導入前の課題
紙ベースの請求書の処理に苦慮。業務量も膨大に
光洋マテリカ様は、名古屋市昭和区に本社オフィスを構えるマテリアル加工流通会社です。その財務経理部では、以前より請求書の処理に苦慮していました。請求書はすべて紙ベースで届き、紙の請求書を見ながら、1件ずつ会計システムに仕訳を入力。終わったらファイリングをするなど、多くの業務が付随していたのです。
2020年に入社した財務経理部の稲毛様は、入社当初から月に400件もの請求書に対応していたと言いますが、その時のことを次のように振り返ります。
「各営業所に届いたものを部内で確認してもらって、そこから本社へ郵送という流れになっていましたので、締めのギリギリまで請求書が届かないということがありました。だから、いつも急いで対応していましたね」
当時、請求書は稲毛様が一人で担当していたため、業務が集中し膨大な残業時間が発生していたようです。
また、毎月20日に締められたものがまとめて届くため、繁閑の波もあったのです。
「自分のペースでできる仕事ではないので、夜も遅くなって帰宅するのは22時を過ぎることもありました。『月末月初は仕方がない』」と思ってやるしかなくて……」と稲毛様。
続けて「私が休んだら迷惑を掛けてしまいますし」とプレッシャーがあったことを語る一方で、「でも、私、ずっとこれを続けなきゃいけないのかな」という気持ちも沸いていたと打ち明けました。
そんな状況について財務経理部全体を統括する部長の川村様は、対応を考えていたのです。
「私自身もずっと同じことに難しさを感じた経験があり、気持ちはよく理解できました。ジョブローテーションをするとか、新しいことにトライする環境を作りたかったこともありましたし、業務の“継続性”という点も考えていました」
対応として派遣社員を入れようかとも考えていた川村様ですが、“継続的に業務の品質を担保する”という面を考えると導入には踏み切れなかったようで、当時の思いを口にしました。
「派遣社員だと、会計の知識はあっても当社のやり方に慣れるまでは時間が掛かると思いますし、人の入れ替わりで品質が下がることは避けたかったです」 そのような状況が2020年のコロナ禍を機に、大きく変わることになったのです。
取り組み内容
電子化を機にBPOへ舵を切り、段階的に業務委託をスタート
「コロナ禍になり、在宅勤務を進めないといけなくなりました。また、同時に2024年から電子帳簿保存法が開始されることになりました。これらに対応するため、電子化の検討をはじめました」と川村様は振り返ります。
電子化を模索するなかで、あるクラウド型の請求書受領システムを使うことになった光洋マテリカ様。それにより、請求書が届くタイムラグもなくなり、請求書のファイリングも最小限にすることができるようになったようです。
稲毛様は、「時間に余裕が出てきたところで、業務委託の検討もはじめました」と口を開くと、続けて川村様が詳しい状況をご説明くださいました。「『経理 業務委託』などのキーワードで検索して、情報収集をしていきました。いくつか見たなかで、『一度詳しく確認してみたいな』と思えたのがパーソルビジネスプロセスデザインでした」
そうして問い合わせをし、打ち合わせを行ったところ「電帳法を満たす点だけでなく、業務の質を落とさずに恒久的に続けられそうな点や、在宅勤務者でも問題なく連携できそうな点から『良いな』と思いましたね」と川村様。
ただし、お互いのコミュニケーションや任せることのできる業務範囲を見極めるため、「まずは30件くらいから」と慎重にスタートする形で業務委託がはじまりました。
川村様はその状況について次のように説明します。
「各拠点の一部に限定して利用していた請求書のAI-OCR読み込み機能に対応する書類からはじめました。双方の業務範囲が明確にできること、当社の特性を理解できる範囲で徐々に増やしていこうと」
また、パーソルビジネスプロセスデザインが対応をはじめたことに関して稲毛様は「安心してお任せできるな、と思いました。当初は単純なものだけでしたけど、少し複雑なケースをマニュアルと一緒に依頼すると的確に対応いただけたので、『これならば』と思って徐々に増やしていきました」と語ります。
物流費などには英語の請求書も含まれていましたが、パーソルビジネスプロセスデザインは科目を先に調べたうえで光洋マテリカ様に確認いただく形にしていました。そうして正しい方法が確定したらマニュアル化し、次からは何も言われずとも対応できるようになっていったのです。
稲毛様は「自分が先輩に教えてもらった時よりも、スムーズに習得されていましたね」と笑顔で口にされました。
導入の効果
残業は半分以下へ。負担も軽くなり他の業務に着手できるように
パーソルビジネスプロセスデザインに任せた当初は業務の移管ということもあり、ある程度の“慣れる時間”が必要ではあったものの、慣れてしまうとかなり楽になったようで、稲毛様は次のように声を弾ませます。
「もう今は細かいところを一切見ずに、ポンと投げればすべて的確に対応いただけるので、業務時間もかなり圧縮されました」
過去に膨大になっていた“残業時間”について、川村様は次のように説明くださいました。「単純に計算すると、担当者そのものの残業時間は半分にまで減少しています。しかも、現在は他の業務をやりながらの残業時間なので、実質は半分以下だと思います」
実際、パーソルビジネスプロセスデザインが光洋マテリカ様の業務に費やしている時間は現在のところ月80時間ほどになっており、かなりの負担軽減につながっていることが分かります。半年前に入社し財務経理部に配属された安藤様もその辺りを実感しているようで、気持ちを吐露してくださいました。
「私が入社した時に以前の状況のままでしたら、1から10まで教わらないといけなかったと思います。でも今は、パーソルビジネスプロセスデザインが1から7まで担当してくれて、私が残りの3だけ確認する程度の手間なので、とても助かっています」
また、川村様が「新しいことにトライする環境を作りたかった」と語っていたように、入社したばかりの安藤様も「経費はお願いできている分、多様な業務にも着手できるようになっています」と笑顔を見せてくださいました。
さらに、パーソルビジネスプロセスデザインの対応について稲毛様は「インボイス制度開始の時に『インボイスもチェックしましょうか?』とご提案をいただいたり、法制度の対応にアンテナを張って対応してくださったり、本当にありがたいです。逆に『そこまでお願いしていいの?』と心配になるくらいで」と笑います。
続けて川村様も、「機械的に対応するというより、人と人とのコミュニケーションで質の高い対応をしてくださっているな、というのを強く感じています」と絶賛してくださいました。
今回の業務委託で『アウトソーシングのメリット』を感じていただいたようで、「また定型的な業務は必ず出てきますので、随時ご依頼を検討したい」「引き続きよろしくお願いします」と口々に今後への期待を語ってくださいました。
お客様プロフィール
光洋マテリカ株式会社
光洋マテリカ様は、非鉄金属素材や樹脂等の加工品を取り扱うマテリアル加工流通業の企業です。1995年に設立され、金属加工の専門家として長年の経験と技術を有しています。「メーカー機能を持つマテリアル専門商社」としては全国トップクラスの企業であり、自動車部品と電子部品の両業界に加えて、省エネにつながる制御や給水湯設備などの分野にも展開。マテリアル加工流通を通して幅広く社会貢献に努めていらっしゃいます。
会社名 | 光洋マテリカ株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 愛知県名古屋市昭和区滝川町47-24 |
設立 | 1955年(昭和30年)8月25日 |
代表者 | 代表取締役社長 立松 武 |
従業員数 | 164名(2024年2月時点) |
担当者コメント
2022年7月より業務委託いただいて以降も、さまざまな法改定が走りましたが、「どのような運用が最適か」「光洋マテリカ様のご負担を減らせる方法はないか」ということを考え改善・効率化のご提案をおこなって参りました。結果、「いつも高品質な対応をありがとうございます」「負担が軽減されて助かっています」などのありがたいお言葉をいただくことができ、大変うれしく思います。
今後も日々変わりゆく経理業務の変化にも迅速に対応できるよう、いち早く情報を取り入れ、ご期待に応えられるよう尽力いたします。