPC操作履歴(ログオン・ログオフ時間、アプリケーションの使用状況、キーボード・マウス操作など)を自動的に収集・分析するシステムです。これにより、勤怠記録と実際の労働実態との乖離を客観的に把握し、サービス残業やカラ残業の兆候を早期に発見できます。労働時間とPCログの乖離が一定時間以上発生した場合にアラートを出す機能なども活用すると良いでしょう。

    対策4:内部通報・相談窓口の設置と運用

    通報者が不利益を被らないことを保証した、独立性の高い相談窓口(社内のコンプライアンス部門、社外の弁護士事務所、専門機関など)を設置し、自浄作用が働く組織を目指します。相談窓口の存在を定期的に周知し、実際に相談しやすい環境を整えることが重要です。匿名での相談を受け付けたり、通報者のプライバシー保護を徹底したりするなど、従業員が安心して声を上げられるような配慮が不可欠です。また、相談があった場合には速やかに調査し、適切な対応を取ることで、従業員の信頼を獲得し、窓口の有効性を高めることができます。


    対策5:適正な人員配置と業務量調整

    勤怠改ざんの根本的な原因として、過剰な業務量や人手不足が誘発することがあります。従業員が残業をせざるを得ない状況や、残業時間を正確に申告すると業務が終わらないというプレッシャーを感じている場合、改ざんへの動機が生まれてしまいます。経営層や管理職は、常に業務量と人員配置のバランスを見直し、適切な人員配置を行うことで、無理な働き方を強いる状況を解消する必要があります。


    対策6:ハラスメント防止策の徹底

    パワーハラスメントなどにより、上司が部下に不当な残業指示や勤怠改ざんを強要するケースも存在します。ハラスメント防止のための研修を定期的に実施し、ハラスメント行為を厳しく取り締まる体制を確立することも、勤怠改ざんの根本的な対策となります。ハラスメントのない健全な職場環境は、正確な勤怠報告を促す上で不可欠です。


    労働者側の対策:自身の権利と身を守る行動

    労働者は、不正に加担せず、自身の権利を守るための知識と意識を持つことが重要です。安易に会社の指示に従うことは、長期的に自分自身の不利益につながる可能性があります。


    対策1:自身の労働時間を正確に記録・申告する

    日々の業務開始・終了時刻、休憩時間を正確に記録・申告する習慣が基本です。不正な指示を受けても、まずは事実を正確に記録することが重要です。タイムカードや勤怠管理システムへの正確な打刻を徹底し、もし手書きの出勤簿を使用している場合でも、常に事実に基づいた時間を記入しましょう。これが自身の労働の正当性を主張する第一歩となります。


    対策2:不正な指示をされた場合の相談先把握

    一人で抱え込まず、社内の相談窓口や労働組合、外部の労働基準監督署や弁護士といった相談先を事前に把握しておくことが、いざという時の助けになります。企業に内部通報制度がある場合は、その利用方法を理解しておくことも重要です。相談先の選択肢を知っておくことで、精神的な負担を軽減し、適切な行動をとることができます。


    対策3:勤務実態の証拠保全意識を持つ

    PCログ、業務メール、業務日報、出退勤に関するチャット履歴など、自身の勤務実態を示す客観的な証拠を保全しておく意識が、後の交渉や手続きで自身の主張を裏付ける力となります。可能であれば、タイムカードや勤怠管理システムに表示される自身の打刻記録を写真に撮っておく、スクリーンショットを保存しておくといった行動も有効です。これは、あくまで自己防衛のための手段であり、日常的に行う必要はありませんが、不審な指示があった場合や、勤怠に疑問を感じた場合には、証拠を保全する意識を持つことが重要です。


    対策4:労働基準法の基本知識を身につける

    自身の労働時間や賃金に関する権利を理解しておくことは、不正な指示に気づき、声を上げるための第一歩です。労働基準監督署のウェブサイトなどで基本知識を学びましょう。これにより、自身が不当な扱いを受けていないかを判断し、適切な行動を選択できるようになります。


    PCログを活用した勤怠管理で企業・従業員双方を守ろう

    勤怠改ざんは刑事罰にもなりうる違法行為であり、企業に甚大なリスクをもたらします。この問題解決の鍵は、個人の申告ではなく「客観的な事実」に基づく管理体制の構築にあります。

    中でもPCログデータは、改ざんが極めて困難な客観的証拠であり、不正を防ぐ最も有効な手段です。PCログの活用は、企業を労務リスクから守り、同時に従業員をサービス残業や不当な賃金カットから守ります。

    勤怠管理は、コンプライアンス、リスク管理、従業員エンゲージメントを左右する重要な経営課題です。PCログデータを含む客観的な勤怠管理システムの導入は、企業と従業員双方を守るための強力な投資となります。

    労務リスクを未然に防ぎ、健全な企業運営を実現するためにも、ぜひPCログを活用した仕組み作りをご検討ください。


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    ※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の法的な助言を行うものではありません。具体的な状況については、専門家にご相談ください。

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